「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

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変なホテル日々雑記

20181216

東京のホテル、明らかに予約が取りづらくなっているように感じます。特に週末がからむと、日頃出張で泊っているホテルが全滅ということも珍しくありません。まだまだ景気がいいってことですかね。


先月妻と東京で一泊した際、車で行くので駐車場のあるホテルを探しますが、案の定、都心の宿にはなかなか空室がない。(3万も4万も出せば、いくらでもあるのでしょうが)


それでも予約サイトを次々に見ていくと、あったあった、「変なホテル」。うん、HISがハウステンボスで始めたという、アンドロイドが接客してくれるというホテルですな。東京にもいくつも作ってるんだ。いいよ、話の種に泊ってみよう。場所は…大鳥居ですって。大鳥居?それってどこよ?


大鳥居とは、京急蒲田から羽田空港線で2駅というところ。いやあ遠いなあ。妻を都心に残して、私一人で車を乗りつけチェックイン(晩飯には電車で合流するのです)。


フロントには…いたいた、女性型のアンドロイドを挟んで2頭の恐竜が。向かって右の首長竜氏に接客?してもらいました。首を大きく振りながら凄く低い声で「いらっしゃいませ~」。実際はカウンターにタッチパネルがあり、その指示に従って客が自分で手続きをします。そう難しいことではありません。困ったときはカウンター隅の電話で人間のスタッフと話します。恐竜の首を動かすのは、実は人力でやっているという噂も聞きましたが、さて真相はいかに。


その他にはそんなに変なことはなく、ロビーには飲食可能なテーブルとベンチ、フリードリンクの機械が置かれています。ただしセットされた飲み物は「抹茶キャラメル」だの「紅茶コーヒー」だの、変なドリンクばかり。貼り紙にも「変なドリンク、無料です」みたいなことが書いてありました。自分でいいますか。


部屋にはテレビがなく、大型プロジェクターで壁面をスクリーン代りに画像を映すようになっています。操作用のリモコンがちょっと使いにくかったですが、これはなかなか面白いと思いました。TV装置の費用やNHK受信料の節約になっているんでしょうか。


羽田空港に近いということで、家族連れや外国人客が目につきました。住宅街の真ん中、近所の人は「変なホテル」という看板を見て、何ができるのかと驚いたでしょうなあ。大鳥居という立地、よほどのことがなければ私は泊まることはないでしょうが、ホテル自体は普通のビジネスホテルです。

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恐怖の十連休しごと

20181210

前々から話題になっていた来年のゴールデンウィーク。5月1日に新天皇が即位し、元号は平成から新しいものに変わります。国会で承認されいよいよ正式決定となりました。


5月1日は、この年に限り国民の祝日とされ、休日になります(10/22も)。時の天皇の崩御によることなく新天皇即位を迎える、過去に例のない日となります。これはめでたい日、国民こぞってお祝いするのにふさわしい日となりましょう。


問題はその前後にあります。国民の祝日に関する法律(通称、祝日法)第3条に「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。」とあります。つまり祝日と祝日に挟まれた日は、休日となります。来年5/1が祝日になりますと、4/29(昭和の日)5/3(憲法記念日)とに挟まれた4/30、5/2も同時に休日となります。そうすると、4/28から5/6の月曜振替休日まで、9日連続で旗日。土曜休日ならば史上稀なる十連休が出現します。このあたりは皆さんご存知のことでしょう。


休める人にとっては嬉しい大型連休です。当社は人々がレジャーを楽しむ時期にはお得意様へのフォロー(商品配送)を欠かせませんから、一緒になってフルに休むわけにはいきません。それは仕事の性質上、そういうものだと思っています。


問題は、連休の間、当社への荷物が入ってこないことが予想されるのです。GWを迎える時期は普通の年であっても、倉庫も冷凍庫も山ほどの在庫で溢れかえります。それでも連休の中日には荷物が入ってきて、在庫の補充や急なご注文への対処ができました。それが今度は、いったいどうなるのでしょうか?常温保管品はまだ倉庫に積み上げることもできますが、冷凍冷蔵保管のスペースには限界があるのです。


連休を作れば人々が喜ぶだろうと、ロジスティクスのことなどまったく考慮しない政府には本当に困ります。イレギュラーな祝日を設けるのですから、イレギュラーに祝日法を適用外にし、前後を休まなくたっていいではありませんか。連休を取りたい人は、自分で連休を取ればいいのです。


社会に与える影響が(今頃になって)挙げられ始めました。月末を挟んだ金融決済、医療、待ったなしの事例が山積です。国民の生活を支える食料品を運ぶ業者さんが十日間も物流をストップさせるというのは、どうなのですかね。恐怖の十連休まで、頭を痛めることになりそうです。

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高輪ゲートウェイ日々雑記

20181204



あー、やっちゃったな。これは、あかんやつや。「ゲートウェイ」って何ですか。どっから来たのですか?


JR東日本の説明。
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この地域は、古来より街道が通じ江戸の玄関口として賑わいをみせた地であり、明治時代には地域をつなぐ鉄道が開通した由緒あるエリアという歴史的背景を持っています。 新しい街は、世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指しており、新駅はこの地域の歴史を受け継ぎ、今後も交流拠点としての機能を担うことになります。新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。
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鉄道の駅名は経営する会社が決めるものではあれど、それは地名となり、そこに住む人、勤める人、学ぶ人、すべての人々の生活と密着していくのですからね。公共性公益性をじゅうぶん考慮して決めるべきものでしょう。企業のキャッチフレーズを駅名にしていいというものではありません。


「高輪」は由緒ある地名です。一般公募で高輪を推した人が最多数だったのは理由のあることです。ま、多数決で決めるものでもないとは思いますけど。


山手線では49年ぶりの新駅になりますが、東京~横浜~三浦(三崎口)をつなぐ私鉄の京浜急行ではいくつかの駅名を変更しようと、沿線の小中学生から新しい駅名を募集しています。私もかつて通勤に使っていた路線で、愛着というほどでもありませんがいささか馴染みがあります。


子供たちがまっさらの発想でキラキラネームを提案することは(キラキラと決めつけてはいけませんな)楽しく罪のないことだと思いますが、さて実際に採用するとなるとどうでしょう。


東急東横線の「学芸大学」「都立大学」のように、駅名の基になった施設がすでに無くなっても、地名として地元に定着した故にそのままの駅名で現在も通している例もあり、やはり駅名というのは数十年百年単位での使用に耐えうるものでなくてはならないと思います。


私はこうしたことには、こだわりたいですね。古い奴かとお思いでしょうが。


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横断歩道日々雑記

20181203



クルマを運転していて、横断歩道を渡ろうとする歩行者を見つけたとき、あなたは停止しますか?先日出勤途中にすぐ前を走っていたクルマが、横断歩道で停まって歩行者を渡してあげていたのです。。


交通法規では、横断歩道で渡ろうとする歩行者がいればクルマは停止しなくてはなりません。すべてのドライバーはこのことを承知しているはずですが、実際の行動でこの法規を遵守している人はどれだけいることでしょう。

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(朝日新聞)信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとした際に一時停止する車の割合を、日本自動車連盟(JAF)が調べたところ、長野は58・6%で3年連続の全国トップだった。運転マナーの悪さを揶揄(やゆ)されることもある信州のドライバーだが、全国平均を大幅に上回り、「日本一の思いやり運転」を示す結果となった。
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長野県では6割近い人が、歩行者を優先して横断歩道で停まってくれるんですって。ふーん…。運転マナーが他の地域に比べて特段悪いと思ったことはありませんが、私の実感では、歩行者を配慮してくれるドライバーがそんなにいらっしゃるとは、とても思えませんね。


当社のすぐ横に横断歩道があり、通りを横断して向こう側へ渡ることがしばしばありますが、停まってくれるクルマは7、8台に1台くらいです。数えたわけではありませんけど。6割って半分以上のクルマが停まってくれるってことでしょう。相当、違和感があります。


上記の調査はJAFによるものですが、各都道府県で2か所を選び調査した結果だそうな。長野県ではどこで調べたのだろう。これはサンプル数として、いかにも少ないですね。都道府県を代表できるほどの数字的根拠、あるのでしょうか。


調査によれば全国平均はわずか8.6%。最下位の栃木県は0.9%だそうですから、100台に1台も停まってくれないわけです。これはいくら何でもひどい。横断歩道の意味がありません。


文頭に挙げた歩行者を渡してあげたクルマは、実は出勤途中の当社社員、H君でした。いい場面を見たので、会社に着いてからの朝礼で、今朝こんなことがあったと社員に披露しました。果して私自身は、どれだけ横断歩道で停まっているでしょうか。まあそれなりには気を付けているつもりですが、歩行者にもちゃんと気を配れるような余裕を持った運転をしなきゃとは思いますがね…。

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台湾飲食いろいろ食べもの

20181129

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1、台湾では先週統一地方選が行われ、与党民進党が大敗し蔡英文総統が党首を辞任することになりました。私たちが行ったのは選挙戦真っただ中。街のあちこち、大小の候補者ポスターであふれかえっていました。


候補者にはわかりやすく番号がつけられているようです。大きいものは広告看板みたい。女性候補者(それもなかなかの美人ぞろい)がとても多く、半分以上女性という印象を受けます。ちょっと驚きますが、逆に考えれば我が国での女性議員や首長がそれだけ少ないってことですね。


2、台北の「入りにくい居酒屋」のあと、ちょいと雨の夜市をひやかしに。台湾のかき氷は有名ですね。氷自体がミルクや果肉を凍らせたものを削ってできていて、濃厚です。この苺ミルクは150元だったかな。みんなで突っついて食べました。なかなか美味しかった。


3、花博前夜祭でのメニューと飲み物。黄色っぽい飲み物はビールではなく、少し粒々感のあるパイナップルジュースです。何だかサツマイモみたいな味で、すぐにはそれとわかりませんでした。ワインは地元、台中産の「萄醉」というもので、味は、うーん…。最初から最後まで飲み物はこの2種類だけ、ビールも白ワインも紹興酒も出ず、正直ビールが恋しいと思いました。


4、そこで出された「新鮮な海魚の蒸し」。遊龍斑とはハタの仲間なのでしょう。いわゆる清蒸というやつですが、大変おいしかった。皮と身の間のゼラチン質のところが特に良い食感でしたし、醤油味のタレもグッド。


5、これもその夜の料理で「フィッシュリップキノコ」なる日本語訳がついていましたが、魚の唇、椎茸、青菜の炒め煮です。魚の唇は初めて食べましたが、たぶん乾燥したのを戻したのだと思います。プリプリのコラーゲン感で味わい深いものでした。私、この手のもの、好きなんです。


6、台北駅の駅弁の売店。食べてはいませんが、とてもおいしそうだったので写真だけ。台湾の駅弁は「便當」と書き、市民に親しまれ食べられています。100~120元と日本の駅弁よりずっと安く、主菜は(写真の通りだとすれば)大ぶりの肉がドカンドカンと入っていて、食べ応えがありそうです。


現地滞在中はやはり外食にトライしたいのでなかなか食べる機会がありませんが、買い求めて帰りの飛行機に持ち込む、なんてのもいいかもしれませんね。


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台中第二市場で朝ご飯食べもの

20181127

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日本で売られている台湾のガイドブックは、どれも内容のほとんどは台北情報で、台中のことなどいくらも書かれていません。地図さえロクに載っておらず、台中メインの旅にはまるで使えない。


それでもネットで探してみると、僅かではありますが役に立ちそうなサイトも見つかります。せっかく朝食を外で食べる文化の土地に来ているのです。ホテル以外のどこかと探したのが「台中第二市場」というところ。日本の統治時代1917年に「新富町市場」として建造され、100年の歴史を持つ由緒ある(オンボロの)市場ということです。ホテルからタクシーを飛ばして行ってみました。


まず入り口にある「山河魯肉飯」というお店に入りました(写真1~4)。魯肉飯(ルーローファン)は豚バラの細切れを柔らかく甘辛く煮てご飯にかけたもので、日本でもお馴染みの台湾メシです。


しかしこの店は、肉をドーンと塊のままのっけてくれます。どうですこの迫力。台湾独特の八角の香りをいやがる日本人もいるようですが、この味付けは日本人でも食べやすいと思います。この丼で55元(1元≒4円)とお値打ちです。メニューにあるように、スープや菜っ葉の炒め物などがそれぞれ20元。3人で1000円ちょっとの朝メシでした。


日曜の朝のこと、閉まっている店も多かったですが、探検しているともう一軒の繁盛店を見つけました。「王記菜頭果糯米腸」というお店で、行列ができています。ここは菜頭果(大根餅)+糯米腸(もち米の腸詰)+蛋(目玉焼き)のセット60元というのが人気メニューで、鉄板の上で女性が休む間もなく焼いています。私は大根餅大好きですから、これは食べるしかありません(写真5、6)。


3人で一皿を注文し少しずついただきました。ガイドブックによれば、台湾の日常食の店では必ずしも人数分の注文をする必要はなく、分けて食べるのは全然OKだそうですよ。


甘い醤油だれと辛い味噌だれが塗られたこのお皿は、ちょっと油っこく半熟目玉焼きがよくマッチして、大変おいしかった。もち米の腸詰は日本で見かけたことはありませんが、そのものずばりの味です。大根餅もナイス。


このほか烏骨鶏専門の鳥屋さんとか、日本風の巻きずしをパックに詰めて並べている店とか、すごい高級な果物屋さんとか、いろいろありました。台中訪問の際はぜひ寄りたいスポットです。

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入りにくい居酒屋、その後お店紹介

20181125

昨年台湾初訪問の折、NHK「世界入りにくい居酒屋」で紹介された「阿才的店」という料理屋に苦労の末たどり着き、大変楽しんだ記事を書きました(17.1.22-30)。今回、台北での夕食は各自でとのことでしたので、当然再訪するつもりでした。


しかし前回無理やり同行させた方々は、満腹状態で訪れてほとんど何も食えなかった上、オンボロで雑然として汚い店内が(ひどいこと言う)よっぽど悪印象だったようで、お誘いしても何だかとってもイヤそうです。


しょうがない、独りでも行くかと思って検索していたら、この店、大改装して全然別の店みたいになっているではありませんか。店のfacebookまで開設されている。近距離ながら場所も引越しているようです。


これなら皆様をお連れしてもそう失礼にはあたるまい…そう考えて初めての人前回行った人、5人で直前に予約をして出かけてみました。何じゃこりゃ、いまどきのカフェじゃないの。2年前の雑然さはどこへやら、奥では女子大生風の娘たちが宴会やってるし。


でも料理は以前の通り。一緒に行った中国駐在歴7年のY君が菜単(メニュー)を見て「こんな面白いものが食べられるとは!」と目を輝かせました。写真右は各種肉とモツの冷菜盛り合わせ、左は前にも食べた牡蠣と油条の野菜炒め。


台湾ビールがぐいぐい進んでしまいます。店の冷蔵庫から勝手に出すのは以前の通り。何とワインまでありますぞ。写真は前にも飲んだ台湾産の清酒「玉泉」で、れっきとした日本酒の味です。翌日行ったスーパーでは、1本(4合)800円くらいで売ってました。


料理を腹いっぱい食べ、ビール1ダース近く、あと玉泉1本、「金門酒」1本を飲んで、一人三千円台と大満足の晩餐になりました。名物マダムのヤンさんも相変わらず。前に一緒に撮った写真を見せたら驚いていました。店が大きくなった分、働く人も増えて、表に出る度合いは前より少ないようです。


正直言うと旧店舗の方が雰囲気は味わい深かったと思います。新しい店はすっかり「入りやすい居酒屋」になってしまいました。かつて台湾国民党の幹部たちが集い天下国家を語り合った、歴史的スポットの面影が失われたことは残念ですが、これも店の繁盛の証ということでしょうね。

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カルロス・ゴーン逮捕日々雑記

20181121

Carlos Ghosn has gone.


カルロスってcarをlossする意味もあったりして。いや今年一番驚いたニュースです。


経営危機の日産自動車をV字回復させた剛腕はすごいと思いましたが、彼のやった厳しいコストカットは既存のシステムをぶち壊し、その影響はすさまじかった。多くの社員の首を切り、関係する業者に多大な迷惑をかけ、自分は途方もない巨額の報酬を受け取る姿に首を傾げる人も多かったと思います。


最近はその神通力にも陰りが出てきたらしく業績にもブレーキがかかり、また検査結果を改竄するなど不祥事が相次いでいたにもかかわらず、矢面に立って責任を果たすどころかどこ吹く風とバカンスを楽しんでいたとの報道もありました。


これだけの待遇を享受しながら、さらに裏金を会社からむしり取っていたのですから、人の欲には際限がないということですかね。日産も、こんなトップをこれ以上放っておけないと考えたのでしょう。ルノーとの関係だとか、いろいろ取り沙汰されていますし。


有価証券報告書の虚偽記載で逮捕されるのは非常に珍しいケース、本命は脱税容疑…なのでしょうか。取り調べの中でどんな会話がされているのか、興味深いですね。もちろん素直に認めるタマじゃないはず。


写真はtwitterに流れてきたもの。左は「星の王子さま」作者のサン=テグジュペリ、右は皆さんご存知のMr.ビーンことローワン・アトキンソンです。


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銅鑼いろいろ音楽ばなし

20181119

楽器シリーズ。銅鑼のこと、もう少し書いてみましょう。


アジアを中心に、様々な種類の銅鑼があります。タイなど東南アジアの民族音楽に見られるGong(ゴング)というやつは、中心に「おへそ」のような出っ張りがあるのが特徴。定まった音程を持つ大小のゴングを何個か組み合わせて使うことは、現代音楽では珍しくありません。


オーケストラでよく使われるのは、中国系のTam-tam(タムタム)という、平べったいもの。悲愴で使われるのもこちらです。深い響きと驚くほど長い余韻(たぶん1分位は鳴っています)を持ちます。


なんと私も、1枚所有しています。個人で銅鑼なぞ持っているアマチュアは少ないと思いますが、これは昔、妹が中国留学していた時に生産地の武漢へわざわざ行ってもらい、購入し送ってもらったものです。自分で包装して送るのがホントに大変だったと言っておりました。


楽器代が約1万円、送料に同じくらいかかったそうです。当時日本の楽器店で購入すれば、本体で10万くらいはしたでしょう。直径32インチのちょっと小ぶりのものですが、なかなか良い音がして、昔も今もいろんな機会に重宝しています。


銅鑼の活躍する曲といえば…活躍と言っていいかちょっと難しいですけど、悲愴はまあ、筆頭に挙げられるでしょうね。マーラーはすべての交響曲に銅鑼のパートを書いていて、第2番「復活」など、大小2枚の銅鑼を交互に叩かせたりもしています。ストラヴィンスキー「春の祭典」では、トライアングルのバチを使ってこする指示があり、ギーッという強烈な金属音を聞かせます。


これまでやった中で一番しびれたのは、ウェーベルン「管弦楽のための6つの小品」という曲。現代音楽への道を開いた名曲ですが、滅多に演奏されません。この曲の第4楽章は、♩=46という恐ろしくゆっくりなテンポの曲で、銅鑼と低音の鐘が聞こえないくらい静かに静かに、冒頭からいつ終わるともなく何十回も鳴り続けるのです。


当時入手したばかりのMy銅鑼でこの曲をやりました。銅鑼は同じ音を続けて出すことが大変難しい。あれだけの質量のある金属をとても重いバチで鳴らす。しかも前の音が響いているうちに同じ力で次の音を叩けば、楽器の振動が増幅してたちまち大きな音になってしまいます。一発でもやらかしたらアウト、極めて微妙なコントロールが必要なのです。息が詰まるような沈黙で満たされたサントリーホールに、銅鑼の響きがさざ波のように次々と吸い込まれていく。すごい経験でした。


私の知る限り世界最大の銅鑼は、東京高円寺、楽器レンタル業の「プロフェッショナル・パーカッション」の入口に鎮座しています。普通のトラックでは運べないでしょうし実際に使われることはほとんどないそうですが、前回使われたのは、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の、オーケストラではなく舞台装置としてだそうです。(主人公が誓いを立てた証しに、大音響で3発鳴らす場面があります)

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悲愴の銅鑼音楽ばなし

20181118

少し台湾から離れて、音楽の話など。。


先週の日曜日、伊那フィルの年一回の定期公演がありました。曲はシューベルト「未完成」とチャイコフスキー「悲愴」という、どちらもロ短調の暗めのプログラム。私は未完成のティンパニと、悲愴ではシンバルと銅鑼(どら)を演奏しました。


未完成はまあいいとして、悲愴ではシンバルが4発、銅鑼が1発しか出番がありません。50分近い曲でこの音符の数はいくら何でも少ないのですが、一つひとつは実に存在感を持った音として書かれていて、少ない労力で最大の効果、のお手本のような曲です。だから、やり甲斐はありますね。


来場した人たちのアンケートでも「シンバルが恰好良かった」というものが3通、そして思いがけないことには「ドラが恰好良かった」も2通ありました。いや皆さん、お目が高い!普段アンケートで打楽器のことなぞ、あまり書いてもらえないのですよ。


さて悲愴の銅鑼の効果的な使い方は、多くの打楽器奏者たちを強く惹きつけています。第3楽章の嵐のような行進曲が終わり、第4楽章で切々と歌われる悲しみ。その慟哭がクライマックスに達し、徐々に力が抜けていく場面で鳴るたった一発の銅鑼は、死の予告、絶望を思わせる実に印象的な暗い音なのです。


楽譜にはP(ピアノ、弱く)と書かれています。といって、決してか細い音ではなく、深く遠い闇の奥底から響いてくるような音。今回直径40インチの大型の銅鑼を前日から借用して使いましたが、慣れない楽器で思い通りの音を一発勝負で鳴らすのは、演奏者としてはかなり緊張するところです。叩いてしまったらもう修正できませんし。


元在京オーケストラの打楽器奏者(故人)のインタビューにありましたよ。「人生の終わりには、悲愴の銅鑼を本番で叩いて、そのままステージで息絶えることができれば本望」ですって。もちろん本気でおっしゃっていたわけではないでしょうが、そのくらい思いの深い一発であることをぜひ察していただければ。

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