どうなるのか香港日々雑記
20190613
ようやくTVのニュースでも大きく取り上げられるようになってきました。香港で政府と多くの住民が衝突している事件です。
103万人が参加したという先週末のデモの動画がネットで見られます。香港の人口は700万人だということですから、7人に1人がデモに参加したことになります。103万というのは主催者側発表なので、実際の参加者数とイコールではないでしょうが、動画や画像を見ると尋常ではない大規模なデモだとわかります。
問題になっているのは「逃亡犯条例」というやつ。「…香港が中国などの要請に基づき、刑事事件などの容疑者拘束やその身柄を中国への引き渡しを可能とする内容。反対運動が拡大しているのは、条例改正によって、中国の国内法が実質的に適用され、香港の一般市民も中国の治安当局の取り締まり対象になる恐れがあるためだ。(産経新聞)」
この条例が通れば、中国当局は意に沿わない香港市民を犯罪容疑者としていつでも本土にしょっ引けることになり、香港の民主主義は抜け殻になってしまいます。一国二制度はもはや絵に描いた餅で、市民の抵抗は当然ですが、香港の行政府はまったく歩み寄る気配はないようです。昨日はデモ隊への催涙弾やゴム弾発射もあり、重傷を負った人もいるとか。
1997年に香港はイギリスから中国に返還されました。香港がこの先どうなってしまうのか、当時から多くの人が危ぶみました。中国は当初「一国二制度」を適用し香港の自治を認めると言っていましたが、実際にはじわじわと締め付けを強め、中国本土の意のままになる議員を送り込み、香港の自治は徐々に圧迫されてきました。
香港は小さな島です。実際には、たとえば本土からの「水」を止めるぞと言われれば手も足も出ない脆弱な立場で、有利な交渉をできるような状況にはなかなかならない。国際世論を味方につけるしかないのですが、経済的軍事的にここまで肥大した中国に面と向かって文句を言える国もそんなにありません。不愉快ではありますが、現実です。
私はあちこち海外に行ってはいるものの、香港に行ったことはないんですよね…何時でも行けると思ってついつい先延ばしにしてきたのですが、ぜひ行ってみたいという気持ちがだんだんなくなってきました。以前感じていた魅力は残念ながら薄らいでいます。
20世紀の100年間、自由を謳歌して、経済的文化的にアジアで独自のポジションを持っていた香港です。中国大陸に飲み込まれ民主と自由を奪われていくことに耐えられない人たちが、2014年の「雨傘革命」に続いてこのように立ち上がったことに深く共感します。注目して見ていきます。
行列また楽し?日々雑記
20190609
先月大阪に行ったとき、たこ焼き屋の行列が凄かったと書きましたが、例外なくすべての店で大行列になっていた業種がもう一つありました。タピオカ屋です。大変な人気でした。
現在は第三次のブームだと言われます。最初は98年頃、ココナツミルクと一緒の白いタピオカが流行しました。当時は「カエルの卵みたい」と気持ち悪がる人も少なからずいましたよね。
第二次ブームは08年、ミルクティーと合わせたものが大はやり。そして今人気なのは、ご存知黒いタピオカです。台湾ブームのなかで「春水堂」など著名な台湾ブランドが着実に店舗を増やしているようです。私は春水堂の本店がある台中を二度も訪れているのにまだ試しに行く機会がなく、少々、いやかなり悔しいです。
空前の大ブームを受けて当社でもタピオカを探していますが、品薄でなかなかご紹介できません。息の長い、しぶとい食材ですね。
さてタピオカというよりも行列の話なのです。私も先日、あるところでお昼を食べるのに不本意ながら行列する羽目になり、結局1時間近く並んでしまいました。さんざん腹を減らしてやっとありついた昼メシは、まあ評判通りおいしかった、おいしかったですが、これだけの時間を使ってまで食べるものだったのか、考えてしまいました。
そうしたらtwitterにこんな投稿が。
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「タピオカ屋に何時間も並ぶ女子高生、バカみたい」という話、欲しくなってから10秒で買えるドリンクはたった10秒の思い出にしかならないけど、友達のJKとキャッキャッ言いながら1時間並んで買ったタピオカは一生の思い出。青春が500円で買えるのだから安いもの。大人になってからは経験できない。(zapa氏)
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何言ってんだこいつ馬鹿じゃねーの、みたいな反応が多かったですが、私、何だかわかるなあ、いい話だなあと思いましたよ。JKでなくたって、彼女と二人で並ぶのならば並ぶこと自体もまた楽し、でしょう。猛暑とか寒風とか、雨降りとかでなければね。さんざ並んで飲んだタピオカは確かに、忘れられない味になるかもしれません。
でも一人で並ぶのはやっぱり嫌だなあ。スマホや文庫本(古い奴だとお思いでしょうが)でもあれば暇はつぶせますが、周囲の空気感とのアンマッチ、時間の喪失感、いたたまれない…とまでは言いませんが、居心地が悪いことは確かです。
キャッシュレスそれからしごと
20190603
昨年9月に「キャッシュレス」と題して、財布の小銭がジャラジャラして不便だ、なんて話を書きました。それから一年足らず、あっちもこっちもキャッシュレス礼賛ばっかりです。消費税アップの痛税感を誤魔化すため、キャッシュレスのポイントバックを推進している国のなりふり構わぬ様子は伝わってきます。
あのときは持っていなかったSuicaを、まもなく入手した私。出張の時に使いますが、この便利さたるや、万能のパスポートでも手に入れたような快感です。まったく、何でこれまで持たなかったんでしょうね。バスにだって乗れるし、首都圏でなくても使えるんですな、連休中大阪に行ったときもフル活用でした。
オダギリジョーの出てくる変なCMがありますね。彼が店主をしている小さな店に、外国人の大富豪が「コノ店ノ商品全部買イマス」とか、有名そうなアーティストが予告なく訪れ「コノ店カード使エマスカ」とか。うちカードやってないんで、と言うと「ジャイイデス」とそっけなく去っていくCM、面白かったのですが何のCMだか全く覚えていませんでした。
それが、私もこの3月に海外に行ったとき、同じことをやってたのです。現地通貨にあまり両替をしたくなかったので、カードを使えない場面ではなるべく買い物や飲食をしない自分に気が付いて、あのCMと同じだわい、と可笑しかった。
今日は商工会議所主催で「超入門!キャッシュレス導入セミナー」が行われ、30人ほどの参加がありました。お店にとって、手間も費用も意外とハードル低くキャッシュレスシステムを導入できることがわかりましたし、例のCMが「AirPAY」なる決済代行会社のものだということも知りました。
キャッシュレスはもう大きな流れになってしまいましたから、ぶつくさ文句を言ってみても始まりません。地方の商店も飲食店も、上手に活用していかねばならないでしょう。もっと多くの人に参加してほしかったです。卸売業である当社が導入する必要があるのかどうかは、何とも言えんですね。
飯炊き仙人の店 (3)お店紹介
20190531
堺の「銀シャリ屋 げこ亭」について、今月2回にわたって記事を書きました。dancyuのウェブサイトで、ちょうどげこ亭の記事が出ましたのでご紹介しておきます。
日経の97年の記事でこの店を知ったと書きましたが、リンク先の記事は91年のものを再掲載したもの。私、この雑誌は創刊間もない時期からずっと購読していまして、この記事も写真も確かに覚えがあります。
仙人こと村嶋孟さん、イチローや渡辺直美と並んで『ニューズウィーク日本版』の2019年版“世界が尊敬する日本人100”に選出されたのだそうです。堺市、こちらもタイムリーでした。
関連リンク: dancyuタイムカプセル 村嶋孟さんの飯の炊き方
トランプ、国技館に現わる日々雑記
20190528
令和初めての国賓として来日したトランプ大統領。あふれんばかりの歓待を受け、さてどんな心境で日本を後にしたのでしょうか。
中でも話題になったのは大相撲観戦でした。正面の升席を全部借り切るとか言われていて、私も四辺の一角が空白になって、真中にポツンとVIP席が置かれた国技館を想像していたのです。実際は、皆さんがTVでご覧になった通り。そんなに違和感はなかったですね。
あぐらをかけない欧米人に配慮して、升席にソファーを置いた今回のもてなし。ごり押しみたいに言われますが、そもそも升席なんて、広くもないスペースに4人がぎゅうぎゅう詰めに座らなくてはならず、窮屈で居心地の悪いこと(実は一年前、国技館で夏場所を観ています)。こんな悪弊を続けていかなければならない理由なんて無いですよ。これをきっかけに、砂かぶり以外はみな椅子席にすればいい。
外出していたのでトランプ登場の場面を見ていないのですが、前日に優勝を決めた朝乃山とわが御嶽海の取組、入場にずいぶん時間がかかり何分も待たされたそうですね。御嶽海は相変わらずで、優勝力士に意味なく土をつける空気を読まない勝ち星を挙げました。
大統領は取組を5番しか観戦していないわけですが、報道によれば勝ち名乗りを受けている力士にロクに拍手をしなかったりよそ見をしたり、どうでしょう、相撲自体には興味津々とはいかなかったのかな。相撲が始まれば秒単位で決着がつきますが、その間のセレモニーが退屈だったのは無理もありません。
そしてトランプ杯の授与。かつてのパンアメリカン航空杯の日本支配人による「ヒョー・ショー・ジョー」を私も覚えていますよ。ちょっぴり期待しましたが、英語だけでした。体格のいいトランプにとってもかなり重い杯だったようで、一人では抱えられませんでしたね。
トランプ大統領のtwitterには、今回の相撲見物を43秒にまとめた動画がupされていますが、良く出来ています。フォロワー6000万人がこの動画で相撲を知ってくれれば、素晴らしいことではありませんか?たとえ上っ面であろうとも、日本文化の理解につながってほしいと思います。
白い巨塔読んだり見たり
20190525
テレビ朝日の開局60周年記念だとかで、このところ毎晩続けて放映しています。この記事は3話まで終わった時点で書いています。第1話は一応きちんと観ましたが、2日目からは他局とザッピングしながら流しています。
もう何度もドラマ化、映画化されている人気作品ですから、ご存知の方が多いでしょう。中学生の頃、家にあった山崎豊子の原作小説を読んで大変面白く、しかし結末には大いに憤慨したものです。のちに続編を読了してようやく気が済みました。
このボリューミーな内容を僅か5回に詰め込むのは難しいことでしょう。3回終わってまだ佐々木傭平氏が存命なのですから、残りの時間では控訴審まで行けそうもありません、一審で終了でしょうな。大河ドラマの総集編みたいな感じになってしまい、物語にも人物像にも厚みがなく、物足りません。(だから第2回以降は流し見になっている)
過去に映像化された白い巨塔ですが、私は田宮二郎主演のモノクロ映画版(66年、山本薩夫監督)、唐沢寿明主演のドラマ(03年フジテレビ)を観ています。田宮二郎の78年TV版は死を前にした彼の入魂の名演といわれましたが、残念ながら観ていません。
どうしても比較したくなってしまいますね。ファンの方には申し訳ないですが、主演俳優の格の違いは歴然だと思います。一世一代の当たり役だと誰もが認めた田宮二郎の後、財前五郎を演じた唐沢寿明のプレッシャーは大変なものだったでしょうが、精悍、かつ毒も弱さも僅かな優しさも持ち合わせた主人公を立派に務めました。
そこへいくと今回の岡田准一は、明らかに小物感が漂い、芝居も一本調子、野心家というよりずるがしこい財前になっています。貧しい生まれから這い上がってきたエネルギーが感じられません。田宮二郎や唐沢寿明にはそれがありました。
財前だけでなく、里見役の松山ケンイチもミスキャストかな。そもそも里見ってあまり現実味のない良い子キャラですが、それに輪をかけて「坊や」になっています。全体に若いキャストが多く、違和感を覚えます。それにもっと大阪っぽいテイストが欲しいところです。
なんか悪口ばっかで申し訳ないですね。好きな話なので、ついつい物申したくなってしまいました。あと2回観ようか、さてどうしましょうか。
落語でペール・ギュント音楽ばなし
20190520
先週末はそんなわけで、伊那フィル駒ヶ根公演が行われました。日頃からお世話になっている大勢の方々にご案内をして、600人近くのお客様をお迎えできました。すぐご近所にいるのに、私がオーケストラをやっているなんて初めて知ったヨ、という人もいらっしゃいました。もっと日頃から宣伝せにゃいけませんね。
演奏した曲は前の記事で書いた通りですが、「ジュピター」はやっぱり難しいけど素晴らしい曲で、エル・システマの子供たちと共演した「花のワルツ」は楽しくいい雰囲気で演奏できました。小さなヴァイオリニストたちはふだん馴染みのない指揮者つきの合奏に戸惑いながら?もよく頑張りました。
今回一番の話題作は、春風亭愛橋さんの語りによる「ペール・ギュント」。当初は普通の朗読劇ふうにやろうと思っていたのですが、構想していくうちに駒ヶ根出身の愛橋さんにやってもらったら、途方もなくユニークで楽しい音楽噺になるのではないか、とアイデアが浮かびました。
音楽好きの愛橋さんは以前にも「ピーターと狼」「兵士の物語」などで音楽物語の語り手を務めたり、伊那フィル有志や合唱団とともにオリジナルの「音楽落語・早太郎」を上演するなど音楽とのコラボを得意としています。
私が下書きをしてお渡しした台本原稿、愛橋さんはイプセンの戯曲をしっかり読み込み、ご自分の解釈を加えて伊那フィルと初顔合わせをしたのが、もう連休に入ってからです。ちょっとお行儀がいい台本だったのを「もっと落語寄りのテイストにしたらどうですか」などと、真打ちの落語家さんに図々しくも注文をつけてしまった私のリクエストにこたえて、本番一週間前にがらっと違う原稿を持ってこられました。
ストーリーを逐一なぞっていては時間がかかりすぎますが、さりとて必要な説明はちゃんと入れなくては筋が追えません。絶妙のバランスに地元ネタもちりばめ、本番では着物の早着替えや小道具なども駆使した大熱演でした。
お客様の反応はさまざまで、時間を忘れ飽きずに楽しめたという一方、クラシックと落語はミスマッチだったという方も中にはいらっしゃいました。そもそもミスマッチを楽しんでいただこうというのが狙いですから、すべての方に満足していただけなかったならば責任は企画者である私にあり、愛橋さんではないことは申し上げておかねばなりません。
指揮者として久々の(23年ぶり)駒ヶ根公演、充実したものになりました。ご来場ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
関連リンク: 春風亭愛橋オフィシャルブログ
仁徳天皇陵 世界遺産へ日々雑記
20190514
堺に行くにあたって、食い物だけでなく他に見どころはないか、いちおう調べたのですよ。でもネットで通り一遍見ただけなので、千利休の生地だってことくらいしか知りませんでした。堺が載っているガイドブックなんてこの辺にはありません。(探してはみました)
げこ亭かん袋に続いて、もう一軒和菓子屋さん(けし餅の老舗、小島屋)を訪れたりして徒歩でぶらぶらしておりました。千利休と、もう一人の堺出身著名人の与謝野晶子、この二人の記念館「さかい利晶の杜」がすぐ近くにあったので寄ってみたのです。
館内の展示を見ていたら、かの仁徳天皇陵が堺にあるというじゃありませんか。小学生でも知ってる超有名スポット、またいつ堺に来れるかわかりませんから、これは見るしかないでしょう。
ガイドの人によると、あまりに大きい古墳なので近くで見ても森であることしかわからない、高いところから見るならば、堺市役所の展望台に行くといいですよ、とのこと。それでも航空写真みたいに前方後円墳の形がわかるわけではないと念を押されましたが、早速市役所へ行ってみることに。
入場無料の展望台は21階。ここからの眺めは画像をご覧ください。どうですか、よく知っている仁徳天皇陵に見えますか?くっついて見えますが、手前に見えている二つの古墳。そして正面奥、右奥にも別の古墳があるのがわかります。
もっとずっと高く、スカイツリー並の高所からだったらはっきり見えるのでしょうがね。でも、まさに市街地の真ん中にドカンと降ってきたような、生活圏と古代遺跡が同居している光景はまことにユニークです。ここに写っている陵だけでなく、周辺には大小いくつもの古墳があっちにもこっちにも散らばってたくさん残っており、これは面白いなあ、世界遺産の価値あるなあ、まだなってないんだなあ、と思いましたよ。本当です。
今日のニュースで、堺を含む百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録に向けてイコモスからユネスコに登録勧告がされたとのこと。世界遺産ほぼ確定といっていいのでしょう。いやあ個人的に、ドンピシャのタイミングでした。
気球ツアーでもぜひやったらいいと思います。
飯炊き仙人の店 (2)お店紹介
20190509
げこ亭は堺駅から車で5分ほど。タクシーの運転手さんにもすぐ通じました。店に着いたのは9時20分頃でした。行列はないが、テーブルはすべて埋まっています。「先におかずを取ってください、お席をご用意します」とお店の人。セルフサービスで、たくさんのおかずから好きなのをアルミのお盆に取っていきます。これがどれもおいしそう。
焼き鮭、ブリ、カレイの煮つけ。お刺身、おでん(かんと煮)、出汁巻き玉子、小鉢類、牛肉の煮たの、エビフライや唐揚げもありますよ。最後にご飯と味噌汁をよそってもらい、席に着きます。いただきます!
写真はわが家族3人それぞれのセレクトです。どれも1200円くらいで、まあそれなりの値段はします。
何と言ってもまずご飯。つやつやでふっくら、甘味があり、それこそおかずがなくても食べられそう。極めて上等です。「言葉のむなしさを実感」とは、ちょっと大袈裟かな。逆に言えば、普段食べているお米も最近は相当おいしくなってるってことかもしれませんね。
おかずもおいしいですよ。お魚3種、それぞれ分けっこしていただきましたが、皆ほくほくしてうまかったな。例1の左の小鉢は牛すじ煮で、これだけでご飯が丼一杯いただけます。
私たちが食事している間も、ひっきりなしにお客さんが訪れていました。連休中のこと、キャリーバッグを持った観光客風の人もいれば、ジャージにサンダル履きの地元の方も。きっと営業時間通してこんな感じなのでしょうね。店内の貼り紙には朝8時から午後2時まで営業、火曜定休とありました。
品書きにお酒もあり、天狗舞だとか数種類の一升瓶がありましたが、この日は飲んでいる人は見かけませんでした。回転率で稼ぐお店でしょうから、夜に営業して長居されては困るかな。
仙人はご不在でしたが、とてもおいしく、楽しいお店でした。近所にぜひ欲しいです。
げこ亭のすぐ近くには、餅菓子の「かん袋」というこれも有名なお店があります。ご訪問の際はハシゴをお勧めします!
駒ヶ根で伊那フィルを振ります音楽ばなし
20190508
駒ヶ根での演奏会で久しぶりに指揮をすることになりました。。
伊那フィルは毎年2回の演奏会を開いています。秋には定期公演を伊那市で行っていますが、初夏の公演は合唱団と一緒に大曲を演奏する特別演奏会だったり、小学校を訪れて音楽教室を行なったりと、その年によっていろいろです。駒ヶ根在住のメンバーも何人もいますので、今回は駒ヶ根でやってみようやと一年前から企画をしてきました。
今回の目玉は3つ。まずモーツァルトの最高傑作、交響曲「ジュピター」。平原綾香のじゃありませんよ。これは、超の字がつく名曲です。全能の神ジュピターの名にふさわしく(モーツァルト自身が名づけたわけではありませんが)堂々とした、かつ精緻きわまりない音楽で、まさに天空を駆けるような壮麗な交響曲です。
次は駒ヶ根市が近年力を入れてきた「子どもオーケストラ」との共演。エル・システマジャパンの協力をいただいて、現在70名ほどの小学生(一部中学生)が弦楽器のレッスンを受けています。その中で高学年の子たちと一緒に、チャイコフスキーの「花のワルツ」を演奏します。まだ楽器をもって何年もたたない彼らにとって、フルオーケストラへの参加は初めて。どんな演奏になるかな?
そしてグリーグの「ペール・ギュント」を落語家、春風亭愛橋さんの語りとともに音楽物語としてお送りします。「朝」「山の王の宮殿にて」など音楽の授業でお聴きになった方も多いでしょう。ヤンチャな主人公ペール・ギュントの山あり谷ありの冒険、そして彼に心を寄せ続ける女性、ソルヴェイグとの間はいったいどうなるのか?駒ヶ根出身の真打ち、愛橋師匠の語りとともにお楽しみいただきたいです。
というわけで、なかなか魅力的な企画だと思っておりますが、肝心の演奏はどうなりますか、大変スリリングな本番になりそうです…
ぜひご来場いただきたいと思います。5月18日(土)18:30開演、駒ヶ根市文化会館にて。木戸銭500円です。