絶不人気のちむどんどん読んだり見たり
20220808
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」が大評判になっています。過去に例を見ない駄作だと。私は当初このドラマが食をテーマにしたものだと聞き、それだけの理由で放送開始から欠かさず観ていますが、残念ながらこの評価にまったく同意します。
沖縄出身の主人公、暢子(黒島結菜)ら4人兄妹は父を亡くし借金を抱えた中、母優子(仲間由紀恵)の頑張りによって育ちます。小さい頃から料理好きな暢子は高校卒業後ひとり東京に出て、沖縄県人の集まる居酒屋に下宿しながら高級イタリア料理店で修行を始め、そこで幼なじみ和彦(宮沢氷魚)と再会します。和彦は昔、父の仕事の関係で数か月沖縄に滞在していたのです。無意識のうちいつの間にか和彦に惹かれてゆく暢子。
新聞記者になっていた和彦には愛(飯豊まりえ)という同僚の恋人がいますが、暢子の出現によって和彦の気持ちは揺れ動きます。6年間付き合って結婚式場予約の話まで出ていた愛にとうとう「全部なかったことにしてほしい」と三行半を突きつけ、その日のうちに暢子に告白する、という呆れた行状におよびます。放送一週間ののち二人は(交際0日で)結婚の約束を…!
ドラマで描かれる暢子は、自分の思いが正しいと終始突っ走ります。取り巻く人に対する配慮や考察がなく傲慢で、視聴者の好感を得られていません。愛のほうが明らかに魅力的な人物になってしまっており、主人公でありながら暢子に味方する視聴者がほぼ皆無という不思議な状態になっているのです。
不評の最大の原因は、デタラメで雑な脚本にあるでしょう。もう、いっくらでもおかしな点を挙げられます。たまに暢子のもとに現れてはすべてをぶち壊す兄、賢秀の場面はもはやドラマではなくコントです。何度それを見せられても庇い続ける激甘の母親。
主人公が何かの努力をして成長する場面がない。肝心の料理修行の描写もない。窮地に陥っても自分の力で切り抜けるのではなく、おかしな偶然や周囲の助けでわけがわからないうちに解決してしまう。暢子と和彦の演技力のなさ、表情の乏しさ(もしかして演出なのか?)も大したものです。
twitterには「ちむどんどん反省会」というハッシュタグができており、その日の放送への突っ込みが毎日数えきれないほど書き込まれています。私もドラマを録画で観てからその日の反省会を読むのが楽しみで、ちむどんどんを観続けています。視聴率はそう悪くないようですよ。本欄でこんなに悪口を書くのも珍しいのですが、終了まであと二か月、あっと驚く逆転はあるのでしょうか?
200円返します日々雑記
20220731
ずいぶん更新が空いてしまいました。ネット環境にちょっと不具合があったこともあり、ついつい記事を書くのが億劫になっていました。流行りの病気で入院していたわけではありません、ご心配なく!
さて7月2日に携帯史上最大の通信障害をやらかしたauが、このほど迷惑をこうむったユーザーへの補償額を発表しました。24時間以上通信できなかった271万人に基本使用料2日分を値引き、そのほか全契約者3589万人に一人当たり200円を値引きするとのこと。前者は約款に基づいた補償、後者は約款にはないが「おわび」の意味合いの補償だそうです。
二日間以上にわたってほとんどスマホが使えなくなった代償が200円というのは、高いのか安いのか。もちろん人によって困った度合いは異なるわけですが、どうでしょう。私はdocomoユーザーなのでこの一件とは無関係でしたが…
緊急の連絡ができずに損失を受けた人もきっといたと思いますが、そんなことまで全額補償することなど無理ですよね。約款にもそこまでの責任を取ることは盛り込まれていないでしょう。しかし知らん顔をするわけにもいきません。受け取る人にとって200円はわずかな金額であっても、会社が返金する総額は73億円という莫大な額です。この非対称性が状況の複雑さを生み出します。
200円ばかり貰っても、という対象者は多いでしょう。無理かつ筋違いであるのを承知で提案しますが、返金を受け取る受け取らないはユーザーの選択に任せて、受け取られなかった金額はまとめてどこかへ寄付するというのはどうでしょう?奨学金のための基金とかiPS細胞の研究費とか、文化遺産保存のための費用とか、いろいろありますよ。ふるさと納税みたいに。
まあ一人ひとりのユーザーに意思を確認するためには結構な費用がかかるようにも思います。いやそもそも通信会社ですから、意外と簡単にできちゃうかもしれません。
スポーツ界めちゃくちゃ日々雑記
20220722
新型コロナの感染者が過去にないペースで増えておりますが、スポーツの世界も激震に揺さぶられています。。
大相撲。感染者が発生した部屋の力士は(本人の感染に関わらず)全員休場ということで、今日現在で幕内力士13人が休場という、凄まじい事態になりました。名古屋場所はあと二日を残すだけですが、明日あさってと取組編成が成り立つのでしょうか。
相撲部屋は毎日が合宿状態ですし、取組でも稽古でも他人と密着しますから他の競技よりは感染リスクは高いでしょう。今どきのこと、栄や錦でタニマチと遊んでいる力士はいないと思いますが。(朝乃山みたいに厳罰食らってしまう)
米国オレゴンで行われている世界陸上。日本選手が次々と感染して出場できなくなっています。マラソン男子の鈴木健吾、女子の一山麻緒、新谷仁美、200メートルの小池祐貴ら、役員選手合わせて15人が感染しているというから相当なもの。
小池は日本選手たちに向けて「普段日本で行っている感性症対策は通用しませんでした。こんな事で一生に一度の機会を無駄にしないよう、大袈裟な対策をしてお過ごしください」とメッセージを出したとのことです。
他国は日本のような厳密な検査をしていないため引っかかっていないとか、アメリカをはじめ既に多くの人々が感染している国の人には免疫ができていて、マスクをせずともかかりにくいとか言われています。どこまで本当かわかりませんが、ありそうな気もします。
そしてプロ野球。各チームで主力選手が出場できない事態が続いており、巨人は今日までに原監督を含む73人!が感染して、中日との三連戦は中止、チームとしての活動そのものができなくなりました。(他のチームのことはよく知りません)
昔読んだ小説「復活の日」に、パンデミックでプロ野球や大相撲が成り立たなくなる話が出てきます。まったくそのまんまです。プロのアスリートたち、こうしてみると一般人のよりも感染率が高いような気さえしますが…。体力を過信せずに気を付けなくてはいけないですね。早い回復を。
非常時の賞味期限しごと
20220716
私どもの商売では、賞味期限というものを常に頭の隅に置きながら仕事をしております。まあ、当然ですよね。そんな中で、ちょっと気になる記事。
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(読売新聞)JR東日本仙台支社は13日、大雨で運転を見合わせた列車内で配布した缶詰パンの賞味期限が約3か月切れていたと発表した。健康被害は確認されていないが、食べた乗客に連絡するよう呼びかけている。
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↑これが「気になる記事」なのではありません。この記事を読んだ食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんがyahooニュースで疑問を呈しています。リンク先をご参照ください。その中で井出さんは、
1)管理の落ち度はあれど「おいしさの目安」が過ぎただけ
2)毎年のように繰り返す「非常時の賞味期限切れ備蓄食品配布」
3)健康被害はないのにメディアは何を伝えたくて毎回報じるのか
4)府省庁は賞味期限が過ぎた缶詰も廃棄せずに活用
と述べ、『食において重要なのは、安全性の担保と同時に、限りある資源の活用である。非常事態に際し、賞味期限を杓子定規に守ることと、命を守ること、どちらが大切なのか』と締めくくっています。
私は井出さんの言うことに全面的に賛成です。おいしさの目安を示す「賞味期限」と、それを過ぎたら急速に品質が劣化する「消費期限」の違いは本欄の読者の方々はご承知のことだと思います。賞味期限をちょっとばかり過ぎたからといってその食品が食べられなくなることはありません。
残念ながらその事実は多くの消費者にまだまだ浸透していないと思います。十分承知しているはずの大新聞が「健康被害は確認されていないが」などと書くことも、正しい知識を消費者に提供するというマスコミの役割を理解していないとしか見えません。
ご家庭内の戸棚にしまってあった缶詰やら調味料やらが賞味期限を少々過ぎていても、即座に捨てるには及びませんよ。我が家はその辺かなり鷹揚で、数年(!)過ぎたものでもだいたい平気で食べています。開封して「こりゃだめだ」と捨てることも、たまにはありますがね。これほどまでは他人様にはおすすめしません。
記事の(4)に書かれていることは、私も知りませんでした。役所が賞味期限の過ぎた缶詰などを食糧支援に回しているという話、とても良いことだと思います。こうしたことをほんと、もっとPRするべきです。
ただし、私たちが商売として売り物にできないことは言うまでもありません。たくさんのアイテムを在庫する食品問屋は、日々賞味期限との戦いです。だいじな商品を廃棄することのないよう、肝に銘じて仕事に臨まねばなりません。
安倍元首相、銃撃され死去日々雑記
20220712
先週末はあまりにいろいろなことがあり、本欄に書くべき考えがなかなかまとまりませんでした。それでも思ったことを書いておきましょう、でないと先に進めませんから。
安倍元首相が銃撃され亡くなったという信じられない痛ましい事件でした。私の触れたいことは次の2点。
1)この事件は民主主義への挑戦なのか
事件発生後メディアは口をそろえて、暴力による言論の封殺、民主主義への挑戦だと書きました。犯行の動機が報じられるにつれ、これは政治的な意図をもって行われたテロではなく、私怨による犯罪ではないかという見方が出てきて、私もそう思えます。犯行現場が選挙演説の真っ最中だったことから誤解を受けているのでは。
むしろ犯行の動機と言われる宗教団体とのトラブルが白日の下にさらされることが大事だろうと思います。この団体と自民党がずぶずぶだったことは周知ですが、何故かメディアではずっと触れられてきませんでした。安倍さんが犯人に憎まれたのはとばっちりで本当にお気の毒ですが、これを機にタブーが打ち破られることを期待したい。でも昨日の記者会見の様子など見ると、報道の腰が引けていることに変わりがないようです。
2)犯行は防げなかったのか
これは多くの人が指摘する通り、明らかな警護の失敗です。要人を死なせておいて「落ち度はなかった」は通らない。安倍さんの後方がまるあきでSPも誰も見ていない、というのは素人でもおかしいと思います。ただ日本で銃撃による殺人事件は(たぶん)世界で最も少ない水準にあり、そこまでの危険を予測できなかったことは同情すべきかと。近年の発砲事件なんて、暴力団がらみのもの以外にほとんどありませんでしたから。
銃撃への備えも常に考えなければならないとすれば、警護する側にしてみれば大変なことです。すべての人をすべての場面で完璧に守ることはできませんし。日本も物騒な社会になった、ということを実感します。
ただ、言っておきたいことがあります。当初長野県で遊説する予定だった安倍さんが奈良に行くことになったのは、長野選挙区の候補者松山三四六氏のスキャンダルのせいとして氏に責任があるかのような物言いが一部でされています。これはあんまりです。安倍さんが奈良に行ったのがご自身の意志かどうか知りませんが、自民党本部選対が決めたことで三四六氏のせいではありません。
三四六氏の過去の行状はご本人が責任を取らねばなりません。でも氏に白羽の矢を立て口説いて出馬させ、何か月にわたって応援してきたのは自民党でしょう。なのにこの瀬戸際でそっぽを向いたのは、もう負けは決まった、俺はもう知らん見放した、勝手にしろということです。それこそ地元の支持者、有権者に対して無責任でしょうが!
担ぎ出したなら最後まで責任取れよ。 そう思われませんか。
夏到来 かき氷食べもの
20220707
SASUKEの話は一休み。。
ここ数日、暑さが少し和らいだと思っていましたが、昨日からまた猛暑が戻ってきました。この日は展示会見学で岐阜県へ出張でしたが、さすがに駒ヶ根とは一味違う蒸し暑さです。帰り道「ちょっと氷でも食べていこうぜ」ということになりました。
ここは愛知県一宮市。スマホで検索すると「亀屋」というお店がすぐ近くにあるらしい。老舗の和菓子屋さんみたいです。よしそこへ、と車を回しました。
こちらは和菓子販売の店内にちょっとしたイートインスペースがあり、あいにく満席だったので少し待ちましたが、15分ほどで店内に入れました。
品書きには十種類ほどの氷が用意され、私は「白くま」を注文。ご存知鹿児島の名物で、市販のカップ入りアイスにもなっていますね。
この店はミルクの蜜に卵が入っていて、ほんのりカスタードの味わい。白くまならぬ、黄くまですな。追い蜜・白玉付き。氷の盛りも、ちりばめられたフルーツ類もボリュームは少々控えめですが、品の良い甘さでたいへん満足、ほてった体も丁度よく冷やされました。
店を出ると外には何人もの人が待っており、人気店であることがうかがえます。
最近当地ではアイスクリーム(ジェラート)のお店が何軒もできてちょっとしたブームになっていますが、本当に暑い時は同じ氷菓でも氷の方が出るというのは定説で、30℃が境目だそうです。飲食店のみなさん、ご用意はいかがですか?今なら間に合いますよ!
関連リンク: 御菓子司 亀屋
SASUKE、五輪種目に?(2)日々雑記
20220704
そもそもSASUKEとは何か、前記事よりもう少し説明が必要かもしれません。体力自慢の選手たちが難攻不落の障害走に挑む番組で、1997年以来、これまで39回開催されています。
4つのステージに分かれた課題エリア。登場する100人の選手は一人ずつ順に競技し、数多くの障害のうち一つでもクリアできなければ、あるいは制限時間内にゴールできなければその場で脱落します。すべての障害を時間内にクリアする「完全制覇」は、過去4人しか達成していません(うち2人は二度達成)。今は年一回年末の放送ですが、数年に一度しか完全制覇を見ることができない、まことに難しい課題なのです。
障害の内容は大会のたびにマイナーチェンジしていますが、中でも最も難しい一つが「クリフハンガー」です。横に渡されたわずか幅3㌢の突起を掴んで横移動するもので、全体重を指の力だけで支えて数メートルを移動するだけでも凄いのに、ヴァージョンアップした最近では掴まりながら反対側の突起に飛び移るという、信じがたい離れ技が要求されます。
写真がクリフハンガー。左手前から赤い横棒を指先でつかんで右側へにじり寄り、身をひるがえし後ろ側の棒(画面右、裏側が見えている)に飛び移り、さらにアクリル板の下部にあるもう一つの横棒に飛び移るという課題です(時間制限なし)。ありえない。ここまでたどり着きクリアする選手は、ほとんどいませんが。
これに比べれば一見簡単そうに見えるそのほかの障害も、ほんのちょっとのミスや偶然で有力選手でも失敗するようなものばかりでまったく油断ができません。最終課題(ファイナルステージ)までに全員が脱落し一人も出られない大会も多く、それだけに完全制覇者が出るかどうかはまさに手に汗握るスペクタクルになっています。番組後半になるとあまりのCM攻勢に辟易しますけど。
参加者たちが皆、個性あるいい奴らなんです。五輪選手などアスリートたちや芸能人の参加者も多いですが、一般参加の市井の人々が本当にいい。彼らは予選を通過して何度も出場し常連となって、しかし99%以上は敗れています。同じ課題に挑む仲間意識が強く、自分が脱落してもライバルの成功を祈る姿はまことにすがすがしい。
心に残る過去・現在の出場者について、もう少し書いてみましょう。リンク先は第一回大会からずっと演出している乾雅人氏のインタビューですが、興味深いです。
(7/5追記)当初アップした写真はクリフハンガーではなく「バーティカルリミット」ではないかと読者(息子たち)から物言いがつき、調査の結果間違いだと判明しましたので、写真と記事を訂正しました。
SASUKE、五輪種目に?(1)日々雑記
20220630
長年のSASUKEファンとしては夢見ていたニュースではありますが。未だに信じがたい。虚構新聞かと思いましたよ。
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(スポニチ)TBSは27日、1997年から放送を続ける人気番組「SASUKE~Ninja Warrior~」が五輪種目候補となったことを発表した。世界160以上の国と地域で放送し、現地版も20カ国以上で制作されている世界的人気番組が「近代五種」競技の一つに加えられる可能性が出てきた。
6月27、28日にトルコ・アンカラで行われる近代五種ワールドカップ・ファイナルの後に最初のテスト大会が行われるが、TBSは「SASUKE~Ninja Warrior~」の番組セットを使用できないか、とUIPM、World Obstacleからの要請を受け、大会に協力することで合意。実際にフランスやポーランドなど、欧州での現地版収録で使われている番組セットがテスト大会で使用されることになった。
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誤解のないように、近代五種競技の中の一つとして採用される可能性があるということで、SASUKEが単独でオリンピック種目の一つになるという話ではありません。
近代五種はクーベルタン男爵が提唱したもので、水泳、フェンシング、馬術、射撃、ランニングの5種類での総合得点を争います。これは戦場における斥候の任務を競技化したものといわれます。すなわち、馬で敵陣に乗り込み(馬術)、途中の敵を銃と剣で討ち倒し(射撃・フェンシング)、川を泳いで渡り(水泳)、丘を越えて走りぬける(ランニング / クロスカントリー)。
キングオブスポーツと称えられるにもかかわらず、競技人口が増えないのは馬術の存在と言われます。練習するにもハードルが高くカネがかかる。五輪の本番では大会事務局で用意した馬をくじ引きで選ぶことになっていますが、東京五輪でドイツの女子選手があてがわれた馬をどうしても御することができず(障害飛び越しを馬が拒否したため0点になった)問題になったことは記憶に新しいです。
そんなわけで2028年のロス五輪から馬術が廃止されることが既に決まっています。その代わりに障害物競走を採用することが検討され、その障害にSASUKEのセットが使われるかもしれない、ということです。SASUKEは敵の城に忍び込み、腕力やバランス、敏捷性を発揮してさまざまな罠をくぐり抜け、天守閣を制圧する(城主の首を獲る?)ことを想定していますから、近代五種の趣旨にも合うかもしれません。
北山トライアングル音楽ばなし
20220629
打楽器界で大ブームになっている「北山トライアングル」。この楽器を何十本も比べて試奏する珍しい機会がありました。
この楽器は、アマチュアの打楽器愛好家北山靖議さんが開発したものです。私は3年前「激レアさんを連れてきた」というTV番組で存在を知りました。北山氏はかなり独特な人で、子供のころから音に敏感で奇行も多く、シンバルを自転車のベルの代わりに取り付けて鳴らしながら走ったり、音が良くなるかもと楽器を土の中に埋めて掘り出したりしていたとか。
まあオタクと呼ばれる部類の人だったわけです。私もかつて本欄にも書いた、仙波清彦とはにわオールスターズのライブでご本人をお見掛けしたことがありますよ。TV放映を見たばかり、胸にトライアングルのアクセサリをつけていたのですぐわかりました。
北山氏がトライアングルを作り始めたきっかけはリンク先の記事に詳しいです。試行錯誤の末に完成した北山トライアングル、その美しい音色に魅せられた国内国外の打楽器奏者たちが先を争って購入しているという話。私も関心を持っていましたが、すべて彼の手作りで、できた端から売れてしまい店頭に並ぶことがあまりないとのこと。現物に触れる機会がありませんでした。
このトライアングルの見本をたくさん取り寄せることができたので、ぜひ音を聴いてみませんか、と地元で打楽器指導者・楽器販売をしているWさんから最近電話がありました。伊那フィルが出演するコンサートの前日リハーサル終了後、手伝いをいただく打楽器仲間も集まるということでお願いしたというわけです。30本ほども集められた大小さまざまなトライアングルを全部並べ、片っ端から試奏するという贅沢な機会でした。(ここに並んだもの総額で、250万円以上はするかな)
大きさ、径の太さ、材質がそれぞれ微妙に違います。共通するのは響きの多彩さ。トライアングルの音色は一般的には「倍音」を豊富に含む(音の成分が複雑でいろいろな音が同時に鳴る)のを良しとしますが、この倍音はこれまで経験のないほど豊かです。そして響きの長さも特徴で、一度叩くと信じられないくらい長いこと楽器が鳴っています。中では径の太いものが音が良い(わたし好み)と思いました。
これほど音に特徴があると、オーケストラでは目立ちすぎる場合もあるかもしれません。使いどころは慎重に選ぶ必要はあるでしょう。なかなか高価なものでもあり、打楽器を演奏する機会が減っている私が買うかどうかは何とも…でも美しい響きに包まれて、心と耳の洗濯をさせてもらいました。Wさんありがとうございました。
関連リンク: 北山トライアングル
6月にして梅雨明け日々雑記
20220627
連日暑いなと思っていましたら、関東甲信地区が梅雨明けしたと発表が。。(東海、九州南部も)
そうは言ってもまだ6月ですよ?前例がないわけではないようですが、記憶にありません。梅雨入りは平年とそう変わりない時期だったので、記録的な短い梅雨だったとのこと。そうですよね、梅雨らしいお天気なんて今年はどのくらいあったのだろう。
気象庁の人も悩んだでしょうが、普通の年なら「梅雨の晴れ間」と呼ばれるような日が一週間以上続きそうだということで、いったん梅雨明けを宣言したのだろう、とはTVに出てくる気象予報士さんの言葉。実質的には先週後半からもう梅雨入りしていたようです。
真夏日や猛暑日がこのまま7月8月まで続くならば、歴史に残るすさまじい猛暑の夏ということになるでしょうが、7月のどこかで「戻り梅雨」として雨が続く可能性もあるらしいですが。
折しも電力供給がピンチになっていますから、これはえらいことになりますね。いくら政府が節電を呼びかけても、冷房を加減して熱中症になるようではまずいです。電力需要を絞るのではなく供給を増やすのが、王道というものでしょう。原発や火力発電の縮減をいつまでも続けていていいのですかね。きちんと必要性を国民に訴えかけ理解を求めるのが政府のしごとではありませんか。