さっぽろオータムフェスト日々雑記
20240930
お取引の商社さんの特約店会議で、15年ぶりに北海道へ行く機会を得ました。今年は2月に鹿児島を訪問したばかり、南へ北へと大移動しています。
全国的にはもちろん長野県も残暑のたいへん厳しい9月でしたが、札幌も小樽もとても涼しく、というより上着なしでは寒いくらい。ご多分に漏れず、外国人観光客(アジア系)で街はどこもいっぱいでした。
会議の話は置いておき、大通公園ではちょうど「さっぽろオータムフェスト」なる食イベントが開かれていたので覗いてみました。数えきれないほどの屋台が出展し北海道あちこちの特産物や料理、飲料が販売され、ラーメンや酒肴、ビール日本酒ワイン、スイーツに至るまで何でもござれ。
何より驚いたのはその人出です。大通公園はさっぽろ雪まつりを開くくらいで端から端まで歩けばかなりの広さがありますが、そのスペースを埋め尽くす人、人、人。公式ウェブサイトによれば、24日間の開催期間中に250万人の人が訪れたそうですよ(入場自体は無料)。平日も含め、1日あたり10万人以上です。ざっと見ただけですが、誇張はないように思えました。
ジビエ屋台の料理と北海道ワインでちょっと一休みしました。人は多いのですが、必死で探さなくてもちゃんと席もテーブルも確保できる、ほどよい混雑。
今年の夏は伊那谷各地でイベントが大勢の人で賑わいましたが、これだけの人を集め、楽しませるスケールの大きさに改めて感心しました。今年は終わってしまいましたが、来年以降9月に札幌を訪れる人は、ぜひ立ち寄られるといいでしょう。
関連リンク: さっぽろオータムフェスト(公式)
石破新総裁誕生日々雑記
20240927
皆様お久しぶりです。ここ何日か大変忙しく、とてもブログを書く時間が取れませんでした。申し訳ありません。能登の豪雨災害、深圳の小学生刺殺事件、レバノンのポケベル爆弾大量爆発事件、明るい話で大谷翔平の神がかった活躍など、題材は山のようにあったのですが。
一か月以上にわたって繰り広げられた自民党総裁選挙。石破茂氏が新総裁に選ばれました。5度目の挑戦でようやく悲願達成です。
派閥の縛りなく(ということになっています)行われた異例の総裁選でした。9人という大勢の候補者で、限られた時間や紙面では一人ひとりの政策や理念をじっくり吟味することは難しく、外部の野次馬としては今ひとつ物足りない思いはありました。
蓋を開ければ当初から本命視されていた人のところへ収まった感じです。いくら何でも小泉進次郎氏が選ばれるようでは自民党もおしまいだと前から思っていましたが、選挙期間中に次々と馬脚を現し、支持を失っていきました。彼には華はあっても、理念も言葉もまともなブレーンもない。首相になって何をやらかすか怖いもの見たさもあるけれど、真面目に考えれば彼にそんなことさせられるわけがないでしょう。
高市早苗氏は予想外の大健闘でした。一回目投票では全国の党員票でも国会議員票でもトップを取り、ひょっとして?と思わせましたが、決選投票ではかなりの差をつけられました。バリバリの保守であることを支持する人もそれなりにいたわけですが、選挙の顔となると不安を感じる議員も多かったか。
石破氏は頭の固い理論派、暗い、というイメージですが、鉄道オタク、プラモデルオタク、熱狂的キャンディーズファンというお茶目でも知られます。これまで党の本流からは疎まれ仲間も少なく(面倒見が悪いと評判)ここ数年は冷や飯を食いながら外部から言いたいことを言っている存在でした。先頭に立って日本をどう導くか、ぜひ手腕を見せてもらいたい。復活した立憲の野田氏との対決も楽しみです。
ところで昨年6月の本欄で二度にわたって取り上げた、評論家の福田和也氏が先週、63歳の若さで亡くなりました。残念です。ご冥福をお祈りします。
熊を蹴り撃退日々雑記
20240917
女は弱し、されど母は強し。。
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(朝日新聞) 生後1カ月の赤ん坊を抱いて歩いていると、目の前に突然、ツキノワグマ3頭が現れた。そのうち1頭が突進してきた。その時、21歳の母親の取った行動は――。
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その行動は「とっさに右足で思い切りクマを蹴りあげた。硬い毛皮に触れたような感触があった。腹あたりに当たったようだ。クマが少し遠ざかり、道が開けた。そのすきに、体重4.5キロの長男を抱きかかえて逃げた。クマはしばらく追ってきたが、振り返るといなくなっていた」…
岩手県大槌町での事件です。この勇気あるお母さん、元自衛官だとのこと。さすがです。格闘の訓練などは当然受けているでしょうが、まさかクマと対峙した時のことまでは想定していなかったでしょう。
「本気の戦闘モードのクマ」との戦いになってしまっては、元自衛官といえども丸腰ではかないますまい。しかも赤ちゃんを抱えているハンディがあります。ラッキーだったとしか思えません。ご本人も、もう一度やれといわれても絶対にいやでしょうね。
最近は当地近くでも何度となくクマの目撃情報があり、他人事ではありません。もし不幸にして遭遇したら、背中を向けず後じさりして距離を取るなんて言われますが、もう相手次第、運を天に任せるしかない。非力な私ごときが生半可に蹴とばしても、どうにもなりませんわね。
冒頭の格言は「レ・ミゼラブル」でお馴染み、ビクトル・ユーゴーによるものだそうです。なるほど頷ける名言だと思いますが、口やかましいポリコレの時代には受け入れてもらえないかも。
味ラジオ実現へ日々雑記
20240914
「味ラジオ」とは、星新一の短編集「妄想銀行」に収録されているショートショートです。本がいま手元になくうろ覚えですが、どんなお話かといいますと…。
・未来の人々は、放送局から送られる味のデータを奥歯に埋め込まれた装置で受信し、世界中のバラエティ豊かな味を一日中ずっと楽しんでいる。味覚は視覚や聴覚とちがって仕事や勉強の邪魔をしない。栄養は管理された無味の栄養食から摂っている。
・実際の食事を提供するレストランもあることはあるが、期待通りの味でなかったり栄養バランスが崩れお腹を壊したりすることもあって、それほど人気はない。
・ある日、放送局の事故でデータ信号が突然発信されなくなってしまった。絶え間ない味の刺激に慣れきっていた人々は、味の空白に耐えられずパニックに陥る…
本作が発表されたのが1966年。60年近くたって、科学の発展はついに味ラジオを現実のものとしてしまいました。
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(ITMediaNEWS) 味の素(東京都中央区)は9月10日、皮膚への微弱な電気刺激で食品の味を調節する技術「電気調味料」を発表した。ネックバンド型や耳掛け型のデバイスを用い、様々な減塩食の塩味を増強できるという。
研究では「鶏がらスープ」「豚バラ大根」「餃子」など和・洋・中の減塩食で検証したところ、全て塩味が増強されたという。「食品によっては、塩味だけでなくうま味や酸味も強まり、かつ風味も変化することが示され、電気刺激は食品の味だけでなく風味にも影響を与えることを実証した」としている。
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少し前に「電気スプーン」を使った塩味増幅機能を持つ装置が開発されたという記事を読みましたが、電気調味料は食物に触れることなく味覚を操るという、味ラジオの概念により迫ったものだといえます。しかも、塩味のみならずうま味や酸味などもコントロールできる可能性さえ出てきました。
減塩食の味の補完という機能は素晴らしい。味気ない食事の日々から救われる人もたくさんいることでしょう。しかし…。
味ラジオの世界が将来実現したならば、世の中の食品製造業、食品販売業、飲食業はごく一部を除いて商売あがったりになること必至です。当社も例外ではありません。夢は夢として置いておく方がいいようです。
関連リンク: 味の素「電気調味料」発表 皮膚への電気刺激で減塩食を“しょっぱく”するネックバンド型デバイスなど開発へ(ITMediaNEWS)
レモンケーキ食べもの
20240911
レモンの話から連想で。
「レモンケーキ」というお菓子。昔、よく召し上がりませんでしたか。レモンの形をしたスポンジやバターケーキに、ホワイトチョコなどでコーティングをしたもの。食べると手にベタベタとチョコがくっついて、指をぺろぺろなめたものです。
もちろん今でもあちこちのお菓子屋さんで作られていて現役バリバリなのですが、昭和のお菓子というレトロっぽいイメージはありますね。予想通り発祥は我が国で、昭和40年代に始まり専用の焼型の普及により全国に広がったものらしいです。佐藤文江さんというレモンケーキの熱烈な愛好家は「レモンケーキ部活動日誌」というFacebookで膨大なレモンケーキを実食紹介しています。
佐藤さんによれば当初の爆発的ブームが去って人気は下火だったものの、2010頃に第二次のブーム、そしていまは第三次のブームなのだそうですよ。
さて本場フランス菓子にも、レモンケーキがあります。その名は「ウィークエンド・シトロン」。レモンの形はしておらず四角いパウンドケーキの型で作ります。レモンの皮や果汁で作ったバターケーキに白くグラッサージュ(糖衣かけ)したものです。その名の通り週末に食べるお菓子ということなのでしょうか。
先日あるところでいただいたウィークエンド。個包装になっています。バターケーキ部分はレモンピールがふんだんに練り込まれ、外側はうっすらとグラッサージュされ、冷やして食べるとパリッとした食感に。レモンの爽やかな香りとバターの濃厚さが相まって、たいへん美味しいお菓子でした。横浜高島屋デパ地下にある、CARAMELというお店のものだそうです。
写真を撮るのにどっちが上か下かよくわからなかったが、同社のホームページによると焼き色の濃くついている方が上らしいです。箱が大変立派で丈夫なのにも驚きました。
関連リンク: レモンケーキの歴史を辿る (ufu.)
リモンチェッロ 飲みもの、お酒
20240905
2月15日の記事で、中川村の「マイヤーレモン」を使ってリモンチェッロを作ってみようと書きました。それっきり話題を放置してしまいましたが、結果のご報告を。
マイヤーレモンとはレモンとマンダリンオレンジまたはオレンジを掛け合わせた植物です。もともとは中国が原産で自然交雑によるものだそうな。1908年にアメリカの農務省職員のマイヤー氏が自国に持ち込んだそうですから、最近の果物というわけではありません。ニュージーランドで多く栽培され、日本では9割が三重県、そのほか松戸、岩国、淡路島そして上伊那郡中川村などでも育てられています(wikipediaによる)。
果実は普通のレモンよりも球形に近く、色はやはりオレンジがかっています。皮ごと食べられる、とありますが私は柑橘類を皮ごとむしゃむしゃ食べる習慣はありません。
しかしリモンチェッロでは皮を使います。皮の表面の色のついた部分だけをそぎ落とします。内側の白い綿みたいなところを入れると苦みがでてしまうので、気をつけます。不器用な私はこういう面倒なことには手を出さず、妻がやってくれます。
スピリタス(アルコール度96°)に皮を漬け込み一週間。皮を取り去って、水とグラニュー糖で作ったシロップを加えさらに一週間。誰がこの酒を作ったといえるのか首をひねってしまいますが、こうして非常に簡単に美味しいリキュールができあがり。色合いが市販品のような綺麗なレモンイエローになりませんが、マイヤーレモン自体の色なので仕方がないですね。
シロップで薄まるので40数度になります。ストレートやロックだとちょっと甘ったるい。ソーダ割りがいいですね。夏の飲み物としておすすめです。レシピは検索するといくらでも出てきます。
The End of Finale音楽ばなし
20240831
本欄の多くの読者には何のことやら、だと思います。音楽業界に激震が走っております。
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(毎日新聞)国内外の音楽家や音楽出版関係者の間で広く普及している楽譜作成ソフトウエア「Finale(フィナーレ)」の開発を終了すると、開発元の米国メーカー「MakeMusic」が26日、発表した。長らく楽譜出版業界の標準とされてきたソフトが35年の歴史に突然“終止線を引く”ことになり、関係者らは動揺を隠せない様子だ。
MakeMusic社は、現在ソフトがインストールされているデバイスではOSを変更しなければ引き続き動作するとしながら、今後アップデートはされず、2025年8月以降は新たに使用するための認証やサポートを受けられなくなるとしている。コンピューターの基本ソフトのOSの進化により「付加価値の提供が難しくなっている」ことが開発終了の理由だという。
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このソフトは簡単に言うと、楽譜を書くためのワープロみたいなものです。35年の歴史とありますが、長年にわたってプロアマ問わず世界中の音楽関係者に使われてきました。
作曲編曲をする人だけでなく、たとえば大手楽譜出版社の多くもFinaleを使って印刷譜を作ったりデータの管理をしていると聞きます。シェアがどのくらいか知りませんが、かなりの市場占有率であることは間違いないです。世界標準とさえ言われております。
多くの音楽関係者にとってこれが突然終わってしまうということは、Excelが明日から使えなくなる、ことをご想像いただければと思います。新しいものを作れなくなるだけでなく、世界中の人が過去に作った膨大なライブラリが使えなくなってしまいます。(もちろんPDFなどで保存しているでしょうが、修正ができなくなってしまうのは痛い)
私もしばしば楽譜を作る機会がありますが、幸いにもFinaleではなく、Sibeliusというソフトを使っています。Finaleの方が機能は優れている(あくまで両者比較の上での話)らしいですが、使いこなすのに覚えなくてはならないことがやたら多いと聞いたため。私ゃプロじゃないし、Sibeliusだってそれほど使いこなしているわけでもないですが。Finaleは頻繁にヴァージョンアップがあり面倒だとも聞きました。
しかし世界中の音楽文化を揺るがせかねないこんなことを、一企業の都合でホイホイできることに恐怖を覚えますね。これまで使ってた皆さん、どうするのでしょうか。引用の記事「終止線を引く」とはうまいこと言ったもんだ。
ダチョウ食べもの
20240830
久しぶりに、この鳥の話題を見かけましたぞ。。
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(読売新聞)吉野家の一部店舗で28日から1週間、ダチョウ肉のもも肉とヒレ肉をローストビーフ風に調理した「オーストリッチ丼」(税込み1683円)を約6万食の数量限定で発売する。ジューシーな赤身肉のうまみが味わえるという。
ダチョウの脂を使ったスキンケア商品も展開する。クリームやフェースマスクなどをそろえる。
ダチョウ肉は高たんぱくで低脂質、低カロリーな食材として知られる。吉野家HDは子会社を通じ、茨城県石岡市の牧場で2017年から飼育や活用方法を研究し、現在約500羽を飼育している。牛の3~4割程度の飼料で育てられるため飼育効率が高いという。
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伊那市の観光施設「みはらしファーム」でダチョウを飼育していて、子どもを連れて見に行ったこともありますよ。調べてみたら、今も見学用に飼育しているようです。かつてはダチョウの肉を食堂のメニューにしていたはずですが、現在はやってないのでしょうか?それほどの量が取れないのかもしれません。
ダチョウ肉は記事にあるように赤身の肉でクセがなく、とても食べやすい。赤身の馬肉のような感じです。タタキとか焼肉にして食べます(刺身は食品衛生法で許可されていないらしい)。味はさっぱりあっさり、そんなに特徴のある肉ではないと思います。
吉野家で供されるオーストリッチ丼、それなりに原価がかかっているだろうとは理解します。なかなかいい値段で吉野家の価格帯からは相当かけ離れていますが、どういう意図でダチョウを商売にしようと考えたのか不思議です。吉野家のホームページを拝見すると、案外スキンケア商品の方がメインなのかもしれません。
ダチョウの卵。30年近く前に当社の展示会に出品されたことがあって(このときは地元産ではない)終了後展示品をいただき、打ち上げの席でみんなで食べてみました。小ぶりのメロンくらいの大きさでずっしりと重く、殻がものすごく固くて簡単には割れません。ノコギリで少しずつ削っていったような覚えがあります。
中身は鶏卵25個分の量だといいます。これを溶いてオムレツにしてしまったのではインパクトがありませんので、ホットプレートを用意して目玉焼きにしました。それは巨大な目玉焼きで今なら大いに映えたと思いますが、残念ながら写真なし。黄身はとても味が濃く、大変おいしくいただきました。
関連リンク: ダチョウ牧場(みはらしファーム)
総裁選祭り日々雑記
20240828
来月の自民党総裁選挙。我も我もと手が挙がり、10人以上の名前が取りざたされてメディアもお祭り状態です。まあ、名前しか知らないような議員さんがどんなお考えを持つのか明らかになる、いい機会ではありますね。
選挙は戦いですが、この場合選挙そのものが党のPRになるわけですから、ライバルを叩きのめすようなことはできません。選挙キャンペーンのポスターを「おじさんの詰め合わせ」と言ったタレントが逆セクハラだとして炎上しています。ところでここに登場した歴代総裁の顔と名前、全部わかりますか?(お恥ずかしいが私は二人わからなかった…私が生まれる前の人ではありますが)
投票権を持つのは自民党員だけなので、世論調査という名の人気投票などしてみても仕方ないとは思いますが、実質的には首相を選ぶ選挙です。結果はすべての日本人に関係してきます。また総裁選後の解散総選挙で誰を「選挙の顔」にするのか(野党にしてみれば、誰が敵の総大将になるのか)は立候補予定者にとっては重大事です。ですから世間の人気もそれなりに重要なファクターではあります。
総裁選に出るには推薦人を20人集めなくてはならず、これが意外と難関です。自民党の国会議員は現在375人、たかだか20人の支援者を集められないような人では選ばれる資格はないとも思いますが、それなりの覚悟を持った盟友でなければおいそれと推薦人にはなってくれません。選挙後のポストがかかってますからね。ちなみに議席がずっと少ない立憲民主党の代表選も20人が必須になっているのは、ちょっとかわいそう。
勝ち馬に乗れればいいが、負けたら何年も冷や飯を食うことにもなりかねない。今回は一回目の投票で過半数を獲る候補はいそうもないですから、決選投票まで含めた票読みが必要になります。ああ面倒くさい。しかしこれを面倒と思っているようでは、政治の世界は生きていけません。
どのメディアも「政治とカネ」が最重要事項であるような言い方をしています。ホントにそれでいいの? 大事なことではありますが、もっと重要なのは生活に直結する景気対策・エネルギー政策であり、行き詰まった社会保障の抜本的対策であり、激変する世界の中での安全保障であり、待ったなしの少子化対策でありましょう。特に社会保障に踏み込む候補が出てきてほしい。
初めての派閥の縛りのない総裁選、どう決着するのかワクワク感があります。コロナの最中、飲食店を目の敵にしとんでもない「対策」を次々と出して我々を大混乱に陥れた御仁。いっとき総裁候補と言われていたようですが、完全に消滅しました。二度と出てこないでいただきたい。
セブン「を」買収!?日々雑記
20240820
流通業界の雄、セブン&アイ。この巨大企業がM&Aを仕掛けられているという仰天ニュース。新聞テレビの扱いが小さく思えますが、どう解釈していいか、メディア側もきっとよく分かっていないのでしょう。
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(日経、一部略)セブン&アイ・ホールディングスは19日、カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたとの報道について「ア社から内密に、法的拘束力のない初期的な買収提案を受けていることは事実」とするコメントを発表した。
セブンは受け取った買収提案を検討するため、取締役会議長のデイカス氏を委員長とした独立社外取締役だけの特別委員会を立ち上げた。同委員会の答申を踏まえ、ア社側に受け入れるかを回答するという。
現時点で出資比率や株式の取得方法などの詳細は明らかになっていないが、セブン&アイの時価総額は16日時点で約4兆6000億円。完全買収するには少なくとも5兆円以上が必要となる。実現すれば、海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通しだ。
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これまでセブンはさまざまな会社を積極的にМ&Aして巨大化してきました。2005年には本家である米国のセブンをも買収し完全子会社化しています。それぞれの買収劇には成功したものもあれば、百貨店事業など手痛い失敗もありました。M&Aと親和性の高い企業とはいえます。
報道では、セブンが今回の件をどう考えているのかはまだ明らかにされていません。今日のところではあまり詳しい解説記事も出ていませんね。素人目には事業に追い風が吹いているようには見えず、巨大企業ゆえの悩みが大きいのだろうと思います。
コンビニ事業はあまりにも肥大しすぎて頭打ちではないかとも言われていますし、スーパーマーケット(イトーヨーカドー)ははっきりと不振で126店舗を93店舗まで縮小し、自社のアパレル事業からは撤退するとの方針を昨年発表しています。
ここ最近の株価が目に見えて下がっているようには見えませんが、円安のおかげで買収しやすい状況にはあるだろうと思います。いずれにせよ動向から目を離せない、注目の超大型M&A案件です。
不思議なのは、社外取締役「だけ」の特別委員会がこの件を検討するのですね。そういうものなのか、取締役名簿にはさまざまな企業の役員を渡り歩いた歴戦の猛者が並んでいます。実現すれば5兆円を超えるといわれる買収資金は、誰のところへ行くのでしょう。