十票の差日々雑記
20230410
昨日は統一地方選の前半。知事選、県議選などが行われ、駒ヶ根市区と上伊那郡区では県議選が投開票されました。
上伊那郡区は定数2に対し4人が立候補し、他を引き離してトップ当選した新人候補以外の3人は大激戦となりました。開票結果は2位当選者と次点に泣いた候補の票差がわずか10票!各市町村別の開票状況が次々と発表されるたびに順位が入れ替わり、最後の最後までわからない状況で、どの陣営も喜んだり肝を冷やしたり、大変な夜だったようです。
県議選でこの選挙区は、しばしば大接戦となっています。2003年の選挙では当選者と次点が1票差ということで、地元では大変な話題となりました。2007年は4人が立候補して、トップが12995票、最下位が11229票で得票差が僅か1766票という激戦でした。
「自分が投票したって、どうせ何も変わらないし」という人は現実多いと思いますが、このような選挙だと投票のしがいがありますね。一票の価値がより大きく見えます。
県議選の投票率はずっと右肩下がりになっていますが(県議選に限りません)投票に行くことって、そんなに面倒ですかね。今回の年代別投票率はまだ発表されていませんが、過去の例でいえば若い世代の投票率は低い傾向にあります。
高齢者の持っている票が多ければ高齢者向けの政策を考えるだろうし、逆の事態になれば若い世代を優遇する政策が数多く採用されるでしょう。若い衆、何とかいうデタラメな政党に面白がって投票している場合じゃないですよ。
さて二週間後には市議選が行われます。駒ヶ根ではいつも立候補者が少なく、選挙になるのか無投票なのか毎回やきもきさせられますが、今回はどうやら選挙戦になりそうです。知人も大勢立候補するので、それぞれ頑張っていただきたいな。
おびんずる様 拉致される日々雑記
20230406
「おびんずる様」は、善光寺本堂を訪れるとすぐに目につく木像です。今回不届き者によって盗難にあったこと、夜の各局のニュースでトップで扱われました。数時間後に見つかったこともあり、この像をご存じない方にとってはそんなに大ごと?と思われたかも知れませんが、信州人にとっては仰天するほどの大事件でしたぞ。ちなみに「びんずる尊者」なんて呼ぶ人は誰もいません、おびんずる様です。
報道されている通り、病気や具合の悪いところのある人がおびんずる様の同じところを撫でると快癒する、との言い伝えがあります。数多くの善男善女の手によって木像はすり減り、顔面などはのっぺらぼう状態になっていて少々気味が悪い。小さい子は泣いてしまうかもしれません。
妻は長野市に行く用事があると結構な頻度で善光寺を訪れ、その際には必ずおびんずる様を(どの部分かは知りませんが)撫でてくるそうです。私はそんなこと滅多にやりませんが、そういう人、特に長野市民には相当いるのじゃないでしょうか。
これほど県民に親しまれている木像がこともあろうに、堂々と人の手で運び出され盗まれた。まさに快盗ルパンも真っ青の仕業で、早朝(といっても8時過ぎですからそんなに早いわけでもない)で人の少ない時間とはいえ、なかなかできることではありません。犯人は車をどこに停めて重い木像を運んだのでしょう。
防犯カメラで車のナンバーなど判明したため、犯行から3時間とたたずに犯人は松本市内で御用となり、おびんずる様も無事帰ってきました。スピード逮捕の長野県警はお手柄ですね。
しかし動機が分かりません。「境内では5日午前6時過ぎ、森本容疑者が職員に『この像があるからたたりがある』などと声をかけていた(信毎)」とのことですが、何か自分の身に不穏な事件でもあったのか。
過去に善光寺に来たことあるんですかね。熊本から延々とプリウスを駆って長野までやってくるのは相当のエネルギーが必要です。本人にとっては大きな理由があったのか、単に頭のおかしい人なのか、続報が待たれます。それにしてもおびんずる様が無事帰ってきて、まずは良かった。
のど自慢の鐘音楽ばなし
20230404
日曜昼の「NHKのど自慢」。新年度からガラっと内容がチェンジしたと話題です。3月中から告知がされていて、のど自慢ファンからは不安の声が上がっていました。
最大の変化は、これまでの「生バンド」が「カラオケ」になりました。下手な歌にも合わせてくれたプロ集団が去り、これからはテンポリズムがズレてもバックは助けてくれませんよ!出演者の方はお覚悟を。
私として一番気になったのは「鐘を鳴らすのは、全国各地のオーケストラ奏者のみなさん」という一行です。全国各地のオケ?伊那谷に来たら、私に声が掛かるの?なんて。 のど自慢の鐘はそれほど技量を求められるものではないし(嘘です。後述)歌を審査しているのはもちろん別の人で鐘奏者は指示に従って鐘を鳴らすだけですから、アマチュアでもできそうです。
これまで鐘は、秋山気清さんというとても姿勢の良いオジサンが毎週担当していました。NHKの元ディレクターか何かの人かと想像していましたが、本記事のため調べてみたら、芸大打楽器科卒のれっきとしたプロの演奏家だと知って、びっくり。21年間も鐘奏者を務めてきたんですって。
新のど自慢、最初の放送は新潟県村上市から。興味津々で観てみると、鐘奏者は楽器に隠れてよく見えませんが、女性です。トークに反応して笑ったり拍手したりして、ノリの良さそうな方。どうもシロウトの立居振舞いではないですね。鐘の音はムラなく安定し一音のミスもありません。当たり前のようですが、あれだけ叩き続けて外さない集中力というのは、じつはアマには意外と難しいです。
全出場者の歌が終って、これまでならバンドメンバーの紹介があるところですが鐘奏者だけが紹介されました。楽器の後ろからニコニコ登場したのは何と、N響打楽器奏者の黒田英実さん!こんな人使うなんて反則でしょ!全国各地のオケってこういうことなの?
黒田さんはN響では普段、鍵盤楽器や銅鑼、金属系の小物楽器を担当することが多いようです。いつもちょっぴり怖い顔で(ごめんなさい、真剣な表情で)演奏していますが、この日はステージの雰囲気ピッタリのリラックスした笑顔で素敵な存在感でした。昨年夏には「タモリ俱楽部」の打楽器特集にも出演されています。
この鐘、正式名称はテューブラー・ベル。21.10.13の記事で取り上げましたので、ご興味があれば。
関連リンク: N響による団員インタビュー動画
大きな本屋さん日々雑記
20230402
八重洲ブックセンターが3月末をもって一旦閉店するとニュースになっています。新しく建たる高層ビルで5年後に再開するといいますから、そんなに大きな話題なのかなあと思いますが。 ちなみに「建たる」というのは信州の方言で「建つ」ことを意味します。
この書店が建たった(たたった)のは44年前の1978年。とにかく無い本はない、どんな本でもあるという触れ込みでした。大学生になり東京へ出てきてからですね、初めて行ったのは。確かに大きな本屋さんだとは思いましたが、住んでいた場所の関係で東京駅には行く機会がごく少なく、本を買うのは大学生協でなければ、渋谷の三省堂か新宿の紀伊国屋でほとんど事足りました。
そのうちゼミに入ると、上記の本屋に置いてない専門書が課題として出されるようになります。そんなとき八重洲へ行ってみてもやっぱり在庫がなく、看板に偽りありじゃんと憤慨したものです。一般の人が求めるような本は何でもある、と読み替えねばなりません。そりゃあまあ、特殊な本の品揃えはそれべしの専門書店にはかないませんよ。
子供の頃から本屋で長い時間を過ごしました。当時は漫画本も立ち読みできたしね。今でも東京に行くときは、少し時間があれば本屋に立ち寄ります。神保町付近に宿をとることが多いのはそんな理由もあります。
古書店の話はまたの機会にし、ここでは大型書店の話。以前から寄り付きが良いのは新宿紀伊国屋で実際に足も運ぶことも結構ありますが、ちょっと窮屈さを感じます(いま工事中で余計に狭い)。神保町の三省堂本店も建て替え中。
最近では丸の内の丸善本店で、書架に並ぶ本の発見が多いと感じます(私にとって、ですが)。朝9時から営業しているのはとってもいいですね。食関係の本も豊富です。このほかに「ここ行ってみろよ」という書店があったらぜひご指南ください。
世の中では活字離れが着実に進行していて、そこへもってきて本を買うにはamazonでポチっとすれば自宅へ届き、電子書籍なんてものも幅を利かせているのです。大小の書店が過去にないほどの苦境にあるのは確かだと思います。しかしやっぱり本というのはパラパラと中身を見て買いたい。本屋さんで棚から興味深い本を見つけるのは、楽しいです。こうした大型書店が存在するのは、都市の魅力として重要だと思いますよ。
小声で言うと、買っても読まずに積んである本が家の中にだんだん増えてきました。読書の時間が、TVやtwitterやブログを書く(!)時間に取られているからです。これは半分は嘘ですが半分は本当で、良くないことですね。インプットをもっと大事にしないと。
ちょっといい話日々雑記
20230331
毎日良い天気でポカポカ暖かい。高遠の桜も満開に近づきました。今日は令和4年決算年度の最終日です。コロナからまる3年がたち、回復の風が業界にも吹いていることを少しずつ感じられるようになりました。
「カメラを止めるな!」監督の上田慎一郎氏が作ったショートムービーを偶然見つけました。人気だそうです。こういう媒体でも活動しているのですね。大した製作費をかけていないとは思いますが、これで費用がちゃんと回収できるのでしたら面白い分野です。
内容はいかにもこの人らしい。わずか2分40秒ほどの、ほっこりする、いい話。
下記リンクからどうぞ。
(動画のタイトルを見てしまうと、ネタバレになると思います。ご注意を)
関連リンク: ショートムービー
しゃもじをお土産に日々雑記
20230327
ウクライナを“電撃訪問”した岸田首相。前々から噂されていましたし、インド訪問を隠れみのにして迂回するのでは、なんて言われてもいました。国の首脳が戦地を訪れるのに情報が駄々洩れというのは、安全管理上とってもまずいんじゃないの。
しかしタイミング的には、習近平がプーチンを訪問したのと重なって絶妙のコントラストとなりました。狙っていたわけではないでしょうが、侵略国家ロシアと仲良い中国、世界から応援されているウクライナを励ます自由陣営の日本という構図をまことにわかりやすく表した形です。中国はさぞかし口惜しがっているのでは。
さて中継国ポーランドで列車に乗り込んだ首相一行ですが、「うまい棒」の段ボールを持ち込んだところがNHKに撮影されています。あれは何だ、ゼレンスキーにうまい棒の差し入れか、とネットが盛り上がりました。
明らかにされた箱の中身は「必勝」と書かれた長さ50㎝ほどの「しゃもじ」でした。岸田首相の地元、広島の名産品で野球などの応援にも使われるものだとか。
何でそんなもの贈ったの、と国会でもSNSでも賛否両論です。そもそも意味が伝わっているのか、から始まって、勝ち負けを煽るのは平和を願うウクライナ国民に失礼だとか、ロシアを挑発する行為だとか。
……日露戦争の時代、広島湾に位置する宮島は、軍人たちの出征地の一つとなっていたため、軍人たちは出征前、宮島の厳島神社を訪れ、無事に帰ってくることを祈念し、お守り代わりとして、しゃもじを奉納していたという。宮島観光協会の担当者によると「しゃもじは『メシをすくう」もの、つまり『めしとる』もの。それが転じて、『敵を召し捕る』という意味で、『勝つための縁起物』として世に知られるようになった」ということだが…(以下略、YTBニュース)
まあ国会で時間をかけてこんなことを攻撃したりするのもどうかと思います。首相はもちろん手ぶらではなく、現実的な支援策を持って訪問しているわけですしね。
でも私は、やっぱり違和感を少し感じます。いままさに生死を賭けて戦っている現場でこうした縁起物を贈るというのは、いささか楽天的な気がします。しゃもじというアイテムにどことなくユーモラスなイメージがあるからでしょうか。スポーツや選挙運動の場ならともかく、こういう場面では、何だかなあ。
侍ジャパン優勝日々雑記
20230323
日本中の人が仕事が手につかなかったという昨22日の午前。私もライブでTV観戦したいなあとは少し思いましたが、そうもいきません。昼になって「日本勝った!」と叫びながら玄関に飛び込んできた人がいて(ラジオで聴いていたのでしょう)結果を知りました。
夜になって再放送?をするというので楽しみに観ましたが、勝ったとわかっていても実にスリリング、これは急遽放送を決めたTBSの快挙です。テレ朝が担当した生放送と同じ映像で、録画放送のためにわざわざ実況を撮っておいたということでしょうか。視聴率も高かったのでは。
まあ何というか、野球はやっぱりピッチャーですね。1~2イニングのサイクルで7人の投手を注ぎ込んだ日本、強打者を揃えたアメリカといえどもエース級が次から次へ登場し、二巡目をさせない目まぐるしい継投であれば、そうは打てないということです。オールスター戦でもこれほどの豪華な継投を目にすることはまずないでしょう。
というか、プロ野球音痴の私には今大会まで名前を知らなかった人が何人もいたのですが、みんな凄いボール投げるもんだ。驚きです。そして最後を締めくくった大谷翔平、うなる音が耳に聞こえてくるような剛球で、もう参りました。
打つ方も、メキシコやアメリカを相手に堂々のバッティングで、不振だった村上も二日続けての殊勲打、胸を張って帰れて良かったね。長野県出身の牧も、決勝では出番がなかったものの大会2本塁打の活躍でした。栗山監督の名采配も光りました。
さて大会を終わってみると、アメリカによるアメリカのための大会、という位置づけでいつまでもいていいの、と思います。世界における野球人口の偏在はいちぢるしく、ヨーロッパでこんなマイナースポーツをしている変わり者はまだまだ、まったく少ないのでしょう。
でもだからこそ、チェコやイタリアのチームと素晴らしい試合をした日本を見て野球の面白さを感じたそれらの国の人が大勢いたなら、大会を開いた価値もあったというものです。初めて見た人でも凄い技と力のぶつかり合いを楽しめた、そんな日本チームの活躍、改めて賞賛します。お疲れ様、優勝おめでとう!
大会中に流れたSalesforceのCMが印象に残った人、多いでしょう。リンクを貼っておきますね。(追記、3/31現在、見られないようです)
関連リンク: 次の世界へ。失敗の数だけ、成長できる
日韓煉瓦亭会談日々雑記
20230318
韓国の尹大統領が16日に来日し岸田首相と首脳会談を持ちました。この日は東京で日本商工会議所の総会があり、私も参加していたのでひょっとするとニアミスするかなと思っていました。結果は予想を上回る接近遭遇となりました。
夕方の総会終了後に銀座で中華料理を食べて、他のメンバーはWBCを観戦するべくホテルへ帰りました。私はドキュメント72時間で放送された「リカーマウンテン」という酒屋に立ち寄りラム酒を買ったりしたのですが、日韓首脳が洋食屋「煉瓦亭」で二次会を持つという話をふと思い出し、見物に行ってみようと思いついたのです。21時20分頃。
銀座はどこもかしこも制服警官だらけ。煉瓦亭の位置する銀座4丁目和光裏の通りは予想通り封鎖されています。少し大回りをして一丁目側から近づくと、ここも封鎖でしたが店の近くまで寄ることができました。店の前は大勢の黒服のSPと制服警官がそわそわと動き回り、道の両側にはたくさんのテレビカメラが待ち構え、空には取材ヘリが飛び、まことに物々しい有様でした。
大勢の野次馬に混じってスマホを用意し待つこと30分余り。22時を過ぎてメディアの動きが激しくなり、尹大統領が店を出て太極旗を立てた黒塗りの車に乗り込むところまで目撃できました。車は私たちのすぐ前を通ってゆっくり通り過ぎ、数分後には岸田首相も出てきて車に乗り、両首脳の二次会はお開きとなりました。(動画を撮りましたが本欄の仕様ではUPできません)
尹大統領はかつて訪れた煉瓦亭、そこで食べたオムライスのことを懐かしく思っていたとのことです。煉瓦亭は明治28年創業の有名店、私も何度か食事したことがありますよ。トンカツに千切りキャベツを添えたのは煉瓦亭が最初だといいますし、フォークの背にライスを乗せて食べる変てこなマナーはこの店が広めた(21.4.14記事)そうです。
オムライスを考案したのも煉瓦亭で、当初はご飯と卵を混ぜたものをフライパンで焼いた賄いから始まったものでした(今でも『元祖オムライス』としてメニューに載っています)。数年後に玉子焼きでご飯をくるんだ現在のような形になったようです。『元祖』も食べたことがありますが、普通タイプの方が美味しいと私は思います。
韓国野党の代表は尹大統領を「オムライス一皿と国家の自尊心を交換した」などと非難したそうです。品性を疑いたくなる汚い言葉で心から軽蔑します。今回の首脳会談が日韓外交の方向性を変える足掛かりになるのかどうかは、まだまだ不確定な要素は多く安心できる状況ではありません。何年かたって、歴史が動いた場面に私が幸運にも居合わせた、ことになるのでしょうか。そうなれば、なんと嬉しいことか。
WBC始まる日々雑記
20230311
日頃は野球に関心のない私にも、大きな大会であることはわかります、ワールドベースボールクラシック。いよいよ予選ラウンドが始まり、わが侍ジャパンは幸先よく中国・韓国に連勝のスタートとなりました。ところで何故大会名が「クラシック」なのか、誰か教えてください。
二試合ともほぼ通してTV観戦しましたが、こういう展開は気持ちいいですね。中国戦では着実に得点し危なげない勝利。ただ、何度もあった満塁のチャンスに拙攻を繰り返し大量の残塁を出したことはいかがなものか。韓国戦は帰宅しTVをつけたら3点先取されていて、まずいじゃんと思いましたがその裏にすぐ逆転し、結局あと一歩でコールドゲームの圧勝でした。
投手力の差は歴然で、圧倒している感があります。大谷翔平が投打にわたって凄いのはまあ当たり前とも言えますが、この大会まできっと誰も知らなかったヌートバー選手、打っても守ってもファイトあふれるプレーで素晴らしかったですね。トップバッターの務めを十分に果たしています。ぜひ日本でプレーしてほしいって、いや、逆だろ。
私の知らないw近藤健介とか吉田正尚とか、こんなにバカスカ打つ人たちだったんだ。岡本や牧も含めて相手ピッチャーは「誰が投げても、誰に投げても打たれる」状態で、さすがは4番打者を揃えたラインナップです。こういうチームは得てして機動力(小回り)が効かず、目論んだような攻撃力を発揮できないなんて話も聞いたような気がしますが、今のところ杞憂のようです。
期待を裏切っているのは4番にいながら2試合ノーヒットの村神様。絶不調は想定外でしょうが、シーズン中55号を放ったあと、新記録となる56号が14試合も出ないという大スランプもありました。実績も実力も十分な筈なのに打てない選手を短期決戦でどう使っていったらいいのか、監督は頭が痛いでしょうね。まあ、大会はまだ始まったばかりですけど。
一次リーグの突破は間違いないでしょうが、このあと中北米の強豪に対峙してどれだけ通用するか、たいへん楽しみになってきましたぞ。もうちょっと早い時間に試合が終わってくれるといいのですが、アメリカに舞台を移してからはどんな時間帯になるのでしょう。
タローマン読んだり見たり
20230310
去年の話。NHKで「TAROMAN(タローマン)」という不思議な(というより、変てこな)5分間ドラマを偶然目にしました。だいぶ昔の特撮番組のようで画像は古く、ウルトラマンのパロディーのような巨人、タローマンが妙に体をクネクネさせ、でたらめな行動を繰り広げながら怪獣退治をするのです。
タローマンとは岡本太郎の分身のようで、劇中では数々の彼の名言が引用され、中では各地を巡回開催中の「岡本太郎展」の㏚も。馬鹿馬鹿しいのに何だか面白くて、ついつい見入ってしまいました。その後、不定期に何度も再放送されています。
登場する怪獣たち(奇獣と称する)はいずれも岡本太郎の作品に登場するキャラクターです。タローマンは正義の味方的な存在ではありますが、正義よりも自分の信念を最優先します。時には怪獣など放ったらかしで遊んでみたり、毎回怪獣を倒すのがワンパターンだと気が付くと、自己模倣するくらいなら死んだほうがましだとばかりわざと怪獣にやられてみたり。最終話ではなんと、地球を爆発させてしまいます。
レトロな主題歌がまた良いのです。これも岡本太郎の言葉からとられているのでしょう。
爆発だ 爆発だ 爆発だ 芸術だ
べらぼうな夢はあるか でたらめをやってごらん
自分の中に毒を持て 自分の運命(さだめ)にたてをつけ
うまくあるな きれいであるな 心地よくあるな
マイナスに飛び込め タローマン
毎回ドラマが終わってからサカナクション山口一郎氏が登場し、子供の頃に観たタローマンの思い出を語ったり、当時のグッズ(フィギュアとか主題歌ソノシートとか、『タローマンかるた』とか)を持ち出して懐かしがったりします。この辺でどうやらすべてが嘘らしいと気が付きます。
そう、タローマンは昔の特撮ドラマではなく、昔を装って現代に作られた虚構の世界なのです。NHKが岡本太郎展とタイアップして作った企画モノなのですね。騙されていた人、多いんじゃないでしょうか。
この奇妙なドラマ、デタラメでありながらエネルギーにあふれていて痛快です。リンク先のサイトでは放送された動画を観ることができます。私と妻はタローマンのおかげで岡本太郎にすっかりハマり、名古屋で行われている岡本太郎展を観に行くことになりました。ご報告はまた後日。
関連リンク: TAROMAN (NHK)