山上の日の出日々雑記
20230102
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイでは元日と2日、日の出を見るツァーを毎年催していて人気を集めています。初日の出が南アルプスを越えて頭を見せる富士山の真上から出るためTVでも頻繁に中継が行われるスポットです。
私にとっては酒浸りの年末年始、早起きして寒い山へ出かけたことはこれまでありませんでしたが、ある忘年会の抽選でこのイベントのチケットを当ててしまったことから、よしせっかくだから行ってみるか、と重い腰を上げました。元旦は家の儀式(それは大げさ)とかお客様の準備などがありますので、2日に予約を取りました。
真っ暗な5時に駒ヶ根駅をツァーバスで出発します。予報では晴れのはずなのに、ちらちら小雪が舞い、ロープウェイ駅に着いた時には結構な雪降りです。参ったな、日の出は見られるんだろうか。
ロープウェイで6時半頃千畳敷に到着すると、気温はマイナス14℃。風強く雪は横殴り、凍えるようです。最近改装なったレストランでコーヒーをいただきながら夜明けを待ちます(1)。
周囲はだんだん明るくなってきましたが、視界はさえず10~20mくらいでしょうか。遠く南アルプスを望むなんてとんでもない、もちろん山の端から登る日の出も厚い雲の向こうです。それでも20分ほどたつと何だか光の色が暖かそうになってきましたよ。雲が薄くなってきたのです。
そして雲の向こうから日の出がぼんやりと!わずか2、3分でしたが、辛うじて山上からの日を拝むことができました(2)。嬉しかったなあ、ここまで上ってきた甲斐がありました。ちなみに麓から同時刻に撮った写真はこのとおり(3)。晴天が広がっていたようです。
おまけ(4)は、ゴンドラの部分を取り外したロープウェイの上部。これは珍しい写真だと思います。シーズンオフなので点検や大掃除でもしたのでしょうか。
(追記、鉄塔土台の積雪にゴンドラが接触するのを避けるため、毎年この時期には片側を取り外すんだそうです)
Best Dishes of the World in 2022食べもの
20221229
これはワールド版「今年の一皿」、twitterで見つけました。TasteAtlasなるホームページ。選定者がどんな人たちなのか、そもそもどこの国のサイトなのかよくわからないのですが(ヨーロッパのどこかだとは思われる)サイトの自己紹介にはこんなふうに書かれています。
―TasteAtlas は味の百科事典であり、伝統的な料理、地元の食材、本格的なレストランの世界地図です。私たちは 10,000 を超える食品と飲料をカタログ化しており、数十万の食品と飲料がまだ調査およびマッピングされていません。 世界中のあらゆる都市、地域、村の忘れられた味と香りだけでなく、人気のあるもの。旅行して、探検して、食べて、飲んで。 地元の食べ物を見つけて感謝し、それを作っている人々を尊重してください。
コロナで海外旅行ができず寂しい人のために出版され話題になった「地球の歩き方 世界のグルメ図鑑」みたいな素敵なホームページではあります。いろいろなコンテンツの中で、Best Dishes 100はたいへんツッコめて面白い。画像は上位の50品までですが、リンク先サイトで100位まで見ることができます。
何と第一位は、我らが「Karé」。おお素晴らしい、今や日本料理となったカレーは世界に冠たる存在に! …ん?43位には「Karé raisu」がありますぞ。どう違うんだ。写真では「箸」で食べるようになっていますが、箸でカレーライスは喰わんだろ。
このランキングは地域が不思議なほど偏っており、100位までのうちイタリアが15、日本12、トルコ11、ギリシャ9、中国8と特定の国に集中しています。日本では豚骨ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメンがそれぞれ別の料理として、またイタリアでも何種類かのピッツァが掲載数を稼いでいます。
フランスからは僅か1品(ステーク・オ・ポワーブル)。それだけですか?ブイヤベースは?カスレは?ガレットは?シュークルートは?オニオングラタンは?ムール貝は? ドイツ圏、北欧、アフリカ、オセアニアはゼロ。アメリカからはスシの「裏巻き」のみがランクイン。ハンバーガーはベスト100に入らないのか?
などとマジに突っ込んでも仕方ない、年末のお笑いネタとしてお楽しみください。
今年も(不作の)一皿食べもの
20221227
毎年12月上旬に発表されるぐるなび総研の「今年の一皿」。昨年まではそれでも新聞などで取り上げられていましたが、今年はついにメディアにも無視されるような存在になってしまったのかな?。自分でネットを探しに行って今年度の発表をようやく目にしました。
今年の一皿は「冷凍グルメ」だそうです。選考理由に曰く、
・コロナ禍で飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した冷凍グルメが誕生した。
・飲食店でオリジナルの冷凍商品の開発が進んだことでバリエーションが豊富になり、店頭や自動販売機など購入方法も多様化し消費者から支持を得た。
・保存性やフードロス削減の観点でも社会変化に対する柔軟性が高く、今後の日本の食文化においてより一層不可欠な存在になると考えられる。
「冷凍食品」でなく冷凍「グルメ」というところがポイントでしょうね。冷凍技術そのものは既にかなりのところまで実用化されていて、私たちもその恩恵にあずかっています。今回は高級食をそれまでイメージしにくかった冷凍で持ち帰り(取り寄せ)家庭の食卓で楽しめる、という一種のミスマッチが新たな需要を引き出したと言えるでしょう。
冷凍食品専門売り場は今年のヒット商品にも挙げられ、3回前の本欄でも取り上げました。まあしかし、これが「今年の一皿」というのもどんなものか。ちょっと主語が大きすぎませんかね。
その他のノミネートは、乳酸菌飲料、ガチ中華、プラントベースフード。これらも過去に本欄で取り上げたものばかりです。ヤクルト1000はあれから試しに一週間続けて飲みましたが、安眠を体感するまでには至っておりません。前から流行っていたと思われるガチ中華は、何で今年なのかな? プラントベースフードは上昇中ですが、ちょっとアワードには時期尚早な気もします。
コロナ禍が始まって外食の場面が減っており、こうしたジャンルのヒットが出なくなっているこの3年ですが、来年はもっと華やかなトレンドが出てきてほしいですな。
関連リンク: 2022年 今年の一皿(ぐるなび総研)
チーム・ジンバブエのソムリエたち(2)読んだり見たり
20221222
フランスに降り立ったチーム・ジンバブエは、空港で初対面となるコーチに出迎えられ、早速ワインの名産地を車で巡って大会の直前講習を行います。次々に映されるフランスとドイツのぶどう畑が美しい。ほんのちょっとだけ出てきた「ル・モンラッシェ」の畑、辛口白ワインの世界最高峰といわれる名品ですが、私もぜひワイナリーを訪問してみたいものです。(本当は行かなくたっていいから、飲んでみたいものです)
開催地のブルゴーニュ「シャトー・ド・ジィィ」に意気揚々と乗り込んだジンバブエ。見るからに自信満々の各国チーム。日本チームを探しましたが、あとで調べたらこの年は日本、不参加だったらしい。
大会前夜のパーティーでは、彼らのクラウドファンディングを応援したジャンシス・ロビンソンと同じテーブルを囲みます。彼らの初参加は既に大会の話題となっていました。大はしゃぎの4人ですが、翌日の大会本番では大変な緊張ぶりです。コーチとのコミュニケーションもほころびが目立ちます。果たして4人は実力を発揮し難しいテイスティングを乗り切れるのか?
リンク先の記事に、このときの上位の結果、そして出題されたワイン12種が載っています。(結果のネタバレになってしまうので、知りたくない方はご注意を)
それによれば出題されたワインはスイスのシャスラ(教科書には載っていますが、まだ飲んだことないです)から始まり、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどやはりヨーロッパの名産地のものが多かったようです。珍品としてはメキシコのネッビオーロ(銘酒バローロの原料ぶどう)、レバノンのカベルネ・シラーが出題されましたが、こんなの当てられる人いるのかね。
チーム・ジンバブエの成績をここに書くのは控えますが、大会を終えて日常に戻ってきた彼らの表情が素晴らしい。大会前、生まれ育ったジンバブエの山間地で「いつかきっと、この斜面にブドウを植えてワインを作るんだ」と夢を語っていたチームの一人は、そのための一歩を踏み出そうとしていました。遠くない将来、真空地帯に名ワインが生まれるのかもしれません。
チーム・ジンバブエのソムリエたち(1)読んだり見たり
20221221
ジンバブエはワインの生産も消費もほとんどゼロで『ワイン真空地帯』といわれる国です。そんなジンバブエ出身のソムリエたちに光を当てたドキュメンタリー映画を、封切り初日に観てきました。
主人公である4人の若者は、ジンバブエの政情不安を避けて隣国の南アフリカに新天地を求めてやってきた貧しい移民たちです。仕事を探す中でたまたまレストランに就職し、そこで初めてワインと出会いました。
徐々にワインの経験を積んで一人前のソムリエとなりつつある彼らに、フランスで行われるテイスティングコンテスト出場の話が舞い込みます。居住地は南アですが出身がジンバブエということで、南ア代表とは別枠でジンバブエ代表として出られることになったのです。世界から24か国が集まる熾烈な大会で、彼らはどこまで食い込めるでしょうか?
参加費や渡航費などあるわけもないのですが、クラウドファンディングで多くの人たちから寄付を集め、その中には著名な英国のワイン評論家、ジャンシス・ロビンソンもいました。日経日曜版のワイン記事にもよく登場する女性です。
映画の設定は雪のないジャマイカのボブスレー選手が冬季オリンピックに出場する「クール・ランニング」を思い出しますが、こちらは予想したよりずっとシリアスな映画でした。ワーウィック・ロス監督は「4人の未経験者がチャレンジし、ある成功を手に入れ、予想もしない結末をむかえる、という点では同じだと思いますが、本作では難民がおかれている状況や、多様性、包括性、決然たる思い、勇気、チャレンジ精神、のテーマにより深く響くものがあると信じています」と語っています。
大会はフランスのワイン誌が主催です。チーム戦で、4人の選手が合議で白赤各6種類のワインのぶどう品種、生産国、AOC、収穫年など当てる戦いです。それにコーチがひとり付きます(たぶん、自らテイスティングすることは許されないが、助言はできる)。ジンバブエが雇ったフランス人コーチ(写真下の白人)がいい味を出していて、暴走しチームの足を引っ張ってしまうこともあるのですが、彼にも人生の悲哀があり、物語のアクセントになっています。
もうちょっと書きます。上映は塩尻東座で12月30日まで。
関連リンク: チーム・ジンバブエのソムリエたち(公式)
2022年ヒット商品番付(2)日々雑記
20221213
続きです。。
前頭 ガチャ旅
いわゆる「ミステリーツアー」の流れですか。昔読んだ「ドリトル先生」の中で、目をつぶって地図帳をバタンと開き、適当な頁の適当な場所を鉛筆で付いて旅の目的地を決めるゲームがありました。どんな場所になってもそこに行かなくてはならないルールです。あるとき鉛筆が天体図の頁、月の真ん中を指し…
前頭 月見バーガー商戦
玉子入りのハンバーガーなんて普通の年間商品で売ればいいと思うんですけど、あえて季節商品として売るマーケティングの妙なのですね。写真のフォカッチャなんて、とても美味しそう。
前頭 カヌレ
フランスはボルドーの郷土菓子。ぷにぷにした食感とカスタードの味、とても美味しいお菓子でずっと前から大好物ですが、何故今頃ブームになったのでしょうか。ボルドーでワインを醸造するとき、卵白を加えて澱を吸着させ取り除く伝統的手法があり、その際にたくさん余った卵黄の使い道として考えられたお菓子だと言われます。
前頭 すずめの戸締まり
観たいが、行く暇がないです。たぶんそのうち行きます。
前頭 スマホショルダー
外出時にはスマホと、ほぼ同サイズの手帳を両方持ち歩くのですが、良いデザインのものがあれば買ってもいいな。
前頭 画像生成AI
twitterで時々作品が紹介され、その完成度の高さには驚かされます。お題をAIが珍妙に解釈して作られた絵もまた面白い。無料のアプリもあるのですね。
前頭 鎌倉殿の13人
いよいよ来週で最終回を迎えます。鎌倉時代にまるで疎い私でもワクワクして観ることができました。ぜひ、登場人物の足跡を辿る坂東武者ツァーをしてみたいと思います。
前頭 冷凍食品専門売り場
高級食材も冷凍流通され、冷食のイメージもだんだん変わってきているのだと思います。数年前フランスから上陸し話題になった高級冷食専門店「ピカール」、この記事のため検索すると、いつの間にかどんどん店舗を増やしているのに驚きました。まだ行ったことがありません。
前頭 水グミ
前頭 ビアボール
近所のスーパーでは売ってなかった。もうちょっと探してみます。
2022年ヒット商品番付(1)日々雑記
20221209
年末恒例、日経MJ紙「ヒット商品番付」が発表されました。ヒット「商品」としては大不作だった昨年は番付という名に値しないようなラインナップでしたが、今年は元に戻ったようです。感想などを。
横綱(東) コスパ&タイパ
コスト&タイムパフォーマンス。前者はすさまじい値上げへの抵抗。節電グッズや大容量品が売れたといいます。スーパーで行われるコストコセールなんて、あのデカい食品をよく購入されますよね。後者、時間を節約し映画を早送りで観るなんて、何のために映画観てるのかわかりません。(どうでもいいTVのバラエティ番組は、私も録画を飛ばしながら観ますけど)
横綱(西) #3年ぶり
コロナで中止されていたイベントなどが復活し、夏祭りの経済効果は4000億円との試算とか。同慶の至り。旅行などコロナ前の日常の復活は喜ばしい。願わくばこれから、忘年会の3年ぶり復活を!
大関(東) サッカーW杯日本代表
Bravo! つい先週本欄でも書いたばかりです。これからベスト8同士の試合、大熱戦が期待されますが、日本時間0時と4時の試合開始では、寝る時間を割いてまで観ようとはなかなか思えません。ニワカってもんですわ。
大関(西) ヤクルト1000/Y1000
飲んだことがないのです。ヤクルト販売員の女性が毎週会社に来るのですが、そんなに売れてるんですね。聞いたらご家族の分まで購入している人もおりました。睡眠の質向上が期待できるとのこと、試しに飲んでみるか。
関脇(東) ポケモン スカーレット・バイオレット
全然わかんない。
関脇(西) ジブリパーク
みんな相変わらず、ジブリ好きなんですねえ。駒ヶ根と長久手というのは、そのうち孫ができたら連れていける距離ではあります。その頃にはいくらか空いていることでしょう。
小結(東) ワンピース フィルムレッド
小結(西) トップガン マーヴェリック
トップガンは旧作を観てないので、足が向きません。30年単位で乗り遅れました。新旧作を連続で観る機会があればと思います。何十回も観ている人とか、いるらしいですね。
続きは次回で。
紋付きハカマで指揮音楽ばなし
20221208
オーケストラ指揮者の衣装といえば、普通は燕尾服、昼間のコンサートならダークスーツ、夏場なら白系の上着、といったところが定番でしょう。最近は詰襟のマオジャケットも多いですね。間違っても和装で指揮する人はいません。
それが先日、紋付き袴で指揮をしてしまいました。伊那文化会館で行われた「和の響き フェスティバルコンサート」という和楽器のコンサートに出演したのです。
この催しは地元で活動するプロ・アマチュアの皆さんや、小中学生の「ジュニア和楽器隊」や太鼓グループなど、さまざまな和楽器奏者が入れ代わり立ち代わり登場しました。コンサートのフィナーレ曲として二十数名の和楽器オーケストラが演奏する、池上眞吾作曲「伊那谷幻想」を指揮させていただいたというわけ。楽器は篠笛、尺八、三味線、筝、十七弦筝(低音を担当する)、和太鼓。
女性は着物、男性は紋付き袴を身に付けてステージに上ります。指揮者は何を着るかと言われたら、やっぱり和装しかないですよね。「僕も紋付きで出ます」と言ったら幹事役のMさんからぜひにと背中を押され、本気になりました。
我が家の土蔵に、ご先祖様が着た和服がとってあるはずです(そうでなければこんなこと思いつかなかったでしょう)。探してみると袴はいくつも出てきましたが、紋付きの着物がありません。そんなわけない、絶対にあったと思うのですが、何かの時に母が処分してしまったのでしょうか?仕方がないので着物と襦袢、それに帯などの小物はレンタルすることに。
業者さんの持っている貸衣装は、当然ながら家紋が我が家のものと違います。ぜひ代々伝わる「丸に片喰」にしたい。こんなとき使う「貼り紋」なるシールがあるそうで、さっそく通販で取り寄せました。履物は雪駄、これは以前にお祭りで使ったものが残っています。黒い鼻緒に土蔵で見つけた昔の晒を巻いて白鼻緒にし、白足袋だけは購入して準備万端です。当日は楽屋に着付けをお願いしました(私の他にも頼んだ女性が何人もいたようです)。
私の体形は和装に合う…のではないかと思われます。お腹の出ているのも不自然じゃないしね。棒を振るのにも本人としては特段違和感はなく、まあいい感じでできたのではと思いました。本番の少し前には、指揮棒の代わりに扇子を使ったらどうか、曲の終わりにパッと開いたらなどと結構本気で考えましたが、音楽に集中できなくなりそうでこれだけは断念しました。やめて良かったと思います。
残念ながら指揮姿の写真がありません。ここまで引っ張ってきながら申し訳ないことです。主催者のどなたか撮ってないかなあ?
(12/23追記、写真を追加しました 後ろ姿ですが)
左手のパティシエ日々雑記
20221205
かつて東京八王子に「ア・ポワン」という有名な洋菓子店がありました。料理雑誌や専門誌にたびたび紹介され、私も東京出張のついでに何度か寄ったりして、すこぶる美味しいケーキや焼菓子を楽しんだものです。
この店はメレンゲ菓子を得意としており、中でもマカロンは入手困難な名品として有名でした。バレンタインデーやひな祭りなど、年に5回しか販売されないのです。地方にいた私にはハードルが高かったのですが、販売日のホワイトデーと同時期に幕張で開催されるフーデックス(国際食品展)に行くときは、必ず八王子で途中下車して買い求めました。サクサクほろほろとした食感が素晴らしく、また柿の種+チョコ、ゴマ+レモンなどの組み合わせも珍しかった。
雑誌記事によれば、ア・ポワンのご主人岡田吉之さんはマカロンに特別な思いがあり、約2日間昼も夜も窯につきっきりでマカロンを焼くとありました。新しいお菓子を発売するときは、一個まるまる食べてみなくては味はわからないとして、口内炎ができ胃がただれるまでクイニーアマンを納得いくまで試食し続けたとか。
仕事がもう楽しくて楽しくて、毎日2時間しか寝ずに30年。51歳で脳出血で倒れます。利き手の右半身が麻痺し、もちろんお菓子作りもできず、2012年に閉店することになってしまいます。このあたりまでは私も何となく噂で聞いていて、悲しく残念に思っていました。
先日TVを点けたら「きょうの料理」にその岡田さんが登場していてびっくり!「左手でつくる料理日記」というタイトルで、パンプリン、母の思い出のラーメン、アップサイドダウンケーキなどを左手だけで苦労しながらも目を輝かせながら作っていました。
岡田さんはインスタグラムで、作った料理やお菓子を毎日公開していて、その中で「きれいな形をつくることに菓子人生をかけてたけれど 今はそんなことどうでもいいな~」というコメントを載せています。病と絶望から立ち直り、すっかり肩の力を抜いて料理や菓子作りを楽しんでいる岡田さんの自然な姿を見て、とても嬉しい気持ちになりました。
今はご自宅を改造してプリンなどを販売するお店を計画しているそうです。以前のように根を詰めた仕事ではなく、自分のできることを楽しく自分のペースでやって周りの人を喜ばせたいのでしょう。私もぜひもう一度、ア・ポワンのプリンを食べたいです。
関連リンク: 婦人公論記事
Bravo‼ 日本代表日々雑記
20221202
いや驚きましたなあ。世界の強豪スペインを相手に堂々の逆転勝ちで決勝トーナメント進出、本当にビックリです。早起きした甲斐がありました。
ドイツ戦もスペイン戦も(コスタリカ戦のことは前回書いたし、忘れたのでスルーします)前半と後半で全然別のチームが出てきたよう。前半、相手の猛攻を耐えて耐えて最少得点でしのいで、後半一気に逆転とは。森保監督、魔術師なのか、よほどの策士なのか。どうしてこうなるのか不思議です。これまで日本代表になかった選手層の厚さが奏功していますね。
ドイツ戦だけならフロックとも言えましょうが、スペインも倒したとなれば…。まさに台風の目、下剋上の多い今大会でも最大のサプライズを世界に与えています。
前半は圧倒的にボールを支配し、いいように日本を弄んでいたスペイン。後半になって堂安と三苫が入ったとたんに日本は目の覚めるような攻撃を見せ、堂安の思い切った豪快なシュート、そして三苫から田中碧への執念のパスからの逆転弾。お見事の一語です。
TVでは三苫の前でボールがゴールラインを割ったように見えましたが、あれだけ慎重に時間をかけてVARの判定が行われたのですから、間違いありますまい。まさに髪の毛一本の判定でした。三苫と田中は川崎市立鷺沼小学校の同窓生(学年一つ違い)なんですってね。鷺沼ではもう大騒ぎでしょう。
後半の後半、スペインのしつこい攻撃の時間がとても長く続きましたが、日本はよく我慢し得点を許しませんでした。というか、危なげない感じさえしましたよ。スペインの焦り?もありましたが前半に攻められていた時よりずっと対応が固く、安心して観ていられたような気がします。
試合後のインタビューで興奮した長友が「Bravo!」と叫んでいました。今さらですがイタリア語での賞賛の言葉で、クラシックの演奏会では名演奏に接したときに聴衆が叫ぶ掛け声です。コンサートホールで真っ先に言葉にするのはちょっと勇気が要ります。私も周りの空気を読むことなく自ら先頭切ってBravoと叫んだのは、これまで2回くらいかな。今回も心から日本代表にBravoを贈ります。
しかしW杯が始まる前の大方の予想は、ドイツとスペインには勝つのはまあ無理、何とか引き分けに持ち込みコスタリカに勝って辛うじて決勝トーナメントに行けるかどうか、でした。3試合とも見事に予想を外して見せる、意外性に満ちたチームです。次戦は前回準優勝のクロアチア、夜中の試合ですが楽しみに夜更かししましょう。