2014年ヒット商品番付 (1)日々雑記
20141211
12月恒例、日経MJ紙の年間ヒット商品が先日発表されました。例によって感想などを。
横綱(東)インバウンド消費
これが東の横綱になるほど、多くの外国人旅行者が日本を訪れてるのでしょうか?田舎にいると全然ピンときません。東京のホテルに泊まれば、外国人率の高さはかなりのものだと思います。円安さまさまですか。
駒ヶ根市では台湾からの観光客誘致に力を入れていますが、まだ大きな成果とまではいきません。写真は昨冬ホテル千畳敷で行われた、台湾カップルの二組の結婚式。
横綱(西)妖怪ウォッチ
不思議なものが流行る世の中です…不振を極めるマクドナルドの業績をそれでもちっと持ち上げたそうですから、相当な人気なのでしょう。現物見たことなし。ウチの子たちが昔やっていた遊戯王やポケモンカードみたいなものですか?
大関(東)アナと雪の女王
ヒット商品番付なら当然これが東の横綱だと思っていました。未見。多くの歌手がカヴァーしいろんな歌が受け入れられたのは面白いですね。
大関(西)ハリー・ポッターinUSJ
こっちは子供のお供で映画はみんな見ましたぞ。大阪はちょっと遠くて、USJにはまだ行ったことがありません。きっと楽しいだろうとは思います。ここ数年社員旅行もやっていないし、いいかも。
張出大関(東)錦織圭
掛け値なしに凄い。たった一人で数時間、戦い抜く厳しさは想像を超えるものだと思います。ぜひ世界の頂点に立ってほしい。でかいコンテンツをモノにしたwowowの先見の明には感服しますが、それでも決勝戦、見たかったですな。
張出大関(西)羽生結弦
こちらは若くしてすでに頂点に立ちました。じつは私、去年ナマで見ています。男の色気みたいなのは高橋大輔にまだまだ及ばないと思いましたが、技の安定感はすばらしく、大いに華もあります。中国大会で怪我を押してリンクに立ったのは、賛否両論ありますが、やめるべきだったかと思います。グランプリファイナルも、大丈夫なのでしょうか?
甲州ワイン 飲みもの、お酒
20141206
先日、飲み仲間の先輩たちと甲府に一泊で遊びに行きました。ビジネスホテルに泊まり、宴会場所は私が決めることになって、さてどうしたものかと。
あれこれ探して考え、駅近くの居酒屋「峠の茶屋」というところにしました。小さなお店で料理は安く、こだわりの酒豊富(日本酒、ワイン、焼酎)。そこでまあ、さんざん飲みからかし、料理代より酒代の方がずっと高かったというわけですが。一部記憶をなくした人もいたとか…お店の方、でかい声で大騒ぎしてすみません。
ビールで乾杯し、各々銘醸日本酒や焼酎に移行して宴も盛り上がった頃、「ワイン行くか!」との声が。待ってましたと私、お店の冷蔵庫を拝見すると、地元山梨のワインがいろいろありますぞ。
山梨のワインと言えば代表は甲州種です。葡萄自体はほんのり薄紫がかった色をしていますが、普通はこの皮の色をつけずに、ほとんど無色透明に近いような白ワインに仕立てます。昔は甘口の平凡なワインが多かったようですが、本格的な味を追求して各ワイナリーが切磋琢磨し、個性的で高品質のものが続々登場しています。最近の日本ワインブームの中で甲州は特に「和食に合う」として着目され、ファンが増えています。
私も何年か前、都内の酒屋さんで5種類ほどの甲州を購入し、家で飲み比べをしてみたことがあります。メモを紛失した(バカですね)のでどれが良かったか悪かったか、結構いいのと駄目なのがあったと記憶しているのですが、和食に合うというのは確かに言えると思います。ワインにとかく鬼門とされる醤油の味、お刺身の味に不思議とぴったり来るのですね。
この夜はそれまで飲んできた日本酒や焼酎で舌が疲れてきたこともあったでしょうか、皆で「うまい!うまい!」と、たちまち4本の甲州ワインを空けてしまいました。写真はその時飲んだ大和葡萄酒製の「番イ(つがい)」「重畳」です。番イはシュルリーのすっきりタイプ、重畳は少し樽香のついたお酒で、どちらもおいしくいただきました。
翌朝、その筋では有名な市内の「依田酒店」という酒屋さんを訪れ、店に何十種類と並ぶ甲州ワインの中からご主人にお薦めを6本、それぞれ違ったタイプを選んでいただきました。ワインへの愛情がこぼれんばかりのご主人のトークに圧倒されました。これからだんだん飲んでみますが、感想はまたそのうち書いてみましょう。
アンサンブル音楽三昧音楽ばなし
20141203
1日の日経最終面文化欄に、田崎瑞博氏の記事が出ています。アンサンブル音楽三昧というグループの紹介です。クラシックファンでも誰もが知っている存在ではないと思いますが、私は以前からこのグループの演奏が好きで、何枚かCDを購入し折に触れて聴いています。
このグループは5人の奏者による室内楽です。編成がフルート(各種の笛持ち替え)・ヴァイオリン・チェロ(ヴィオラ持ち替え)・コントラバス・チェンバロ(ハープ持ち替え)という、他にあまり類のない形態で、レパートリーはすべて田崎氏による楽団オリジナルの編曲によります。
選曲がユニークで、大編成の管弦楽曲を縮小編成で演奏したり、逆に独奏ピアノのための曲を室内楽に拡大したりしています。そのアプローチは、よくあるエンタテインメントとは対極で、きわめて真摯な取り組みです。聴き慣れたはずの曲が全く違った姿を見せるのに驚きます。
たとえば、ショスタコーヴィチの交響曲第5番(一切カットなしの全曲)を取り上げたディスクがあります。金管打楽器の鳴り渡る大袈裟な原曲を5人でいったいどうやるのかと思いますが、聴いてみると実に厳しく内省的な曲となっています。元からこういう編成の曲だったのではと思わせるだけの説得力があります。
一方でドビュッシーの「ピアノのために」では、原曲の華々しいグリッサンドが何と上から下へおりてくる!このユニークさ。ピアノ曲にせよ管弦楽曲にせよ、この編成で演奏するにはそれぞれ異なった超絶技巧が求められるようで、特にピアノ曲で10本の指を動かして演奏される早いパッセージを弦楽器で弾くのは、それは大変なことでしょう。
ぜひ一度、生演奏を聴いてみたいとおもうのですが。普段はそれぞれ別の場所で活躍している人たちで、音楽三昧としてのコンサートはそうちょくちょくあるわけでなく、残念ながらまだ機会がありません。
関連リンク: 音楽三昧のホームページ
長野県百年企業〈信州の老舗〉しごと
20141201
当社は明治34年(1901年)8月8日の創業で、現在満113年を経過し114年目に入っております。長生きすることばかりが企業の価値ではありませんが、会社は存続することが第一ですから、長寿企業と呼ばれることは素直に喜ばしいことです。
このほど「長野県百年企業〈信州の老舗〉」として、県内の長寿企業を表彰していただくことになり、先月28日に松本市で表彰式がありました。右の写真は、ここで頂いた手作りの木曽漆器プレートです。
表彰を受けたのは全部で264企業。駒ヶ根市では商工会議所の推薦で、当社を含めて4社が表彰を受けました。業歴百年を超える会社は他にもいくつかあるはずですが、原則として社員十名以上の会社だとかいくつかの基準があり、また今回はそれぞれのご判断でエントリーしなかった会社もあるとお聞きしています。
264企業の名簿を見ますと、業種として多いのは、お酒・味噌など伝統的発酵食品の製造会社。お菓子屋さん、旅館、繊維や金物卸のお店、また印刷屋さんもたくさん表彰を受けています。同業である食品卸の会社は意外と少なく、当社の他に2社くらいでしょうか(実際はもっとたくさんあるはず)。現在経済を牽引している電機製品や自動車関係の会社は、もちろんまだ登場していない頃です。
これまでの百余年があるから今後の百年も安泰だ、などと考える人は一人もおられないでしょう。しかし歴史を作ってきた先輩たちの努力と知恵が今の私たちの後押しをしてくれると信じて、また新たな気持ちで仕事に臨んでいきたいと思います。
表彰式で阿部知事は「受章された皆さんはぜひ盛大にお祝いをして、経済貢献をしてください」とユーモアを交えて挨拶しました。師走に入り忙しくなってしまいましたから、年が明けてからささやかにお祝いをしましょうか。
関連リンク: 長野県ホームページより (受賞企業一覧もあります)
山の上でヌーヴォーしごと
20141127
「天上のカウントダウン」でお知らせした、ホテル千畳敷さんのボジョレーヌーヴォー解禁パーティー、行ってきましたよ!。。
30人近くのお客様をお迎えしました。夕方の最終ロープウェーで上ってきたお客様、ウェルカムドリンクのスパークリングワインを召し上がりながらチェックイン。再集合して夕食をとっていただくところから、実質的にはパーティーの始まりです。
会場はスタッフの皆さんの工夫で、いつもの千畳敷の食堂とはずいぶんと様変わりした高級は雰囲気になりました。食事もビュッフェスタイルでワインに合うメニューが用意され、早くも盛り上がるお客様もいらっしゃいます。
カウントダウンまでだいぶ時間がありますので、入浴いただいたり、会場の一角でワインにちなんだ映画を上映したりしながらゆっくり過ごしていただきます。ちょっとしたワインの利き酒クイズも行いました。やや問題が難しかったかな?みごと正解されたF様、さすがでした。
この日は朝から雲一つない晴天でした。ホテルの外に出ると、満天の星。降るような星空というのはこういうのですよね。寒さに震えながら(マイナス8度くらいだった由)銀河を眺めました。昇りくるシリウスを眼下に見るなんて、なかなか経験できない状況でした。
そうしているうちに、ようやくパーティー再開の時間です。お客様にワイン講座をということで、ヌーヴォーの豆知識あれこれについて少しばかりお話をさせていただきいました。
解禁の午前0時を前に、グラスにワインが注がれ、カウントダウン。12時ジャストに乾杯となりました。今年のヌーヴォーは量は豊作とは言えないが、品質は良いとの前評判でした。当社も毎年同じワイナリーのものを仕入れており、私もずっと続けて味を見ていますが、とてもすっきりして雑味がなく、特徴のイチゴの香りがよく立って、ヌーヴォーらしい結構なお味だったと思います。
その後1時過ぎまで楽しく過ごし、名残惜しくお開きとなりました。私にとってはとても寛容なお客様に恵まれ、楽しんでいただけましたし、またスタッフ各位にはあれこれ本当に気を使っていただいたおかげで、何とか任務をやりおおせたかと思います。初めての大役で、私自身たいへん勉強になった一夜でした。企画実行された中央アルプス観光さんの若いスタッフの皆さんに拍手です。
ライトアップ日々雑記
20141119
この写真、我が家の前の通りを写したものです。時刻は土曜日の9時頃。
ここは住宅街で、ふだんは街路灯以外は真っ暗なところです。この日は恵比須講のお祭りだったので、近所の神社まで数百メートルにわたって数日間奉納者の名入り提灯が飾られています(当社のもありますよ)。ここまでは毎年のことですが、今年はもうひとつ、植栽されている「いろはもみじ」の樹が紫色の小さなライトで彩られています。遠くで見ればいささか寂しげではありますが、近寄ってみるとなかなか綺麗です。
LEDの普及に伴って、あちこちで賑やかなライトアップが楽しめるようになりました。年末近くなると、それは銀座や六本木のゴージャスなライトアップとは2ケタくらいスケールが違いますが、街を離れたところでも色とりどりの電飾で飾ったクリスマスツリーのような個人宅が増えてきているように思います。以前は電気代がバカにならなかったそうですから、ノーベル賞の研究もこんなところで役に立っているわけだ。
ライトアップは、本当はそこを歩く人がいてこそ一層輝くものだろうと思います。それだけで人を呼べるほどの大規模で凝ったライトアップもありますが、ささやかなものであっても、ちょっと散歩したりする通りにこうしたものがあると嬉しいですね。そういう意味では、冬よりもむしろ夏にライトアップがあればいいのかな。そうはいっても電力の需要期ですから、ちょいと具合が良くないでしょうか。
この日は街のイベントとして「こまちバル」という飲食店振興の企画が行われていました。撮影した位置から100mほど先へ行くと商店街になって(写真でも明るく見えます)、もう少しは人通りがあったかな?
提灯はもう撤去されてしまいましたが、いろはもみじの樹は今も紫に輝いています。クリスマス頃までやってくれるんでしょうか。
ラプソディー・イン・ブルー音楽ばなし
20141116
半月も更新をさぼっちゃって…今月は出張やら何やらで忙しく、ついついブログが後回しになってしまいました。。
表題の曲、「のだめカンタービレ」ですっかり世間に有名になりました。中間部のゆったりしたメロディーはTVCMにもよく使われますから、聴いてみれば「ああ、あの曲か」と思われるでしょう。協奏曲と名前はついていませんが、単一楽章のれっきとしたピアノ協奏曲です。
この超有名曲、演奏するものではなく聴くものだと思っていましたが、なんと先週の伊那フィル定期公演で取り上げました。ソロは地元伊那市のピアニスト、林智子さん。
クラシックとジャズを融合させた曲だと評されています。お堅いプレーヤーがいくら楽譜通りきちんと演奏しても様になりません。今回、ピアノのソロはお任せにしても、オケがはて、冒頭のクラリネットの艶めかしいグリッサンドから始まり、カップミュートを使ったトランペットやトロンボーンの色っぽいソロなど、あまりやったことのないジャズっぽさをどこまで出せますかな?
ピアニストとの合わせの練習が前日リハを含めて3回ありました。初回のリハーサルから林さんの意気込みがびしばし伝わってきて、これはいいぞ、と思いました。驚くことにはその後、林さんのピアノが一回ごとにどんどん即興性を高め、凄みを増してくるのです。それを感じたのは、私だけではないはず。
こうなると、オケも燃えますよ。だいたいこの曲はピアノソロの場面が多く、オケの出番はそう多くないのですがね。本番ではさらに洗練さを増したピアノに負けじとオケも頑張り、なかなか良い演奏ができたように思います。お客様からの評価もまずまずだったようで、何よりでした。
今回のメインはブラームス「交響曲第4番」という渋めの曲でしたから、いいコントラストになったと思います。楽しい曲体験でした。林さん、とても良かった!
天上のカウントダウンしごと
20141101
11月。
今月はワイン屋にとっての大イベント、【ボジョレー・ヌーヴォー解禁】が第三木曜日(20日)に控えています。
当社もささやかながらヌーヴォーを仕入れ販売しておりますが、今年はひょんなことから「カウントダウンパーティー」のお手伝いをさせていただくことになりました。もちろん初めてのこと。
場所がすごい。標高2612メートルのホテル千畳敷で開催されるパーティーです。ご存知の通り日本は時差の関係で、世界で最も早く解禁の瞬間を迎えますが、それに加えて日本一高所での開催であることも間違いないでしょう。世界一早く、日本一高い所でボジョレーを楽しむ会になります。
こういう場所ですから、アクセスは普通のお店のようなわけにはいきません。前日19日(水)の夕方、バスとロープウェイを乗り継いでホテルにチェックインし、翌朝下界に下りてくるまで、お客様は缶詰状態になります。いったん夕食をとった後、どうやって午前0時まで過ごしていただくか、ホテルスタッフの方たちと何度も打ち合わせをしています。
私もワイン選びとともに、当日会場でお客様に少しばかりワインのお話をして楽しんでいただくことが仕事です。「講習会」ではないので、専門的なことばかり言ってもつまらないし、いろいろ考えているところなのですよ。標高の高い場所なので、アルコールの回りは下界より早い。これは確かです(何度も経験済み)。ちょっとこの辺、気をつけておかなければね。
料金が高い(これも日本一?)のですが、ホテル宿泊(一泊二食)、駒ヶ根駅から往復の交通費まで含んでのものですから、そこまで考えれば決してそう高いものではないと思います。一足早い冬の気分で、新酒を味わう珍しい機会です。まだまだ予約受付中とのこと、ぜひお申込みいただければ幸いです。
関連リンク: ホテル千畳敷 (申込み受付)
あつあつのかつ丼食べもの
20141030
先日、ロータリークラブの地区大会(長野県大会)を駒ヶ根ロータリーの主管で開催しました。私も幹事役の一人として、県下各地から大勢のお客様を週末お迎えしました。グランドフェア終了直後だった私は、まるで週に2回も展示会をやったような慌ただしさでした。
お客様に会場で昼食を出しますが、せっかく駒ヶ根にいらっしゃるのですから、名物ソースかつ丼を召し上がってもらいたいですよね。しかし1000個近いかつ丼をお弁当で出したら、朝からトンカツを揚げれば食べる頃にはすっかり冷めてしまいます。
普通のお弁当だったら、冷めてもそれなりにおいしく食べられるオカズはいくらでもありますが、冷めたトンカツはおいしいはずの脂が固まってしまい、ちょいといただけません。でもソースかつ丼はぜひ出したい。どうしようか。
そこで思いついたのが、ある種の駅弁に使われる発熱容器。紐を引っ張ると容器に内蔵された消石灰と水が反応して発熱し、数分後にはあつあつのお弁当が食べられるというやつです。
容器はこの日のために特注し(写真、見てください)事前に試食会を開いて食べてみました。紐を引くとすぐに湯気が立ち上り、揚げたてではないにせよ、熱いかつ丼を楽しむことができました。
当日は駒ヶ根ソースかつ丼会の加盟店、十数軒にお願いして千個くらいのかつ丼を振舞いました。皆さん喜んで召し上がっていただいたようです。
ところで二週間ほど前の「秘密のケンミンショー」で福井、群馬、長野のソースかつ丼食べ比べをやっていました。VTRには当社のお得意様が何軒も登場し、どう見ても長野(駒ヶ根)の肉の分厚さ、ボリューム、迫力の圧勝だったと思うのですが…ソースかつ丼にはキャベツがなくちゃ。最後まで駒ヶ根を応援してくれた勝俣州和氏、ありがとう!
背に腹は代えられずしごと
20141022
いま国内産バターの生産不足が伝えられているのは、ご存知だろうと思います。グランドフェアで代替品のご提案コーナーを設け、少なからぬ反響がありました。
バターの原料となる生乳の生産が足りません。そもそも酪農家が凄まじい勢いで減少していることが背景です。統計によると10年前28,800戸だった国内の酪農家は、今年2月では18,600戸となっています。後継者不在による廃業や飼料の高騰による経営難、近年の猛暑による牧草の減少、などの原因があると言われます。
乳牛から搾られた生乳は用途によって振り分けられていきますが、賞味期限の短い飲用牛乳(いわゆるパックに入った牛乳)に最優先で振り向けられ、次いで生クリームなど、保存可能なバターや脱脂粉乳はどうしても後回しになってしまいます。これはもう構造的な問題となっていて、バターの需給状況が改善することはたいへん難しいのです。
そんなに足りないのだったら海外から輸入すればいいじゃないかと誰しも思いますが、国内酪農家保護のため、バターの輸入関税は途方もなく高く設定されています。保護されている酪農家が何でこんなに減少しているのか、何たる矛盾でしょうか!
当社でも潤沢にバターを仕入れることができず、お客様にご迷惑をおかけしています。バターが足りなくては、お菓子屋さんパン屋さんは本当に困ります。何とかバターに近い性質をもつ製品ができないか、油脂メーカーさんでは全力で知恵を絞っています。
マーガリンなどの加工油脂にバターを一定の割合で配合するなどし、ユーザーさんがバターの一部を置換えられるようにしたものなど、いくつかの製品ができています。「マーガリンがバターの代りになんかなるものか!」というお菓子屋さんにも納得いただくように、品質向上に取り組んだ結果、これなら使える、というものができているのです。
バター本来の風味や色合いを活かし、口どけや保形性にも気を配った商品が用途別に各種用意されています。こうした品がバターの代りを100%務めることはできませんが、恒常的な品薄の中で「納得して使える場面」での出番は少しずつ増えているようです。背に腹は代えられません。試してみていただきたいと思います。