「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

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土石流日々雑記

20140710



7月としては過去最大級といわれた台風8号。今まさに当地に近づいているところですが、梅雨前線と相まって、南木曽町で大きな被害が出てしまいました。幾つもの家が土砂に埋まり、中学に入ったばかりの男の子が亡くなりました。痛ましいことです。今朝の全国ニュースで各局ともトップに取り上げました。


土石流が起こる直前の一時間に、70ミリの豪雨が降ったそうです。南木曽と駒ヶ根は中央アルプスを挟んで直線距離で30キロほどですが、こちらは同じ時間帯に雨は降っておらず、これほどの災害が起こっていたとはまったく思いませんでした。


交通の被害も大きく、今後が心配されます。この土石流で国道19号線(TVで報道された橋のところ)は通行止めで現在復旧見込みたたず。JR中央西線は線路が宙ぶらりんとなり、素人目には半月や一ヶ月では開通は難しいのではと思います。長野-名古屋間の鉄道の動脈が断たれてしまいました。


道路では、木曽を貫く国道19号線が南端で切れてしまいましたから、木曽への南からの流入ができません(小さな迂回路はあるかもしれませんが)。当社の営業車も、毎日ではありませんがこのルートを通っています。直接事故に巻き込まれることはまぬがれましたが、地域の観光などへの影響は甚大で、夏の観光シーズンを前に大変な打撃となってしまいました。一日も早い復旧を願います。


今日は一日中雨が降り続き、夜通し降るような予報です。どうかこれ以上の災害がありませんように。

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カルメン・5分間のステージ (2)音楽ばなし

20140707



当日。観客・兼・関係者という微妙な立場で客席入りします。公演パンフを見ると、出演する子供たちの名はもちろん、合唱指導として私の名前まで出ているではありませんか。日頃ご一緒する音楽仲間、とりわけ合唱関係者の皆様は「何で春日が?」と思ったことでしょう。


オペラは有名な「前奏曲」に引き続いて開幕します。舞台装置はビデオで見た通りのもの。


すぐにやってくる「衛兵の交代」は信号ラッパの合図で始まり、子供たちがキャーキャー叫びながら走って入場してきました。(キャーキャー言って駆け込んでくる、というのも、やってみると案外難しかったりします)衣装がよく似合っています。足踏みをしながら歌い始めます。


心配だったのは、大ホールの雰囲気に呑まれて声が十分出なかったら、と、テンポが走ってしまわないか、の2点でした。指揮者はいつもと違ってオケピットの低い位置にいますし、オーケストラも同様。音の聞こえ方が違います。デモビデオの子供たちも結構走っていましたから、余計に心配。もっとも経験豊かなオペラ指揮者であれば、そんなことはどこ吹く風で、子どもたちにちゃんと合わせてくれるでしょうけれど。


しかし、本番、バッチリでした。声はまあ、本格的な児童合唱団にはかないませんが、あれだけできていれば、私は良しとしましょう。役のキャラクターからいけば求められるのは天使の美しいハーモニーではなく、元気一杯の悪ガキ風の方がふさわしいと思いますから。演技の方は問題なくできていました。(ジュニアオケの子たちが普段から悪ガキだというわけではありませんよ)


テンポが走ることもなし。2回登場する2回目の最後でちょっとだけ声が弱かったかなと思いましたが、オペラの中にきちんとはまり、立派に務めてもらいました。ほっと一安心、あとはリラックスしてオペラを楽しませてもらいましょう…


伊那公演では主役二人はいずれもトリプルキャストの三番手だったようですが(地方公演の常、まあ、仕方がないね)、カルメン役のグアダルーベ・バリエントスさんは女傑的容姿と演技、豊富な声量でなかなか見応え聴き応えがありました。ホセ役のアリヤシュ・ファラシン氏は、この役には声が少々しんどかったかな。演出では、最後に闘牛士エスカミーリョが大怪我を負い、カルメンとホセが対峙する間によろめきながら現われ、そのままカルメンより先に死んでしまう、というのは珍しかったと思います。


こんな大舞台にちょっぴり関わらせていただき、ユニークな経験でした。子供たち、カッコ良かったぞ。

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カルメン・5分間のステージ (1)音楽ばなし

20140702



先日、伊那文化会館でスロヴェニアのマリボール国立歌劇場による「カルメン」の公演がありました。こんな田舎でも、毎年のように外来オペラの公演が行われています。私はそれなりにオペラの生鑑賞経験はありますが、超名作カルメンの舞台を全幕きちんと観るのは、実は恥ずかしながら初めてなのです。(ビデオも観たことなかった。音だけだったら全曲版CDで、いちおう聴いていますが)


このオペラ、第1幕冒頭まもなく、子供たちの合唱「衛兵の交代」が出てきます。わずか5分程度の出番ですが、印象に残る場面です。今回マリボール歌劇場は全国各地で19回ほど公演を持ったようですが、児童合唱は本国から連れてくるのではなくて、それぞれの公演地の合唱団の特別参加でまかなったらしいです。十数名~二十数名の子供たちを一ヶ月間帯同する経費と手間、出番の少なさを考えれば、無理からぬこと。事前に楽譜とビデオが送られてきて、当日のリハーサルで歌や演技を一通り確認し衣装を合わせ、即、本番となります。


各公演地それぞれ、地元の児童合唱団などが役を務めたようです。伊那公演ではどうだったかというと、主催の伊那文化会館ではあれこれ考えたようですが、会館付属のわれらがジュニアオーケストラにお鉢が回ってきました。最初に話があったのは1月頃だったかな。


「へえ、いいお話ですね。子供たちにはきっとすごい体験になりますね。…で、誰が合唱指導してくれるんですか?」
「誰って、ジュニアオーケストラ指揮者である春日さんに決まってるじゃないですか」


ええええええ?合唱指導だなんて、声楽のイロハも勉強したことのないこの私が?そんなの、できっこないじゃん!


駄目です。逃げられません。通り一遍のなんちゃって指導でお茶を濁すには、舞台が大きすぎます。入場料も高額です。そして持ち時間は月1回、1回30分の練習のみ。何たるミッションでしょうか。


出番は少なく、譜面もそう難しいものではありませんが、問題は歌詞!フランス語の歌詞を子供たちに覚えてもらわなければなりません。私は学生時代、第二外国語でやっただけ、しかもお情けで単位をもらった口ですが、幸いに私の弟が以前フランス留学経験があり、彼に頼んで歌詞に「ふりがな」をふってもらいました。いやたいへん助かりました。


ジュニアオケのメンバーに地元の声楽教室で歌を習っている子供たちも加わり、小中高、あわせて二十数人の大所帯となりました。オケの子たち、ふだん学校以外で歌なんか歌ってないだろう、どうなるかなと思っていましたら、音程とか初回からバッチリ取れています。日頃から自分で音程を作るヴァイオリンの稽古をしている子たちですから、耳が訓練されているんですね。これにはちょっと驚きました。


4月の1回目の稽古で譜読みをし、2回目にはもう暗譜と細かい歌の表現。3回目は振付も入り歌も演技も本番に近いところまでリハが進み、もうあれよあれよという感じです。(私、演出家でも振付師でもありません!)ビデオを各自家で見てもらいながらですが、皆ちゃんと覚えてくるから感心です。


4回目(本番3日前)最後の練習、声楽教室のO先生に大ホールで後ろまでしっかり聴こえるよう、発声をみていただき、あとは入場から退場までを繰り返し稽古して、私の仕事は終わりました。あとは本番を楽しみに待つだけですが…。

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ステーキ30年お店紹介

20140628



地元の鉄板焼ステーキハウス「グリーンオックス」さん。創業30周年記念のパーティーにお招きいただきました。


開店以来ずっと、駒ヶ根を代表するレストランとして多くの人々を惹きつけてきています。このお店の魅力は、おいしい牛肉と前菜、豊富なワイン、重厚で高級感あふれる店の雰囲気といろいろありますが、オーナーシェフ宮下学さんの「おもてなし」の心にあふれたサービスと人柄も大きく貢献していると思います。


このお店はホテルに併設する形で始まりましたが、まだ二十代そこそこだった宮下さんが抜擢され店を任されることになりました。彼はそれからステーキの修業を積み、開店と同時にシェフとなり、以来ずっとお店の顔となって多くの客を楽しませてきました。数年前お店はホテルから分社独立して、オーナーシェフとなっています。


私にとってはお得意様であるだけでなく、JCやロータリークラブでもご一緒し、共に味を語れる(私がもっぱら聞くわけですが)頼れる兄貴だと思っています。大のサッカーファンで、駒ヶ根の姉妹都市のサッカーチーム「ジュビロ磐田」スタッフによる子供たちのサッカー教室や応援観戦ツアー、またお店でのPV企画など、地元のサッカー熱を盛り上げています。(ジュビロには、早くJ1復帰してもらいたい!)また最近では地産地消の企画「中沢食堂」も立ち上げ、地域の食を守る活動も始めています。


鉄板焼の店ではどうしてもコース全体がグリル中心になりますが、グリーンオックスでは基本的に焼くのはメインの肉だけ(頼めばもちろん魚介も野菜も焼いてくれます)で、前菜や魚料理はフレンチの技巧を駆使して本格的なものを出してくれます。これも嬉しいし、待っていた肉焼きタイムの楽しさが凝縮してプレゼンされるのもいいですね。


肉と一緒にニンニクとモヤシも鮮やかな手つきで焼いてくれますが、この薄~くスライスしたニンニク、絶妙なパリパリ感でステーキの最高のお供です。これは真似できそうでできません。私が経験したほかのステーキハウスのものとは、全然違うような気がします。


30年の間にはご苦労もたくさんあったと思いますが、大勢の人に祝福されてこの日を迎えられ、宮下さん、本当に嬉しそうでした。これからも地元の人々の(いや、伊那や飯田から食べにくるファンも多いと聞きます)ハレの日を、永く飾っていかれることでしょう。

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何とか一矢を日々雑記

20140622



われらが日本代表、ついに絶体絶命です。これがイケイケ状態だったら、私も先週もう2本くらい、勇ましいブログ記事も書いていたでしょうに。


初戦のコートジボワール戦は全部、平日朝のギリシャ戦は仕事前に前半だけ観戦しました。後半は録画して後で見るつもりでしたが、何だか見る気なくなっちゃったな。そのままになっています。


何しろいいところがありません。ボールは奪えないし、奪われるし、パスは通らないし、シュートはホームランだしね。何だかひたむきなファイトがないような気さえしてしまいます。まだ勢いを感じられるのは大久保と内田ぐらいでしょうか。


ブラジル大会が始まる直前までは、練習試合などもなかなかいい線行っていたようでしたから、何でこんなに勝てないのかと思ったりしますが、ランキングでも明らかに格上の相手ばかりなのですから、現状はまったく意外ということもないですね。二試合とも雨でピッチが濡れていて、ボールは思うように転がらず、走るにも足が取られるという不運はあったと思います。相手も同条件と言われればそれまでですが。


ザッケローニ監督も、もうすでにメチャメチャな言われようですが、素人目にもちぐはぐな場面がいくつもあり、これはもう何を言われても仕方がないでしょう。いいチームを作ることと、彼らを率いて試合に臨むことでは、求められる能力が違うのかもしれません。


今度の相手はグループ最強のコロンビア。二点差以上で勝ち、なおかつコートジボワールが負けるという進出条件はもう目が点になるような困難なミッションですが、強豪に何か一泡吹かせるような場面が見たいです。せっかく5時起きして応援するのですからね。


関係ないですが、例の酒場放浪記、明日23日の放送では伊那市のお店が紹介されるようで、楽しみです!

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レッドリストうな丼の未来

20140613

いよいようなぎが食えなくなる!?昨日から新聞やTVで大きく扱われています。ニホンウナギがIUCNのレッドリストに掲載されることになりました。


(毎日新聞 6/12)----------------------
政府機関や科学者らで作る「国際自然保護連合」(IUCN、本部・スイス)は12日、絶滅の恐れがある生き物を掲載する最新のレッドリストを公表し、日本人の食生活になじみが深いニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。漁獲禁止などの法的拘束力はないが、今後、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の保護対象となる可能性がある。
 IUCNはウナギ類8種を新たに評価。ニホンウナギを「個体数は30年間で少なくとも50%以上減った」として絶滅危惧種のうち2番目にリスクの高い「絶滅危惧1B類」に分類した。
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昨年夏のシンポジウム「うな丼の未来」で、IUCNレッドリスト掲載への見通しはすでに報告されています。実は日本の環境省による国内基準では、ニホンウナギは既に平成24年「国内レッドリスト入り」しているのです。今回のニュースを、どう受け止めたらよいのでしょうか。IUCNレッドリスト掲載によってただちにウナギが食べられなくなることはありませんが、このリストは野生動植物保護のためのワシントン条約対象種を決めるときの、重要な資料になります。


ワシントン条約の対象になれば、ウナギの成魚、幼魚(シラス)、加工品(蒲焼など)の国際取引が制限されます。実はこれに違反しても罰則がありませんが、条約批准国にはそれぞれメンツがありますから、それぞれの国内法によって業者などに条約順守を義務付けることになる…ことが期待されているそうです。(世界中から非難されるのは誰でも嫌だから)


ヨーロッパウナギはすでに絶滅危惧種と認定されていて、ワシントン条約の対象にもなっています。(減った主原因を一言で言えば、日本人が食べつくしたからですが)2009年からヨーロッパウナギの貿易は規制されていますが、それは全面禁輸という意味ではありません。輸出国政府の証明書があれば輸出可能で、日本にもそれなりの量が入ってきています。闇で取引されていたシラス等の輸出がきちんと表に出るという点では、クリアな取引ができることは歓迎できます。しかし、価格が相当上がることは間違いないでしょうね。


レッドリスト掲載は「そのせいでウナギが食べられなくなる」のではなく、「これからも長きにわたってウナギを消費していくための、やむをえない措置」です。私たちの子供のために、安いウナギを乱獲暴食することを慎まなければならないのだ、と思います。


何年か前、秋田のハタハタが乱獲で獲れなくなりました。3年間の禁漁という厳しい措置を取り、みんなで食べるのを我慢したおかげで、漁獲が回復してきています。ウナギでこれをするには、おそらく3年間ではとても足りないでしょうが、どうしても必要な試練だと思うのですよ。養鰻業者さんや伝統的な技で蒲焼を丁寧に提供している鰻屋さんのことを思うと、胸が痛みますけれど。

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梅雨入り日々雑記

20140610

カルミナ・ブラーナ公演、ほぼ満員のお客様をお迎えし、無事終了しました。もちろん細かいところではいろいろありましたが、会場は大いに盛り上がった…と思います。カーテンコールではオケ副指揮者の私も呼ばれ、ステージ前でご挨拶(お辞儀)させていただきました。こんなことは初めてです。


初めて聴かれる方にもわかりやすい曲でしたし、オケと合唱の迫力、そしてダンサーの舞踊を伴った演出も良かったのでは(演奏中よそ見をしてはいけません)。伊那市出身のプロダンサー下島功佐さん、今回初めて存在を知りましたが、さすがでした。あれだけ飛んだり跳ねたりして、ステージに埃ひとつ立ちません。
充実感に満たされたコンサートのあとは、お酒もおいしいですね!


さて当地も含め、あちこちですでに梅雨入りしています。この週末は各地で大雨だったようで(週末テレビを全然観なかったのでよくわからないのですが)首都圏の中央道もストップし、出演者の中には前日のリハーサルに間に合わなかった人もいました。


そこへいくと伊那周辺は、雨こそ毎日ありましたが幸い大した降りではなく、何だか別世界のことみたいでした。昨日夕方に落雷があり、大雨が2時間ほどかな、あったくらいです。今日もあちこちで大雨に警戒とTVでは言ってますが、さてどうでしょう。


木々も恵みの雨を受けて青々として元気そうですが、これって梅雨入りではなく、普通なら7月に入って梅雨明け近くの天気ですよ。今年は冷夏だ冷夏だと今から言われているようですが、冷夏って気温のことだけでなく雨の日が多いということでしょう。梅雨で記録的な雨、夏になっても毎日雨ってことになっても、困りますね。

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酒場放浪記読んだり見たり

20140605



BS-TBSの「吉田類の酒場放浪記」をここ2年ほど観ております。首都圏を中心にした居酒屋紹介の番組ですが、最近2回は長野ロケ編を放送しています。


今や同局の看板に成長したこの番組、もう10年になるそうですが、一本15分の番組で居酒屋一軒を紹介し、その4本立てが放送一回分。一本は新作で、あとは旧作の再放送です。


内容はまったくワンパターン。吉田類氏がある街を訪れ、駅前からスタートして酒場以外のスポットを一か所紹介し、そのあと本題である酒場を訪問、お店の人たちや居合わせた「ご常連」たちと会話しながらおいしい酒肴を楽しみます。帰り際に「もう一、二軒行ってみたいと思います。では」と言い残し、俳句を一句詠んでフラフラと去ってゆく。


ワンパターンと書きましたが、よく見ていると吉田氏が本当に楽しんでいる店とそれほどでもない店、何となくわかります。もちろん紹介番組ですから、どの店も褒めてはいますけれど。気持ちよく酔っ払っているときは、それこそ真っ赤な顔で呂律が少々怪しいくらいになっていますが、そんなときはやっぱりお気に召したのでしょうね。


取り上げられる店は「地元民に長らく愛されている」というのがコンセプトなのでしょう。若いお客は少なく、年配の常連客に支えられているような店ばかりです。私は個人的に肴の選択肢が多い店が好きですが「この店いいな!行ってみたい!」と思う店も時々ありますね。残念なことに、そもそも私のふだんの行動範囲から離れた店が大部分で、お店のメモは取っても実際に行くことは、あまりなさそう。こうした店はだいたい、ターミナルや繁華街でなく私鉄沿線の住宅地などにあるでしょうから、仕方がありません。


楽しい番組なのですが、吉田氏に一つだけお願い。どんなときにも必ず左手で「手皿」を使うの、格好悪いのでぜひやめていただきたいな。カウンターに正対せずカメラを向いて食べなきゃいけないために、仕方なしにやっているのかもしれませんが、どうも気になってしまいます。(私もたまにやってしまうけど)

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打楽器冥利音楽ばなし

20140529



カルミナ・ブラーナのオーケストラパートには大きな特徴があります。さまざまな打楽器を実に豊富に使い、リズムの強調と多彩な音色効果を打ち出していることです。


私たちがふだん演奏するオーケストラ曲の打楽器を挙げてみます。ティンパニ2~4台(演奏者一人だけ)という曲がまあ基本です。それに加えて大太鼓、シンバル、トライアングルあたりが加わるのはよくある編成。「第九」やハンガリー舞曲などがそうですね。


曲によってはさらに小太鼓、タンブリン、銅鑼など。それ以上増えれば、かなり大き目の編成と言っていいでしょう。マーラーの交響曲とか。ただ、楽器の種類は多くとも、一人当たりの音符の数は実は結構少ないものです。ティンパニ以外の楽器は一曲に数小節、あるいは数発だけ、ということもしばしばあります。


それがカルミナ・ブラーナでは…今回の演奏に当たり私たちが用意したもの、列挙してみましょうか。


・ティンパニ5台 ・大太鼓 ・小太鼓2台 ・合わせシンバル2対 ・吊りシンバル2枚 ・アンティークシンバル(おちょこ位の小さな肉厚のシンバルで、甲高く澄んだ音がします)2個 ・トライアングル2本 ・タンブリン2個 ・銅鑼 ・鈴 ・カスタネット ・ラチェット(機械式のガラガラ)・テューブラーベル(のど自慢の鐘)・カンパーネ(音程を持たない鐘)・A(ラ)のハンドベル ・グロッケンシュピール(鉄琴)3台 ・シロフォン(木琴)


もちろん伊那フィルはこんなたくさんの楽器は持っていません。伊那文化会館のティンパニに加えてご近所の中学、高校、一般吹奏楽団、それに個人持ちのお品を拝借します。タイのアンティークシンバルとインドの鈴は私が以前から持っているもので、とてもいい音だと我ながら思っています。「音程を持たない鐘」は親しい管工事屋さんに頼んで作ってもらいました(写真下、大太鼓の手前にぶら下がっています)。グロッケンシュピールはどこにでもある楽器ですが、3台同時に鳴らす曲などまずないでしょう。


これらを6人で演奏します。驚くことに6人ともがほとんど出ずっぱりです。ほぼ全曲を通して打楽器がドンジャカチンパカと鳴り渡る、これが珍しい。25曲の中で打楽器が完全にお休みの曲はわずか2曲だけ、中には弦楽器も管楽器もお休みで、ピアノと打楽器だけが声楽の伴奏を務める曲もあります。


そういうわけで、打楽器奏者としてこんなにやりがいのある楽しい曲は滅多にありません。伊那フィルには打楽器奏者はふだん2人しかいませんので、今回は各地の打楽器仲間に応援を頼んでいます。いずれも百戦錬磨の腕利き揃い。ステージにズラリと並んだ打楽器と多彩なリズム・音色をぜひお楽しみいただきたいと思います。


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カルミナ・ブラーナ音楽ばなし

20140528



来月初めのコンサート、宣伝も兼ねて。。


「手づくりの音楽会」と称し、地元の公募合唱団と伊那フィルの合同企画が多くはこの時期に、ほぼ隔年で行われております。10回目を迎える今回の曲目は、カール・オルフ作曲の大作「カルミナ・ブラーナ」です。先日会場練習が行われ、地方紙にも記事がやや大きく載りました。大編成の管弦楽、2台のピアノ、合唱、児童合唱、3人の独唱者、そして舞踊を伴う大曲です。(普通は舞踊なしの演奏が多い)


この曲は、どなたにとっても、聴いて大変面白い曲だと思います。歌詞は中世ヨーロッパの修道院に伝わる、無名の修行僧たちの落書きみたいなものです。厳しい戒律に縛られた生活とうらはらに、春を愛し、酒におぼれ、男女の性愛をもあけっぴろげに賛美した歌詞がこれでもか、と綴られます。はっきり申してかなり下品なところもある詩なのですが、そこには人生の喜びを歌うエネルギーがむんむんと詰まっています。そして最初と最後には輪廻としてめぐる無慈悲な運命が登場し、世の厳しさをどんと思い知らせます。


近代ドイツの作曲家オルフがこの詩に曲をつけました。作曲年代は第二次大戦直前で比較的新しいのですが、書法は極めてシンプルで、原始的で、血が湧き起こるような激しいリズムが特徴です。内容は25の小曲からなり、冒頭の曲「おお、運命の女神よ」はTVCMなどでいやというほど用いられていますから、お聴きになれば「ああ、これか」と思われるでしょう。


私はずっと以前からこの曲のファンで、世の中にCDというものが登場し、30年ほど前、人生初めて購入したCDはムーティ指揮のこの曲でした。夢だった全曲演奏を地元でできることが今でも何だか信じられないような気がしています(吹奏楽アレンジなど、抜粋ではしばしば取り上げられますが)。初めての合唱合わせ練習で冒頭の音が轟然と響き渡ったとき、鳥肌が立ちましたな。


準備は着々と進んでおります。本番は6月8日(日)午後2時開演、伊那文化会館にて。あわせてベートーヴェンの交響曲第2番も演奏します。ぜひ多くの方にご来場いただきたいです。
カルミナ・ブラーナに使われるたくさんの、たくさんの打楽器については、次回で…

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