「おいしいことなど徒然と」

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カルメン・5分間のステージ (1)音楽ばなし

20140702



先日、伊那文化会館でスロヴェニアのマリボール国立歌劇場による「カルメン」の公演がありました。こんな田舎でも、毎年のように外来オペラの公演が行われています。私はそれなりにオペラの生鑑賞経験はありますが、超名作カルメンの舞台を全幕きちんと観るのは、実は恥ずかしながら初めてなのです。(ビデオも観たことなかった。音だけだったら全曲版CDで、いちおう聴いていますが)


このオペラ、第1幕冒頭まもなく、子供たちの合唱「衛兵の交代」が出てきます。わずか5分程度の出番ですが、印象に残る場面です。今回マリボール歌劇場は全国各地で19回ほど公演を持ったようですが、児童合唱は本国から連れてくるのではなくて、それぞれの公演地の合唱団の特別参加でまかなったらしいです。十数名~二十数名の子供たちを一ヶ月間帯同する経費と手間、出番の少なさを考えれば、無理からぬこと。事前に楽譜とビデオが送られてきて、当日のリハーサルで歌や演技を一通り確認し衣装を合わせ、即、本番となります。


各公演地それぞれ、地元の児童合唱団などが役を務めたようです。伊那公演ではどうだったかというと、主催の伊那文化会館ではあれこれ考えたようですが、会館付属のわれらがジュニアオーケストラにお鉢が回ってきました。最初に話があったのは1月頃だったかな。


「へえ、いいお話ですね。子供たちにはきっとすごい体験になりますね。…で、誰が合唱指導してくれるんですか?」
「誰って、ジュニアオーケストラ指揮者である春日さんに決まってるじゃないですか」


ええええええ?合唱指導だなんて、声楽のイロハも勉強したことのないこの私が?そんなの、できっこないじゃん!


駄目です。逃げられません。通り一遍のなんちゃって指導でお茶を濁すには、舞台が大きすぎます。入場料も高額です。そして持ち時間は月1回、1回30分の練習のみ。何たるミッションでしょうか。


出番は少なく、譜面もそう難しいものではありませんが、問題は歌詞!フランス語の歌詞を子供たちに覚えてもらわなければなりません。私は学生時代、第二外国語でやっただけ、しかもお情けで単位をもらった口ですが、幸いに私の弟が以前フランス留学経験があり、彼に頼んで歌詞に「ふりがな」をふってもらいました。いやたいへん助かりました。


ジュニアオケのメンバーに地元の声楽教室で歌を習っている子供たちも加わり、小中高、あわせて二十数人の大所帯となりました。オケの子たち、ふだん学校以外で歌なんか歌ってないだろう、どうなるかなと思っていましたら、音程とか初回からバッチリ取れています。日頃から自分で音程を作るヴァイオリンの稽古をしている子たちですから、耳が訓練されているんですね。これにはちょっと驚きました。


4月の1回目の稽古で譜読みをし、2回目にはもう暗譜と細かい歌の表現。3回目は振付も入り歌も演技も本番に近いところまでリハが進み、もうあれよあれよという感じです。(私、演出家でも振付師でもありません!)ビデオを各自家で見てもらいながらですが、皆ちゃんと覚えてくるから感心です。


4回目(本番3日前)最後の練習、声楽教室のO先生に大ホールで後ろまでしっかり聴こえるよう、発声をみていただき、あとは入場から退場までを繰り返し稽古して、私の仕事は終わりました。あとは本番を楽しみに待つだけですが…。

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