ポリコレと名画日々雑記
20180206
ポリティカル・コレクトネス、略してポリコレの嵐が吹き荒れております。政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない-「政治的に正しい」もののこと。正論ももちろんありますが、特定の見方を原理主義的に持ち上げ、そうでないものを排除しようとする動きも最近目立ってきて、騒ぎになる場面もありますね。
芸術作品の評価にまでポリコレが及んできています。
昨年12月には、NYのメトロポリタン美術館に展示されている仏巨匠バルテュスの作品「夢見るテレーズ」が「いかがわしい」として、作品の撤去もしくは説明を付しての展示を求める嘆願運動が行われており、5日までに9000人以上が署名したとのこと。
これはハリウッドの大物プロデューサーが長年女優たちに行ってきたセクハラに対する抗議、Me Too運動の流れを汲むものだと言われます。
この件で美術館は撤去に応じませんでした。しかしつい最近、英国のマンチェスター市立美術館にあるウォーターハウスの「ヒュロスとニンフたち」が、『女性を「受動的な着飾り」や「ファム・ファタル」とする「非常に時代遅れ」な表現である』と、あろうことか同館の学芸員に決めつけられ、現在撤去されていると報じられました。(ファム・ファタルとは男を破滅させる魔性の女、くらいの意味でしょうか)
先月12日、着物の記事でモネの「ラ・ジャポネーズ」がアジア人蔑視だと言われた話を書きましたが、次々に湧いてくる正義の振りかざしに辟易する人も数多くいるようです。私もその一人。
美術品の存在を、正しい正しくないということにどれだけ意味があるでしょう。見た人がどのような感想を持とうが自由です。不愉快になる人がいてもいい。バルテュスの画はこの点、確かに微妙だと思います。(少女の下の猫にご注目)
しかしその判断を下すのは鑑賞者本人であり、一方的な判断で人目から遠ざける行為は、多くの人から機会を奪うことになります。画をけなす人だって、自分で観たからこそそういう感想を持てたのでしょう。もしも青少年に悪影響を与えかねないようなものであれば、年齢によるゾーニングをすることもできるはず。ただし、街なかに裸像を置くことは少々意味が違うと思っており、通りかかると違和感をいつも感じます。
文化大革命の紅衛兵のように我がもの顔で独善を押しつけることに、とても嫌なものを感じます。マンチェスターでは撤去に対する非難が多く集まっているとのこと。
じつは私、ウォーターハウスに代表されるいわゆる「ラファエル前派」の画、かなり好きなんですよ。この画も透き通るような肌、悩ましい表情、幻想的な世界観、なかなか素敵だと思いませんか?
関連リンク: 「美術手帖」掲載記事
雪の朝日々雑記
20180202
この冬、東京よりも雪の少なかった駒ヶ根でしたが、ようやく雪らしい雪が降りました。。
激しい降りではなかったのですが、昨日の午後から未明まで降り続いて、20㎝ほどの積雪でした。まだほの暗いうちから、自宅周辺の雪かきです。きょうは軽い雪質で助かりました。
会社はさすがに人力ではできず、いつもお願いしている業者さんに来てもらいました。社有車と社員の自家用車あわせて60台以上のクルマを、寄せてどけてパズルのように動かしながら、1時間足らずですっかり綺麗にしてもらいました。気温はやや高めで薄日も射していますから、じきに雪も解けるでしょう。
除雪の重機が来ると、まったく頼もしいです。被災地で自衛隊の到着を喜ぶ人たちの気持ちが、何十分の一か分かるような気がします。
PRするからタダで泊めて日々雑記
20180130
世の中には図々しい人がいるようで、話題になっています。。
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(ハフィントンポスト)そもそものきっかけは、イギリス人ユーチューバーのエル・ダービーさんがアイルランドのホテルに送った、1通のメールだった。
その内容は、「YouTubeのチャンネル視聴者が約8万7000人以上」のダービーさんがホテルを宣伝するので、「タダでホテルに泊めて欲しい」というものだった。
ホテルを経営するポール・ステンソンさんは1月16日に、ダービーさんの名前を伏せてこのメールを晒し、「親愛なるインフルエンサーさま」「うちの店も、フェイスブックページのフォロワーが2ページで合計18万6000人いるんですがね...」と応酬。ユーチューバーへのアドバイスを書き綴ったうえで「追伸:答えはノーです」と締めくくった。
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ダービーさんは「タダなんて当たり前、報酬をもらってもいいぐらい」と言い放ち、ホテル側が彼女の名前を出していないのに「晒されてつらかった」と悲しんでみせましたが、ホテル側は「ブログ業界にありがちな手法」と一蹴しました。まだ続きがありますので、リンク先の記事をご覧ください。
彼女はこれまでも似たようなことをやってきたのでしょうか。「宣伝してやるからタダにしろ」というのはある意味「さもないと悪口を書くぞ」とも取れるわけで、まあ一種の脅迫ともいえます。今回はホテル側が一枚も二枚もうわ手でしたが、嫌々応じたホテルも過去にあったのかもしれません。
飲食店でも同じようなケースがあると、よく噂されます。メディアや自分のブログで褒めてやるから無料にしろ、サービスしろと。
何年か前「某料理評論家は飲食店で頻繁にタダメシを食べている」と名指しで告発したブロガーがおりました。評論家は「ちゃんと飲食代は払っている、疑うなら領収書を見せる」と反論しましたが、結局領収書を見せることはありませんでした。真相はどうなんでしょうね。最近では有名なグルメブロガーが同じようなことをやっているとして糾弾される事件?も起きました。勘違い野郎だと言わざるを得ません。
世にあふれるグルメブログ、食べ手の味覚はどれほど信頼できるのか、読者は想像するしかありません。私もグルメブログを読むのは好きですが、「この人は確かなことを書いてる」と感じるものはそうはないです。そこにタダメシが絡んできては、もう興醒めもいいところ。
私がたまに書くお店紹介はこうした饗応とは無縁であること、言うまでもありませんヨ。だいたい本欄の宣伝効果なぞ…
関連リンク: 「PRするからタダで泊めて」 (ハフィントンポスト)
極寒列島(2)日々雑記
20180128
27日の朝、ある人からお電話をいただきまして。「車で通りかかったんだけど、伊勢喜さんのところが、水浸しで川みたいになってるよ…ひょっとして水道管が破裂してるんじゃないか」。
それは大変!大急ぎで会社に駆けつけてみると…
会社前の道が大量の氷でつるつるになっています。残雪の全然ない場所ですから大目立ちです。
社内外をぐるっと回ってみます。会社の敷地内には水はあふれていません。ちょっとひと安心。
会社西の市道を挟んだ水路から水が大量にあふれ、それが冷え切った道路を流れるうちにたちまち凍ったようです。上流から流れてきた雪か氷の塊が水路の途中で引っかかって、流れをせき止めたのでしょう。
私が到着した時にはすでに水路は順調に流れていて、路上の氷にも塩カルが撒かれた形跡がありましたので、行政の方かどなたかがいち早く対応していただいたのだと思います。日中の気温は大して上がりませんが、日差しが暖かいので夕方までにはあらかた溶けたようです。
この日は三日連続で朝の最低気温が-10℃を下回った日でした。各所で水道管が凍ったり破裂したりというニュースが報じられ、私の自宅でも洗面所の水が出なくなったり(ストーブを置いといたら、じきに復活しましたが)しましたから、どこでどうなるかわかりませんね。
皆さまもどうぞご用心!
極寒列島日々雑記
20180125
いやあ寒いです!。。
駒ヶ根では今朝、-10℃まで冷え込んだようです。寒さに慣れている私たちにとっても、これは相当な寒さです。
都心でも-4℃を記録し、昭和45年以来の寒さだったといいます。北海道で-30℃とか、八丈島で雪が降ったとか、海外ですがロシアで-65℃という想像しがたい世界となったとか、ニュースも寒さの話ばかりですね。
今週初めの都内の降雪で、例によって交通網がめちゃめちゃになっていますが、首都高で未だに開通していない区間があるそうで、これもちょっと驚きます。トンネルで10時間も閉じ込められたのはまったくひどい話で、中にいた人たちには本当にお気の毒でした。これはまあ、人災だと思います。
そこへいくとこの冬、当地では雪が少なく、今のところ雪かきも大してやっておりません。我が家の周囲に限って言えば、ホウキで掃くくらい。昨日の昼間、前が見えないくらいの吹雪が猛然と吹き荒れ(写真)これはえらいことだと思いましたが、2時間ほどで止みました。うっすら積もった雪も今日の日差しで溶けてしまいました。明らかに東京の方がたくさん降っています。
雪こそ少ないものの、この寒さには気が滅入ります。困るのは会社の在庫商品で、瓶物など凍って割れてしまう危険もあり、原始的ですが段ボールで囲ったりして凍結防止に努めます。
自宅でストーブを消して就寝し、朝起きてみると居間の室温は0℃です。明日も-10℃近くまで冷え込む予報ですが、部屋の中もマイナスになるかも。(普段使わない部屋とか廊下は、当然マイナスです)
伊那七銘菓食べくらべセットしごと
20180122
伊那市の7軒のお菓子屋さんが、それぞれの自慢の品を持ち寄り、詰め合わせセットを販売したという話です。。
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(中日新聞)伊那市内の菓子店七店が二十日から、それぞれの人気商品を一点ずつ集めた菓子セット「伊七菓(いなか)」を各店で販売する。協力して地域PRを図る狙い。昨年十月に初めて販売し、即完売するほど好評だったのを受け再販売する。各店は「いろんな伊那の味を楽しんで」とアピールしている。
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事前に新聞で情報を見たので、売り切れないうちにと発売日の午前中に妻に買ってきてもらいました。中身は次の通りです。
《伊那七銘菓食べくらべセット》(価格は各店での通常売価、税込)
御菓子処越後屋 【伊那のまゆ】 120円
パティスリーもへじ【青島霞堤さくらボーロ】 145円
菓匠Shimizu 【ティグレ】 250円
菓子庵石川 【ちいずくっきい】 162円
御菓子処おかめ堂 【かぼちゃパイ】 123円
菊香堂 【紫天竜】 140円
フランセ板屋 【南アルプスの見える街】 140円
これに各店で使える商品券200円分が入って、1080円だといいますから、なかなかお得な詰め合わせになりますね。
これまで、ありそうでなかった各店のコラボです。日頃行きつけの菓子屋さんの品物はよく知っていても、普段行かないお店のものはあまり食べる機会がなかったりしますから、こうした「お試しセット」はとても良い企画だと思います。私自身もお得意様の推薦品でありながら、まだ頂いたことのないものもありました。
包装する手間やお店のマージンなど、難しい部分もあるかもしれませんが、ぜひ定番商品として、各店、あるいは土産物店などで販売してほしいと思います。(商品券のサービスまでは無くてもいいでしょう)季節によって時々中身を入れ替えてもいいですね。
詰め合わせの名前が「伊七菓」というのは、もう一工夫あってもいいのかな?そのものずばりで「伊那の七菓子」または「伊那七菓(いな・ななか)」の方が語呂が良いような気もします…
牛乳パン食べもの
20180118
昔から長野県民に広く愛されたご当地食。最近になって見直され、人気が復活しています。その名も「牛乳パン」。
私も子供のころ、よく食べました。ふかふかしていて、挟んだ白いクリームが何だか妙においしくて。大人になってからは存在を殆ど忘れていましたが、当社のお得意様でも近頃よく売れているという話をお聞きして、嬉しい話ですがまた何でだろう?と思っておりました。
昨年、例のマツコの番組で(こればっかり見ているわけではないのですが、事前情報があったので気を付けていました)全国のご当地パンの特集があり、牛乳パンの由来を扱っていました。当社のお得意様、宮田村の「モンパルノ」さんにも取材が来たそうですが、残念ながら番組では商品のみ(写真3右上)の登場。
牛乳パンのパッケージはどこでも同じようなもので、乳白色のビニールに青い文字で商品名などが書かれ、そして不思議なことに、その多くに白シャツ半ズボンの男の子の絵が描かれています。なぜ男の子なのかな?
番組でいくつかのパン屋さんに取材をしていくうちに、そのルーツが明らかになりました。牛乳パンは昭和30年代初頭、ベビーブームを機に県のパン組合が普及させたのだそうです。そして驚きましたが、この絵を描いた人、モデルになった男の子が特定できているというじゃありませんか。
木曽町の「かねまるパン店」の大橋みさ子さん(90、写真4)が、息子の茂さん(64、写真5)をモデルに描いたのだそうです。茂さんは現在このお店の店主です。このデザインが牛乳パンの普及と共に県下に広まって、今日に至っているのですって。いやあこれは知らなんだ。素朴で味のある、可愛らしい絵ですよね。
牛乳パンのレトロなパッケージと味が今の人たちに支持されているとは、なかなか面白いことです。飯田の「トップ」さんでは現代風にアレンジしたとてもオシャレな牛乳パンを売り出していて、こちらも大人気だと聞いています。オジサンオバサンは昔を思い出しながら食べ、今の子供たちにも親の育った味を食べさせてあげたいと思います。
最終講義日々雑記
20180115
私にも学生時代がありました。ゼミナールというものに籍を置き、仲間たちと一生懸命専門書(原書も含む)を読んだり共同研究をしたり、そして卒業論文を書いたりして、まったくの劣等生でしたが学問の府に自分が存在しているという実感は大いにありました。
そこでご指導いただいた先生が長年勤められた大学を定年退官されることになり、最終講義とOB会が行われるという知らせがきました。OB会にはずっと足を運んでおらず敷居が高かったのですが、そうはいっても先生の最後の授業にぜひとも参加したいと思い、この週末、三十数年ぶりに出かけてきました。
誰も知ってる人がいなかったら困るな、もっとも私はこのゼミの5期生で、年齢でいえば長老格ですのでそう無下に扱われることもなかろうと思って行きましたら、同期生は私を含め4人、直近の先輩後輩もそれぞれ数名。出席者は全部で80人くらいでしたか。
大学で政治学を専攻した私は、まだお若かった先生のゼミと授業で鍛えられた…筈ですが、先生の「現代の政治理論」は(私には)本当に難しかった。劣等生というのは誇張でも何でもなく不肖の弟子そのものでありました。この日の講義も、長い学者生活を振り返ってのお話でしたが、まるきりついてゆけません。
懇切丁寧に順序立ててお話ししていただけるわけでなく(中学校じゃないからね)膨大なキーワードがあふれ、あちらこちらへと飛躍に満ちた講義を久しぶりに拝聴して、当時を大変懐かしく思い出し、進歩しない自分を改めて実感しました。
政府の政策決定のブレーン、大新聞などと共同しての実地研究分析、いくつもの著書、などで活躍され、政治家になった教え子も何人もおり、日本の政治学をリードしてこられた先生です。新聞TVなどメディアにもしばしば登場し、この人に教えを受けたのだと誇らしく思うこともしばしばでした。
講義のまとめとして最後に、政治に臨む人の心得を述べられました。
・あまたの課題に圧倒されない
・達成されなくても、へこたれない
・「ままならない」のは、当たり前と思う
・不確実な情報でも決めなければならない
・次の世代に期待を繋ぐ
・俺がやらなくて、誰がやる
・Curiosity(好奇心), Audacity(豪胆), Optimism(楽観)
これはそのまま、中小企業経営者の心得でもありましょう。常に念頭に置いてこれからの仕事に臨みたいと思います。
着物のマーケティング日々雑記
20180112
私たちが着物を身につけた人をふだん目にする機会は、冠婚葬祭(成人式含む)、旅館や和食店で働く人たち、夏の浴衣や甚平、作務衣。他にはなかなかありません。
リンク先にちょっと長いレポート「着物の復活は本物か」があります。それによると着物の市場規模は、1980年には一兆8000億円だったものが2014年には3000億円と、1/6に減少しています。
そもそも昔は磯野波平さんフネさんのように、日常生活で普通に着物を着ていた(私の祖母も終生着物でした)わけです。生活スタイルが洋装中心となり、着物の需要が減ったときに、業界はどういう対応を取ったのでしょうか。以下、リンク先から引用します。
…業界は販売数量の下落分をカバーするために、晴れ着や付加価値の高い製品に偏って開発し製品単価を上げる戦略をとった。そのため、最初に日常生活で着用する街着としてのカジュアルな着物が姿を消し、市場にはフォーマルな着物(晴れ着)ばかりが増えていった。また販売員は、高価格の製品を販売するためのセールステクニックとして、「一生ものです」「年間通じて着られます」と説明したが、このことは、着物の流行を否定し、本来着物の持っていた豊かな季節感の表現を否定することにもつながった。その結果、売場に並ぶ柄には無難な古典柄が増え、自由でエキサイティングな表現の着物が減って着物売場はつまらなくなって客が寄り付かなくなり売場効率がさらに低下した。…
なるほどなあ、と思います。普段の楽しみとしてファッショナブルな着物を提案できれば、若い人も日頃のおしゃれに着物を選ぶ場面も出てくるでしょう。若い世代の着物業者たちもこれに取り組み始め、ごく最近では僅かながら消費も上向いてきたとのこと。私だって夏祭りには浴衣で歩くこともありますよ。なかなか気持ちがいいです。
あわせて外国人への販売も大いに期待できますよね。クールジャパン、和ブームに乗って和装を楽しむ外国人が増えてほしいです。
2015年、ボストン美術館がモネの名画「ラ・ジャポネーズ」の前で着物を着て写真を撮ろう、というイベントを仕掛けたところ、民族蔑視だとして中止に追い込まれたことがありました。欧米人がアジア人の真似をすることにいちゃもんをつけたポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)です。私らこんなことで蔑視されてるなんて夢想もしませんよ、これは明らかに行き過ぎというもの。最近のポリコレ流行りには、少々辟易ですね。
ファッション音痴の私も少しばかり考えてみた話題でした。
関連リンク: 着物の復活は本物か(東レ経営研究所)
振袖抱えて逃亡日々雑記
20180110
一生に一度のイベントが滅茶苦茶に…。横浜のレンタル呉服店「はれのひ」が成人式当日に店を開けずにすっぽかし、予約していた大勢の新成人が晴れ着を着られなかった話。本当にひどい話、お気の毒です。
何十万円もの予約金を受け取り、それどころか事前に預かったお客さんの着物も所在不明だというから、あいた口がふさがりません。
フタを開ければ以前から取引先への代金が滞ったり、給料の遅配があったりと危ない会社だったといいます。資金のやりくりがつかずに倒産するにしても、よりによってこの日を選ばなくてもいいじゃありませんか?祝日で銀行は休みですから、この日に不渡りが出るわけでなし。
と思っていましたら、今日になってメルカリなどに大量の着物が出品されていたと報じられています。出品者がこの会社かどうかまだわからないようですが、もしそうだったら資金繰りに窮して在庫や預かった着物を叩き売っていたということか。それじゃ成人式当日にも店を開けられませんわな。
れっきとした詐欺事件です。雲隠れしている社長、上海に高飛びしているとも伝えられていますが、まったく経営者の風上にも置けません。早く首根っこをつかまえて引きずり出せと被害者みんなが思っていることでしょう。本社の指示なく独自の判断で約束のサービスを提供した福岡店の人たちや、急な要請に応えた同業の人たちが救いです。
この事件とは離れますが、信州では学生が帰省しやすいお盆休みに成人式を行うところが多く、駒ヶ根も毎年8月15日が成人式です。真夏ですから振袖姿の女性はおりません。成人式の晴れ着にはあまりピンとこないのです。都会で女の子を持つ親は、なかなか出費も大変ですね。我が家は二人とも男子で、これについては助かりました。
逆に言えば着物の業者さんには年間最大のビジネスチャンスであるわけで、何としても新成人を囲い込みたいところ。しかし一度着物を作っても、成人式と結婚式くらいでしか着ないのでは、もったいない買い物です。着物の女性を普段目にする機会が少ないのは、そのまま市場規模の縮小と相関しているのでしょうかね。
ちょっと関連して、興味深い資料がありましたので、続けてみます。