「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

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大口の病院日々雑記

20160927



毒入りの点滴によって、高齢の入院患者が相次いで殺されたとされるニュース。まったく不気味な話で、入院中の方やご家族をはじめ、ご近所の人たちもさぞかし不安な思いでしょう。


渦中の「大口病院」ですが、私は大学卒業してから大口(横浜市神奈川区大口仲町)に5年間住んでいたのです。大口には当時勤めていた会社の寮がありました。


そればかりか、なんと30年前この病院に入院したことがある…といったら驚くでしょう。足の爪が「巻き爪」になってしまい、ちょっとした手術をして3日ほどの入院をしたのです。


あの病院がいったい何てこった、それでも確認をと思ってネットで地図をよく見てみましたら、違った、私が入院したのはやはり大口駅のすぐ近くにある「大口東総合病院」でした。たいへん失礼しました。あのときの手術では親指の生爪をメリメリと剥がされ、えらい目に遭いましたよ。足の指先の麻酔なんて、全然効かないね。


地図にある場所に「大口病院」が当時からあったのかどうか、毎日通る道ではなかったので、ちょっと記憶にありません。駒ヶ根に帰ってきてから「大口」という地名を耳にする機会は全然なかったので、ほとんど思い出すこともなくきました。


大口は横浜駅までJRでわずか2駅と便が良く、寮からはちょっと歩けば京浜急行の子安、東横線の妙蓮寺まで行くこともできました。寮は高台にあって、時には横浜港の汽笛が聞こえたり、まずまずの環境だったと思います。建物はボロでしたがね。今はもうとっくに寮はありませんが、久しぶりに近くを歩いてみたい気がします。


大口病院の4階病棟では今年になってからトラブルが頻発し、この3か月では50人が亡くなっていると伝えられ、底知れぬ闇を感じます(この病院は終末医療を中心にしているそうですから、ありえなくはないかのも知れません)。一日も早い犯人逮捕と真相究明が待たれますが、どんな恐ろしい実態が明らかになるのか、怖いことです。

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30・10運動日々雑記

20160925



「30・10」運動というキャンペーンが、あちこちで盛んです。一昨日の日経にも記事が載っていました。2011年に松本市で始まり、反響を呼んで各地に波及しているようです。


趣旨は、宴会などでの食べ残しを減らそうというもの。宴会開始後の30分間と、終了前の10分間を「食べる時間」とすることで、30・10、名付けてサンマル・イチマル運動というわけです。


開宴後、料理に手を付けるのもそこそこに席を立ち、お酌や歓談に歩いた結果、折角の料理をあらかた残してしまった…なんてこと、実際ありますよね。一人だけパクパク食べていると何だか恰好悪いような気がしたりして。(そんなに皆、私のことばかり見てませんよ)


食い意地の張った私は、それでも結構食べている方だと思いますが、場合によって殆ど食べられないこともあります。仕事柄、料理を用意された厨房のことにもどうしても気が行きますので、申し訳ない気持ちです。


お施主が最初から料理を少な目に注文すればいいようなものですが、料理店の側からすると「あの店はボリュームがないね」なんて言われることは店の評判に関わりますから、どうしても人数に見合ったそれなりの量を出したい事情があるのです。


あれこれ考えると、30・10運動、理にかなっていますね。モデル店舗では食べ残しが半分に減ったとのことです。宴会は必ずしも料理が主役とは限りませんが、せっかく供されたおいしい料理はぜひしっかり平らげてほしいもの。パックをもらって「持ち帰る」のも、足の早いナマものなどは別にして、普通に行われるといいですね。


ところで駒ヶ根市にも「2010運動」があると記事に載っていましたが、すみません駒ヶ根市民の私、松本のことは知っていても自分達のことは全然知りませんでした。前半の食事タイムが他所より10分短いのは、市民がそれだけ早食い性だってことでしょうか?

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謎肉祭食べもの

20160919

今年はカップヌードルの発売45周年だそうで、店頭にもさまざまな記念商品が並んでいます。中でもこの品は、オタク心をくすぐるポイントをうまく突いていると見えて、発売後すぐに売り切れてしまい生産が間に合わず、しばらく販売休止となるのだとか。


その名も「カップヌードルBIG謎肉祭」。


カップヌードルに入っているダイス状のコロコロしたお肉。味付け肉で噛みしめると不思議な食感があり、人造肉ではないか、とかいろいろ言われてきました。愛好者の中では「謎肉」で通っています。


数年前に日清食品がカップヌードルをリニューアルした際、この謎肉をよくあるチャーシュータイプの肉(コロチャー)に変更したところ、謎肉ファンたちから熱烈な復活希望の声が上がり、結局謎肉が復活したという不動の定番具材です。


「BIG謎肉祭」には、この謎肉が通常品の十倍も入っているのだとか!これは買って食べてみるしかないでしょう、というわけで、発売日の夕方早速コンビニに寄りました。何と一軒目では売り切れで棚は空っぽ、二軒目でゲットしました。


謎肉十倍とはどれほどのものか、お湯を入れる前と入れてからの写真でご確認ください。


食べてみると、なるほどたっぷりの肉が入っています。残念なのは、箸で麺を持ち上げても肉がただの一個もからんでこず、麺と肉の一体感を楽しみにくいこと。こんなに肉が入っているのにねえ。そう考えると、チャーシューが平たくペラペラなことには、意味があったのかも。


カップヌードルはあくまで「ヌードル」であって「カップラーメン」ではないようですから、初期のコマーシャルでしきりにやっていたように、箸ではなくプラスチックのフォークで食べる姿が本来想定されていたと聞きます。フォークだと麺と肉をうまくすくって食べられるのでしょうか。


発売再開は10月下旬だそうです。食べ損ねたファンの方、しばらくの辛抱ですね。

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商品テスト日々雑記

20160913





朝ドラ「とと姉ちゃん」。雑誌「暮しの手帖」を創立した大橋鎮子さんの伝記もの。当初あまり興味をひかれずにパスしていましたが、8月に入って雑誌創刊を迎えたところから観ています。暮しの手帖には私もいろいろと思い出があり、何だか懐かしくて。(ドラマとして面白いとは、全然思っていません)


子供の頃、母が購読していた暮しの手帖に私も興味を持ち、ずっと読んでいました。小学校に入った頃、号数で言うと85、6号位からかな。何てませた子でしょうか。当時漢字は結構読めたと思いましたが、書かれていた意味はどれだけわかっていましたかね。


毎号載っていたさまざまな「商品テスト」(ドラマでは「商品試験」と言っている)が、ご存知の通り辛辣で、子供心にもとても面白かったのです。有名家電メーカーがバッタバッタとなぎ倒されていきます。「GE」という、聞いたこともなくCMにも出てこないメーカーがよく取り上げられていて、これ何だろう?と不思議に思っていました。都会では、ゼネラル・エレクトリック社の商品は結構出回っていたのでしょうか。


そのころ我が家では日立の掃除機を使っていて、それが今川焼を置いたような丸い形をしていました。掃除機テストのとき、他社はどれも横にした箱形で、日立だけ変わっているなあという身びいきだけで、日立を応援していました。どのテストでも日立製品に「A よろしい」の評価がついていると嬉しかったものです。今は別に日立ファンではありません。


リンク先に昔の記事がいくつも載っていますが、写真にはだいたい見覚えがありますよ。「焼いた食パン4万3千88枚」の写真も、「火事をテストする」も、確かに見覚えがあります。この食パンの山、焼いてから捨てずに何ヶ月も取っておいたのでしょうか?この写真を撮るために。


火事のテストは子供心にすごいと思いました。カーテンの材質によって火の付き方がどう違うとか(「グラスウールのカーテン」には何分たっても火がつかず、カーテンより先に壁が燃え始めてしまった)燃えているストーブをわざと倒して、何秒後にどう油がこぼれて燃え広がっていくか、とか。


意外なところで、カレーやインスタントラーメンの食べ比べもありました。カレーはサンプルを一堂に集めて「ひとくち食べては次へ、ひとくち食べては次へ」とできますが、ラーメンはそうはいかない。一斉に食べ比べをすれば、試食順が後になったものは、のびるし、冷めるし。「ぬるいラーメンは、とけたアイスクリームのごとし」(カッコ内は記事に使われていたフレーズ)。考えて、テスターにあらかじめ全試食品を渡しておき、ひと月の間に一日一品を試食して採点してもらう、という方法を取ったそうです。


同誌を読まなくなって久しいですが、今ではもう商品テストは行っていないのですね。凄まじいペースで新商品が発売され、量販店に行けば安い輸入品があふれている時代、じっくり商品をテストすることも難しいでしょう。ドラマにあるように当初は風当りも強かったでしょうが、商品テストが世に果たした役割は絶大であったと思います。

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パーカー日本酒を採点す 飲みもの、お酒

20160908



泣く子も黙るワイン評論家、ロバート・パーカー。彼は著書の中で世界の高級ワインを100点満点で格付けし、その評価はワインの売れ行きに直結すると言われているカリスマです。そのパーカーが何と、日本酒の批評・格付けに乗り出したという話。


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【英フィナンシャル・タイムス】ロバート・パーカー氏のワイン情報誌「ワイン・アドヴォケート」が日本の純米吟醸酒・大吟醸酒の初の評価ガイドを発表した。すると1日もたたないうちに、最も評価の高い78銘柄が一躍、引っ張りだこの資産になった。

 東京の高級ホテル、すしバー、ワイン収集家から、マカオのカジノ、ニューヨークのレストラン、シンガポールの大富豪に至るまで、「亀の翁・三年熟成」や「常きげん・キス・オブ・ファイア」を買おうとする業者やバイヤーが、すでに残り少ない在庫からボトルを確保しようと先を争っている。
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何だか翻訳が変ですね。実際にはパーカー自身が日本酒のテイスティングをしたのではなく、The Gray Reportの記事によれば、酒類ジャーナリストの松崎晴雄氏が800種類の中から第1段階のセレクションをし、ワインアドヴォケート誌のレビュアーMartin Hao氏がそこから78種類を選んで評価をしたのだそうです。


優れた日本酒がいま海外の注目を集めていることは、周知の通りです。今回の話も、日本酒が世界に通じるサケになりつつあることを裏付ける、一連の流れとして見ることができるのでしょう。


リンク先の記事にもありますが、高級ワインと高級日本酒には、相当な価格の違いがあります。最高級ワインは1本10万円を超えることもざらですが、日本酒は高くても4合瓶1万円くらいで最高級品を買うことができます。


「高級ワインよりずっと安いねえ!」パーカーの評価を(便宜上、パーカーの、としておきます)有難がって、世界中のお大尽たちが日本酒を買いあされば、どうなるでしょう。パーカーが高得点をつけたワインは、もはや飲料としての価値よりも投機の対象になってしまうとまで言われます。日本酒の値段は高騰し私たちの手が届かないようなものになってしまうのでは、との予想は、まんざら杞憂でもないのかもしれません。


パーカー自身の味覚が本当に神の舌かどうかわかりませんが、たとえば97点と98点のワインの格の違いを明確な尺度をもって説明できるものなのか。それに彼にも「好み」というものがあるでしょう。パーカー高評価のワインが高値で売れているのを見て、ワイン醸造家もまた「パーカー好み」方向のテイストを目指した造りをしている例もあると聞きます。これはやはり、健全な事態とは言えませんよね。


日本酒を造るための酒米は、短期間にどんどん増産できるものではないでしょうし、吟醸酒などの特別なお酒が高値で海外に根こそぎ買われていってしまったら、残ったものはどうなるのか?なんて、すぐに心配するようなことではないと思いますが。


いろいろなことを考えさせられる話題です。

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豊洲移転延期日々雑記

20160906



これが小池新都知事の実質初仕事(いまの時点で『仕事』と言っていいのか、わかりませんが)ということでしょうか。移転を延期して見直す、というのは彼女の公約ですから、驚きはしません。


移転推進派の方々の、怒るまいことか。それはそうですよね、11月7日という期日は前から切られていたのですから、段取りや必要な投資をして着々と準備してたはず。それが反故にされては、その分は都で補償してくれるんだよな、というのは当然です。


いっぽうで移転反対派の人たち、既に完成している新しい豊洲市場の設計を見ては、やれ間口が狭くカジキも卸せないとか、ターレ(市場を縦横無尽に走っている小型の荷物輸送車両)がスムーズに通れなくて大渋滞するとか、意気軒昂ですね。


豊洲に関する様々な苦情には、じつは大きな誤解に基づくものだったり、中には根拠のないイチャモンだったりするものもあるようです。私は専門家ではないし現場も見てないし判断できる資格はないですが、いまメディアが盛んに吹聴している問題点が本当に妥当なものなのかは、一考してみてもいいのかなと思っています。


現実的には「では、今の築地をそのまま使っていっていいのか」というのは判断の基準になるでしょう。いくら愛着があっても、屋根はあっても壁がなく、老朽化し不衛生で耐震上も少なからぬ問題を抱えた築地をこのまま使うことと比較すれば、既に完成している豊洲を使うことは、少なくともbetterな選択になるのでは。さまざまな理由で移転に反対する仲買人も大勢いるようですが、一度決まったことを蒸し返し全員が一致するまで待っていたら、いつまでたっても事は動きません。


土壌の安全検査は「ほとんど」終わっています。工事に伴う利権等の調査は、新市場が稼働してから徹底的にやればいいでしょう。「稼働しなくても一日700万円の維持費がかかる」というのは、さすがに信じがたいと思いますけど(内訳は都によれば、警備費、最低限の清掃費、樹木の管理、地下水管理システム、水道光熱費だそうな。動いていない市場に、そんなにかかる筈がない)。


築地名物のチャーシューエッグ定食をまだ食べたことがない私、移転が延びて食すチャンスが少し残ったことは、じつはちょっと嬉しかったりします。

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中東の笛日々雑記

20160902



いよいよロシアに向けたワールドカップアジア最終予選が始まりました。わが日本代表、その初っ端から、ガツンとやられちまいましたなあ。


開始早々、フリーキックから本田のヘディングシュートが鮮やかに決まったのを見て「こりゃいけるぜ!」と思った人は多かったでしょう。しかしその後はUAEの守備をなかなか崩せず、逆にフリーキック(これは敵ながら鮮やか)とPKで逆転され、まさかのホーム黒星スタートとは。


試合を見ていて、UAEの最大貢献者はレフェリーだったなあ、と思った人、多かったんじゃないでしょうか。この主審はカタール人のアブドゥルラフマン・アルジャシム氏。浅野のシュートは明らかなインゴールでしたが、スルー。他にも日本が当然PKをいただけるような場面でお咎めなし。試合開始から同じ中東のUAEに有利と思われる笛を吹き続け、やりたい放題やってくれました。


これが相手のホームゲームだったら「それもサッカーのうち」てな話なのかもしれませんが、ここは日本ですぞ。埼玉スタジアムに集まったサポーターからブーイングがほとんど聞かれなかったのが本当に不思議。まあTV中継ですから、会場の雰囲気が手に取るようにわかるわけではないですが、相手がそう来るならもっともっとレフェリーにプレッシャーをかけなくちゃ、ホームの意味がないでしょう。


しかしたとえ主審がまともであったとしても、日本代表、シロウト目にも精彩を欠いておりました。密集した相手守備陣を攻めあぐね、ずっとワンパターンの攻めに終始した印象です。招集から試合までの期間が短く、ちぐはぐな連係ミスが続出。シュートやクロスの精度不足。


とりわけ香川。かつての輝きがまるでない。この試合だけではなく、何で彼が使われ続けているのか、不思議とさえ感じます。またキーパーの差も大きかった。相手GK、後半の決定的な場面で信じられないような速さで戻ってファインセーブ。キーパーが二人いるのかと思いました。


日本にとっては予想外の最悪の結果となりました。早く立ち直れ!
スカッとしたサッカーを見せてほしいです。

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829の日食べもの

20160829



8月29日は「焼肉の日」だそうですよ。毎月29日が「肉の日」だというのは、肉屋さんやスーパーの肉売場でよく見かけますが、8月の肉の日が焼肉の日だとは知りませんでした。


朝からテレビ各局で焼肉特集を組んでいたそうで、母が「今夜は焼肉食べに行かない?」などというものですから、久しぶりに家族で焼肉屋さんに行ってみました。お店の人が「今日は『焼肉の日』なんですよ」というから、「知ってます、だから食べに来たんです」と言ったら、嬉しそうにしていました。


それなりに年を重ねてくると、若い頃のように「肉、ニク」と執着しなくなるのは、まあ仕方ないですね。私も例外ではありません。食における量の探求は(肉に限りませんが)とっくに卒業してしまいました。寂しいですけど。


焼肉を食べる時には、脂たっぷりの牛カルビとかよりも、羊とか内臓系のものを最近は好んで食べています。もちろん今もカルビはおいしいが、量は食べられないな。ホルモンは子供の頃は嫌いだったのですが、数年前から特に好きになりました。体に気を付けながら(T_T)食べています。


これは私の嗜好の変化だけでなく、昔に比べて焼肉屋さん(肉屋さん)の技術が向上し、内臓の掃除や処理がきちんと上手にできる店が増えてきたということではないかと想像しています。掃除のちゃんとできてない内臓肉に当たった日には、もう最低ですからね。臭いもですし、噛みきれないゴムみたいな肉とか。口に入れた瞬間「ああ、やっちゃった!」と。


いきおい、昔にはなかった様々な部位にチャレンジできる機会も増えています。焼肉屋さんではないけれど、先日あるところで「セルヴェル(豚の脳みそ)」を食べました。昔の私ならまず頼まないメニューです。よく言われる通り、鱈の白子にそっくりの味で、なかなかのものでした。


829の日、まだまだ浸透しているとはいえないようです。単なる語呂合わせではあっても、多くの人がお店に足を運ぶきっかけとなればいいですね。テレビ任せだけではなく、業界あげて大いに宣伝しなくては。

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ルノワール 豊満な幸せ読んだり見たり

20160825









つい先日まで六本木の新国立美術館で催されていた「ルノワール展」。オリンピックに夢中でupするのを忘れていました。もう展覧会も終わってしまって今さらですが、備忘として書いておきましょう。


私はこれまで彼の作品にあまり魅力を感じていなかったのですが(学生時代にパリの印象派美術館でいくつも観ているはずなのに、ほとんど印象に残っていません)新聞雑誌やTVなどで、この展覧会が盛んに取り上げられているのを読んだりして、本物を観たくなったのです。


会場には超名作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」「ピアノを弾く少女たち」などとともに、「田舎のダンス」「都会のダンス」の二部作が並べて展示されています。「都会」のモデルはユトリロの母にして自らも画家であったシュザンヌ・ヴァラドン。「田舎」は後にルノワールの妻となるアリーヌ・シャリゴ。


みごとに対照的な画ですね。高級なドレスをまといながらも無表情、悲しげな雰囲気をも漂わせるヴァラドンに対し、アリーヌの開けっぴろげな幸せな顔!豊満な全身から、幸福のオーラが発散されているよう。アリーヌをじっと見つめるヴァラドンの憂い。(もちろん2枚の画の並べ方によるわけですが)


ヴァラドンもまたルノワールの愛人だった時期があるそうです。しかし画家の気持ちはアリーヌに移り、二人の女性の間には決着がついてしまった…ということなのでしょうか。


「ぶらんこ」「陽光の中の裸婦」などの光の描写も素晴らしかった。前者が発表された当初、死体のような色だと酷評されたそうですが、そうね、言われてみれば、肌に点々と散らされた青はゾンビの色合いともとれますかね?これらの画にも、ささやかなれど、幸せが一杯です。


ルノワールの描いた女性、アリーヌのみならず本当に豊満な人が多いです。横たわったり水浴したりする裸婦たちもみな豊満。文字通り、豊かで満たされた人を好んで描いた画家でした。画を観る私たちにも、モデルの、そして画家の幸せが伝わってくる気がします。

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リオ 雨の閉会式日々雑記

20160823





リオ五輪が終了しました。開会直前まで作業の遅れや反対デモなど、いろいろ言われてはいましたが、始まってしまえば選手たちの熱い闘いに魅了される毎日で、お祭り好きのブラジリアンたちの盛り上がりもあり、いい形で(今のところは)終われたように思えます。どの競技も客席が埋まっていなかったようなのは残念です。


終盤戦。男子4×100㍍リレーの銀メダルは快挙でした!個々では世界レベルでずば抜けた選手がいなくても(とは言っても、日本陸上のこれまでのレベルを見れば粒揃いの4人)バトンパスを磨き上げることで、チームでジャマイカに迫りアメリカに勝ったのですから、大したものです。でも、ゴールがあと5㍍先だったら、抜かれていたかも。


レスリング、4階級で金メダルを取った喜びの裏で、霊長類最強とまで言われた吉田沙保里がついに敗れました。試合終了後、うずくまり号泣している彼女を俯瞰で映した画面を見て、子供の頃、ウルトラマンがゼットンに負けた衝撃を思い出しました。こんな場面があることを想像できませんでした。


バドミントンと競歩で、長野県出身の奥原希望と荒井広宙がそれぞれ銅メダルを獲得したのも嬉しいニュース。競歩なんて普段目にすることのない種目を、じっくり見るのもオリンピックならではですね。あんなキツそうでじれったい競技を何十㌔もよく続けられるものだと、感心します。


そして雨になった閉会式。正直なところ、やや退屈。先日書いたように入場をダラダラと見るのは嫌いではないのですが、選手たち自身がダラダラと入ってくるのを1時間も見せられるのって、どうなんでしょう。開会式で選手がスマホで会場や仲間同士を撮りまくっていたのをネットで批判した人が、逆に非難されたりしましたが、閉会式のあの内輪ノリは、見ている人にとっては、ちょっと度をこしているなあと思いました。


日本紹介パートは、大変良かったと思います。まず「君が代」のアレンジ。三宅純さんという人の手によるそうです。いま普通に使われている君が代は、もともと西洋音階を使っていないメロディーに無理やり西洋の和声をつけていて、木に竹を接いだ不自然極まりないもの。今回のは4度や5度の和声を多用して、神秘的な雰囲気をもたらしていました。実況のBBCアナウンサーは、“One of the most beautiful national anthems...”と紹介したそうですよ。


渋谷の交差点から始まる映像もテンポよくすっきりし、今の日本のソフトパワーを的を絞って表していました。安倍マリオ首相は、コスプレを脱ぐタイミングをもう2、3秒待ってくれれば、バッチリだったでしょうか。小池百合子さん、食われてしまいましたな。着物が濡れてかわいそうでした。


最高だったのは、いよいよ聖火が消えてゆく場面。名歌手マリエーニ・ディ・カストロMariene De Castroが登場し、光の雨の中で熱唱する美しいイメージは、忘れがたいものとなりました。マリーザ・モンテMarisa Monteの「Pelo Tempo que Durar」という曲だそうです。(蛇足ですが、この雨はもちろん演出上のもの)


さて4年後は東京です。どれほどのものを作ってくれるか、リオを見てやっぱり楽しみになりました。

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