豊洲移転延期日々雑記
20160906
これが小池新都知事の実質初仕事(いまの時点で『仕事』と言っていいのか、わかりませんが)ということでしょうか。移転を延期して見直す、というのは彼女の公約ですから、驚きはしません。
移転推進派の方々の、怒るまいことか。それはそうですよね、11月7日という期日は前から切られていたのですから、段取りや必要な投資をして着々と準備してたはず。それが反故にされては、その分は都で補償してくれるんだよな、というのは当然です。
いっぽうで移転反対派の人たち、既に完成している新しい豊洲市場の設計を見ては、やれ間口が狭くカジキも卸せないとか、ターレ(市場を縦横無尽に走っている小型の荷物輸送車両)がスムーズに通れなくて大渋滞するとか、意気軒昂ですね。
豊洲に関する様々な苦情には、じつは大きな誤解に基づくものだったり、中には根拠のないイチャモンだったりするものもあるようです。私は専門家ではないし現場も見てないし判断できる資格はないですが、いまメディアが盛んに吹聴している問題点が本当に妥当なものなのかは、一考してみてもいいのかなと思っています。
現実的には「では、今の築地をそのまま使っていっていいのか」というのは判断の基準になるでしょう。いくら愛着があっても、屋根はあっても壁がなく、老朽化し不衛生で耐震上も少なからぬ問題を抱えた築地をこのまま使うことと比較すれば、既に完成している豊洲を使うことは、少なくともbetterな選択になるのでは。さまざまな理由で移転に反対する仲買人も大勢いるようですが、一度決まったことを蒸し返し全員が一致するまで待っていたら、いつまでたっても事は動きません。
土壌の安全検査は「ほとんど」終わっています。工事に伴う利権等の調査は、新市場が稼働してから徹底的にやればいいでしょう。「稼働しなくても一日700万円の維持費がかかる」というのは、さすがに信じがたいと思いますけど(内訳は都によれば、警備費、最低限の清掃費、樹木の管理、地下水管理システム、水道光熱費だそうな。動いていない市場に、そんなにかかる筈がない)。
築地名物のチャーシューエッグ定食をまだ食べたことがない私、移転が延びて食すチャンスが少し残ったことは、じつはちょっと嬉しかったりします。