「おいしいことなど徒然と」

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おいしい給食読んだり見たり

20211016



学校給食には誰もがいろいろな思い出を持っておられるでしょう。子供の頃の私は好き嫌いが激しく、苦労した記憶の方が多いです。残さず全部食べる、というのが当時の教育方針でしたからねえ。厳しい先生には本当にやられました。今の小中学校ではそこまで無理はさせないでしょう。


その給食をテーマにしたTVドラマ「おいしい給食」のシーズン2が始まり、長野県内ではBS12トゥエルビで土曜の夜に視ることができます。シーズン1は再放送を家で偶然目にし、ユニークなドラマを大いに楽しませてもらいました。


…主人公は中学校の教師、甘利田(市原隼人)。彼は厳しい教師だが、実は学校給食が好きで好きでたまらず、給食をおいしく食べることに日々情熱を燃やしている。献立表を事前にチェックし胸を躍らせ、食べるときには順序やバランスにこだわりぬき、歓びのあまり悶絶せんばかりです。


ところが甘利田に強力なライバルが出現します。受け持ち生徒の神野ゴウは、甘利田の予想もつかない独創的なやり方で給食をアレンジし味わうのです。たとえばシーズン1のある回の献立は、

 ・ワンタンスープ ・白身魚フライタルタルソース付き ・ポテトサラダ 
 ・コッペパン、牛乳

甘利田は魚フライの食感やタルタルとのマッチング、溶けかかったワンタンなどを楽しみながら食べ、完食してさて神野の方を見ると…


神野はまず魚フライをコッペパンに挟みサンドイッチにして半分食べ(そこまでは甘利田も予想していた)残りの半分はポテサラ、タルタル、ほぐした魚フライを皿の上で和え、魚ミックスサンド?にして二種類の味を食べつくします。甘利田はその発想力に驚嘆し、今日も負けたとうなだれるのです。


こんな風に毎回、給食をおいしく食べるため水面下で火花を散らす甘利田と神野でした。ところが彼らの中学校ではなんと給食廃止が決まってしまい、悲しむ神野と共に抵抗して教育委員に歯向かった甘利田は転勤を余儀なくされます。新しい学校で始まるシーズン2では、神野が転校してきて甘利田の前に再び登場するそうですが、さて今度はどんなバトルが繰り広げられるのか?


今の給食にどんなものが出ているのか私には全然わかりません。給食費はだいたいどこでも一食あたり二百円台だと思いますが、よくこの価格で栄養まで気を配り「食育」にまで気を遣ったものを出しているものだと、栄養士さんたちの努力には感服します。もうちょっと予算を使えると現場は助かるだろうな、とも思います。

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そこを叩くんじゃない音楽ばなし

20211013



忘れた頃に登場する打楽器シリーズの番外編です。


「のど自慢の鐘」といえばあれか、と誰でも思い浮かべることができる楽器。名称は「チューブラーベル tubular bells」もしくは簡単に「チャイム chimes」と呼ばれることが多いですかね。オーケストラでも20世紀後半以降の曲ではしばしば使われる、れっきとした打楽器です。


新品の値段は安いものでも70万円くらいし、私の子供の頃は公立学校ではおいそれと手の届かない贅沢品でしたが、最近は中学高校の部活でも普通に備えられるようになりました。時代を感じます。


我が家では朝見る番組は日テレの「Zip!」が多いです。先日は家庭で役に立つ裏ワザを特集していて、登場したKing & Princeのタレント岸優太が感心したネタにチューブラーベルを鳴らして評価する、というコーナーがありました。彼が楽器を鳴らすところを見てびっくり仰天!


ご覧の通り、楽器のパイプの中間場所をハンマーで叩いております。これは絶対にいけません。パイプが凹んでしまいますし、だいたいまともな音はしません。部活などでやらかしたら、間違いなく先輩からキビシイお仕置きです。凹んだらまず直せないのでそのパイプを何万円もだして交換しなくてはなりません。


正しくは、パイプの上部にあるキャップ状の部分(もちろんパイプと同じ材質の金属)を斜め上から叩きます。今度のど自慢を見るときにご確認ください。


私はほとんど観ていなかったのですが、何年も前「伊東家の食卓」という人気番組がありました。この中で伊東四朗が同じような場面で毎回チューブラーベルを叩いていて、やはりパイプの途中を叩いていました(これも日テレだ)。プロアマ問わずあらゆる打楽器奏者が激怒し、打楽器の専門ウェブサイトでも話題になりました。TV局に抗議した人もきっといたと思います。ずいぶん経ってから正しい場所を叩くようになったとか、ならなかったとか。


楽器を登場させるのに演奏法もロクに調べないのは、この業界では普通のことなのですかね。ここで使われた楽器が日テレのものなのか、どこかの楽器レンタル業者から借りたのかわかりませんが(放送局ならチューブラーベルを持っていても、まあ不思議ではないかな)レンタルしたものならば、前歴もあるし二度と貸してくれないのでは。

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醤油メーカーとワクチン日々雑記

20211011



これは興味深いニュース。日頃からお付き合いのある企業なのに、全然知らなかった。

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(日テレNEWS)「ヤマサ醤油」(千葉・銚子市)は正保2年(1645年)の創業、300年以上にわたって食卓に欠かせない調味料“しょうゆ”を作り続けています。そんな老舗企業の伝統の技術がいま、コロナ禍の世界を変える“ワクチン”の原料として活用されています。mRNAワクチンに欠かせない重要な原料を製造、日本や世界で使われているファイザー社とモデルナ社に提供しているのです。
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リンク先の記事によりますと、だしの旨味とかかわりの深い「核酸化合物」を同社は昔から研究してきて、その一つ「シュードウリジン」を1980年代、試薬として既に海外輸出していたのだとか。コロナワクチンのmRNAに使われ、体内での炎症を抑える働きをしているのだそうです。


ヤマサ醤油では「フレーブ」という名のうま味調味料を製造販売しており、この製品の開発から生まれた副産物なのでしょうか。Wikipediaでシュードウリジンを検索するといろいろ書いてありますが、残念ながらほぼ一行も理解できませぬ。pseudouridineと綴り、ψと略記するようです。


凄いことじゃありませんか?工場は現在フル稼働で、世界中で接種されているワクチンの製造に貢献しているのですよ。株価は爆上げといいたいところですが、ヤマサ醤油は創業した濱口家のオーナー会社で、上場はしておりません。


食品会社と製薬は日頃私たちが想像する以上に関係が深く、食品に使われる化学の技術は製薬に応用され、消費者には見えにくいところで企業の屋台骨をしっかり支えていたりします。明治、味の素、ヤクルトなどはその代表的な例ですね。でも日頃メーカーさんとの商談などでこのような話題が出ることはめったにないし、各社の営業の人も全く別の部署のやってることで、よくご存じないのでしょう。


コロナとの戦いに世界規模で日本の醤油メーカーが貢献しているなんて、嬉しい話ではありませんか。私たちには大した応援ができるわけではありませんが、食卓や台所で醤油やつゆを使うたびに思い出すことも大事かも。

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コロナ規制解除しごと

20211005

10月1日から全国でコロナの緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置が解除されました。営業を再開した飲食店主らの笑顔が報道されています。ご同慶の至りです。


何で急に新規感染者が減ったのか「専門家」たちもよくわからないと言っているようです。そんなのワクチンが普及したからに決まってるじゃないですか。去年から散々吹聴された「人流」と感染の間に、直接の相関がみられないという現実を専門家たちはきちんと分析して、次への対応準備に生かしてもらいたい。あれほど大騒ぎした東京五輪も感染拡大に影響しなかったと、ウォールストリートジャーナルも言ってますよ。


「今は新規感染が少なくても、いつリバウンドするかわからないから、予防対策を怠ってはいけない」と相変わらず言い続けている人たち。そんなこと言ったら我々は未来永劫、マスクと三密回避を続けていかにゃならんでしょうに。


そうは言っても季節要因があるから冬になれば流行することだってあります。今のうちに、少々感染者や重症者が増えても破綻しない医療システムの根本的な構築をぜひともお願いしたい。今度の内閣では、厚労大臣も我々のお近くの方になるみたいだし。


大事なのはバランスです。コロナさえ防止すれば他のことがどうなってもよい、という過激派の言いなりになるのはもうたくさんです。今日発足する新政権にはぜひ経済再建に軸足を移した政策を期待します。(菅前総理だってこれをやろうとしていた筈ですが、世論が許さなかったうらみがあります。過激なエセ専門家に言いたい放題させ国民に恐怖を煽ったマスコミの責任は重大です)


東京の状況は地方にも大きく影響します。東京のことであっても酒飲むな営業するなと言われ続ければ、地方に住む人も外食に対しひるんでしまいますからね。東京がこれだけ収まってきたことは、多くの長野県民の気持ちをも上向かせてくれるだろうと思います。


長野県の阿部知事は4日の記者会見で、次の感染の波までの間、社会経済活動を再開させていかないといけないと訴え、「会食の人数制限は既に解除している」と言いました。4人までとかそういうことは、もうないんですよ!ずっと閉じこもっていた皆さん、久しぶりの街へ出て、楽しくやりませんか。

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妻の飯がマズくて離婚したい食べもの

20211002



最初に言っておくと、我が家のことではありません。いま話題だという4コマ漫画。リンク先のサイトで全部あっという間に読めちゃいますので、今回の記事では内容ネタバレです(というほどのものでもありません)。


食に対する価値観の違いが生んだ悲劇になるところでした。夫婦間の異なる価値観をお互いを思いやりながら尊重していくのが大事だよというテーマで、「食への興味」はその例として取り上げられているだけですが、本欄ではこっちを主に。


世の中に、美味しいものを飲食することに全く無関心な人がいらっしゃることは、まあそうなんだろうなあ、と思います。私の知人にも、それに近い人がこれまでいなかったわけではありません。この場合に経済的な余裕の有無とかは、別な話でありましょう。


そういう方の考え方感じ方の良しあしを取りざたするつもりではありませんが、私は多くの方においしいものをお届けすることを生業としていますので、食に興味がないというのは残念なことだと思います。まあこの位は、お許しください。


主人公ミナミさんがこうなってしまったのは、もちろん母親の食育?の影響です。味覚を開発することのない日々の生活習慣を幼いころから何年も続ければ、無理もないこと。ミナミさんのお子様たちも、このままだとその道をまっしぐらに進んでいくところでしたが、どうにか踏みとどまりそうなのは、まことに喜ばしい。


私自身はミナミさんの価値観に自分を合わせて何年も暮らしていける自信はないですね。だって美味しいもの食べること大好きですもの。「お腹に入ればみんな同じ」がミナミさん(とその母親)の口癖ですが、人生にはプロセスが大事ですよ。人はパンのみにて生きるにあらず。


漫画ほど極端でなくても、結婚して二人のそれまで慣れ親しんだ味つけが違うのは、よくあること。ここをすり合わせていくことは夫婦の大切な仕事ですね。我が家の場合はこの点でたまたま誤差が少なく幸運だったと思っています。ただ私はいい年をして食べ物の好き嫌いがまだあり、妻の好物なのに私が食べないため食卓に滅多に上らないものがありますが、申し訳ないことです。


ところで、岸田文雄氏が総裁選に勝った夜に奥様が作ったというお好み焼き、おいしそうですね。ところが岸田氏による感謝のツイートを見て、

 ・男は好感度あげたい時に妻を出すよね。
 ・パンケーキの次はお好み焼きか…
 ・深夜に帰宅した夫に食事を用意するの美談にしないで。
 ・また奥さんを家政婦がわりか

との「指摘が寄せられている」のだそうな(ハフィントンポスト)。人生を賭けた大勝負に勝った家族を祝福しねぎらう手料理を見ながら、全くつまらないことを言うもんだ。

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鍛える日々雑記

20210927



健全な精神は健全な肉体に宿る…。


英語でも書こうと思いましたが、検索するとあまりにもたくさん候補が出てきてどれが正解かわかりません。元はラテン語ですが A sound mind in a sound body と言われることが多いみたいです。それはさておき、健全な肉体とは無縁に60年近くを過ごしてきた私がなんと、今月初めからスポーツジムに通い始めました。


きっかけはコロナのため?腹が出てきたと家人に厳しく指摘されるようになっていました。確かに運動不足は否めません。会社の周りを夕方歩いたりしていましたが、雨天だったり暑かったり、会議の日もありそう毎日は歩けず、体づくり(減量ともいう)の成果を感じるような状況にはほど遠い。


そうしたらこの秋、駒ヶ根市民にはすっかり身近な存在になったJOCA―青年海外協力協会が運営する「ゴッチャウェルネス」という施設が市街地の真ん中にオープンするというのです。ジムか…。何年も前に別のジムの会員だったことがあるのですが(妻にむりやり行かされた)本質的に運動が好きでないし、いろいろ億劫でほとんど会費の元も取れず、辞めてしまいました。


それでもどんなものかと思ってゴッチャの内覧会に行ってみたら、何だか雰囲気がよく様々なマシンも新しく(新設ですから当たり前)ひょっとしたらこれなら気軽に続けられるかもと、その場で会員登録してしまったというわけ。勢いとは恐ろしい。


オープンした初日から通い始め、信じられないことに今日まで22日間、施設定休日以外は1日も休まず励んでいるのですよ。1回せいぜい1時間程度のことではありますが、怠惰で体を動かすことの大嫌いな私を知る人は皆さん驚くことでしょう。私の行く時間帯は比較的空いていて、何人か顔なじみになった人も。


何がいいかって、わが家から圧倒的に近いことです。徒歩3分。汗を流した後、着替えもせずそのまま帰宅⇒シャワー⇒ビール、の流れがもうできているではありませんか。運動してもビールで帳消しなどと無粋なことを言ってはいけない、ビールを飲むために運動していると思えばいいのです。


まだ目に見えるほど体形の変化はありませんが、人生でこれほど体を動かしている時期はひょっとして初めてかもしれません。皆勤はともかく週3回くらいは行きたいと思っていますが、さて、いつまで続きますやら。


(写真はたまたま私が最後の一人になった日、係の人に撮ってもらったもの)

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ミートショックしごと

20210925



半導体がない、木材がない。世界中でさまざまな産業を支える基幹部品や資源の不足が起こっています。私たちの日々の生活の糧である食品もまた然りです。


ニュース番組を見ていたら、アメリカ産牛肉の高騰の話をしていました。

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(テレ朝news)新型コロナなどの影響で、“ミートショック”と呼ばれる輸入牛肉の価格高騰が起きていて、飲食店などでの値上げが相次いでいます。牛たん焼きが人気のチェーン『ねぎし』では、定番メニューの価格を、600円引き上げて、2450円に値上げしました。牛丼チェーン『松屋』では、一部地域で扱っている牛めしの価格を、28日から60円引き上げて、380円にすることを決めました。
“ミートショック”の影響は、飲食店にとどまらず、家庭の食卓にも影響が出ています。東京都内のスーパーでは、アメリカ産の牛肉が2割程度、値上がりしたということです。
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記事にリンクを貼りました。番組では時間の制約があり原因の一部しか書かれていません。価格の高騰は、要は品不足ということです。産地で生産加工に携わる労働力の不足、輸送するコンテナの不足、そして原料の高騰に対応できない日本の長期化するデフレ。これらがコロナのためからみあいながら一気に噴き出していると思われます。


産地の労働力不足は、以前から私たちの業界では情報として入っています。牛肉だけでなく鶏肉加工品、水産品の一部などはそのため既に品薄となり、また食用油脂はこれまでになかった凄まじい値上げが続いていて、当社のお客様にもご迷惑をおかけしています。


原価が高くなれば、高い値段を払わなくては購入調達できません。ところがわが国で食品末端価格の多くは20年以上ほとんど変わることなく据え置かれていて、流通業界にも安く買って安く売ることが正義だという空気ができてしまっています。消費者もそれに慣れっこになりました。


その裏ではこれまでもさまざまな場面で、日本の輸入商社が食品原料を海外に「買い負け」してきているのです。高くても買ってくれて、品質には極端に神経質でない中国などにモノを取られてしまうのは当たり前。


そうは言っても品切れさせられないと、多くの人たちが無理をして安さばかりを追求しているのが近年の食品業界と言っていいでしょう。先日も某巨大スーパーがPB商品の値段を据え置くとか発表していますが、彼らは身を削ってなんぞいない、バイイングパワーで仕入れ価格を上げさせずに関係業者を泣かせているだけです。


500円を切る価格で普通に昼食を食べることのできる日本は先進国の中でも珍しいといいます。確かに便利でありがたいことですが、不自然に無理を重ねている側面も見なくては。業界のせいばかりではなく、いつまでたってもデフレから脱却できない経済無策のなせる現状だろうと思います。政治はしっかりしてくれよ。

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TPP中台対決日々雑記

20210923



何ともビミョーな空気になりました。どう動くのさ、日本は。

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(日経新聞)台湾当局は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟に向け、正式に申請手続きを行ったと発表した。(中略)中国の強い反発が予想されるなか、TPP加盟に強い意欲をみせた。
TPPを巡っては、中国が16日に加盟申請を行ったことを公表したばかりだ。台湾として中国に加盟申請で大きく遅れれば、加盟が困難になるとみて申請手続きを急いだ。
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そもそもTPPは、膨張する中国の貿易経済への対抗として、封じ込めの意図をもって作られた協定だと理解しておりました。当初はアメリカ主導で話が進み、結構な無茶振りを日本も何とか跳ね除けながら、何年もかかって結局参加が決まった経緯があります。


それがトランプときたら、アメリカが自ら提唱し作り上げたTPPを勝手に脱退してしまいました。彼らがどういうつもりだったかよくわかりませんが、自分勝手なルールで振舞いたいのにTPPの約束ごとが邪魔だと考えたのでしょう。しかしねえ、本当にそんな単純な理由だったのかな。これによってTPPの実効性は少なからずダメージを受けました。


その間隙をついて中国が「俺もTPPに入れろ」と言い始めたのですから、いよいよ何が何だかということに。国家による手前勝手な経済統制や国内外に山積するアンフェアな事例、知的財産権の軽視などを見れば、彼らが現在のTPPの協定を順守する気などさらさらないことは明らかです。要は、揺さぶりでしょ。


負けじとTPP加盟を申し込んだ台湾だって、揺るぎない親日国のように我々も見がちですが、日本との貿易ではいまだに福島や茨城産の農産物の輸入を理不尽に禁止しているのです。(つい先日、アメリカが制限を全面解除したことは、まことに朗報でした)


TPPの規約では、加盟国が一国でも反対すれば新しい国の加盟は認められないことになっています。中国の申し込みを一蹴することは簡単ですが、彼らの「踏み絵」にみすみす自分が真っ先に乗ることは、日本だってどこの国だって躊躇するでしょう。(オーストラリアならやるかも?)


ああだこうだ言わなくても、ドライな対応でお断り申し上げればそれまでだとも思いますがね。ほんとに嫌らしい。アメリカ、何とかしろよ。

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禅寺での修行日々雑記

20210915



先週BSで放映され録画しておいた「ファンシイダンス」(1989)という映画を観ました。周防正行監督の初めての一般映画で出世作、本木雅弘が本格俳優として主役デビューした映画でもあります。実家のお寺を継ぐために、心ならずも一年間の修行に励む主人公を演じています。他に鈴木保奈美、竹中直人、彦摩呂(当時の彼はすごい美青年、今とは別人にしか見えない)など。


この映画はそれほど話題にならず、TVでもあまり放映されていないので観た方は少ないと思います。次作「シコふんじゃった。」とテイストがよく似ていますが、周防監督は本作で禅僧、次作は学生相撲、名作「shall we ダンス?」は社交ダンスと、あまり日の当たらないマイナーな題材を続けて取り上げています。


大変面白かったのは、舞台となる禅寺修行を私も昔、ちょびっとだけ体験したからです。大学卒業の春休みに親戚の方から強く勧められて、鎌倉の円覚寺で5泊6日の「学生大摂心」という行事に(嫌々)参加しました。映画と共通点がたくさんあり、とても懐かしく思い出しました。


当時の体験を振り返ってみれば、まあ驚いたことだらけ。


・いわゆる「座禅」を組むお堂があり、寝るのも食事するのもすべてこの空間で行われる。生活のためのスペースが他にあるわけではない。

・午前3時起床、夜9時就寝。早朝たたき起こされるのは想像の範囲内だが、寝るのもたたき寝かされる。丸く畳んで棚に収めてある一枚の布団を2つに折って「かしわ餅」のようにして寝る。衣服は期間中、昼も夜も着たきりすずめ。入浴、髭剃り禁止。

・食事は初日に決められた係の人(典座/てんぞ)が最後まで作る。朝はおかゆと梅干たくあん、昼夜は一汁一菜。黙食するのはもちろん、ポリポリと音を立てて食べてはいけない(奥歯ですり潰して食べろと言われました)。食器は大小3枚の椀と皿を使う。食事のあとは配られたお湯を使って食器の中で食器を洗い、洗い終わったらそのお湯も飲んでしまう。

・一日24時間のうち、寝るとき以外に足を伸ばして休む時間帯はほとんどないのです。座を組んでいるか、正座しているか、立って歩いているか、基本的にそれだけ。想像できますか。


6日間もうひたすら眠く、寒く、足は痛い。これは学生のための座禅会ですからまだまだ優しい内容で、本格的な修行は期間も内容も段違いの厳しいものだということです。


「悟り」という言葉はよく使われますが、禅の修行はつまるところ悟りを開くためのものだと理解しています。悟るとはどういうことか。追体験ができないのでわかりませんが、これほどまでに厳しい修行で追い求めるものであれば、そういう超現実的な世界も本当にあるかなとも思えたのが、きつい体験に終始した私のささやかな収穫でした。

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特定空き家、解体日々雑記

20210912



全国各地で「空き家問題」が顕在化してきています。当地も例外ではなく「これ、どうするんだろう」と思うような廃屋が私の見る範囲でもチラホラとあるのです。その解決に向けて、一歩進んだとのこと。

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(長野日報)駒ケ根市は10日、空き家対策特別措置法(特措法)に基づく行政代執行により、市内にある法人所有の建物の解体に着手した。建物の著しい劣化により、放置すれば周辺の家屋や通行人などに被害を与える恐れがあると判断。解体費用は市が建物の撤去後、法人の清算人(弁護士)に請求する。県建築住宅課によると、行政代執行による特定空き家の解体は県内で2例目。
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この建物は、我が家から徒歩2分ほどの中心市街地にあります。なんと以前当社のお得意様だったパン屋さんで、ひと頃は学校給食用パンなど地域では結構大きな商売をしていました。社長さんが亡くなり後継者がなく、船頭を失った会社は何年かのちに倒産しました。もう30年近く前のこと。


築60年という建物は外壁が崩れ屋根や柱は波打ち、中身が丸見え状態になっています。ミキサーなどパン製造用の機械が今もそのまま残されているようです。倒産の時に管財人が設備や備品類の売却を試みたが、旧式のため買い手がつかなかったと記憶しています。


全国でこのような空き家が846万戸あるそうです(平成30年の統計)。建物は無人になると急速に劣化が進むと言われますが、十数年も放置されると外観も見苦しいし、だいいち危険です。持ち主がいなくなり相続人が不明だったりすると、早く解体して周囲を安心させたくても行政はなかなか手が出せません。


厄介な手続きを一つひとつクリアして、今回の措置に至りました。こうした空き家の始末が費用負担も含めてスムースに進められるような法整備が求められますね。


それでも、個人的に知っていて何度も仕事で中に入ったこともある建物がこういう運命をたどるとは…ああ、諸行無常なり。

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