特定空き家、解体日々雑記
20210912
全国各地で「空き家問題」が顕在化してきています。当地も例外ではなく「これ、どうするんだろう」と思うような廃屋が私の見る範囲でもチラホラとあるのです。その解決に向けて、一歩進んだとのこと。
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(長野日報)駒ケ根市は10日、空き家対策特別措置法(特措法)に基づく行政代執行により、市内にある法人所有の建物の解体に着手した。建物の著しい劣化により、放置すれば周辺の家屋や通行人などに被害を与える恐れがあると判断。解体費用は市が建物の撤去後、法人の清算人(弁護士)に請求する。県建築住宅課によると、行政代執行による特定空き家の解体は県内で2例目。
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この建物は、我が家から徒歩2分ほどの中心市街地にあります。なんと以前当社のお得意様だったパン屋さんで、ひと頃は学校給食用パンなど地域では結構大きな商売をしていました。社長さんが亡くなり後継者がなく、船頭を失った会社は何年かのちに倒産しました。もう30年近く前のこと。
築60年という建物は外壁が崩れ屋根や柱は波打ち、中身が丸見え状態になっています。ミキサーなどパン製造用の機械が今もそのまま残されているようです。倒産の時に管財人が設備や備品類の売却を試みたが、旧式のため買い手がつかなかったと記憶しています。
全国でこのような空き家が846万戸あるそうです(平成30年の統計)。建物は無人になると急速に劣化が進むと言われますが、十数年も放置されると外観も見苦しいし、だいいち危険です。持ち主がいなくなり相続人が不明だったりすると、早く解体して周囲を安心させたくても行政はなかなか手が出せません。
厄介な手続きを一つひとつクリアして、今回の措置に至りました。こうした空き家の始末が費用負担も含めてスムースに進められるような法整備が求められますね。
それでも、個人的に知っていて何度も仕事で中に入ったこともある建物がこういう運命をたどるとは…ああ、諸行無常なり。
関連リンク: 行政代執行により空き家解体着手(長野日報)