2023下半期 蔵出しお店紹介
20231230
いよいよ今年もあと2日を残すだけとなりました。今年下半期分の蔵出しです。
神保町「ビストロアマノ」の【シャルキュトリー盛合せ】【いろんな豆とハーブのサラダ】
夫婦お二人でやっているこじんまりしたビストロ。東京で一人飯に二度ほど訪れて、とても気に入っています。
シャルキュトリーとは「肉屋さんのオードブル」みたいな意味で、ハムやソーセージなど肉加工品のこと。このお店の名物ですべて自家製(写真はハーフサイズ)多くの人が注文するようです。
豆サラダは枝豆、レンティユ、いんげん、ひよこ豆など数種類のお豆さんをハーブドレッシングで和え、チーズを摺り下ろしています。
いかにもビストロらしい、そして丁寧に作られたお皿でした。シャルキュトリーも豆も大好物で、ワイン、いくらでもいけちゃいます!
長野市善光寺近く「成満堂」の【千代幻豚ロースカツ+SPF豚のヒレカツ】
以前TVで観て気になっていたお店に、この年末ようやく行くことができました。厚い肉を弱火でじっくり時間をかけて揚げ、これまた時間をかけて休ませたカツはこの上なく柔らかい。脂の美味しさもたまりません。ロースとヒレ両方をいただきましたが、私ゃやっぱりロースがいいな。
銀座「マルディグラ」の【カリカリのトリッパ】【カスレ】
銀座の隠れ家、肉ビストロとして名高く、シェフの和知氏はメディアにもたびたび登場します。この店は気取ったところが全然なく居酒屋的雰囲気で(もちろん値段は居酒屋価格ではないが)大勢でワイワイと料理を取り分けながらガブ呑みするような食堂で、人気もうなずけます。
前菜の揚げたトリッパ(牛胃)はまことにユニークなスタイルで供されます。カリカリとニチャニチャが絶妙に融合した食感がとても楽しい。
カスレは鴨などトリモモのコンフィやソーセージを豆(また豆だ!)と一緒に煮込む南フランスの郷土料理。好物なのでいろいろな所で食べますが、どこで食べても美味しいですね。ホロホロと崩れそうに柔らかいトリと肉のゼラチン質が溶け出した豆を一緒に頬張るのは、冬の喜びです。
外食や観光が本格復活し、私たちの商売にも明るい陽射しが戻ってきた年でした。年内はこれで本欄も更新終了です。
皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
ヒッチコック読んだり見たり
20231228
サスペンスの巨匠、スリラーの神様。
「ヒッチコックの映画術」という映画、予告を見て面白そうだと思い、観に行きました。ヒッチコック本人があの世から自作の映画技法を語る、という趣向です。そんなことあるかい、と思う方は観てみて下さい。ちなみに私はヒッチコック自身の話す声は殆ど聞いたことがありません。
ごく初期のものも含めて多くの作品が登場し「逃避・欲望・孤独・時間・充実・高さ」という6つの観点で凝らされている工夫を解説しています。例えば時間に追われている人にとって、物事がスムーズに進まないことはとてもイライラします。その感覚を観客にどう見せるか。
あるいはヒッチコックお得意の俯瞰。画面の構図で不安や孤独を示し、すべてを見通している全能感までを示す。…みたいなエピソードをたくさん詰め込んだ映画でしたが、正直言ってやや退屈でした。ご本人(ということになっている)の単調なナレーションは眠気を誘いました。
wikipediaによれば彼は53の長編映画を監督していて、いま数えたら私はそのうちの22作品を観ています。まあまあ観ている方でしょう。学生時代には時折リバイバルされる旧作を好んで観たし、BSでもしばしば放送されています。イギリス時代のものは殆ど知らないので、ぜひBSでやってくれるといいのですがね。
ヒッチコック作品をランキングしたサイトは実にたくさんあり、人気を裏付けています。「サイコ(60)」「鳥(63)」「裏窓(54)」あたりが上位の常連になっています。これらも傑作だと思いますが、私の好みでベスト3を選ぶならば、
1、めまい(58)
2、知りすぎていた男(56)
3、レベッカ(40)
となるでしょうか。「めまい」の謎と失われたものへの喪失感は極めて印象的でした。色彩も素晴らしい。「レベッカ」は学生の頃リバイバルで観て大変感銘し、その当時は過去に観た映画のベストワンと思っていましたが、長らく観ていないのでもう一度観てみたい。いまなら、そこまでとは思わないかな?
「知り過ぎていた男」はサスペンスとユーモアの同居がうまくできています。コンサートでのシンバルの一撃を合図に暗殺が行われるというのが面白い。シンバル奏者の延々と休みが続くパート譜の大写しを見て苦笑しない打楽器奏者はいないでしょう。誘拐された子供が母の歌声に応える場面、胸が締め付けられます。
2023年ヒット商品番付 (2)日々雑記
20231219
続きです。。
前頭 円安リッチ訪日客
コロナで疲弊した観光産業を救ってくれているインバウンド客。まったくおかげ様だと思います。今年に入っての極端な円安は、当社にとっては扱い商品値上げという形で大きな影響がありますが、こうした形で商売のプラスになることもあります。残念なのは、長野県南部を訪れる外国人がまだまだ少ないことです。(県下の各地域と比べると差は歴然)
前頭 サントリー「こだわり酒場のタコハイ」
店頭で見ますが、まだ飲んだことないなあ。「こだわり酒場のレモンサワー」は19年ヒット商品に選ばれていて、息長く売れているようです。時々買って飲みますよ。
前頭 丸亀シェイクうどん
近所に丸亀がないためこれも未食です。よく知らないのですが、これはテイクアウト専用品なのか?店内で食べることもできるのでしょうか。たぶん私の好きな(ジャンクな)味だと思います。新宿のうどん店「三国一」の「サラダうどん」は有名ですが、それに通じるものがありますね。
前頭 麻布台ヒルズ
11月に東京へ行った翌日がオープンの日。タイミングが惜しかった。注目の新しい建物はみなヒルズですね。六本木にせよ虎ノ門にせよ、ほとんど中に入ったことがありません。港区にあんまり用事がないってことか。
前頭 ワンプレート冷食
むかし英語の時間に教わった「TVディナー」が、TV離れの進む令和の日本でヒットしているというのは、不思議な感じ。当時のアメリカ人が食べていたものとは味の進歩は比べ物にならないでしょうが。
前頭 I JOOZ(アイジュース)
生のオレンジをその場で搾る自販機、シンガポールの会社が首都圏で着々と台数を伸ばしているそうです。だけどこのような機械は少なくても30年以上前からあったはずで、遊園地とかホテルの朝食とかで何度も見たことありますよ。オレンジの補給を「面」で展開した会社がこれまでなかったのだろうか?
ところで「流行語大賞」「今年の漢字」は毎年つまらなくて本欄で扱う気になりません。選考方法が良くないです。今年の漢字は税だそうですが、私が選ぶのだったら「邪」ですね、ジャ。メディアは取り上げるのに困るでしょうけれど。
2023年ヒット商品番付 (1)日々雑記
20231217
年末恒例、日経MJ紙「ヒット商品番付」が発表されました。感想などを。今年は食品関係が少ないですね。
横綱(東) 生成AI
ようやくコンピュータも我々が昔想像していたレベルに到達したのか…昨年のヒット商品では「画像生成AI」が前頭にランクインしておりましたが、さらに進んでいつの間にか生活の中にどっかりと居座ってしまいそうです。ChatGPTはどこかで試してみたいと思っています。当社の業務に役立つかどうかは、まだまったく不明。
横綱(西) 大谷翔平&WBC(3/11、3/23、7/11)
世界のオオタニサン!エンゼルスからドジャーズへ、1000億円プレーヤーですぞ。税金どの位取られるのか知らんけど。願い通り、新天地で優勝争いできるでしょうか。WBCも実に痛快な大会でした。
大関(東) 藤井八冠(10/13)
誰が土をつけ、タイトルを奪取するのか。もう興味はそれだけです。
大関(西) アレのアレ 阪神38年ぶり日本一
プロ野球を見ることが殆どない私ですが、阪神優勝でどれだけ関西人が盛り上がったかは想像つきますよ。岡田監督、風貌のイメージとは異なり、知将なんですねえ。
関脇(東) YOASOBI「アイドル」
関脇(西) ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
知りません。全然。
小結(東) チョコザップ
いろいろな会議や展示会が復活し東京へ行く機会も多くなりました。街角でたまに見かけます。本格的な運動でなくチョコッと汗を流す「体にいいことした!」感が受けているのか。私のジム活動は12月に入って風前の灯です。
小結(西) 日本バスケ旋風(9/1、9/4)
漫画「スラムダンク」を途中まで読んだことを書きました。その後まもなく結末まで読了し、大はまりしました。ぶっちぎりの強豪山王工業との激戦、熱くて何度も読み返しています。映画の「ファーストスラムダンク」を見逃したのが残念。そろそろTVでやるかな。
続きは次回で。
とばっちり辞任日々雑記
20231215
地元選出の宮下一郎農水大臣、わずか3か月で辞任することになるとは。口惜しい気持ちで一杯のことでしょう。
パーティー券キックバック裏金問題は自民党を揺るがす大きな問題になっております。安倍派に属する閣僚4人をはじめ、多くの人が役職を辞任することになりました。実際に裏金を作っていたなら国民に対する裏切りであり、辞任は当然ですが、この方は当初より「適正に処理している」と説明しています。落ち度はないということです。
私はTVを見ていませんが、杉村太蔵氏が「この人の収支報告書を見たが、個人献金まで全部記載されている。派閥から入った金も全部書いてある。報告書の見本のようだ」と言っていたとか。日頃の誠実で几帳面な言動を見ていれば、さもありなんと思いますよ。
だいたい、キックバックを受け取ったことがいけないと誤解している人は多いようですが、キックバックは別に悪いことではない。それを政治資金収支報告書に記帳せず裏金にしたことが問題なのです。きちんと処理していれば何もとがめられることではありません。
それなのに巻き添え連帯責任で詰め腹を切らされるのですから、ご本人、支持者の落胆は推して知るべし。もったいないことです。SNSで「やましいところがなければ辞めないはず。辞めるのは自分もやってるからだろう」と言う人の多いこと。ろくに事情も知らない人たちに推測で十把一絡げにされたら、たまりませんよね。
適材適所だと思って期待していた農水大臣の職をこういう不本意な形で失ったのは私も残念です。これにめげず、これからも議員の立場で活動を積み重ね、ぜひ再出発をと思います。この際ですから安倍派も自民党もきちんと膿を出して、綺麗さっぱりとしていただきたい。いい加減に済ませて欲しくないよ。
今年の一皿2023食べもの
20231212
「今年の○○」が次々に発表される時季となりました。商売柄、ぐるなび総研が発表する「今年の一皿」には注目しています。ここ数年はコロナのため外食が沈滞化し、この賞も誰もが納得するような注目メニューを選定することができずにいました。(過去3年の受賞は「冷凍グルメ」「アルコールテイスト飲料」「テイクアウトグルメ」)
2023になってようやくコロナ禍は治まり、世相を反映したメニューが選ばれました。今年の一皿は、「ご馳走おにぎり」。10/29の本欄でも取り上げたばかりで、私のコメントはその記事に譲りますが、堂々の受賞であると思います。選定理由は、
・ふんだんに乗せた具材のしるしが食欲をそそり、見た目の華やかさからSNSを中心に話題となった。
・豊富な具材から選べる楽しみと飲食店で握りたてを味わうスタイルが消費者に受けご馳走へと進化した。
・おにぎりの消費支出額が増加傾向にあり専門店の新規開業が相次いで、中・外食の精米消費を後押しした。
・また海外でも“ONIGIRI”の名で販売され、日本の伝統的な食文化が浸透しつつある。
―とのこと。その通りだと思います。というか、当たり前すぎて面白くはありませんけど。
他のノミネートは「米粉グルメ」「陸上養殖魚」「ホタテ」でした。小麦粉の歴史的な高騰を受けて、米粉を使ったメニューは確かに注目を集めた年になりました。米粉パンが代表ですが、揚げ物の衣としても知らないところで口にされているかも。100%駒ヶ根産のお米を使った「米粉パウダー雪こま」は、当社発の地産地消の品として好評のうちにお使いいただいています。
陸上養殖魚は「メニュー」なのかはわかりませんが、確かに話題を集めています。長野県内でもチョウザメを養殖しているところは何か所もあります。キャビアはもちろん、白身の肉も美味しいと聞きますが、まだ食べたことないので、いちど試してみないと。
例の国の言い掛かりで行き場を失った国産ホタテを、食べて応援しよう!10/3本欄で取り上げた通り、当社も農水省のキャンペーンに応じて、お値打ちで提供しています。お求めやすくなったホタテ、年末年始にぜひいかがでしょうか。
関連リンク: 2023年「今年の一皿」 (ぐるなび総研)
ただ白いケーキ食べもの
20231209
クリスマスケーキの時期がやってきます。街のお菓子屋さんはもちろん、量販店コンビニなども予約獲得に一生懸命です。そんな中で、興味深いニュース。
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(日経新聞)ローソンは7日、2023年のクリスマスケーキのラインアップを発表した。今年はイチゴや飾り付けのないホール型のショートケーキを発売。割安感を出しつつ家族らで自由にデコレーションしてもらう。(中略)「メリハリ消費に対応した」という。
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名付けて「シンプルショートケーキ」だそうです。あるべき所にアイテムがない、というのはまことに不思議なもの。外からは見えませんが台の部分には桃が入っているとのこと。
購入者が自らトッピングを楽しめるのが狙いだそうで、確かにこのシンプルな奴をそのまま召し上がるケースはそうないと思われます。フルーツはもちろん、買ってきたお菓子であっても、上手にちりばめれば結構楽しいものになるような気がします。
スポンジだけの商品、飾りは自分でやってねというものは昔からありましたが、一歩進めてクリームまでをあらかじめ塗っておくというのは、なさそうでなかったアイデアです。これ自体は悪くない。
気になるのは開発スタッフの方が言う、割安感、メリハリ消費という点です。一方で有名パティシエ監修の高額商品を売り込み、もう片方ではこのような価格訴求品(というのでしょうか?)を堂々と表に出して販売する。二極化をそのまま季節商品に持ちこんできたようなモヤモヤ感がするのです。
ケーキ作りを家族で楽しみたいという人が、果たしてコンビニでこの商品を予約してまで買うのかな。そういう人は、台や生クリームから作りたいんじゃないだろうか。やっぱり販売元の本音は別のところにあるのでは…などと余計なことまで考えてしまいました。嫌らしいのは私の方かもしれません。
我が家は子供たちも離れていますから、ホールケーキはもう何年もご無沙汰です。今年のクリスマスは、どうしましょうかね。
関連リンク: ローソン、トッピングなしのクリスマスケーキ(日経)
子どもオケに代打で音楽ばなし
20231208
お久しぶりです! この10日ほど公私ともに忙しくて、ブログを書く時間がなかなか取れませんでした。ご訪問いただいた方、申し訳ありません。
今月3日に「エル・システマ駒ヶ根子どもオーケストラ」の第2回演奏会が行われました。小学校低学年から中学3年生までの少年少女、約60名が参加している弦楽オーケストラの講座です。
習熟度別のクラスに分かれてのグループレッスンを毎週土曜日に行っていますが、指導者の先生が事情で演奏会に参加できなくなってしまったと、スタッフの方から相談を受けたのが11月10日のことでした。指揮者をしてくれないかという寝耳に水の話です。
本番まで3週間、練習3回とあまりにも時間がなかったのですが、普段からエルシステマの皆さんとは一緒に活動する場面も多くあり、お力になれればとお引き受けしました。翌日からすぐ合奏練習です。何曲かは既にほぼ仕上がっていますが、まだほとんどできていない曲もいくつもあり、これは大変だと思いました。演奏会の中で私が振ったのはアンコールを含め7曲ですが、一回の練習で1~2時間程度しか合奏できなかったので。(これは私の都合でもありました)
それでも子供たちは飲み込みが早く、一週ごとに上達していきます。本番前日のリハーサルではヤバいところだらけで焦りましたが、当日午前中のリハでほとんど解決し、本番の演奏が一番良かった。会場には保護者の方はもちろん、他にも多くのお客様が来場され、活動開始から7年を経てめきめき力をつけた子どもオーケストラの演奏に大きな拍手を送っていただきました。
私も微力ですがお手伝いができて嬉しかった。5月の伊那フィル駒ヶ根公演では、子どもオーケストラとの共演を計画中です。ひと足早い顔合わせとなりました。
関連リンク: フェイスブック(エルシステマジャパン)
さすまたの武士日々雑記
20231128
上野の宝石店強盗未遂の話。こんな立ち回りが行われ、それが動画として報道されるなんて、すごいことですね。
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(FNNオンライン)東京・台東区の宝石店にヘルメットをかぶった3人組の男が押し入った事件で、警視庁はさきほど18歳の男2人を強盗致傷の疑いで逮捕した。警視庁は残る1人の行方を捜査している。
逮捕された職業不詳の18歳の男2人は26日午後6時半すぎ、台東区上野の宝石店に押し入り、ショーケースをバールで破壊した上、男性店員に全治10日のケガをさせた疑いがもたれている。
男らは商品を奪おうとしたが、別の店員にさすまたなどで抵抗されたため何も取らずに逃走していたが、2人は27日、埼玉県内の警察署に出頭してきたという。
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今年5月の銀座の高級腕時計強盗と似たようなにおいがしますね。誰かにそそのかされた馬鹿小僧たちがやったのでしょうか。刑法では強盗致傷は重罪ですぞ(無期または懲役6年以上)。もう一生台無しだ。
強盗を追い払った今回のヒーロー、「さすまたの武士」の活躍には誰もが驚嘆したことでしょう。さすまたは相手の手の届かない距離から相手を押さえつけ、行動を封じる道具だと思っていましたが、このように「ぶっ叩く」という使い方がありました。竹刀や木刀よりリーチが長いし、剣道の達人でなくとも使えそうです。
専門家に言わせると、先端のU字の部分を両手で相手に掴まれてしまうとなかなか苦しいらしいです。基本的には複数名で取り囲んで使うのが正統(?)だそうですが、こんな場面ですもの、どうやって使ったっていいですよね。相手には相当な威嚇になったと思われます。脱兎のように逃げて行ったもの。
通販サイトによれば、さすまたは5000円~2万円台くらいするようです。あんまり安いのは強度がちょっと心配。見ていくと「安全さすまた」なる商品もある。まことに不思議なネーミングです。何が(誰にとって?)安全なのか。
後ろ姿しか映っていない恰幅の良い店員さん。相撲の元力士じゃないかとかSNSでは言われていますが、私には「芋洗坂係長」が連想され、もうなんだか可笑しくって…。逃走用バイクを破壊したのはヒットでした。特別ボーナスものですね。
驚嘆の超絶技巧読んだり見たり
20231124
まずはこの2枚の写真をご覧ください。。
これは二つとも木彫の作品です。アゲハ蝶の作品は彩色を一切せず、よく似た色合いの木を使って寄木細工のように組み立てたもの。本物の蝶とおおむね同サイズで、大変精緻な技術だと思います。
しかしさらに見ていただきたいのは、蝶が乗っている台座です。ここで表された水滴は、台座の木をその部分だけ残して彫り下げ、磨きぬいて曲面を出して作られたものなのです。つまりこの台座は、水滴も含めて一枚の板から彫り出されているのです。彩色せずに。
スルメイカの作品。本物としか思えない微妙な曲線と、粉を吹いているかのようなざらざらした表面。これが木彫りでできているとは考えられない、このまま焙って七味マヨネーズでもつけて食べてしまいたいでしょう。
驚くのはまだ早い。このスルメは、先端につけられたクリップ、その先の金属の鎖まで含めて、一本の角材を削って作られています。パーツを組み合わせて作ったのではありません。想像を絶する手間がかかっています。
このような精巧極まりない現代の作品を集めた展覧会「超絶技巧、未来へ!」を観覧してきました。一部写真撮影可だったのでスマホで撮ってきましたが、より鮮明な写真を見たい方はリンク先などでご覧ください。
以前NHK「日曜美術館」でこの展覧会が紹介されて、ずっと行きたいと思っていたのです。今年の4月から6月には長野県立美術館で開かれていたのですが行きそびれ、今回東京(三井記念美術館)でようやく目にすることができました。会期は今週末までということで、滑り込みです。
このほかにも金属加工や漆芸、ガラス、刺繍、切り絵などさまざまな分野の作品が並べられました。どれだけモデルに近づけるかという技を通し、素材の本質に迫ろうという意気込みが感じられ、圧倒されました。
昔のTVチャンピオンで「手先が器用選手権」というのがありましたが、この若い作家たちの器用さと根気(執念)といったら人間技とも思えませんね。これほど根を詰めて制作していたら寿命を縮めてしまうのではないか、などと余計なことを考えてしまいます。
関連リンク: 美術手帖サイト