仙波清彦とはにわオールスターズ(3)音楽ばなし
20191228
続いて登場したデーモン小暮閣下。彼は91年のライブにも出演しシューベルトの「セレナーデ」をハンドマイクで歌っていますが、この日は同じシューベルトの「魔王」。さすがはデーモン、独特のオーラが凄い。この日のステージ衣装は91年同様、男性は病院患者を意識したパジャマ、女性はナース服となっていました。ゲストはその限りにあらずなのですが、閣下は急きょパジャマをアレンジしまことにカッコ良いスタイルでした。
会場客席にはモーリー・ロバートソン氏や、内田春菊さんの姿も。
ずっと以前から仙波清彦の代名詞ともいえる名曲「オレカマ」。これは打楽器だけで延々と演奏される複雑かつ超ハイスピードのナンバーで、タイトルはあまりの難しさに脱落して叩けなくなった仲間が「オレにカマわず行け!」と叫んだところから。
そしてこの夜の白眉は、未唯。あのピンクレディーのミーちゃんですよ!初めてナマでお姿拝観しました。黒いあでやかな着物に巨大なかんざし、還暦過ぎて昔と変わらぬ美貌。民謡調の「サウスポー」に続いて、ミッションインポッシブルのスタイル、5/8拍子で歌われた「ペッパー警部」。これが素晴らしかった!スリリングで、チャーミングで、ノリノリで。歌手もバンドも凄いリズム感です。
ABEDON(阿部義晴)と奥田民生の「大都会」「大迷惑」に続いて、トリの曲は前回と同じく、小川美潮メインの「水」。参加者ほぼ全員のアドリブソロをちりばめながら、ポトリポトリと空から降ってきた水滴が集まって流れとなり、生き物をうるおし、温泉となって人々を癒し、お豆腐やお酒を作り、やがて大河となって海に至る。小川美潮の熱唱は27年前と変わりません。というかバケモノだねこの人。
大宴会のような目くるめくライブに、会場も大いに沸きました。いやぁ20年以上待ち焦がれた甲斐がありましたなあ、こんな楽しいライブ、一生に二度とないかもしれません。本当に行ってよかった。仙波夫人のヴァイオリニスト高橋香織さんは「今やらないとみんな死んじゃうよ」と仙波氏の背中を押したのだとか。
映像、いや音だけでも、発売してもらえませんかね?会場にいたすべての人が熱望していると思います。これだけのメンバーが揃えば、大人の事情もあるとは思いますが…幸いに当日の動画が一部だけyoutubeにアップされています。一応公式のものと思われますが、いつまで観られるのかわかりません。ぜひご覧ください。
「オレカマ」
https://www.youtube.com/watch?v=TQ4ch5DfVL4
「水」
https://www.youtube.com/watch?v=hklZ4wn7hbw
仙波清彦とはにわオールスターズ(2)音楽ばなし
20191227
(1)を書いてから実に9か月。今さらではありますが、今年3月に行ったコンサートのご報告と感想を冒頭だけ書いてそのままになっておりました。これでは年が越せませんので、備忘も兼ね、思い出しつつ書きとどめておきます。前置きは3月28日の記事に書きましたので、お暇な方、そちらをご覧ください。
登場したアーティスト。
指揮、パーカッション 仙波清彦
ドラムス SATOKO / 長谷部 徹 / 本田珠也
/ 村上“ポン太”秀一
ベース 須藤 滿 / バカボン鈴木 / 渡辺 等
キーボード 久米大作 / 近藤達郎 / 沼井雅之
ギター 安藤正容 / 白井良明 / 三好“3吉”功郎
/ 渡辺香津美
サックス 伊東たけし / 梅津和時 / 坂田 明
ホーン 河合わかば tb /辰巳小五郎 tp /十亀正司 cl
/村田陽一 tb
パーカッション ASA-CHANG / 岡部洋一 / whacho / 八尋知洋 / Latyr Sy
ヴァイオリン 太田恵資 / 斎藤ネコ / 高橋香織
アコーディオン coba
邦楽囃子 安倍真結 / 梅屋 巴 / 田中傳一郎 / 望月秀幸 / 望月正浩
邦楽笛 竹井 誠 / 福原 寛 / 福原徹彦
三味線 杵屋五吉郎 / 杵家七三 / 杵屋弥四郎 / 木乃下真市
ヴォーカル 上野洋子 / 小川美潮 / 木津かおり / 三橋美香子
ゲスト ABEDON / 池田有希子 / 伊藤多喜雄、めぐ留 / 奥田民生 / デーモン閣下
/ 未唯 / ローホー / カルガモーズ
ドラムとパーカッションを極端に強調したビッグ・ビッグバンド。いったい何人いるのか数える気にもなりませんが、この私でさえ知っているビッグネームがずらり。サックスの3人、何ですかこの面子。アレンジの多くは久米大作によるものみたいです。
当日演奏された曲目は、画像をご覧ください。ジャンルを説明しにくい、というか説明のしようがないです。基調はフュージョン、てことになりますかね。和洋折衷、民謡、邦楽からクラシックまで、まさしくごちゃまぜのプログラム。
仙波師匠の軽妙な語り、ゲストとのやりとりで客席を爆笑に誘いながら、バンドメンバーの歌、ゲストの歌、インストゥルメンタル、テンポよく小気味よく進んでいきます。
特に印象に残ったナンバー。まず伊藤多喜雄による「南中ソーラン節」。この人は民謡の歌手・作編曲家・プロデューサーという人で、ド迫力でノリノリのソーラン節を歌ってくれました。滅茶苦茶カッコいい。今あちこちで「よさこいソーラン」をやっていますよね、そこで耳にするソーラン節とはけた違いのパワーとリズム感でした。
駄目だ、書ききれない。もう一回お付き合いください。(画像は出演者のtwitterなどネット上から拝借しています)
リスグラシュー日々雑記
20191226
私は馬は全然やりませんが、有馬記念が競馬ファンにとって大イベントであることくらいは知ってます。今回勝ったのは2番人気の「リスグラシュー」というお馬さん。
名前を見て驚きました。リスグラシューったら、当社の取り扱い商品ではありませんか。
これは油脂メーカーのADEKAさんで出しているもので、プロが使う「製菓用改良剤」というものの一種です。スポンジケーキなどに使う液体状の練り込み用油脂です。リスというのはこの会社のブランド名「リス印」(動物のリスのマーク)で、商品名がグラシュー。一斗缶に入っています。コンパクトタイプの「グラシューボトル」もあります。
たまたま有馬記念の翌日にメーカーさんが来社しました。会社とお馬さんと何か関係あるのかどうか聞きましたところ「まったく関係ないです」との答え。
グラシューgracieuxはフランス語で「優美な、気品のある」という形容詞だそうです。英語のgraceと語源は一緒でしょうね。リスlisは百合。動物のリスではありません。
全然やらないと書きましたが、それでもこれまでに3回ほど馬券を買った経験はあります。初めてのときは友人から「コンサートマスター」という馬がいると聞き、面白半分に頼んで買ってみたのです。そうしたらコンサートマスターは来なかったものの同枠の「フレッシュボイス」という馬が勝って、ビギナーズラックを経験できました。名前は大事です。
リスグラシューなんて馬が出場、しかも結構人気だと事前に知っていたら、単勝一点買いで小儲けできたかもしれませんね。へっへ。
迷走の大学入試日々雑記
20191218
まったくひどい話。中止したことが、ではなく、こんな当たり前のことを決めるのにどれだけかかったのか、ということです。
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(日経新聞)萩生田光一文部科学相は17日の閣議後記者会見で、2020年度開始の大学入学共通テストで導入予定だった国語と数学の記述式問題について、同年度の実施を見送ると正式に表明した。今後、共通テストに記述式を導入するかは「期限を区切った延期ではない。まっさらな状態で対応したい」と説明。導入断念も含めて再検討する方針だ。
20年度の実施を見送る理由では採点ミス解消の難しさなどを挙げ、「安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難」と述べた。英語民間試験に続いて記述式の導入も見送りとなり、大学入試改革は抜本的な見直しを迫られる。
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そもそも各大学では必要に応じて、記述式の二次試験を何十年も前から課しているのです。何で共通テスト「でも」記述式をやらなければならないのか、それが根本的な問題でしょう。なのにメディアの論調でも、政策論争でも何故かほとんど取り上げられませんでした。意味が解りません。みんな馬鹿ばっかりなのか、それとも今の受験制度を本当に知らないのか?
○×式の試験ではないのですから、採点を学生アルバイト君に丸投げして、何十万もの答案を公正公平に評価することなどできようはずがない。当り前です。
ベネッセとの癒着が取りざたされています。まあ、きっとあるのでしょう。先日見送りが発表された英語の民間試験も含めて、大学高校どちらからも全く支持されていない入試方法の変更を強引に進めた歴代の文部大臣と官僚には、きちっと責任を取ってもらいたい。
一度進み始めたことはどんな馬鹿げたことでも止められない官僚機構の、現代版「失敗の本質」をまざまざと見せてもらいました。それでも、遅きに失したとはいえ撤回されたことは結構なことです。
安倍政権、こと教育政策についてはまったく評価できません。関係ないですが萩生田という御仁、私に容姿が似ていると家族が言うのです。似てませんよね?
バルミューダ ザ・トースター食べもの
20191215
今年6月に拙宅に到来したトースター。評判をお聞きの方も多いと思います。その名はバルミューダの “ザ・トースター”。
我が家は朝食は基本パン食です。これまではガスコンロのグリルでパンを焼いておりました。まあ普通のお味、時々(いや、しばしば)パンを黒焦げにしたりすることも。下火が弱く焼きムラがある。など特に満足して使っていたわけではありません。
抜群に美味しくパンが焼ける、とバルミューダの評判をいろいろなところで聞き、値段はそれなりですが長く使うならと、記念日のプレゼントとして購入しました。
使うときにお猪口1杯ほどの水を専用口から注ぎます(可愛らしいちっちゃな水差し付き)。さまざまなモード設定が選べ、普通のトースターを焼くときには時間をかけてじっくり加熱したあと、仕上げに火を強めて中はふっくら表面はこんがりのトーストを焼いてくれます。もちろん、機械が自動的にやってくれるのです。
そのほか、上火を強くして(もちろん時間経過により火力が変わります)ピザトーストのチーズや具材が熱々に焼き上がる「チーズトーストモード」、バゲットなど表面の固いパンやバターロール、コッペパンなど柔らかいパンに、焦げ目をつけず中までふかふかになる「フランスパンモード」。これはなかなかのすぐれもの。
さらにクロワッサンのようなバターたっぷりのパンをサックリ温める「クロワッサンモード」など、これ一台であらゆるパンに対応した至れり尽くせりの機能。まるで宣伝みたいですが、まあ今年買ったものの中でもっとも頻繁に使い、相応の満足を得られている点でナンバーワンですね。(そんなにいろいろ買い物していませんが)
こう言っちゃなんですが、高級食パンでなくてもじゅうぶん高級っぽくなります。家電に疎い私がおすすめするお役立ち家電。パンを焼くだけの機械に3万弱の値段は、どうでしょう、パン党であればじきに元が取れるのでは?
2019年ヒット商品番付(2)日々雑記
20191211
続きです。前頭以下は食品ネタ中心に。
前頭 バスチー
ローソンで発売され大ヒットしたバスク風チーズケーキ。私も評判を聞き食べてみましたが、かなりおいしいと思いました。スペイン北部のバスク地方は美食の宝庫だといわれますが、本当にバスクにこのような「チーズケーキ」があるのでしょうか。相当アレンジされてるのでは。追随した他社はちょっとカッコ悪い。
前頭 ハンディファン
携帯用手持ち扇風機。私の子供の頃から、似たようなものがありましたよ。スポーツ観戦なんかにいいですかね。ボウリングPリーグで、櫻井眞利子選手がよく使っています。Pリーグは録画して欠かさず観ていて、そのうち本欄でも書くつもりです。
前頭 お皿いらず冷食
家庭用冷食は日頃あまり見ることがなく、この品も知りませんでした。マルハニチロの“Wildish”(ワイルディッシュ)という商品で、樹脂のお皿がついているものを想像しましたが、レンジで加温してからポテチの袋を開けるように袋を切って、そのままお皿代りにするのだそうな。われわれはどこまでズクなしになるのかな。
前頭 カニカマ
こんなものがヒットしていたとは!?「高たんぱく低カロリーとして体を鍛えている人やシニアが注目」ですって。ウチでもサラダの増量によく登場します。
前頭 脱プラスチック
グローバルに見れば方向は正しいことでしょう。でも対策がレジ袋の廃止や、ストローを紙製にすることで本当にいいのでしょうか。大いに疑問を感じています。
前頭 原価酒場
お酒を仕入原価で販売する居酒屋が広がっているのだとか。「酒類で利益を稼ぐのが居酒屋の常識だが、逆転の発想で新しいファンをつかむ」そうです。初めて聞いたので認識が誤っているかもしれませんが、持続可能なシステムなのでしょうか。酒が利益ゼロならその分を別のところで取り返さなければなりません。そんなに安く売ったら、いいお酒が可哀想です。
前頭 トーストスチーマー
素焼きの陶器を水に浸してパンと一緒にトーストすると、水分が蒸気になって外サク内ふわの美味なトーストになるそうです。理解できます。実は我が家で今年はトースト再発見の年になりました。詳しくは後ほど。
2019年ヒット商品番付(1)日々雑記
20191209
年末恒例、日経MJ紙の「ヒット商品番付」が発表されました。今年も感想などを。日付が入っているのは、その時の記事で扱ったものです。
横綱(東) ラグビーW杯
文句なしの横綱でしょう。日本チームの大活躍はもちろんのこと、世界一流のプレイがにわかファンを大量生産したことも素晴らしい。各国から集まった観客たちへのオモテナシも評判だった様子です。(19.9.28)
横綱(西) キャッシュレス
この私でさえ3種類のプリペイドカードを使うようになったのですから、自分でも驚いてしまいます。来年6月でポイント割引がなくなった時のことを考えると恐ろしい。(19.6.3)
大関(東) 令和
前天皇の崩御なくして、よろこびの中で迎えた新元号。あっという間に違和感なく迎えられています。出典である万葉集のことはもう、誰も言わなくなりました。(19.4.1、5.3)
大関(西) タピオカ
何でこんなに売れたのでしょうか。伊那にも遅ればせながら店が出来、夕方には高校生たちが行列を作っています。実は澱粉の固まりですからね。食べ過ぎにはご用心。(19.6.9)
関脇(東) 天気の子
東京出張の時にレイトショーで観ました。新海監督独特の映像の美しさは前作「君の名は。」から一層の進化を遂げているように思います。一方でストーリーはちと込み入っており、観おわったときの充実感は前作ほどではなかったかな。
関脇(西) ドラクエウォーク
何でしょうこれ。ポケモンGoみたいなもの?
小結(東) ウーバーイーツ
都会では当たり前に見かけるようになりました。利用者には便利だと思いますが、請負契約が働く人に大変不利な条件だと問題になっていますね。配送ミスのトラブルなども。まだ細部では詰めるべき課題がたくさんあるのだと思います。
小結(西) こだわり酒場のレモンサワー
新聞を読んであわてて買いに行きました。こんなものがヒットしていたとは知らなんだ。確かにおいしい。酒場の味にとても近いですね。逆に、これまでの缶チューハイは、何をしていたのか。
前頭以降は次回に。
町中華の味方です食べもの
20191207
前回書いた「中華徳大」は店構え、立地、客層、まぎれもなく「町中華」といわれる範疇のお店です。町中華という言葉、いつ頃から言われるようになったのでしょう。
手元のdancyu、2015年5月号の中華特集には「大衆中華の味方です」と題して5軒のお店が紹介されています。また同年10月には鈴木隆祐氏の「愛しの街場中華」(光文社知恵の森文庫)が出版されており、この頃は「町中華」が一般的でなかったことがわかります。
前者の中で、フリーライターの北尾トロ氏が執筆した記事にこんな記述があります。
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僕は一年ほど前、昭和の佇まいを残す大衆的な中華店が減っていることに気がついた。食材の高騰や後継者不足など理由はいろいろ考えられる。このままではひっそりと消えてしまうのでは。それでいいのか。ということで、友人たちと“町中華探検隊”を結成。都内各地の中華店巡りをしている。
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この方がどうも発案者ですな。氏の登場する「ぶらぶら町中華」というTV番組をちょっと前まで土曜の午前中、不定期に放送していました。ローカル局が穴埋めに使っていたんだと思います。今年からですがBS-TBSで「町中華で飲ろうぜ」というのもオンエアされていて、町中華ブームにやはりTVの影響は大きいですね。
「町中華で飲む」のは、自分で行うのはとても楽しいものですが、TVで見てもそんなに面白いものでないと思います。だって頼むメニューも店構えも見るだけではそう違わないし、番組としてバラエティがないでしょう。居酒屋番組との違いです。
さて町中華が絶滅の危機、とまでいわなくても、減少していることは確かです。私たちの地元でもこの数年で何軒かのお店が(お得意様が)閉店されました。北尾氏が言っているようにさまざまな理由があるわけですが(食材高騰より、設備の更新がきっかけになることが多いのでは)長年地域に愛されたお店が無くなること、まったく寂しいものです。
でも、まだまだ元気一杯で頑張っているお店も多いのですよ!町中華ならではの魅力は、個性あるメニュー、お店とお客さんとの醸し出す独特の雰囲気など、他に真似のできないものがたくさんあります。全力で応援していきたいと思います。
関連リンク: 町中華探検隊
らんらんトッピング食べもの
20191204
出張メシで何を食うか、私にとっては重大な問題です。東京で午後から始まる会議の時は、会議の場所や交通機関などを考えながら何を食べるかあらかじめ見当をつけて行きます。地元に住んでいる皆さまと違って、東京で食事することは年に何回かの特別なチャンスですからね。高い安い関係なく。
会議前の昼ごはん、やたら時間をかけられませんし、あまり満腹になっても困ります。当然ひとり飯、でも井之頭五郎さんのように次から次へと平らげて食事を終えて店を出たらもう暗かった、なんてことはできません、当たり前(あの番組、何時に入店している設定なんだろう)。
というわけで、この間はチャーハンを食べに荻窪駅近くの町中華「中華徳大」という店に行きました。ここのチャーハンはTVなどでもたびたび紹介されていて評判のようです。もっともTVで取り上げられる店がいい店だとは、全然限りませんけどね。
12時ちょっと前に店に着きましたら、カウンターのみ12、3席の小さな店でちょうど満員です。食券を買って待つことしばし、席が空いたので「ほうれん草チャーハン」を注文、「らんらんトッピング」も。
らんらんトッピングとはこの店の名物で、追加で200円払うとチャーハンの上にふわとろの炒り卵を乗っけてくれるのです。何だか旨そうでしょう。
カウンターなので調理の様子は丸見えです。年配のご主人一人が鍋を振り、女性二人が簡単な下ごしらえやサポート、客席、会計、洗い物を担当し、中年の男性がその他の調理や盛り付けをしている。そのチームワークがなかなか絶妙で、料理を待っている間、目に楽しいです。
出てきたものは写真の通り。卵に隠れていますが甘辛く炒めた肉もたっぷり乗って、ボリューミーです。街中華で食べるチャーハンは基本どこでも旨いと思いますが、ここはご飯一粒一粒に味と油、ほうれん草がよくからまって、おいしくいただきました。らんらんがさらにトロトロだとなお良かったね。
この店は壁一面に豊富なメニューが貼られていて、同席したお客さんも結構チャーハン以外のものを頼んでいましたよ。夜に来ていろんな中華ツマミで一杯やりたいものです。
ブルッフの協奏曲音楽ばなし
20191129
今年も伊那フィルの定期公演が近づきましたので、PRを兼ねて。。
今回、ブルッフという作曲家のヴァイオリン協奏曲を演奏します。音楽好き、ヴァイオリン好きな方以外にはそう馴染みのない曲かもしれません。
白状しますと私も、今回取り上げると決まるまでは丁寧に聴いたことがありませんでした。(前にも同じようなことを書きましたね。私、好みがカタヨッテますんで、有名なのによく知らない曲も結構あるのですよ)
それがね…最初に聴いたときはあまりパッとしないなあ、なんて思っていたのですが、練習を重ねていくにつれて曲の魅力にはまってきました。冒頭からいきなりのカデンツァで抜群のつかみ。(本当はその前に、私にとってもっと「いきなり」があるのですが)しなやかな旋律が続きます。
とりわけ素晴らしいのは第2楽章です。ゆったりと流れる優しい曲調には、敬虔で崇高な祈りを感じます。そして華やかな第3楽章の推進力。以前に演奏したチャイコフスキーやブラームスの協奏曲に比べるとややコンパクトですが、じゅうぶんに中身の詰まった聴きごたえのある曲だと思います。
この曲のソロはヴァイオリンのレッスンで上達した生徒さんが手掛けるレパートリーらしく、私たちの練習にも何人かの地元の方が代弾きソリストとして手を挙げてお手伝いいただきました。アマオケにとって協奏曲で難しいのはソリストの緩急についてゆくことで、オケだけで練習していてもその辺のところがわからないのです。
練習の棒を振っている私には複数名のソリストの呼吸をつかみながらオケをリードする稽古はとても貴重でしたし、もちろんオケにとっても同様です。そして練習の中でこの曲がどんどん好きになりました。
本番のソリストは長尾春花さん。若くしてハンガリー国立オペラのコンマスを務める名手です。オケは足を引っ張らないように頑張りますが、ぜひ素晴らしいソロをお聴きにいらして下さい。私は全曲ティンパニストで出演します。
☆☆伊那フィルハーモニー交響楽団第32回定期演奏会☆☆
12月8日 14時開演 長野県伊那文化会館
イベール:モーツアルトへのオマージュ
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調「英雄」
長尾春花さんは出身地の「掛川お茶大使」だそうで、当日はロビーでお茶の振る舞いもあるようです。お早目にお越しください。(彼女がお茶を淹れてくれるわけではありません)