大きな本屋さん日々雑記
20230402
八重洲ブックセンターが3月末をもって一旦閉店するとニュースになっています。新しく建たる高層ビルで5年後に再開するといいますから、そんなに大きな話題なのかなあと思いますが。 ちなみに「建たる」というのは信州の方言で「建つ」ことを意味します。
この書店が建たった(たたった)のは44年前の1978年。とにかく無い本はない、どんな本でもあるという触れ込みでした。大学生になり東京へ出てきてからですね、初めて行ったのは。確かに大きな本屋さんだとは思いましたが、住んでいた場所の関係で東京駅には行く機会がごく少なく、本を買うのは大学生協でなければ、渋谷の三省堂か新宿の紀伊国屋でほとんど事足りました。
そのうちゼミに入ると、上記の本屋に置いてない専門書が課題として出されるようになります。そんなとき八重洲へ行ってみてもやっぱり在庫がなく、看板に偽りありじゃんと憤慨したものです。一般の人が求めるような本は何でもある、と読み替えねばなりません。そりゃあまあ、特殊な本の品揃えはそれべしの専門書店にはかないませんよ。
子供の頃から本屋で長い時間を過ごしました。当時は漫画本も立ち読みできたしね。今でも東京に行くときは、少し時間があれば本屋に立ち寄ります。神保町付近に宿をとることが多いのはそんな理由もあります。
古書店の話はまたの機会にし、ここでは大型書店の話。以前から寄り付きが良いのは新宿紀伊国屋で実際に足も運ぶことも結構ありますが、ちょっと窮屈さを感じます(いま工事中で余計に狭い)。神保町の三省堂本店も建て替え中。
最近では丸の内の丸善本店で、書架に並ぶ本の発見が多いと感じます(私にとって、ですが)。朝9時から営業しているのはとってもいいですね。食関係の本も豊富です。このほかに「ここ行ってみろよ」という書店があったらぜひご指南ください。
世の中では活字離れが着実に進行していて、そこへもってきて本を買うにはamazonでポチっとすれば自宅へ届き、電子書籍なんてものも幅を利かせているのです。大小の書店が過去にないほどの苦境にあるのは確かだと思います。しかしやっぱり本というのはパラパラと中身を見て買いたい。本屋さんで棚から興味深い本を見つけるのは、楽しいです。こうした大型書店が存在するのは、都市の魅力として重要だと思いますよ。
小声で言うと、買っても読まずに積んである本が家の中にだんだん増えてきました。読書の時間が、TVやtwitterやブログを書く(!)時間に取られているからです。これは半分は嘘ですが半分は本当で、良くないことですね。インプットをもっと大事にしないと。
ちょっといい話日々雑記
20230331
毎日良い天気でポカポカ暖かい。高遠の桜も満開に近づきました。今日は令和4年決算年度の最終日です。コロナからまる3年がたち、回復の風が業界にも吹いていることを少しずつ感じられるようになりました。
「カメラを止めるな!」監督の上田慎一郎氏が作ったショートムービーを偶然見つけました。人気だそうです。こういう媒体でも活動しているのですね。大した製作費をかけていないとは思いますが、これで費用がちゃんと回収できるのでしたら面白い分野です。
内容はいかにもこの人らしい。わずか2分40秒ほどの、ほっこりする、いい話。
下記リンクからどうぞ。
(動画のタイトルを見てしまうと、ネタバレになると思います。ご注意を)
関連リンク: ショートムービー
しゃもじをお土産に日々雑記
20230327
ウクライナを“電撃訪問”した岸田首相。前々から噂されていましたし、インド訪問を隠れみのにして迂回するのでは、なんて言われてもいました。国の首脳が戦地を訪れるのに情報が駄々洩れというのは、安全管理上とってもまずいんじゃないの。
しかしタイミング的には、習近平がプーチンを訪問したのと重なって絶妙のコントラストとなりました。狙っていたわけではないでしょうが、侵略国家ロシアと仲良い中国、世界から応援されているウクライナを励ます自由陣営の日本という構図をまことにわかりやすく表した形です。中国はさぞかし口惜しがっているのでは。
さて中継国ポーランドで列車に乗り込んだ首相一行ですが、「うまい棒」の段ボールを持ち込んだところがNHKに撮影されています。あれは何だ、ゼレンスキーにうまい棒の差し入れか、とネットが盛り上がりました。
明らかにされた箱の中身は「必勝」と書かれた長さ50㎝ほどの「しゃもじ」でした。岸田首相の地元、広島の名産品で野球などの応援にも使われるものだとか。
何でそんなもの贈ったの、と国会でもSNSでも賛否両論です。そもそも意味が伝わっているのか、から始まって、勝ち負けを煽るのは平和を願うウクライナ国民に失礼だとか、ロシアを挑発する行為だとか。
……日露戦争の時代、広島湾に位置する宮島は、軍人たちの出征地の一つとなっていたため、軍人たちは出征前、宮島の厳島神社を訪れ、無事に帰ってくることを祈念し、お守り代わりとして、しゃもじを奉納していたという。宮島観光協会の担当者によると「しゃもじは『メシをすくう」もの、つまり『めしとる』もの。それが転じて、『敵を召し捕る』という意味で、『勝つための縁起物』として世に知られるようになった」ということだが…(以下略、YTBニュース)
まあ国会で時間をかけてこんなことを攻撃したりするのもどうかと思います。首相はもちろん手ぶらではなく、現実的な支援策を持って訪問しているわけですしね。
でも私は、やっぱり違和感を少し感じます。いままさに生死を賭けて戦っている現場でこうした縁起物を贈るというのは、いささか楽天的な気がします。しゃもじというアイテムにどことなくユーモラスなイメージがあるからでしょうか。スポーツや選挙運動の場ならともかく、こういう場面では、何だかなあ。
侍ジャパン優勝日々雑記
20230323
日本中の人が仕事が手につかなかったという昨22日の午前。私もライブでTV観戦したいなあとは少し思いましたが、そうもいきません。昼になって「日本勝った!」と叫びながら玄関に飛び込んできた人がいて(ラジオで聴いていたのでしょう)結果を知りました。
夜になって再放送?をするというので楽しみに観ましたが、勝ったとわかっていても実にスリリング、これは急遽放送を決めたTBSの快挙です。テレ朝が担当した生放送と同じ映像で、録画放送のためにわざわざ実況を撮っておいたということでしょうか。視聴率も高かったのでは。
まあ何というか、野球はやっぱりピッチャーですね。1~2イニングのサイクルで7人の投手を注ぎ込んだ日本、強打者を揃えたアメリカといえどもエース級が次から次へ登場し、二巡目をさせない目まぐるしい継投であれば、そうは打てないということです。オールスター戦でもこれほどの豪華な継投を目にすることはまずないでしょう。
というか、プロ野球音痴の私には今大会まで名前を知らなかった人が何人もいたのですが、みんな凄いボール投げるもんだ。驚きです。そして最後を締めくくった大谷翔平、うなる音が耳に聞こえてくるような剛球で、もう参りました。
打つ方も、メキシコやアメリカを相手に堂々のバッティングで、不振だった村上も二日続けての殊勲打、胸を張って帰れて良かったね。長野県出身の牧も、決勝では出番がなかったものの大会2本塁打の活躍でした。栗山監督の名采配も光りました。
さて大会を終わってみると、アメリカによるアメリカのための大会、という位置づけでいつまでもいていいの、と思います。世界における野球人口の偏在はいちぢるしく、ヨーロッパでこんなマイナースポーツをしている変わり者はまだまだ、まったく少ないのでしょう。
でもだからこそ、チェコやイタリアのチームと素晴らしい試合をした日本を見て野球の面白さを感じたそれらの国の人が大勢いたなら、大会を開いた価値もあったというものです。初めて見た人でも凄い技と力のぶつかり合いを楽しめた、そんな日本チームの活躍、改めて賞賛します。お疲れ様、優勝おめでとう!
大会中に流れたSalesforceのCMが印象に残った人、多いでしょう。リンクを貼っておきますね。(追記、3/31現在、見られないようです)
関連リンク: 次の世界へ。失敗の数だけ、成長できる
日韓煉瓦亭会談日々雑記
20230318
韓国の尹大統領が16日に来日し岸田首相と首脳会談を持ちました。この日は東京で日本商工会議所の総会があり、私も参加していたのでひょっとするとニアミスするかなと思っていました。結果は予想を上回る接近遭遇となりました。
夕方の総会終了後に銀座で中華料理を食べて、他のメンバーはWBCを観戦するべくホテルへ帰りました。私はドキュメント72時間で放送された「リカーマウンテン」という酒屋に立ち寄りラム酒を買ったりしたのですが、日韓首脳が洋食屋「煉瓦亭」で二次会を持つという話をふと思い出し、見物に行ってみようと思いついたのです。21時20分頃。
銀座はどこもかしこも制服警官だらけ。煉瓦亭の位置する銀座4丁目和光裏の通りは予想通り封鎖されています。少し大回りをして一丁目側から近づくと、ここも封鎖でしたが店の近くまで寄ることができました。店の前は大勢の黒服のSPと制服警官がそわそわと動き回り、道の両側にはたくさんのテレビカメラが待ち構え、空には取材ヘリが飛び、まことに物々しい有様でした。
大勢の野次馬に混じってスマホを用意し待つこと30分余り。22時を過ぎてメディアの動きが激しくなり、尹大統領が店を出て太極旗を立てた黒塗りの車に乗り込むところまで目撃できました。車は私たちのすぐ前を通ってゆっくり通り過ぎ、数分後には岸田首相も出てきて車に乗り、両首脳の二次会はお開きとなりました。(動画を撮りましたが本欄の仕様ではUPできません)
尹大統領はかつて訪れた煉瓦亭、そこで食べたオムライスのことを懐かしく思っていたとのことです。煉瓦亭は明治28年創業の有名店、私も何度か食事したことがありますよ。トンカツに千切りキャベツを添えたのは煉瓦亭が最初だといいますし、フォークの背にライスを乗せて食べる変てこなマナーはこの店が広めた(21.4.14記事)そうです。
オムライスを考案したのも煉瓦亭で、当初はご飯と卵を混ぜたものをフライパンで焼いた賄いから始まったものでした(今でも『元祖オムライス』としてメニューに載っています)。数年後に玉子焼きでご飯をくるんだ現在のような形になったようです。『元祖』も食べたことがありますが、普通タイプの方が美味しいと私は思います。
韓国野党の代表は尹大統領を「オムライス一皿と国家の自尊心を交換した」などと非難したそうです。品性を疑いたくなる汚い言葉で心から軽蔑します。今回の首脳会談が日韓外交の方向性を変える足掛かりになるのかどうかは、まだまだ不確定な要素は多く安心できる状況ではありません。何年かたって、歴史が動いた場面に私が幸運にも居合わせた、ことになるのでしょうか。そうなれば、なんと嬉しいことか。
WBC始まる日々雑記
20230311
日頃は野球に関心のない私にも、大きな大会であることはわかります、ワールドベースボールクラシック。いよいよ予選ラウンドが始まり、わが侍ジャパンは幸先よく中国・韓国に連勝のスタートとなりました。ところで何故大会名が「クラシック」なのか、誰か教えてください。
二試合ともほぼ通してTV観戦しましたが、こういう展開は気持ちいいですね。中国戦では着実に得点し危なげない勝利。ただ、何度もあった満塁のチャンスに拙攻を繰り返し大量の残塁を出したことはいかがなものか。韓国戦は帰宅しTVをつけたら3点先取されていて、まずいじゃんと思いましたがその裏にすぐ逆転し、結局あと一歩でコールドゲームの圧勝でした。
投手力の差は歴然で、圧倒している感があります。大谷翔平が投打にわたって凄いのはまあ当たり前とも言えますが、この大会まできっと誰も知らなかったヌートバー選手、打っても守ってもファイトあふれるプレーで素晴らしかったですね。トップバッターの務めを十分に果たしています。ぜひ日本でプレーしてほしいって、いや、逆だろ。
私の知らないw近藤健介とか吉田正尚とか、こんなにバカスカ打つ人たちだったんだ。岡本や牧も含めて相手ピッチャーは「誰が投げても、誰に投げても打たれる」状態で、さすがは4番打者を揃えたラインナップです。こういうチームは得てして機動力(小回り)が効かず、目論んだような攻撃力を発揮できないなんて話も聞いたような気がしますが、今のところ杞憂のようです。
期待を裏切っているのは4番にいながら2試合ノーヒットの村神様。絶不調は想定外でしょうが、シーズン中55号を放ったあと、新記録となる56号が14試合も出ないという大スランプもありました。実績も実力も十分な筈なのに打てない選手を短期決戦でどう使っていったらいいのか、監督は頭が痛いでしょうね。まあ、大会はまだ始まったばかりですけど。
一次リーグの突破は間違いないでしょうが、このあと中北米の強豪に対峙してどれだけ通用するか、たいへん楽しみになってきましたぞ。もうちょっと早い時間に試合が終わってくれるといいのですが、アメリカに舞台を移してからはどんな時間帯になるのでしょう。
夢占いは何をもたらす?日々雑記
20230301
どなたも他人の見た夢などにご興味はないと思いますが…。昨日の朝、妙に印象深い夢を見たものですから。
野外(神社の境内みたいなところ)。小学生が20人位、輪になって座っています。先生も二人ほど。子供たちがA4くらいの紙を持ってきて「これ読んで」と言います。本文は十数行あって、見出しに1行、あまり脈絡のない意味不明の文が置いてあります。その中に画像のような漢字が使われています。
形は知っている。覚えている筈の漢字なのですが、なぜか思い出せません。先生たちに聞いても「知りません」と。ワイワイはやし立てる子供たち、困る私。結局読みを思い出せないまま目が覚めてしまいましたが、布団の中でウトウトしながら考えているうちに何という字か思い出しました。とりあえずは、良かった。辞書でも確認しました。しかし、一応知っているものを夢の中で知らない、というのは妙な気がします。
面白い夢を見ても、ほとんどは目が覚めればじきに忘れてしまいます。昔読んだ本には、北杜夫だったかな、目覚めて記憶の鮮明なうちに書き起こす訓練を積めば、かなり細かいことまで覚えて置けるものだ、とありました。漱石の「夢十夜」はもちろん自分が見た夢そのままではなく、起きているときに空想を膨らませて書いたものでしょうね。
夢を見ながら「いま自分は現実世界ではなく夢の中にいるのだ」ということを自覚できれば、現実にはできないことも思いのままに行える、実に楽しい時間を過ごせます。残念ながらそんなことはごく稀ですが。
ネットで「夢占い」を検索すると数多くのサイトが出てきます。私は血液型も星座占いもまったく信じませんが、夢は本人の深層心理と関係が深いでしょうから、ある程度の参考にすることはできそうです。
あわや立往生日々雑記
20230211
昨日の雪には驚きました。数年ぶりとはいえ積雪は25㌢ほどで、途方もない大雪が降ったわけではないのですが、さまざまな交通障害が引き起こされ、少なからぬ人たちが何時間も動けなくなりました。
朝から絶え間なく降る雪。午前中に中央道が通行止めとなり(これはまあ、仕方ない)午後には伊那谷の大動脈たる国道153号線が実質ストップしました。153が同時多発的に動かないという事態は珍しく、坂を上がれなくなったり路肩に落っこちたり交差点で接触したり、いったい何か所で事故があったのやらと思います。
当社の営業車も相次いでこの渋滞にはまり、遠方に営業や配達に行った車はもちろん、伊那市から駒ヶ根の本社まで数時間もかかった人もおりました。普段なら30分足らずの道ですよ。数日前から雪の予報は出ていて承知はしていましたが、朝の時点ではこれほどの交通マヒが起こるとは予想できず、社員には苦労をかけてしまいまいした。
妻も帰宅途中にこの中に巻き込まれ3時間近くも動けなくなりました。会社に集まっていた情報とアドバイスのおかげで迂回路を通り何とか帰ってこれました。
幸い夕方からはみぞれ混じりの雨となりました。昼間の調子で夜まで雪が降り続いたら冗談でなく(今はやりの)立往生になっていたかもしれません。ぞっとします。夜間それほど気温が下がらず、朝から暖かく陽光が差していますので今日は交通はスムーズです。会社の駐車場に降った雪も除雪を頼んで綺麗に片付きました。やっぱり雪は嫌ですねえ。
気球に乗ってどこまでも日々雑記
20230208
米国に漂流(侵入)した中国の気球。米機がミサイルで撃墜したことで波紋を呼んでいます。
中国にしては珍しく、自国の気球だと認めましたが、何しに飛んでいたかは民間のものだからとわけのわからない釈明です。民間だったら所有者たる会社が何か言うものでしょう。撃墜されたのが過剰対応だといって怒っていますが、自分たちだって2019年に国籍不明の気球を撃ち落していたのがバレてしまいました。
いったい何を調べていたのかは落下した破片などの回収解析で明らかになると思います。気象を調べていた気球がのんきに浮遊していた、とは考えにくいですなあ。
一発40万㌦と言われる高価なミサイルを使わずとも、機関銃で100発ほど連射すればいいのにと私のような素人は思いますが、撃墜時の気球の高度は60000フィート(18000㍍)以上だったそうで、戦闘機がそこまでの高空に上がっていくのは困難らしいですね。
写真で見ただけでは気球の大きさがイメージしにくく、デパート新装開店のアドバルーンを連想してしまいそうですが、直径60㍍重さ1トン、下に取り付けられていた装置はバス3台分だといいますから巨大なものです。機銃弾では穴は開けられても気球自体を破壊することは難しいようです。
2020年6月に宮城県で気球のような謎の飛行物体が目撃され、話題になりました。本欄でも取り上げていますが、結局のところ正体不明で終わりました。今にしてみればこれも、中国から飛んできたと考えるのが自然でしょう。正体不明のまま放免?してしまったとは、それこそのんきなことでした。怪しいと思っていた関係者だって当然いたでしょうに。
気球の中身に何かを(放射性物質とか⁉)仕込んでいる可能性だってなくはありませんからね、やたらの場所で打ち落とすわけにはいかないし、そもそも自衛隊法ではこのような代物を撃墜することはできないんだそうじゃないですか。ああ日本の周囲、スキだらけですね。
本記事のタイトルと中身はあまりマッチしていないですね。気球に乗ったことは何かのイベントで一度だけあります。ほんの15分くらいでした。こんなものに乗って優雅な空中飛行をしてみたいなあ。いまはドローンから撮影した空からの映像を当たり前に見られるようになりましたが、気球からの視点ってそんな感じですね。
謎の日本人サトシ(2)日々雑記
20230205
2020年になってようやく事態は動きました。進化したAI顔認識アプリによって写真が解析・検索され、サトシに酷似した人が仲間と野外でビールを飲んでいる写真が見つかりました。ホクロや顔の特徴が一致しているというのです。
さらに調べると、あるマラソン大会に出場したときの写真も出てきました。その大会記録を調べ、ゼッケンナンバーから名前がサトシであることや勤務先も判明し、彼がその会社の社長であることまでがわかりました。ローラさんが喜び勇んでサトシにメールしてみると、返事が。(意訳、一部略)
…そうです、私が貴女の探しているサトシですよ。私はこのカードゲームのことをすっかり忘れており、誰かがまだ私を探しているとは夢にも思いませんでした。14、5年前、アメリカ人の親友が私の写真をゲームに使いたいと言いました。私は面白いと思い、最近行った旅行の写真を提供しました。
しかしその後、ゲームのことや、それが何なのかについては、あまり耳にしませんでした。カード自体も見たことがありません。私は次第にこのことの記憶をなくしていき、1年後にはすっかり忘れていました。私の名前は日本ではとても一般的です。 数十万人の名前から14年かかりましたがやっと見つかりました!! それは本当に素晴らしいです! …
ローラさんの喜ぶまいことか。番組で彼女とサトシはスカイプで対面し、お互いを祝福しプレゼントを交換しました。
さて、サトシの正体は誰だったのでしょう?
なんと、なんと、なんとですよ、彼は「長野県駒ヶ根市の会社社長」だったのです。(番組で社名もフルネームも出ましたがここでは控えます)しかも!サトシさんは我が家からわずか徒歩1分の場所に昔も今も住んでいるのです。もちろんお互いによく知っています。世界中から14年間「指名手配」を受けていた人物が、ご近所さんだったとは!!
何か月も前に地元の仲間うちで「サトシを探せ」の話題が出て(その場に本人は不在)どういう設定なのか今一つピンとこなかったのですが、番組を見てよーくわかりました。最近お会いする機会は少ないですが、サトシさんはイケメンの好青年で、これから駒ヶ根の工業界を背負って立つ一人です。
友達の友達の友達… このように知り合いを手繰っていくと、6回で世界中のすべての人にたどり着くことが可能だとする「六次の隔たり」説があるそうです。本来ゲームの開発者はこのような経過でサトシが見つかることを期待していたのかもしれませんが、結局はAI画像解析というあまり面白くない方法で発見されることになりました。
この方法は重大なプライバシーの暴露にもつながりかねず、ゲームに使うことには開発者も慎重にならざるをえないでしょう。番組では、Find Satoshi はこうした人探しの最後の幸福な事例になるかもしれないと言っていました。そうですね、いいような、悪いような。