ユッケは食いたし、…食べもの
20110508
この出鱈目な店の肉を食べ、食中毒で亡くなったり苦しんでいる方々は、本当にお気の毒なことだと思います。。
私は以前からユッケは好物で、焼肉屋さんに行くと、しばしば注文します。今回の騒ぎを受けて多くの店がメニューから外しただろうから、しばらく食べられないでしょうね。タルタルステーキやカルパッチョなど、西洋料理にも生肉を使う料理はいくつかあります。これらは、どうなんでしょう。
ナマのものを食べることには、それなりのリスクがつきものです。生牡蠣でもサバでもホタルイカでも、ウイルスや寄生虫による食中毒の危険はあり、読者の中でこれらに「当たった」経験を持つ人もいらっしゃるかと思います。私も以前に海外旅行で、卵(生ではなく加熱されていましたが)に当たって苦しんだ経験があります。
生肉にも、他の食品に比べると高いリスクがあると考えられます。(言うまでもなくリスクがゼロの食べものは、地球上に存在しません)
ではそのリスクがどの程度高いのか?これにはいろいろ考え方があると思いますが、ご参考までに厚生労働省の食中毒情報統計にリンクを張っておきました。たとえば平成22年度は、肉類に起因する食中毒の発生は全体の3.4%で、死者はいません。
ユッケを供するときの安全管理のイロハもわきまえていなかったエセ焼肉店(トリミングを怠ったり、前日の余りものを出したり、もう論外)が存在したことは残念なことです。ただ、これを受けてすぐに「危ない!規制!規制!」と叫んでみせるメディアには、いつものことながら、いささか閉口します。一つの企業が起こした不祥事で、待ってましたとばかりに規制強化を唱える人たちを見て、本当にそれがベストの選択なのかな、とも思います。
今回の食中毒事件を受けて私たちが教訓とすべきは、生肉を日本の飲食店から追放することではなくて、食べたい人はこのリスクをきちんと認識した上で、食べる食べないを自ら決めることではないでしょうか。(小さい子供やお年寄りに食べさせないことは勿論ですが)
何でもかんでも消費者の自己責任というつもりはありません。私たちにできることは、「リスクの高いものは、信頼できるお店でしか食べない」という原則を守ることなのでは。
信頼できるお店…私たちが直接お店のバックヤードまで把握することはできませんが、お店のご主人やスタッフの衛生観念や仕事に取り組む姿勢、ひいては人間性を信頼するからこそ、安心していろいろな料理を食べることができるのだと思います。
仕事上でお付合いしている飲食店の方々は、皆さん真剣に食の安全に取り組んでいます。何と言ったって飲食業の基本です。勿論保健所による定期的な検査も受けています。しかし消費者の立場に立てば、そのことを担保し安心してもらうために、あと何が必要なのだろうかということは、業界側も考える必要がありますね。
だいたい、和牛ユッケが一皿280円ってのはねえ…いくらなんでもありえないでしょう。極端に安いものには、それなりの理由がありますよ。
関連リンク: 食中毒に関する情報(厚生労働省)
蕎麦のカリスマ食べもの
20110427
その名声は天下に轟き、全国に千人の弟子を持つ蕎麦の第一人者、「翁達磨」の高橋邦弘氏。彼の打ったお蕎麦をいただく機会がありました。
そば会の主催は、地元駒ヶ根の「養命酒」さん。高橋氏はずっと以前から養命酒が作っている「家醸本みりん」を愛用しており、自らこの品の広告にも登場している縁あって、そば会の開催に至ったようです。私も楽しみにして行きました。(家醸本みりんは、値段は高いですが、大変評判の良い品です。当社でも扱っています)
そば会は養命酒駒ヶ根工場の一角「健康の森」にある、土蔵の中で行われました。
蕎麦打ちの様子を目の前で見せてもらいました。名人の手際の良いこと、さすがです。こねた蕎麦生地の固まりをピザのように手で円く伸ばしてゆくのですが、まとまるのが実に綺麗な真円形で、美しい。めん棒を使って角を出してゆく(丸い生地を薄い四角形に伸ばします)のも、鮮やか。
いただいたお蕎麦の味は…
コシがあって、なおかつ滑らかな蕎麦。ざらつきが全くないのです。変な表現で叱られるかもしれませんが、中華麺を思い起こします。ご本人の言葉によれば「もちもちした感じを目指している」そうです。吸い付くような弾力のある感触が快い。
色は黒からず白からずで、太さも中ぐらいでした(1.2ミリと言っていました)。割合は、二八。蕎麦自体も香り高くておいしいのですが、つゆとの相性が絶妙で、いずれも突出せずに仲良く相乗効果を上げている感じです。
お蕎麦をいただいたあと、短時間のトークがありました。めん棒は野球のバット職人に作ってもらう特注品で直径26ミリ。当たり前でしょうが道具を大切にしており、のし台は30年以上も使っているそうです。
パリにもお弟子さんの店がありますが、例の原発風評問題で日本からの食材がフランスの通関を通らず、困っているとのこと。
食べる人の好みはいろいろ。もっと黒いのがいい、白いのがいい、つゆは辛くしろ、甘くしろ。ですが、私の味は変えません。この味を気に入っていただいた方に来てもらえればいい…
結びの言葉に、自信のほどが垣間見えました。
関連リンク: 翁達磨
ふりかけ食べもの
20110406
これさえあれば、何杯でもご飯が食べられる…日本人ならみんな、ふりかけが大好き!今ではそんなにゴハン食いではない私ですが、ふりかけご飯はおいしいですよね。。
うんと小さい頃に好きだったのは「磯のふきよせ」というやつでした。黄色い袋に入っていまして、中身がどうだったのか今では殆ど思い出せないのですが、とにかく大好きでした。今はもう、売ってないですね。
小学校高学年になって、好みは「お茶漬け海苔」へと変わりました。これを初めて食べたときは、細長いあられの存在がショックでした。お茶漬けとしてではなく、お湯などかけずにふりかけとして食べるのです。東海道五十三次が、半分くらい集まったでしょうか。(何故か同じ絵柄ばかり出てくるので、とっても不満でした)
今でも大好きです。もっとも、ご飯にかけるより、もっぱらマーガリンを塗ったトーストに振って食べる方が多いですね。
ちょっと前ですが「世界のふりかけ」なる品をネットで見つけ、出張の折に買ってみました。佃煮の老舗「新橋玉木屋」から出ているものですが、種類がすごいです。マハラジャ、イタリアントマト、麻婆豆腐、グリーンカレー、などなど。へえ、これが、ふりかけですか?
食べてみると、ぼろぼろした食感。うーん、ちょっとアイデア倒れのものもあるかな?カレー系は結構辛い。イタリアントマトが割とおいしかったです。変った珍しいものだし、ちょっとした手土産なんかにいいかな?
先日、被災地への援助物資募集の知らせが来ました。希望アイテムの中に、ふりかけがありました。目先を変えて、避難所での食事を少しでもおいしく食べられるようにしたい、ということでしょう。ちょうど在庫していた業務用の商品があったので、気持ちばかりですが出させていただきました。
日本人だもの、白いご飯にふりかけで、少しでも元気のお手伝いができたのなら、良かったですが。
今日でこのブログは、開設1周年を迎えました。お読みいただいて、ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。
アボカド(3)食べもの
20110214
昨日いい天気で道の雪も融けたと思いましたが、この夕方になってまた降ってきました。ホワイト・バレンタイン!
しつこくアボカドの続きです。
前述「ドジリーヌ姫」で、酔っ払った若旦那がレストランの支配人に向かって「もっと変った料理を考えたらどうだ」と、からむ場面があります。
曰く、アボカドの刺身、アボカドの蒲焼、アボカドのしゃぶしゃぶ、アボカドの天ぷら、アボカドのたたき、アボカドの酢の物、アボカド豆腐、アボカドそーめん、アボカドの納豆和え、アボカドの茶碗蒸し、アボカドと京湯葉の炊き合わせ…
他に変なものもたくさん列挙されていますが、ここに挙げたものだったら、蒲焼としゃぶしゃぶ以外は普通に食べられるような気がしますね。「刺身」なんて、私が晩ご飯にわさび醤油で食べているそのまんまじゃないですか。それくらい日本の食卓にマッチする食材だった、ということかな。
買ってきたものを自宅で置いて追熟させるのは、何故かあまりうまくいきません。何かコツがあるのでしょうか、早く食べないと、すぐ駄目になってしまいます。熟しすぎて中身が黒っぽくなってしまったものは、傷んだところを除いて潰して食べますが。あの美しいグリーンが失われているのを見るのは、悲しいものです。
今ではレストラン用に冷凍物もあります。(潰したものやハーフカット)まあ使い勝手は良いし、飲食店でいい状態のアボカドを常備するのは、ある程度回転が速い店でないとなかなか難しいのではないかと思いますので、お試しになられては。
これまで最もおいしかったのは、海外旅行中に街の市場で売っていたアボカドミルク。冷たいミルクと蜂蜜とアボカドをミキサーにかけただけだと思うのですが、喉も渇いていたし、もう一杯お代わりしたいと思うくらいおいしかった。デパ地下などで売っていると試してみたり、家でも作ってみますが、あの時の味になりません。どこが違うのでしょうね。
写真はアボカドの蒲焼ならぬ、アボカドと蒲焼、でした。うん、おいしそう!
アボカド(2)食べもの
20110210
皆さんはそれぞれお好みの食べ方をお持ちでしょう。何を今さらと言われるでしょうけれど、私の好みは…。
一番簡単なのは、真っ二つに割って、種の入っていた窪みにわさび醤油をたらし、スプーンですくって食べます。わさびの代りにごま油もいいし、ちょっと油分過多のきらいはありますが、中華やイタリアン系のドレッシングでもいいですね。
マヨネーズは、アボカドと味わいが似すぎているような気がして、ストレートに合わせるのはちょっと面白みがないと思います。何か他のさっぱりしたものと一緒ならいいですが。
食卓に何かしらサラダ類が載っているときは、同じくスプーンで身をこそげ取って、混ぜて食べてしまいます。ジャガイモでも、マカロニでも、シーフードでも、鶏肉でも、よく合うと思います。マグロの刺身と和えて食べる…というのは、もう定番ですね。日本酒で。
家では作りませんが、ハンバーガーには勿論絶好のトッピング。外で見かけると、つい注文してしまうものの一つです。有名な「グァカモーレ(ワカモーレ)」も面倒くさいので、自分では滅多にやりません。というより、状態のいいものをわざわざ潰す、というのは、何だか勿体無いような気がしませんか。貧乏性かな。
アボカド自体を加熱して食べることはあまりないと思いますが、ごくたまに、包丁を入れた瞬間、あ、しまった、若い!と思うときがあります。切ってみたらまるで未熟で硬かったときは、天ぷらにしたらホコホコと柔らかく、とてもおいしくいただけました。
アボカド食べもの
20110209
今ではどこのスーパーに行っても普通に並んでいるようになりました。初めて食べたのは、さていつの日でしたか?。
実物との初対面がいつだったかは思い出せないのですが、初めて存在を知ったのは高校生の頃、小林信彦の小説「ドジリーヌ姫の優雅な冒険」でした。凄まじいドジ女である主人公が、職業不詳でさすらい人の夫と共に、さまざまな珍事件を解決していきます。
この中にアボカドを扱った一章がありました。夫の昔の友人からもらったアメリカ土産。食べたことのない不気味な果実をああでもない、こうでもないとひねくり回し、自分は食べるのが恐いので、ちょうどやって来た知ったかぶりの若旦那に食べさせる話です。(言うまでもなく「酢豆腐」のパロディです)
これを読んでいたので、いつか食べてみたい好奇心の対象でした。食べてみますと、甘くも酸っぱくもない果物。類似した味を探そうと思っても、なかなかありません。でも最初から気に入りました。
1977年頃に書かれたこの小説では1個300~500円とありましたが、最近は100円から150円位ですか。当時の1/3か1/4くらいの値段ですね。買うお店によって、かなり品質が違います。
良質なものと悪いものの違いはとても大きく、運悪く悪いものを最初に召し上がった方は、アボカドの本来のおいしさを知らずに、嫌いになってしまうのではないかと余計な心配をしたりしますが…
見た目でだいたい味の見当はつきますので、良さそうなものを店頭で見つけると、つい1個2個と籠に放り込んでしまいます。そう、私は、アボカドには目がないのですよ。
今回は前置きが長く、まだ食べるところまでいきません。続きます。
わかめのしゃぶしゃぶ食べもの
20110206
東京出張中、わかめを「しゃぶしゃぶ」でいただきました。
一月中はお酒の席も多かったですし、胃腸もいささか疲れてきている感じがしますが、これはヘルシー。身体に罪悪感なく楽しめます。
生わかめを、味の付いた出し汁でしゃぶしゃぶします。黒いわかめが一瞬で(本当に一瞬)鮮やかな緑色に変わるのは目の栄養ですね。出しの味がつくので、ぽん酢などは何もつけずにいただきますが、しっかりしたいいお味です。
何と言っても厚いわかめの歯ごたえあるシャキシャキ感、それでいて柔らかい感じがいいですね。今の季節はちょうど旬なのですね。
写真ではあまりいい色が出ていませんが(何だか味噌汁から引っ張り揚げたわかめみたいですね)せめて雰囲気だけでもお感じ下さい。
一緒にいただいたのは「霧筑波・初搾りうすにごり」。このタイプのお酒はしばしばアルコール感が荒々しく、ワイルドなものが多いと思っていました。しかしこちらは、大変まろやかで優しい味わい。いいお酒ですね。
この晩、食べたものはとてもヘルシーでしたが、おいしい日本酒などをついつい戴きすぎてしまい、トータルでは…
鏡開き食べもの
20110112
11日は鏡開き。会社ではお汁粉を作りました。
私は、特別お餅好きって訳でもないんですが、やっぱりこの時期は家族ともどもよく食べます。高校生くらいまでは、暮に自宅で餅つきをしていました。おいしかったなあ!
磯辺やあんこでも食べますが、よく食べるのは(笑わないで下さい)マーガリンを載せて「お茶漬け海苔」をかけて食べます。実はトーストも、こうやって食べるのが一番おいしいと思いますよ。
大豆と青のりを混ぜこんだ「豆もち」がありますが、これは大好物です。ほのかな塩味が何ともいえません。そういえば昔は「くるみ餅」という最強の食べ方があったのですが、何年も食べていませんな。またそのうち書いてみます。
お餅と言えば、お年寄りが喉に詰まらせて亡くなる痛ましい事故が毎年起こります。今年の1月1日2日で、東京都では24人が病院に運ばれ、うち6人が死亡。他の地域でも、元旦に4人が亡くなっているそうです。
亡くなった方々も、お餅がつっかえる危険については普段から十分承知されていたのだとは思います。高齢による咀嚼力、嚥下力の低下を考えて、小さく切って食べるなどすればよかったのでしょうけれど。
こんにゃくゼリーより、危ないのはやっぱりお餅ですね!でも消費者庁がお餅を規制するような話は、幸いにしてありません。であれば、リスクがはるかに少ないとされるこんにゃくゼリーの規制は、変だと思いませんか?
獅子頭恋しや食べもの
20110109
シーズトオ、と読むそうです。朝日新聞連載の同名の小説が、昨日で最終話となりました。
芥川賞作家、楊逸女史の作でしたが、もうどうしようもない話でした。こんなダラダラした連載をよく最後まで読み続けたと、自分を褒めてやりたいです。福田和也風に言えば、小説の体をなしていませんな。
中国人の料理人が、結婚したばかりの妻子を故郷に残して日本にやってくる。東京の中華料理店で働くうちに、出来心から同僚の女性を妊娠させてしまい、泣く泣く妻と別れ、新しい女と結婚する羽目に。(この妊娠も、実は別の男との子を押し付けられたかのような思わせぶりな記述がありましたが、ついに回収されず)
女は主人公と一緒に大衆食堂を開き、夫を月千円(三千円だったかな?)の小遣いで馬車馬のようにこき使います。終始主体性のない主人公は、自分の状況に疑問も抱かず、いつか元の家族とよりを戻すことだけを夢見て日々を送ります…
新聞を読んで「今日の呆れた獅子頭」を笑うことが私と妻の日課になりましたが、それも終わってしまい、一抹の寂しささえ感じます。
こんなことはまあ、どうでもいいのです。シーズトオとは主人公が前妻と二人で編み出したとされる特別料理の名前です。これを食べてみたくて、仕方がないのですよ。
シーズトオは大人の拳くらいもある、大きな肉団子の煮込みだそうです。レシピを検索してみると、鍋料理がいくつも出てきますが、私のイメージとは違う。小説のは、醤油煮込みっぽい感じです。
紀ノ国屋のホームページに「紅焼獅子頭」としてそれらしい作り方が載っていますが、「本来は肉団子を揚げて長時間蒸す料理ですが、男性でも作りやすいようにアレンジしました」なんて余計なことが書いてある。本来の!本物を食べてみたいよお。
手間のかかる料理のようですし、お店に行っていきなり注文しても難しいだろうと思います。都会の高級中華とかに行けば、珍しくないのですかね。
おせち食べもの
20110104
正月3が日は基本的に遠出をせず、もっぱら家(と妻の実家)のおせちとお酒で過ごします。。
子供の頃は、おせちはあまり魅力的な食べ物ではなかったですね…そういう方は結構いると思いますが、好き嫌いの多かった私は余計にそうでした。玉子焼とかまぼこと煮物とキントンを、順番に食べていました。
長じてお酒を飲むようになって、だんだんとおいしく食べられるものが増えてきました。イクラなんか食べるようになったのは、25を過ぎてからです(今では大好き)。
拙宅では、すべてとは言いませんが多くの部分を自作します。これまで母と妻が2人で作りましたが、今回は大方妻が作りました。大きなメモ(設計図?)を作って29日頃から夜遅くまでやっていましたが、なかなかテキパキとやっていて感心します。
でも一般的にはおせちは、作るものから買うものへと、かなりのスピードで変りつつあるようです。いろいろな工夫がされて、中身も洋風、中華など、おせちというより高級オードブルの感があります。暮にはおせちを作って販売されるお得意様のための食材が、当社でもかなりの量が動き、12月の商売の柱になっています。
通販で注文したおせちが、届かなかったり中身がスカスカで苦情殺到、という話題が新年からネットを賑わせています。大晦日になって簡単に代わりがきくものではないし(いや、今ではそうでもないかな)業者側は返金するらしいですが、買った人にとっては年の初めにケチがついたようで、こういうのは困りますよね。