赤福氷食べもの
20130514
一気に夏が来たような暑さです。駒ヶ根では今日、60代の女性が熱中症で運ばれたとか。
トルコの話はちょっと置いておき、先週末訪れた伊勢志摩のことを書きましょう。土曜日曜と一泊二日で行ったのですが、土曜日はあいにくと一日中結構な雨降り。
バスの外に出るのも億劫なくらいでしたが、一応行程にありましたので伊勢神宮へ。雨にもかかわらず多くの人で賑わっていました。結婚式を挙げる一族とおぼしき晴着を着た集団も(雨でお気の毒)いましたか。
今年は20年に一度の式年遷宮の年ということで、10月に式典があるようですね。新しい神殿はシートの外からちょっと見えるくらいでした。
さて伊勢神宮と言えば見所は門前町の賑わいです。靴がびしょぬれになるのを我慢しながらびちゃびちゃと歩きます。目指すは赤福の本店へ。
いつぞやは表示偽装事件で評判を大きく落としてしまった赤福でしたが、今はその傷も癒えてきているのだと思います。有名なおかげ横丁はご存知のように赤福が作った一種のテーマパークで、さまざまな物販、飲食店が軒を並べています。私、今回までおかげ横丁と「おはらい町」(門前通り)をごっちゃにしていましたが、おかげ横丁は一本道であるおはらい町の中ほどに、独立して作られています。
赤福のお店では搗き立ての赤福の他、夏季限定で「赤福氷」というかき氷が食べられます。前から食べてみたくて、この日のお天気はあまりかき氷向けとは言えませんでしたが、頂いてみました。500円。
写真でご覧のとおり、一種の宇治金時です。抹茶シロップをかけ、氷の中にはこし餡と白玉が入っています。(赤福がそのままの形で入っているわけではありません)
これが、期待通りのおいしさでした。私はふだん、抹茶味のお菓子をあまり食べないのですが、このシロップはとても品が良くすうっとした甘さで、中身なしでも十分なくらい。山盛りをこぼさないように慎重に食べていきますと、餡と白玉が現われ、シロップとは別種の甘さで味を転換してくれます。白玉がもう一個くらいあるといいな、というのはただの欲張り。
できればもっと暑い日にいただきたかったが…でも十分満足しました。機会あらばまた食べたいと思います。
関連リンク: 赤福のホームページ
のるかそるか食べもの
20130407
夜遅く帰宅し晩飯を食べようとする私に、息子が食卓を指差して言います。「ねえ、これ何だか知ってる?」
知ってるさ、「のれそれ」だろう。
ご存知の方も多いでしょう、穴子の稚魚ですね。もちろんしょっちゅう食べているわけではなく、過去2回位お目にかかっただけですが…高知の特産品として知られ、愛知や茨城でも獲れるとか。まあ、珍味の部類だろうと思います。
ご近所のスーパーで入手したと聞いて少々驚きました。こんなものまで駒ヶ根で簡単に買えるようになったとは。
透き通る美しい体、平べったく細長い優美な形(いや優美とは思わん人もいるかな)。味は癖がなく無味に近いような感じですが、舌触り歯ざわりが独特で、これに似たものといえば、そう「くずきり」でも食べているような食感です。つるつるした清涼感が心地よい。
すでに夕食を済ませた家族はわさび醤油で食べたようですが、ちょうど「岸田ポン酢」さんから頂いた上等なポン酢のサンプルがあったのを思い出し、つけてみました。おお、こっちの方がずっといいですね。醤油だとやや生臭さを引き出してしまうような感じがありますが、ポン酢の香り高い柑橘の酸味がぴったり!
「のれそれ」とはしかし、妙なネーミングです。のるかそるか、という言葉を連想しますが、やはりそんな意味の語源のようです。検索すると、『地引網を引くと、ドロメ(鰯の稚魚・生しらす)の上にのったり、それたりしながら網の底に滑っていきます』という説明がやたらと出てきます。
ドロメの上に乗ったり反れたり?今いち光景を想像しにくいんですけど。
ラクダミルクチョコ食べもの
20130214
バレンタインデー。珍チョコのお話。
先月、伊勢丹デパートで「サロン・デュ・ショコラ」なる催事があり、ちょっとだけ顔を出してみました。世界中から著名なショコラティエやショップが70以上も集まる、年に1回のイベントだそうな。
会場はもうすごい人、人。男女比は3:7といったところでしょうか。名前を聞いたことのある店ない店、どの店の前も通路もびっしりと客が埋め尽くし、品定めどころか歩くのもままなりません。人気ショップには数十人が列を作っており、買えるまでに小一時間はかかりそうです。ご苦労様です。
会場の隅のほうに珍しくも「ドバイ」という国名看板があり、黒いチャドルをまとった売り子さん(もちろん日本人)が「日本初登場のドバイのチョコレートですう、ラクダのミルクのチョコはいかがですかあ~」と。小さなタブレット型やらラクダ型やら、何種類も並んでいます。ふと興味を持ち板チョコ2種を購入。
砂漠の国ではラクダの乳を飲む習慣があるのですかね。羊だったら普通にありそうです。
食べてみます。普通のミルクチョコと比べると、ミルクの味が濃厚で確かに特徴はあります。エキゾチックぽくて嫌味のある味ではありませんが、うっとりするほどの美味でもないか。パッケージには原材料として「ラクダミルクパウダー(UAE産)」とあります。ふむふむ。
ん?チョコの原産国はオーストリアだなんて書いてあるぞ。ドバイのチョコじゃないじゃん。どういうわけでしょうか。
関連リンク: アルナスマ(チョコメーカー)のホームページ
大学ランチパック食べもの
20130124
先日店頭で、面白いものを見つけて買ってみました。ヤマザキランチパックの「大学シリーズ」。受験シーズンに合わせているのでしょう。東京六大学から4校が出ているようです。
早稲田(メンチカツ&たまご)
明治(オムレツハヤシ風)
立教(ビーフシチュー・ワイン入り)
法政(焙煎キーマカレー)
それぞれ大学生とのコラボ企画だとか。慶応がありませんね。東大は、まあ、ないのかな。フィリングの味は、概ねパッケージから予想される通りでした。私の好みの順で言うと、立教、法政、明治、早稲田です。
検索してみると、関西ではすでに関関同立に加え産近甲龍(こんな言葉あるんだ)も販売されていたとか。味の種類は関西シリーズのほうが甘いものなどバラエティに富んでいるように思えます。
ランチパック、たまに買うことがありますが、アイテムを少しずつ定期更新しながら、長く続いている商品ですね。四隅がどういう工夫か上手に留められていて、かぶりついても具がはみ出さないのが便利。普通のサンドイッチと違ってパッケージが携帯便利(少々のことでは潰れない)、場所を選ばず食べられる、という点で、パン界に確固たる地位を占めています。
ただ、あの生白っぽくふにゃふにゃしたパンの食感は正直苦手でして。今回は、レンジで温めてからトーストしたら、いけると思いました。家庭ではできますが、出先でこんなことはできません。ああいうソフトなパンを好む人も多いのでしょうね。
慶応コラボで「二郎ラーメン」入りのランチパックなんてどうでしょう。焼きそばパンだって、ローメンパンだってあるのですから。企画アイデアの段階では間違いなく候補として名は挙がったでしょうが、こってりニンニク味・ブタ肉・もやし入りのサンドでは、食べる人と場所がかなり限定されそうです。
正月の食事食べもの
20130103
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお引き立てのほど、お願い申し上げます。
我が家では、正月休みの過ごし方はほとんど毎年変わりません。大晦日の夜から三が日まで、コタツに座り込んで食べては飲み、飲んでは食べ。元日はお年始のお客様をお迎えし、2日は妻の実家へご挨拶に行きます。
食べるものもほとんど変わりませんよ。年取り魚はブリ。年越し蕎麦は昔から食べる習慣がありません。元旦は栗、干し柿、豆でお茶を飲んで、そのあとのお雑煮は関東風というのでしょうか、お澄ましに鶏、三つ葉、ナルト。おせちは妻の(基本的には)手作りですが、これは年によって内容が多少変わりますが、まあ7割方は不変ですかね。母がグランドフェアで見つけて買ったものなど、当社扱い商品が2、3品入ることも。
我が家ではこうだ、というだけで、これが駒ヶ根の伝統的な正月の食事なのかどうかはわかりませんが。
大晦日にスーパーを何件か回ってみますと、お刺身やお寿司はもちろんですが、肉コーナーなど上等なパックが大量に並び、実際たくさん売れているようですね。年取りのご馳走はすき焼き、という家庭も多くなっているようです。定番の揚げ物や中華風のオードブルも並んでいる一方で、純和風のおせちが今年はとても少ないな、と感じました。
私も本音を言うと、純和風モノだけでなくこうしたものを食べたい気持ちになることもありますよ。しかしまあ何だか不自由なようでも、決まったものを決まった通りに食べる日があるのもいいかなと思います。
今年もおいしい話などを徒然と書いていきたいと思います。どうぞよろしくお付き合いくださいますよう。
ねぎ豚食べもの
20121123
dancyu「日本一のレシピ」シリーズ第2弾。
結婚してからずっと、男子厨房に入らずを実践しています。ご飯を炊くのとカップラーメンにお湯を入れる以外の調理行為なんて、子供の前では片手くらいしかしたことがありません。自ら手を出すことはないくせに、ああだこうだと我が家のシェフに口を出してはうるさがられているわけですが。
今日は妻が珍しく遠出をしており、私と子供二人で留守番です。普段なら「どっかへ食べに行くか?」なのですが、気まぐれで晩飯を作ってみようなんて思いました。
作りましたのは先日のdancyu誌で「ピェンロー」の次の頁に載っている「ねぎ豚」。豚角煮の超・簡略版です。以前妻が作っておいしかったこともあり、またレシピを見ると、これだけ簡単なら私でも子供の前で父親の権威を失墜させることなく作れるかな、と。
これが、本当に簡単で、果たして料理をしたなんて言えるのかどうか疑問に思うくらいのものなのです。大量のネギを適当な長さに切って鍋に敷き詰め、その上に豚バラブロックを3センチくらいの厚さに切って置きます。紹興酒、醤油、水。あとは火に掛けて90分。ネギがとろとろになるまで煮ます。
出来上がったものは、そうですね、子供が喜んでむしゃむしゃ食うくらいのものにはなりました。「これお客さんに出せるんじゃないの?」なんて、どこで覚えたのかオヤジ殺しの台詞をのたもうたりね。味は腕でなくレシピのお陰だということはとっくにバレてます。
いや実際、なかなかおいしくできましたよ。この作り方でだって、本式の角煮とはホントのところかなり距離があるとは思いますが、材料に皮付きの豚肉を使うとかしたら、結構いい線いくのではないでしょうか。
豚の角煮は大好物です。中でも以前近所の中華屋さんで作っていたものは本当においしかったのですが、残念ながら閉店してしまいました。作り方を教わっておけば良かったなあ、なんて妻と二人で言ったりします。
中身は空っぽ食べもの
20121120
子供が修学旅行で長崎へ行き、お土産に名物だというお菓子を買ってきました。カステラじゃないですよ。
そのお菓子、一○香と書いて「いっこっこう」と読みます。○は口(くち)のことですね。
外見は焼き饅頭を思わせますが、手にしてみるととっても固い。いや固いの固くないのって、容易には歯が立たないくらいの固さです。そして妙に軽いこと。
割って中身を見てみますと…なんと空っぽ!
生地の内側に狐色の飴がへばりついていて、とても変わった独特の食感です。ちょっと粉っぽさも感じますが、全体としては、やはり飴の味わいが主体になっています。ヌガーみたいな感じでしょうか。
製造者「茂木一○香本家」のホームページを見てみますと、中国伝来の焼菓子で、「小麦粉と水あめで練り上げた生地に黒砂糖、水飴、上白糖3種の甘みのある餡を包んでつくるのですが焼き上げるときに中のあんこが沸騰し外に出ようとする力で膨らみ中身が無くなってしまいます」とあります。不思議だ。
この店では170年の歴史を持つお菓子です。長崎のほか佐賀や愛知にも同種のものがあり、また四国では「唐饅頭」という名で同じようなものがあるそうです。からくりまんじゅう?空っぽのまんじゅう?それとも中国の「唐」?いろいろ掛けてあるような名前ですね。
なかなか珍しいものを食べました。
関連リンク: 一○香の歴史 (茂木一○香本家)
ピェンロー(扁炉)食べもの
20121111
秋も深まりつつ、鍋物の季節となりました。今日の夕飯は、久しぶりに食べる中国風白菜鍋。
料理雑誌dancyuを91年、ほぼ創刊の頃から毎号購読しています。この雑誌は飲食店情報とともに、名前の通り(男子厨房に入る)かなりのボリュームを割いて料理レシピを掲載していますが、いま発売の12月号では創刊以来の最強レシピを特集しています。その中で、最強中の最強と呼ばれるメニューがこの「ピェンロー」なのだそうです。
これは92年1月号で妹尾河童氏が紹介したメニューです。具は白菜、豚バラ肉、鶏肉、干し椎茸、ビーフン。ごま油。ダシは干し椎茸のだしオンリー。
味付けは、各自でするのです。自分のお椀に塩や一味を入れ、鍋から取った少量のダシで溶いて、これを「つけだれ」代わりに使います。
特に凝ったところも何もない(と思われる)この鍋のおいしいこと。結婚してからあまり作っておらず、ホントに十何年ぶりかで食べました。子供たちはたぶん初めて食べたと思いますが、それぞれおいしいうまいと言いながら、結構ボリュームのあったひと鍋、ほとんど食べてしまいました。
詳しい作り方は検索されるかdancyuを買って読むかしていただければよろしいでしょう。材料がシンプルすぎて、当社の食材の出番があまりないのが残念ですが。でもおいしい塩とごま油を使えば一層の味アップにつながるのは間違いないでしょうね。
梨の秋食べもの
20121008
突然ですが、日本人には、りんご派と梨派がいるのではないかと思います。あなたはどっち派?
私は、これははっきり分類できますが、梨派です。りんごに恨みはないし、食べればおいしくいただくのですが、たとえば食後に家族がりんごを食べていても、何となく手が伸びません。これが梨だと、二切れ三切れすぐに手を出しますので、明らかだと思います。
水分たっぷり、シャッキリとした梨は、たとえば運動会の定番でしたね。齧ると甘い果汁がほとばしるあの感じは、残暑の喉の渇きを癒し、何物にも代え難いものがありました。南信州は梨の産地ですので、学生時代には実家から近所の果樹園のものを箱で送ってもらっていました。
あの頃の品種の主流はご存知、二十世紀。表皮のうっすら青みを帯びた黄色が美しい。私も大好物だったのですが、不思議なことに時代が二十一世紀へと進むのとほぼ時を同じくして、新しい品種にとって変わられつつあります。
いまこの辺の店頭でよく見る品種は、幸水、南水といった品種です。大玉で、表皮は赤っぽく、甘味も強い。僅かに「ぬめり」というか、ねっとりした舌触りも感じますね。すっきり爽やか系の二十世紀とはずいぶん違います。ワインでいうならば、二十世紀はミュスカデ、幸水や南水は南方産のシャルドネって感じでしょうか。
今どきの梨と比べると、味だけだったら二十世紀はちょっと分が悪いかな。でも昔ながらの捨てがたい魅力もあると思います。写真は、最近頂戴した二十世紀と南水です。どちらもおいしくいただいています。
カツカレー3500円?食べもの
20120927
面白そうな話題がありましたので、スーパーサイズの続きは後回しにして、こっちの方を書こうと思います。
安倍新総裁誕生の裏で、カツカレーがネット上で俄然、注目を集めています。きっかけは大阪・毎日放送テレビの山中真アナが番組内で行ったリポートです。
曰く、
…総裁選の投票を前にして、安倍晋三元首相の選対では都内の高級ホテル(ニューオータニ)で出陣式を行った。そこで出された昼食は、当選に向け験を担いでの「カツカレー」であった。そのカツカレーは特別メニューで、お値段3500円以上するのだとか。
このネタに、大勢のネットすずめたちが早速食いつきました。「早速安倍叩きを始めたぞ!庶民感覚がないって言いたいのか?こんなことで大仰に驚いて見せるなんて。麻生首相のときに彼のバー通いをあげつらってみたのと同じだろ。まったくマスゴミって奴は…」(意訳です)
それに対し、twitterでの山中氏のコメント。
「僕は一言も批判してません。何人かの言う通り、立場ある人、しかも験担ぎの時なので、というのも一理あるでしょう。僕はただ、カツカレーという庶民的メニューも高級ホテルで食べるとそんな値段になるんだ、ということに驚いただけです(^^;;」
ん?このコメントそのものが、批判してるってことじゃないの。
元の放送を見ていませんが、文脈を想像するに、山中氏がどういう意図で発言したかはともかく視聴者の方は「なんて贅沢な!」的に受け取った人が多いのでは、と思います。私ですか、私は政治家だろうが誰だろうが、お金を支払う能力のある方がどんな高価なものを連日飲み食いしようと、何の文句もございませんよ。ウチの商売はこういう方々にも支えられているんですからね!
ただ、山中氏のコメント後半には、ほぼ同感です。だいたい本質的には、高級ホテルで出すようなメニューじゃないでしょう。私は3500円出すならば、他のものをいただきますね。
家で昼飯を食べるとき、買ってきたカツにレトルトカレーをかけて食べることはたまにありますが(何しろ手っ取り早い)そういえば最近外では食べていませんな。以前はサービスエリアで食事するときなど、よく食べたものですが。30代の頃は、朝食にも食べていた…以前の記事にも書いたことがありました。
年取ってくると、がっつり飯には執着しなくなってきた、ってことですか。とはいえ、今でも好物には変わりありません。この場合、サラサラのカレーよりもドロっとしている方がいいですね、いわゆる洋食屋さん風で。カツにはある程度の脂身を。カレーにも少しでいいから肉が欲しいです。カツの肉との対照を楽しめます。
東京町田に「アサノ」というカツカレーの名店があるそうで、いろいろ雑誌などで拝見します。存在を知ってからもう十何年、行ってみたくて仕方がないのですが町田は近いようで遠くてなかなか縁がなく、実現していません。このためだけにわざわざ行くのも何だか、という気もします。なおこちらは、1400円、だそうです。