梨の秋食べもの
20121008
突然ですが、日本人には、りんご派と梨派がいるのではないかと思います。あなたはどっち派?
私は、これははっきり分類できますが、梨派です。りんごに恨みはないし、食べればおいしくいただくのですが、たとえば食後に家族がりんごを食べていても、何となく手が伸びません。これが梨だと、二切れ三切れすぐに手を出しますので、明らかだと思います。
水分たっぷり、シャッキリとした梨は、たとえば運動会の定番でしたね。齧ると甘い果汁がほとばしるあの感じは、残暑の喉の渇きを癒し、何物にも代え難いものがありました。南信州は梨の産地ですので、学生時代には実家から近所の果樹園のものを箱で送ってもらっていました。
あの頃の品種の主流はご存知、二十世紀。表皮のうっすら青みを帯びた黄色が美しい。私も大好物だったのですが、不思議なことに時代が二十一世紀へと進むのとほぼ時を同じくして、新しい品種にとって変わられつつあります。
いまこの辺の店頭でよく見る品種は、幸水、南水といった品種です。大玉で、表皮は赤っぽく、甘味も強い。僅かに「ぬめり」というか、ねっとりした舌触りも感じますね。すっきり爽やか系の二十世紀とはずいぶん違います。ワインでいうならば、二十世紀はミュスカデ、幸水や南水は南方産のシャルドネって感じでしょうか。
今どきの梨と比べると、味だけだったら二十世紀はちょっと分が悪いかな。でも昔ながらの捨てがたい魅力もあると思います。写真は、最近頂戴した二十世紀と南水です。どちらもおいしくいただいています。