白いアスパラ食べもの
20170425
フレッシュのホワイトアスパラガス。当地でもときどき、店頭で見かけるようになりました。南半球産が多いようです。
グリーンアスパラと品種は同じ。違いは育て方で、土の上に自然に伸ばして太陽光をしっかり当てたものは緑色のアスパラになりますが、芽の伸びる前に上に土をかぶせて日を当てずに育てたものがホワイトアスパラになる。なんてことは今さら言うまでもなく、皆さんご存知のことでしょう。アスパラの「もやし」みたいなもので、かなり面倒な手間がかかっていると推察します。
日本では昔から缶詰用に作られていました。グリーンに比べて日持ちがしないため、生鮮品としての流通が難しかったのでしょうね。そのうちグリーンが市場に大量に出回るようになって、消費者も良い意味での青臭さや歯応えに慣れ、アスパラと言えば緑色のものを誰もがイメージするようになりました。調べてはいませんが、缶詰の生産量も消費量も、以前に比べだいぶ少なくなっているのでは。
私が大のアスパラ好きなので、グリーンは我が家の食卓にも頻繁に登場しますが、先日の夕飯で珍しく白いアスパラがたくさん皿に盛られてきました。聞けば、お隣の飯島町で直売所に並んでいたのを買ってきたそうな。このへんでもこんなものを作っているとは、ちょいと驚きました。値段もこのときは安かったようですよ。
ホワイトの魅力は、何と言っても柔らかさ。歯を使わず唇でも切れるような、独特の食感です。そして品よく香る大地の味、とでも申しましょうか、太いものほど美味しいと思います。料理本に出てきますが、結構厚めに皮を剥き、その皮と一緒に身を茹で、茹で上がっても皮を捨てずに茹で汁に一定時間漬けておくのがポイントだとか。
ドイツでは白アスパラ(シュパーゲル)がことのほか珍重され、これから丁度「アスパラ祭り」といわれる季節を迎えるのだそうです。私たちはマヨネーズで食べますが彼らはオランデーズソース(卵黄、バター、レモン汁を使ったソース)を愛するようで、これもおいしそうですね。
白い金貨、貴婦人の指、食べられる象牙…白アスパラを讃える形容詞だそうです。やっぱりあちらでも、ちょっと贅沢な食材なのでしょう。
元祖のソースカツ丼食べもの
20170401
ソースかつ丼を街おこしの旗印と掲げている担い手の一人としては、全国に数あるソースカツ丼をひと通り知っていなくてはなりません。福井市と言えば、ソースカツ丼では全国一の知名度を誇る街。ライバルの本拠地に乗り込んだからには、ぜひとも本丸を制覇せねば。
(記事中「かつ」と「カツ」は意図的に使い分けております。駒ヶ根のは、ひらがなです)
というわけで、本丸「ヨーロッパ軒」に乗り込みました。開店が11時、お店に着いたのは11時半くらいですが、2つのフロアがほぼ満席で、空いていた一卓に辛うじて座れました。メニューは揚げ物中心に結構たくさんありますが、注文はもちろん、ソースカツ丼。
出てきたのは事前にメディアやネットで見たとおりのものです。丼の上に薄いカツが3枚。パン粉はとても細かく、肉は脂身なし、千切りキャベツはもちろんなし、ご飯にかかったソースは醤油よりもウスターソース寄りの味でやや多め、といったところ。お店によれば、衣と肉のバランスを考えてこの厚みにしているとのこと。変わっているのは、丼とは別に小皿のソースが供され、必要に応じてお使いくださいという点でしょうか。
食べてみた感想は―あくまで個人的なものですよ―正直、物足りないですねえ。肉の薄さと脂っ気のなさは「トンカツを食った」という満足感を与えてくれません。家族たちも同意見。私はカツ丼にはバランスよりもボリューム感が欲しい(盛りの多い少ないとは必ずしも一致しません)し、豚肉の旨さは脂にあると思っていますので、これでは食べた感じがしませんね。
福井のこの店が歴史的にソースカツ丼の発祥であり「元祖」であることは、確かなようです。地元の人に愛されて永く繁盛しているのですから、結構なこと。その上で、駒ヶ根のソースかつ丼も、大いに自信を持っていいと思います。目指すコンセプトがまったく違います。
全国のB級グルメ行脚をされる方々、福井を食べて「これがソースカツ丼か、ふむふむ」と納得してしまわずに、駒ヶ根もぜひ食べ比べていただきたいですね!
若狭の焼き鯖食べもの
20170328
家族で福井に行ってきました。北陸三県の中では地味な印象の県ですね。短い時間で福井市と、お約束の永平寺と東尋坊、そして「ちりとてちん」の舞台となった小浜を訪れ、名物の焼き鯖をぜひ食べよう!と目論みました。
10年ほど前のことですが、お得意様の旅行で城崎に行った帰りに福井県のどこかの道の駅(酔っ払っていて記憶なし)に立ち寄ったところ、でかい鯖を丸ごと何十本も焼いて売っておりました。買い求めてその場で丸かじりしていた人もいて、見るからにおいしそうだったのですが、満腹だった私は食べられませんでした。ぜひあのときのリベンジを。
小浜は冷たい雨が降り、街ゆく人も少なく、とても寂しい街でしたね。ドラマのロケにも使われたアーケード通りに、鯖の浜焼きで有名な「朽木屋」というお店。ここに辛うじて1本だけ残っていたのをゲット。(食堂ではなく小売の魚屋さんなので、ここで食べることはできません)こんな天気ですから、あまり数を用意してなかったのかな。
そのあとお昼を食べに港の方へ行き「海の駅若狭おばま」という施設で、もう1本を購入しました(写真1)。お値段はどちらも1200円。
家に帰り、あっためて食べてみました。腹身の脂も背中の肉も、いやもう、柔らかく、ほくほくです。ホントに旨い!ボリュームもあります。おいしさは材料もあるでしょうが、焼き方、なんだろうな。かなり時間をかけてじっくり火を通しているようです。どちらもおいしかったですが、朽木屋の方が(写真2)脂の乗りが幾分良かったような気がします。ひとり一本ずつ食べたいね!
これらの鯖は、いずれもノルウェー産である由。さもありなん、家の近くのスーパーで売ってるものだって、国産鯖よりノルウェー産の方がずっとおいしいですものね。日本近海では乱獲のため、おいしい大型の鯖が獲れなくなってきているのです。本当に残念なこと…
福井では鯖寿司ももちろんいただいたし、名物の珍味「へしこ」も少しいただいてみました(写真3)。これは鯖を糠漬けにしたもので、かなり塩辛く、独特の風味があります。そもそも普段から糠漬けを食べない私にとっては、おいしいと言ってよいのか、ちょっと言葉に迷うところですね。酒の肴として、一度は味わってみてもいいかな。
味玉の探究食べもの
20170314
皆さん大好きな「味付玉子」。特に半熟のやつ、私も大好きですよ。ラーメン屋さんでもついついトッピング追加を頼んでしまいます。
スーパーで時々買いますが、ほんとうはもう少し柔らか目の半熟が好みです。自分でも作れるよなあと思っていたところ、先日本屋さんで「世界一美味しい煮卵の作り方」なる新刊本を見つけました。はらぺこグリズリーさんというブロガーが書いた本です。
本をパラパラとめくってみると極めて簡単で、早速作ってみました。書いても構わないと思いますが、卵はお湯から茹でて6分。すぐ氷水で3分冷やす。殻をむき、市販のめんつゆに半日漬けこむ。できあがり。
食べてみると、黄身の半熟の具合が大変良いですね。ただ味付けが、表面はやや塩辛く中身まで届いていない感じです。めんつゆにも濃度がいろいろありますから、このレシピでは説明不足だと思います。我が家にあったつゆで三回ほど試しましたが、よくある四倍希釈のものは、そのままでは濃すぎます。適度に薄めないと。
「世界一美味しい」は明らかに誇大でしょうが(まあ、シャレですよね)こんなに簡単にできるなら、これからは自分で作ろう。と思っていましたら、今月発売のdancyu4月号が卵料理特集で、真っ先に味玉の記事があるではありませんか。これはまた嬉しいバッティング。
dancyu流では、茹で時間は7分30秒。めんつゆは「そのままスプーンで飲んでおいしく感じる濃さ」まで薄めて(わかりやすい)漬けるのは24時間。380個の卵であれこれ比較実験をした結果の結論だそうです。これは双方のレシピを試してみなくては!
こちらは、ほぼ期待通りの味付けです。本当はめんつゆでなくて、チャーシューだれで漬けるところでしょうが、まあよしとしましょう。黄身の半熟具合は、わずか…ほんのちょっとだけ、私の好みより固いような気がします。「6分半~7分茹でて、24時間漬ける」くらいが丁度よいのかな?
殻を綺麗にむくのは、意外と難しいものです。新しい玉子だと綺麗にむきにくい、と小学校で教わったような記憶がありますが、書かれている通り水中でむいても、ほんの少しの油断で白身に亀裂が入ってしまう。これは6分でも7分半でも、大して変わりはないですね。急がばまわれ。
こんな程度で「探究」なんていうのも、笑われてしまいます。
関連リンク: はらぺこグリズリーの料理ブログ
セムラとの邂逅 (3)食べもの
20170224
お菓子屋さんを一通り探しましたが、ちょいと視点を変えて。六本木に「リラ・ダーラナ」という北欧料理のレストランがあり、そこで今の時季、季節のデザートにセムラを出しているんだそうな。テイクアウトも可能だというじゃありませんか。
お店に電話して取り置きをお願いすると、快く応じてくれました。お昼の営業が終わるころ伺ったお店は、六本木交差点からすぐ近くのこじんまりした可愛らしいレストランです。本来は食事のお客さんに出すために作っているものですから、お菓子屋さんのように持ち帰り用の化粧箱があるわけではなく、ありあわせの器に入れていただきました。食事もせずにお菓子だけで手間をおかけして、ちょっぴり申し訳ない感。
大事に家に持って帰って、いただいてみましたよ。40何年越しの初対面!
小さなリンゴくらいの大きさ。やや固めのバンズ部分の歯ごたえ。こちらのはパンがそんなに甘くなく、トータルのイメージとしてはシンプルにして素朴な感じがします。アーモンドクリーム(ペースト)の特徴的なカルダモン風味。私たちにはやはりカレーを想起させるものがあり、非常に独特な味わいです。そして、たっぷりこぼれそうなホイップクリームの美味しさ(幸せ!)。なるほど、これがセムラか…。
何故スウェーデンでカルダモンなのか、気になりますね。セムラがこの時季だけのものなら、セムラを食べない他の季節には、どんなお菓子を食べているのでしょうか?現地に行ったこともなくまだまだ北欧文化に疎い私ですが、ふつふつと興味がわいてきます。
これで少年時代の読書に登場する三大謎菓子のうち一つを制覇しました。あと二つは、ナルニア国物語に出てくる「ターキッシュ・デライト」(トルコでは『ロクム』、瀬田貞二訳では幼い読者のことも考えてか『プリン』とされている)と、ドリトル先生に出てくる「アブラミのお菓子」こと「スェット・プディング」。いつの日かの出会いに期待しているのです。
関連リンク: 北欧料理リラ・ダーラナ
セムラとの邂逅 (2)食べもの
20170220
「料理通信」誌の2月号に、セムラが堂々2ページにわたって掲載されたのです。いやびっくりしたこと。「2月のスウェーデンはSemla セムラであふれ返ります」ですって。
それは写真のとおり、生シューのような形をしたお菓子でした。復活祭を前にした節食期間に入る前、栄養補給のために高カロリーのお菓子を食べることから始まったのだそうです。
写真つきのレシピが載っております。カルダモン風味のバンズをくり抜いて、カルダモン風味のアーモンドペーストを詰め、上にホイップクリームをあふれんばかりに載せて、蓋をする。へえ、カルダモンのお菓子とは珍しい、どんな味がするのだろう。今では缶に入って売っているような感じではありませんが、菓子店ばかりでなくスーパーの店頭にも並ぶようなものらしいですね。
記事を隅まで読んでも、現地レポートばかりで日本での入手方法が書いてありません。レシピはあっても自分で作ってみるわけにもいかず(自分で作れるわけがないし、妻も忙しくてお菓子作りにはすっかりご無沙汰だし)どこかの菓子屋さんで売ってないかな?と検索してみます。
わざわざこのために上京するのもナンです。出張ついでに寄れるところで、入手できないでしょうか。日本にスウェーデン菓子の専門店なんて、そうないですが…。
FIKAFABRIKENという、お店というかお菓子教室を主にやっているようなところで、期間限定で渋谷ヒカリエで売っていたようですが、残念にも私の上京予定の前々日で販売終了しています。ちなみにFIKAとはスウェーデン語で「お茶する」意である由。
さらに探すと、新宿伊勢丹のこれもFIKAという北欧菓子の店にあるという情報が。おお伊勢丹なら私の行動範囲、いよいよセムラに会えるのか。出張の日を指折り数えてお店に行ってみると、販売員のお姉さん、「セムラはこの前までありましたが、今は作っていません(ちょうどバレンタイン商戦中の土曜日で、店頭には贈答用焼菓子が主に並んでいた)、今シーズンはこの先の販売予定もありません」と、つれないお返事。
そんな殺生な。だってイースターはまだこれからでしょ?今売らないで、いつ売るの。泣く泣く伊勢丹を後にしましたが、これでは諦められませんよ。
セムラとの邂逅 (1)食べもの
20170217
「セムラ」って何だか、お聞きになったことがありますか。私は小学生のとき読んだ本でこの単語を知り、しかしそれがどういうものか、実体を知ることがありませんでした。
それは、オーケ・ホルムベルイという人の書いた「迷探偵スベントン登場」という児童書に登場するお菓子の名です。(本はとっくの昔に絶版になっている)
主人公スベントンは、ストックホルムに事務所を構える私立探偵で、優秀な男なのですが何故かまったく仕事がありません。たまに来客があると、秘書に外から電話をかけさせ、客の前で忙しくてんてこまいな芝居をして見栄を張っている始末です。
彼はある日、不思議な東洋人訪問客から一枚の古ぼけたじゅうたんを買い受けることになりました。それは何と「空飛ぶ魔法のじゅうたん」だったのです。彼はこの新アイテムを使って、難事件を解決していきます。
スベントンの大好物が「セムラ」というお菓子です。本当は復活祭の前にだけ食べる季節のお菓子なのですが、ストックホルムのある菓子店だけは一年中セムラを作っていて、スベントンはしばしば女性秘書に頼んで(仕事がなくお金もないので、ツケで)買いにやらせ、楽しんでいるのです。
スベントンには一つ弱点があり、それは「舌がまわらなくてうまくしゃべれない言葉がある」ということです。本名は「ストーレ・スベンソン」というのですが、自分で自分の名をうまく言えないことから、彼は「トーレ・スベントン」と改名してしまいました。またピストルのことは「ピトル」、セムラのことも「テムラ」としか言えないそうです。
いったいテムラならぬセムラとは何ぞや?生クリームをたくさん使ったケーキのようなものだと本には書いてありました。缶に入って売られているらしい。(スベントンはある大事なものをセムラの缶の中に入れたまま忘れてしまい、窮地に陥ります)スベントンの留守中、事務所に侵入した謎の大男に、1ダースのセムラを食べられてしまう。ヒントはこれだけ。一度見てみたい食べてみたいと、将来の邂逅を待ち焦がれておりました。
しかしセムラの情報を目にすることはなく、子供の頃の話ですから、いつしかセムラのことは私の意識から遠ざかっていき、まったく思い出すこともありませんでした。
ところが先月、ある雑誌でセムラを目にする機会があり、何十年ぶりの再会?にびっくりしたのです。
台湾あれこれ (2)食べもの
20170212
備忘録も兼ねて書いております。今回は書き残した食べものネタなど。
1、台中の公式晩餐の後でみんなで寄った、街なかの小龍包のお店です。台中は飲食店の閉店時間が早く、10時になればみんな仕舞ってしまいます(その割に床屋さんなどは遅くまでやっている)。たまたま開いていた店で、このほか焼餃子、水餃子や乾麺(汁なし麺のこと)など注文し突っつきました。味は、ごく普通のお味。
2、台北に移動し、101という超高層ビル地下のフードコートで。魯肉飯(ルーローハン)と豆花(トウファ、小豆とピーナツ入り)。
魯肉飯は前から好物なので、ぜひ本場物を食べたいと思っていました。名前にサカナの字が入っていますが魚肉ではなく、刻んだ豚バラ肉を甘辛く煮込んでご飯にかけたもの。台湾人の国民食、日本で言えば牛丼みたいなものですな。フードコートでは味はこんなものか、街角の昔からの店で食べてみたかった。豆腐のデザート豆花は、フルーツ缶のシロップみたいな、もっと甘いものを想像していましたが、意外にあっさりした味でした。
3、とはいってもアジア各国ではフードコートが盛んで、台湾も例外ではありません。101のフードコートはものすごく広い店で、飲食店も20以上並んでいます。しかし酒類はどの店でも扱っておらず、フロアの一角にあるスーパーから買ってきます。これはガイドブックにも載っていたパイナップルビール。果汁5%アルコール度2.8%、トロピカルドリンクみたいで飲みやすい。
4、僅かな自由時間を使って故宮博物館を駆け足で巡ってきました。最大の目玉品、石工芸の「白菜」は単独で別室に置かれる厚遇ぶり。タイミングよく、そう待たないで見られました。素晴らしい細工で本当によく出来ています。同じく有名な「豚の角煮」はどこかに出張中と見えて、お留守。
5、訪問先でお土産をいくつも頂戴しました。これは葱入りのクラッカー。台湾は葱の大産地で、葱クラッカーもガイド本に載っていました。いただいた品はクラッカーを2枚合わせて、中に甘くない固いクリーム?が入っています。オヤツよりもお酒のつまみにいいです。
6、台湾の定番土産菓子といえば、昔なら月餅、今ならパイナップルケーキ(土鳳梨酥)。ご存知パイナップルのジャムを中に入れた焼菓子で、家に帰ってから4種類を食べましたが、ものによって違いが大きく、一番おいしかったのがこれです。忘れないように書いておきましょう。陳允宝泉(CHEN YUN PAO CHUAN)製のもの。台中の会社ですが台北101などでも売っているようです。
台湾の宴会料理 (2)食べもの
20170120
二日目の晩餐会は、前日の駒ヶ根主催夕食会のお返しとして、台中市政府主催で行われました。星享道酒店(In Sky Hotel)というところで、今回の行程では最もゴージャス感がありました。ここには台中から、主に観光や登山関係、これまでに駒ヶ根を訪れた人などが出席しました。写真1は市庁舎訪問の時にも挨拶された方で(お名前失念)この宴のホスト役に当たります。
(写真2)二年前に駒ヶ岳で「純白の結婚式」を挙げたご夫婦。6~7組のご夫婦が出席されていました。ご主人は警察官だそうです。赤ちゃんがぐずって、交代で外に出てあやしていましたが、ちょっぴり居心地悪そうでお気の毒。
(写真3)お品書き。(写真4)左は二種の腸詰と豚脂燻製のおこわ。台湾の腸詰は独特の風味で美味しいです。当社でも昔は在庫していましたが、あまり需要が無く今は扱っていません。残念。
右は骨付きの唐揚げ(韮香腿腱骨?)ですが、チキンにしては骨がまっすぐで味も微妙に違うと思ったので、店のウェイトレスさんに「これなあに?」と通訳さんを介して訊いてみたところ、「豚」だとのお返事。味も見た目も肉の繊維の様子も、どうみても豚ではなく、鳥のたぐいであることは間違いありません(周囲の人すべてが同じ感想でした)。
「絶対に豚ではない筈、もう一度聞いてきてよ」と食い下がりましたが、すぐに帰ってきて「豚です」と。あーこれはもう、仕方がないね。何だったのだろう?
(写真5、6)台中から台北へ移動した最終日。台日文化経済協会(台湾の経済界組織)との懇談会・夕食交流会です。蓮田飯店というところ。組織の性格上皆さん日本語が堪能な人ばかりで、この日ばかりは通訳要らず。しかし相手が日本語を話してくれることに甘えて、こちらが台湾語を您好と謝謝しか話せないというのは、忸怩たる思いもありますね。
この方は名誉会長の鄭さんという人で、組織のドンです。大臣の首をすげ替えることもできるような方だそうですよ。
ここではビール老酒に加えて、金門高粱酒というものが出てきました。アルコール58度。中国本土で飲んだ白酒(パイチュウ)に比べるとはるかにまろやかな味わいがあり、ちょっと驚きました。これを小さなグラスでチビチビやります(時々乾杯しながら)。金門というのは島の名前で、このお酒の産地だそうです。
台湾の宴会料理 (1)食べもの
20170118
公式訪問の成果や内容をいろいろ書くのは、同行されたどなたかにお任せしましょう。「おいしいことなど徒然と」のタイトル通り、読者の皆様が期待されている(と思われる)食い物ネタでどんどんいきたいと思います。
訪問中3泊4日の日程で、中華のフルコースを4回頂戴しました。もちろん公式行事ですから、小籠包とチャーハン、というわけもなく、きちんとした食事が出てきます。
初日の夜は駒ヶ根市主催で台中の多くの関係者をお呼びしての交流会。宿泊したホテル「全国大飯店」の宴会場にて。私は事情によりお昼を食いっぱぐれ、空腹に勝てず宴会前に街のラーメン屋で牛肉麺(写真1)を食べるという愚挙に出てしまい(大変おいしかった。一人で3杯食べたわけではありません)初めから胃の容量にハンディを背負うスタートでした。
8品くらいが次々と供され、それぞれおいしく頂きました。写真2は巨大な豚足煮込みと柔らかい穂先メンマ。台湾で豚足はめでたい縁起物だそうです。とろけるように柔らかく煮込まれたものを、パン(割包ではなく、ハンバーガーのバンズ)に挟んでいただきます。
お手本を見せてくれた女性(写真3)は現地在住日本人の通訳の方ですが、「台湾の料理は全般的に味がうすい」と言っていました。言われてみればこの豚足も、日本の感覚で言うともうひと味あってもいいか…という感じ。
お酒は台湾ビール、老酒、ワイン(Vin de pays d'Oc)。例によって乾杯の連続で、初日から相当盛り上がったテーブルもありました。もう完全に満腹で一日目終了。
二日目の昼は商工会議所チームで訪れた台中港近くの工業団地のレストラン「台中港酒店」で、現地工場の関係者とご一緒に。ここは10階建てくらいの堂々たる楼閣で、海鮮料理のお店です。海が近いから魚が新鮮とのことでしたが、いまどきそんなこと、関係あるかな?
コース(写真4)の最初は日本式のお刺身から。「日式綜合赤身」とありました。日本の感覚より幾分厚めに切られた刺身はなかなかのもの、特に天使蝦がおいしかった。当社でも扱っておりますよ。わさびがビー玉くらいの大きさに固く丸められて出てきました。台湾の人も普通に日式刺身を食べるようになったのか、あるいはやはり日本人が食べるためのメニューなのでしょうか?
不思議なのは、刺身に添えられた「黒豆」の存在。日本の甘く煮た黒豆そのままです。この店だけでなく他の店でも出てきました。
中に「鯛蒲焼のおこわ」とあり、どんなものかなと興味津々でしたが、出てきたものはどう見ても鯛ではなく「うなぎ」。でもお味は、非常においしかったですね。中華おこわって、どう作ってもおいしいよと改めて思います。