元祖のソースカツ丼食べもの
20170401
ソースかつ丼を街おこしの旗印と掲げている担い手の一人としては、全国に数あるソースカツ丼をひと通り知っていなくてはなりません。福井市と言えば、ソースカツ丼では全国一の知名度を誇る街。ライバルの本拠地に乗り込んだからには、ぜひとも本丸を制覇せねば。
(記事中「かつ」と「カツ」は意図的に使い分けております。駒ヶ根のは、ひらがなです)
というわけで、本丸「ヨーロッパ軒」に乗り込みました。開店が11時、お店に着いたのは11時半くらいですが、2つのフロアがほぼ満席で、空いていた一卓に辛うじて座れました。メニューは揚げ物中心に結構たくさんありますが、注文はもちろん、ソースカツ丼。
出てきたのは事前にメディアやネットで見たとおりのものです。丼の上に薄いカツが3枚。パン粉はとても細かく、肉は脂身なし、千切りキャベツはもちろんなし、ご飯にかかったソースは醤油よりもウスターソース寄りの味でやや多め、といったところ。お店によれば、衣と肉のバランスを考えてこの厚みにしているとのこと。変わっているのは、丼とは別に小皿のソースが供され、必要に応じてお使いくださいという点でしょうか。
食べてみた感想は―あくまで個人的なものですよ―正直、物足りないですねえ。肉の薄さと脂っ気のなさは「トンカツを食った」という満足感を与えてくれません。家族たちも同意見。私はカツ丼にはバランスよりもボリューム感が欲しい(盛りの多い少ないとは必ずしも一致しません)し、豚肉の旨さは脂にあると思っていますので、これでは食べた感じがしませんね。
福井のこの店が歴史的にソースカツ丼の発祥であり「元祖」であることは、確かなようです。地元の人に愛されて永く繁盛しているのですから、結構なこと。その上で、駒ヶ根のソースかつ丼も、大いに自信を持っていいと思います。目指すコンセプトがまったく違います。
全国のB級グルメ行脚をされる方々、福井を食べて「これがソースカツ丼か、ふむふむ」と納得してしまわずに、駒ヶ根もぜひ食べ比べていただきたいですね!