巨大茄子日々雑記
20220830
我が家の家庭菜園で妻がささやかに野菜を育てております。って、この書き出し、思い出したように登場しますね。おうちの菜園シリーズその?回。
ミニトマト、オクラ、ししとう、茄子、ピーマン、パクチー、ルッコラ、など。ちょっとばかりの面積によくこんなに植えたものです。夏になり収穫の時期を迎え、今はミニトマトとししとうがよく食卓に上ります。
茄子はあまり数はできないのですが、この間久しぶりに畑を見たら凄い奴が鎮座しています。デカくて重いのでまるで地面に根が生えているように見えます。
色も何だか不気味で(触ってブヨブヨしてたらどうしよう、私ゃ田舎者のくせに畑は苦手です)妻に「凄いのあるぜ」といったら自分で採ってきました。手にずっしり、大変な存在感です。
どうやって食べますかね?「丸茄子のステーキ」ってこの前TVでやってましたが、いいかも。
善児、死す読んだり見たり
20220829
「鎌倉殿の13人」面白いですねえ。日曜夜は伊那フィルの練習と重なるので録画して翌日以降観るようにしていますが、最近は待ちきれずその日のうちに観てしまいます。私は学生時代日本史を真面目にやらなかったので、鎌倉時代については中学生程度の知識しかなく、大河ドラマは大変勉強になります。
昨日の放送第33話は、修善寺に幽閉された二代将軍頼家(金子大地)を暗殺する場面で終わりました。手を下すのを命じられたのはこのドラマオリジナルの人物、善児(梶原善)。
番組をご覧の方は先刻ご承知ですが、善児は主から密命を受けて邪魔者を殺害する死刑執行人です。相手が子供であってもためらうことなく命を奪います。台詞は極端に少なく表情もほとんど変えない不気味なキャラクターで、本作が始まってから前回までに12人を殺しているそうです。毎回登場するわけではなく要所要所で出てきますが、タイトルの登場人物に善児の名が現れると「今日は誰が殺されるのか」と視聴者が戦慄する、とまで言われていました。
先週の第32話で、その善児に変化がありました。主人公北条義時(小栗旬)から頼家の長男、一幡殺害を命じられたものの、苦しそうに拒否する善児。理由を問われ「儂を好いてくれている」と涙する。殺人マシーンが初めて見せた人間らしい姿に、ああ、これは死亡フラグだなと思った人は多かったでしょう。(一幡は結局、善児の弟子トウ(山本千尋)が殺します)
さて頼家との対決。善児はいつも一撃で相手を殺していたので、一対一の死闘を演じるのは初めてです。その俊敏な動きは驚くばかり。このドラマにはあまり出てこない本格的な殺陣を見せる二人。頼家役もお見事。善児が頼家を追い詰めたときに目に入る「一幡」の文字。頼家が一幡を供養していたのです。一瞬ひるんだところを頼家の白刃が突き刺します。やっぱり死亡フラグでした。
止めを刺そうとした頼家はトウに殺され、瀕死の善児もまたトウに「ずっとこの時を待っていた…父のかたき!…母のかたき」と殺されます。トウは以前、善児が源範頼を殺害したところに居合わせ巻き添えで殺された農民夫婦の娘で、孤児となったのち善児に後継者候補として育てられていたのです。この設定は、これまで何人もの人が「生かしておけば将来に禍根を残す」と善児に殺されてきた因果がブーメランのごとく返ってきたもの。
このドラマは最近では毎回重要人物が死んでいく重苦しい内容です。それをエンタテインメントとして見せ、視聴者の予想を裏切る意外な結末でありながらじゅうぶん納得させる、三谷幸喜の脚本が冴えわたっていると思います。
天下の糸平日々雑記
20220825
「天下の糸平」こと田中平八(1834-1884)は、信濃国伊那郡赤須村(現在の駒ヶ根市)に生まれ幕末から明治初期に実業家・相場師として活躍した人物です。駒ヶ根では最近、この人の生涯や業績に光を当てるべくさまざまな催しがあり、先日は業績を語る講演会が開かれました。
丁稚奉公から仕事を始めた平八は田中家の婿養子となり、生糸の商売を始め、横浜に出て海外商館向けの商いで財を成し、さらには両替商としてドル売買の利ザヤで稼いだり米相場を張ったりするなど幅広く活躍した人です。渋沢栄一とも親しく交友がありました。
のちに東京株式取引所を設立し、その大株主になるなど近代の日本経済に大きな働きをした人です。その割には全国的にはあまり知られていませんが…
天下の糸平の名はもちろん生糸商としての活躍によるものです。私の曾祖母の実家は同時期に生糸製造をして、日本が初参加した1867年のパリ万国博に製品を出品したこともあると聞いています。糸平の商売とももちろん関係があったことと思います。
東証金融リテラシーサポート部の石田慈宏氏による講演はわかりやすく、糸平の業績や人物についてごく僅かの知識しかなかった私にはなかなか興味深いものでした。
糸平の出生地は現在駒ヶ根郵便局のある場所で、記念する石碑が立っています。我が家から徒歩3分ほどの近所です。足を止める人は少ないと思いますが、地元民の私たちはもっと彼について知っていてもいいですね。小中学校でも地域の歴史として扱ってほしいものです。
講演の最後に、東大卒タレントの高田万由子氏が糸平の子孫であることが披露され、ちょっと驚きました。糸平の三男、釜吉が当時機械や軍需品の輸入商社であった高田商会に婿養子として入り、真由子氏はその曾孫にあたるのだとか。あの有名人のルーツが駒ヶ根にあったとはね。
Camp Strawberryお店紹介
20220819
この夏、我が家のごく近所に2軒のお店がオープンしました。どちらも私とたいへん関係の深いお店ですので、本欄で皆様にご紹介させていただきます。1軒目は「キャンプ・ストロベリー」。
駒ヶ根商工会館の1階に以前バスターミナルがあったのですが、コロナで高速バスの利用者が激減したこともあり、事務所・待合室・チケット売り場が閉鎖されてしまいました。バス利用者が暑さ寒さをしのいだりトイレを使うことができなくなり、不便を強いる状況でした。(バスには変わりなく乗降できます)
この場所をカフェ&土産物店として活用しようとある人が立ち上がり、さまざまな工夫をしてお店をオープンしたのです。ある人というのは市内でいちご農家を営む私の弟夫婦であります。
カフェでは自ら育てた評判のいちごを使ったシェイクやスイーツを提供し、地元の農家さんが育てた旬の果物と野菜を販売します。冬からのシーズンにはもちろん自社「信州駒ヶ根いちご園」のいちご、またジャムやジュースなどの加工品も並びます。いちごをたっぷり使ったシェイク、たいへんおいしいですよ。
街なかにある直売所として、バス利用者のみならず市街地に住む人たちにも利用していただきたいと言っています。ぜひご利用下さいますよう!私からもお願いします。
(写真はあえてお客さんがいないタイミングを狙って撮りましたが、実際はお客さんがなかなか途切れず、何度もお店の前を通ってようやく撮影できました)
関連リンク: CampStrawberry
小さくても心に響く花火日々雑記
20220818
この夏は地域のお祭りや各種イベントの開催の有無が注目されました。新型コロナ感染者は増えているものの行動制限などが出されない中で、主催者は結論を出すのに大変悩んだことと思います。当地の近隣では多くが中止、または大幅に規模縮小という形になったところが多かったようです。
駒ヶ根では、夏を盛り上げた二つのお祭り「KOMA夏」「天竜ふるさとまつり」が中止となりました。コロナによる一時的なものではなくて、それぞれ様々な事情を勘案してのものです。KOMA夏は私も主催者の一人ですが、時代に合った内容を考え別の形で来年以降の開催を目指しています。
天竜ふるさとまつりは市内東部の地域が主催して駒ヶ根随一の花火大会として人々が毎年楽しみにしていましたが、なかなか負担も大きかったようで、これをもって打ち止めということになりました。残念ですが致し方ありません。
そうはいっても夏を盛り上げようと有志の人たちが花火大会を計画し、お盆中の8月14日に開催されました。二尺玉も上がったこれまでのものとは規模は比べるべくもありませんが、手作り感のあるアットホームな花火大会となりました。
当日は二か所から競い合う形で花火が打ち上げられました。打ち上げの所要時間が約20分と短く、そのかわりに間隔を置かず矢継ぎ早に上がる花火を近距離で楽しむことができました。
費用はクラウドファウンディングや地元企業の寄付などで賄われ、当社もささやかな寄付をさせていただきました。地域の風物詩となっているお祭りの流れを絶やすことなく次に伝えようと頑張られた、主催の(一社)駒ヶ根魅力発信プロジェクトの方々の心意気が嬉しい花火大会であったと思います。
商工会議所でも、このようなお祭りを継続的に開催できる仕組みづくりを駒ヶ根市に提言しております。
関連リンク: ”心に響く”大輪花火 駒ケ根市竜東地区(長野日報)
平らなワインボトル 飲みもの、お酒
20220809
オーストラリアで「平らなワインボトル」が新風を巻き起こしているのだそうです。日経MJの記事にありました。平たいボトルとは何ぞや?
写真のようなもので、英国の業者が開発したエコフラット・ボトルというそうです。何だか化粧品の瓶みたい。プラスチック製で厚みが3.5㎝、重さは約63グラム。従来型ガラスのワインボトルは直径8㎝前後で、重さは平均して532グラムくらいですから(我が家の裏口にたまった空き瓶調べ)相当な違いです。
これは、考えましたね。普通段ボールケースに12本入っているワインは、いかにも隙間が多くて箱の大きさに無駄が出てしまいます。この形なら「重ねて収納」することができますから、輸送時にも店頭陳列時にもスペースの効率化に貢献するでしょう。この写真ではよくわかりませんが、ちゃんと普通サイズ750㎖が入っているのかな?
ペットボトルに入ったワインは以前からありました。特にボジョレーヌーボーのように高い航空運賃をかけて運ぶワインの場合は、軽量化に大きな意味があります。手にしたときにあまりにも軽いため、ワインのありがたみ(イメージ)がいささか損なわれるという欠点はありますが、家庭消費の際にはそう関係ないと思われます。
問題は保存期間です。ヌーボーのようにせいぜい数か月、長くても1年以内に消費することを前提としたワインを入れるにはいいですが、長期保存には向きません。日光が当たるのはガラス瓶でも同じです。やっぱり気密に問題があるのでしょうかね。
記事によればエコフラットボトルは「19か月程度品質を保てる」とあります。19か月とはまた短い!ミネラルウォーターのペットボトルだって、商品によってはもっと長もちするのでは。これまで考えずに済んだワインの賞味期限を気にしながら販売するのでは、卸や小売の負担がかなり増えてしまいそうです。
平べったいワインボトルは従来からありました。ドイツのフランケン地方に伝わる「ボックスボイテル」という瓶がそれです。この言葉は「山羊の陰嚢」という意味で、昔ワインを入れて保存した皮袋の形態によく似ているからだとか。本当に陰嚢を使っていたわけではないと思いますが…。
フランケンワインは以前(ワインの勉強を始める前)時々買ってみて、すっきりさわやかな白でなかなか美味しいと思っていました。最近とんとご無沙汰、久しぶりに飲んでみようかな。
それにしてもこのボトルの形、これだけ薄くて軽いとテーブルの上で倒してしまうリスクが相当大きいと思われます。楽しい夕食が嘆きの場にならなければいいですけど。
絶不人気のちむどんどん読んだり見たり
20220808
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」が大評判になっています。過去に例を見ない駄作だと。私は当初このドラマが食をテーマにしたものだと聞き、それだけの理由で放送開始から欠かさず観ていますが、残念ながらこの評価にまったく同意します。
沖縄出身の主人公、暢子(黒島結菜)ら4人兄妹は父を亡くし借金を抱えた中、母優子(仲間由紀恵)の頑張りによって育ちます。小さい頃から料理好きな暢子は高校卒業後ひとり東京に出て、沖縄県人の集まる居酒屋に下宿しながら高級イタリア料理店で修行を始め、そこで幼なじみ和彦(宮沢氷魚)と再会します。和彦は昔、父の仕事の関係で数か月沖縄に滞在していたのです。無意識のうちいつの間にか和彦に惹かれてゆく暢子。
新聞記者になっていた和彦には愛(飯豊まりえ)という同僚の恋人がいますが、暢子の出現によって和彦の気持ちは揺れ動きます。6年間付き合って結婚式場予約の話まで出ていた愛にとうとう「全部なかったことにしてほしい」と三行半を突きつけ、その日のうちに暢子に告白する、という呆れた行状におよびます。放送一週間ののち二人は(交際0日で)結婚の約束を…!
ドラマで描かれる暢子は、自分の思いが正しいと終始突っ走ります。取り巻く人に対する配慮や考察がなく傲慢で、視聴者の好感を得られていません。愛のほうが明らかに魅力的な人物になってしまっており、主人公でありながら暢子に味方する視聴者がほぼ皆無という不思議な状態になっているのです。
不評の最大の原因は、デタラメで雑な脚本にあるでしょう。もう、いっくらでもおかしな点を挙げられます。たまに暢子のもとに現れてはすべてをぶち壊す兄、賢秀の場面はもはやドラマではなくコントです。何度それを見せられても庇い続ける激甘の母親。
主人公が何かの努力をして成長する場面がない。肝心の料理修行の描写もない。窮地に陥っても自分の力で切り抜けるのではなく、おかしな偶然や周囲の助けでわけがわからないうちに解決してしまう。暢子と和彦の演技力のなさ、表情の乏しさ(もしかして演出なのか?)も大したものです。
twitterには「ちむどんどん反省会」というハッシュタグができており、その日の放送への突っ込みが毎日数えきれないほど書き込まれています。私もドラマを録画で観てからその日の反省会を読むのが楽しみで、ちむどんどんを観続けています。視聴率はそう悪くないようですよ。本欄でこんなに悪口を書くのも珍しいのですが、終了まであと二か月、あっと驚く逆転はあるのでしょうか?