紅麹、騒然しごと
20240330
小林製薬の紅麹サプリメントで多くの人が健康被害を発症し、亡くなった方も出たとのこと。まだ明らかでないことが多く断定できないのですが、健康のために飲んでいたサプリのせいで健康を損なったというなら、何と皮肉なことでしょうか。
困ったことには、どのような毒素がいかなる原因で生成されたかがまだわからない。何をどう対処したらいいか、雲をつかむようなことになってしまいます。特定のロットで問題がでているようなので、同社の紅麹すべてが危険というわけでもないと思われるのですが、そうはいってもとにかく回収して原因を調べないことには前へ進めません。
さらに困ったことには、これがサプリとしてのみならず他の製品の原料として広く使われていたということ。2002年、ある香料の原料に食品衛生法で認可されていない添加物が含まれていたとして、それを使っていた数百社の食品が回収される大きな事件が起こりました。私たちの記憶に新しく、今回の事件があの再来になりはしないかと震える思いで注目しています。
この騒ぎで「紅麹」と名の付くものすべてに人々が不安感を持ってしまうのではと残念に思います。紅麹は天然の赤い色素として長年にわたって広く使われていて、たとえば沖縄の伝統食「豆腐餻(とうふよう)」の重要な原料にもなっています。思い出したら食べたくなってきましたが、この辺では入手しにくいですね。
特定メーカーが製造した、特定ロットのものが被害をもたらした(と思われる)のであって、紅麹はきちんと注意を払って使えばそんな危険なものではなかったはず。ましてや「ベニコウジ色素」は食品衛生法で許可されている天然の食品添加物として広く使われていて、私たちの周囲にもそれを使った食品はたくさんあります。
これらのものに別段の害がないことは、この事件を報道するメディアはきちんとコメントするべきです。サプリとして毎日飲用するものと、色素として微量(ほんとに微量です)を使ったものとのいわゆる「量の概念」も、冷静に考える必要があるでしょう。
発覚から報告までに時間がかかり被害を広げたなど、小林製薬の責任は大きいものです。原因究明も大急ぎでやってもらわねばなりません。健康被害者はもとより、善意でこの原料を使っていた二次製品のメーカーや取り扱った業者(幸いなことに3/30現在、当社扱い品では関係する製品の報告はありません)の被害が少なくて済むように願います。
まちなか保育園日々雑記
20240325
駒ヶ根市中心市街地に保育園ができる。昨日完成イベントにお招きいただいて、行ってまいりました。
その名は「J'sほいくえん駒ヶ根」。駒ヶ根に本部を置くJOCA(青年海外協力隊OB組織)が開設しました。0歳~2歳の未満児に特化した小規模(定員18名)の保育園です。
街の中の保育園のコンセプトは、商店街の人たちと一緒に子どもたちを育てること。建物の中だけでなく商店街を遊び場として、地域一体の人の輪をつくるねらいです。
建物や設備もさまざまな工夫をこらされた現代風のもので(最近の保育園、というものを見る機会がほとんどないのでよくわかりませんが)中にはネットが張り巡らされ遊び心たっぷり。
いいですね、私もこんなとこへ通いたかったです。保育園時代の私は本好きで、他の子が外で遊んでいるのに本ばかり読んでいたらしいですが、ここには図書ルームはないみたい(入るのは未満児さんですから、本にはちょっと早いか)。
まちに子どもが集まるのはとても良いこと。子育てと商店街活性化という二兎を、ぜひ追っていくことを願いたいものです。
北陸は遠し日々雑記
20240318
土曜日。TVはどこを回しても、北陸新幹線の敦賀延伸(この言葉、誰かの人名に見えてしょうがない)の話題で大盛り上がりでした。地元紙の福井新聞は、始発列車が一駅停まって発車するごとに号外を発行する大はしゃぎぶりで、まるで実況だと言われました。いいじゃないの、微笑ましく愉快です。
残念ながら南信に住む私たちにとって、今回開通のメリットはほぼありません。駒ヶ根から福井へ行く時間距離の最短は、全区間クルマを使い米原回りで3時間45分ほど。約300㌔の行程です。
長野までクルマ、そこから新幹線を利用すると、駒ヶ根から長野まで2時間弱、長野から新幹線で福井まで2時間強で合わせて4時間かかります。全線JRだと5時間(いずれもGoogleによる)。
北陸の主要都市では、新幹線開通前は金沢が最も遠かった。上越回りでも米原回りでも、いずれも「真裏」に当たる位置関係でした。
長野、新潟、富山、石川、福井の5県を「北信越」とひとくくりにすることがありますが、正直に申し上げて日本海側の4県と一緒の仲間というのは、距離も遠く共通点が少なすぎます。長野市の人ならともかく、南信の私たちにはまったくピンとこない。福井や石川へ行くまでに「東海」「近畿」の2つのエリアを通過するのですから。
福井へ初めて行ったのはわずか7年前のこと。それ以前は通過点として足を踏み入れたことはあっても、旅行や会議の目的地として訪れる機会はなかなかありませんでした。これからはどうか?カニを食べに行くのは駒ヶ根の姉妹都市、石川のかほく市だし、東尋坊も永平寺も見ちゃったからなあ。また勉強してみましょう。
ゴジラ、オスカー受賞日々雑記
20240314
先日発表されたアカデミー賞。「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞、おめでとうございます。「君たちはどう生きるか」はどういうアニメなのか未だによくわからんので、本欄ではパス。
公開時に東京の映画館で観ております。ゴジラの恐怖を人情噺にしてみせるとは、こういうやり方もあったのだなと発見でした。政府の対応や各界のアウトローたちの活躍をひたすらドライに描いた「シン・ゴジラ」とはまことに対照的で、それぞれの面白さがありました。
「-1.0」に登場する重巡洋艦「高雄」はかつてプラモで親しんだ軍艦ですし、戦闘機「震電」はその極めてユニークなルックス(プロペラが機体の後部についている)が強く印象に残っており、飛ぶところを見せてくれたのは大変嬉しかった。震電は完成が終戦直前だったため、実際は試験飛行をしただけに終わっています。
ロケに使われ評判になった岡谷の旧市庁舎は、レイクウォークやカノラホールのすぐ近くにあるのでしょっちゅう前を通ります。同じく昨年のヒット映画「怪物」も諏訪でのロケで話題になりました。こういうのは地元は嬉しいですよね。
駒ヶ根市街で撮影された映画はそうないだろうと思いますが、私が大学生になって間もない頃に公開された映画「日本フィル物語-炎の第5楽章」は駒ヶ根が舞台でした(だからこそ観に行った)。ロケが駒ヶ根で行われたシーンは実は少なかったものの、主人公たちを乗せた車が我が家の前を通る場面が一瞬あって、映画館で人知れず狂喜しました。
視覚効果賞というのはあまり注目したことがありませんが、ハリウッドの巨大資本でつくられた映画がもっぱら受賞しており、スターウォーズ、E.T.、ジュラシックパーク、タイタニック、アバターなど、いかにもカネをかけたものばかり。「-1.0」はそれらに比べてはるかに低予算で、創意工夫でこれだけのものを作った、と驚きをもって迎えられました。欣快至極なり。
終戦間もない銀座の街を破壊する描写や大波の描き方が凄いと評判になりました。いまTVなどで映像を見ると確かにリアルで、出来栄えは素晴らしいと思えます。映画を観たときは、そこまで気が付かなかった。ということはやはり自然で良くできていたということでしょうか。一般人の私たちは、そういうとこだけ取り出して観るわけじゃないですからね。
ハリウッドも最近はポリコレ旋風が吹き荒れ、何だかおかしなことになりつつあると聞きますが、そんな中でも部門賞とはいえ日本映画が2本も受賞したというのは、嬉しいものです。
指宿のそら豆食べもの
20240308
鹿児島県は全国一のそら豆生産量を誇ります。当地でも店頭に並ぶものは鹿児島産が多いですね、早いものは12月から出荷が始まり、何か月にもわたって収穫が続きます。中でも指宿市はそら豆の名所として有名です。そら豆は大好物で以前本欄でも取り上げました(2014.5)。
行ったその日に早速、お土産に送ろうと思ってJA指宿の直売所で箱入りを買い求めました。夕方だったので、もうあまり残っていませんでしたが…大粒のやつ、2㌔で税込み二千円でした。さすが産地、安い。
次の日、開聞岳ふもとの池田湖に車を走らせている途中で、そら豆の畑を何か所も見かけました。ちょっと車を停めてパチリ。
ご覧の通り、莢がどれも上を向いて生っています。空豆、天豆の名前は、空を向いて実が生ることが由来だと言われる通り。元気いいですね!(蚕豆とも書きますが、実の形が蚕の繭に似ているため)
帰って段ボールを開けると、みずみずしい緑色がびっしりずっしり。早速茹でてそのまま食べます。ホクホクした春の香りが幸せを誘います。莢ごとこんがり焼くのが最近は流行りですが、我が家のレンジではあまりうまく焼けなかったため、結局全部茹でて食べてしまいました。本当は天ぷらにしたり、空豆炒めなども試したかったのですが…
好物をムシャムシャたくさん食べられてちょっぴり幸せでした(10年前も同じようなことを書いています)。そら豆の時期はまだまだ続きます。
桜島日々雑記
20240305
鹿児島へ来たならば、何といっても桜島。読者の皆さまにも訪れた方は少なくないと思うので今更ではありますが、お付き合いを。
鹿児島市街からフェリーで渡ります。所要時間15分。船内食堂で供される「うどん」はなかなかの評判で、これを食べるためにわざわざ乗船する人もいるそうですが、今日は夕食のためにお腹を空けておかないと。
島は一周36㌔。途中、道の駅とか、温泉とか、溶岩展望所(鬼押出しそっくり)など寄り道をしながら回ります。
島のあちこちにはコンクリートでできた噴火時の待避所がバス停のように設置されていて、なるほどと思います。備えあれば憂いなし。
今でも年がら年中、小規模な噴火を続けています。この2月14日には、4年ぶりという規模の噴火が起こり、噴煙が5000㍍の高さまで届いたばかりでした。風向きによるのでしょう、島の東側にさしかかると、それまで感じなかった灰を対向車がもうもうと巻きあげながら走っていて驚きました。
駐車場に停めてあった誰かのレンタカーもこの通り。どれくらいの時間、停まっていたのかわかりませんが…日常生活への影響も、現地の方は慣れっこだとはいえ、大変なことでしょう。
桜島名物といえば、ご存じ桜島大根と並んで「小みかん」が有名だそうです。知らんかった。旬にはちょっと遅く、島では売っているところを見かけませんでしたが、天文館の八百屋さんにありました。小さくてかわいく、甘みも十分。見た目はシワシワですが、中身はみずみずしいです。
(追記3/7)今日の深夜、ブラタモリの再放送で桜島をやるらしいです。これは観なくては。
鹿児島へ日々雑記
20240301
3連休。折角だから遠出をしてみようかと、鹿児島を訪れました。初訪問です。3日間通して天候は今イチでしたが、短い中で駆け足の観光と、毎度のことながら食の探訪を楽しみました。
指宿の砂蒸し温泉、知覧の特攻平和会館、桜島、天文館、霧島神宮と、ひと通りの観光名所めぐり。広い信州に住む我々にとって鹿児島はコンパクトで、それほど移動に時間がかかった感はありません(ただし大隅半島には行っていない)。雨っぽくも気温は暖かく、あちこちで菜の花がたくさん咲いていたのに驚きましたが、もう菜の花の時期は終わりに近いと言われて二度びっくり。
鹿児島市の中心繁華街、天文館(かつて島津公お抱えの天文学者の観測所があったそうな)はとても広い面積を持つエリアです。地方都市で「面」としてこれだけの繁華街を持つとは、侮れません。シンボルとしてそびえたつ山形屋百貨店は、昭和初期のような堂々たる風格の建物で魅力的ですが、平成10年の改修で復元されたものだそうです。
天文館へ来たら、何をおいてもまず「白くま」でしょう。フルーツをちりばめ乳白色の蜜をかけたかき氷。冬だって関係ないさ。発祥のお店とされる「天文館むじゃき」は喫茶、洋食、居酒屋など何フロアもある飲食ビルで、どのフロアでも白くまは注文できます。レギュラー品のほかにチョコレート白熊、ストロベリー白熊、プリン白熊、南海の黒熊(黒糖蜜である由)など14種類ほど。
蜜にはミルクに加えほんのりカスタードのような味もミックスされていて、甘すぎずしつこくなく、いくらでも食べられそうです。フルーツもたくさん!さすがに本家だけのことはありますなあ。中に「スイートロール」なるサツマイモの菓子を輪切りにしたものが入っていて、異彩を放っています。(プリンの右下に見えている)
他にもいろいろネタを仕込んできたので、別記事にて。
関連リンク: 天文館むじゃき