為替ジェットコースター日々雑記
20240430
ついに1ドル160円。瞬間のこととはいえ、祝日の不意を突かれた感があります。この日に休みなのは日本だけですからね…
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(野村総研)4月29日のアジア市場の朝方に、ドル円レートは一瞬1ドル160円台に乗せた。先週金曜日の日本銀行の金融政策決定会合後に円安が進み、同日の米国市場では1ドル158円台まで円安が進んでいた。週明けの29日のオセアニア・アジア市場では、158円台前半で取引は始まったが、日本時間の午前10時台に一気に1ドル160円台まで円安が進んだ。
円安を加速させる特定の材料があった訳ではないが、日本が休日であるため、政府の為替介入に対する警戒感が薄れていたことが、市場参加者が安心してドル買い円売りを仕掛けることを許した一因と考えられる。さらに、日本が休日のためドル円の取引がかなり薄いことも、市場のボラティリティを低下させ、一気に1ドル160円台まで円安が進んだ背景だろう。
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(ボラティリティ(Volatility)とは、価格変動の度合いを示す言葉だそうです)
これほどの円安となればさらに、日本の自動車は海外でどんどん売れ、外国人旅行者は安い日本旅行を満喫してくれるでしょうが…輸入に頼る食糧、エネルギーの価格は、どうなるのかな?通貨の価値が下がることは国力の低下を意味するといいますが、さすがに不安を感じます。
その後円は急速に値を戻し、何だか弄ばれているような感じさえします。休日にもかかわらず介入があったのかと言われていますが、そりゃあ、介入あったんでしょうねえ。これは放っておけません。しかしもう150円台後半が通常の相場になっていますから、円をいくら買い支えようが大きな流れを変えるのは難しいでしょう。「何で今頃?遅すぎる」と非難されていますよね。
ところで何故、カワセのことを「為替」と書くかご存知でしたか?調べてみると「取り替えることを為す」に返り点をつけたもののようです。これまで考えたことがありませんでした。勉強、勉強。
リンク先は、今の円安をわかりやすく解説しています(長文です)。この見解がどの程度正しいのか私にはキチンと判断できませんが、なるほどと思う部分は多いです。
関連リンク: 「ゆな先生」のtwitterより
井上、閉店へ日々雑記
20240427
松本を、いや長野県を代表する百貨店、井上。来年3月末で店を閉めると発表がありました。松本市民にとっては(たぶん)ショッキングなニュースではありますが、時間の問題だと思っていた人も少なくないのでは。
築45年を経た建物が老朽化し、設備更新にかける費用と期待される収益のバランスが取れないと見込んだのでしょう。松本近郊の山形村に2000年開業した大型SC「アイシティ21」が好調なだけに、経営的にはやむを得ない選択だろうと思います。
中心市街地にある昔ながらの店舗の元気のなさは、ごく限られた機会にしか訪れない私にも感じられました。数年前のバレンタインデー直前の日曜日、たまたま夫婦で松本に来ていて、特設チョコレート売り場を覗いてみてあまりの人の少なさに驚きました。人々に夢を売るデパートがこれじゃ…と二人で顔を見合わせてしまったことを昨日のように思い出します。
閉店するデパートは全国でも相次いでいます。今年1月には松江の「一畑百貨店」が60余年の歴史に終止符を打ち閉店しました。この店には3年ほど前に行く機会があって和菓子を何種類も買ったりしました。そんな寂れた店とは感じませんでしたが。
島根県は山形、徳島に続いて全国3つ目の「百貨店のない県」になってしまいました。長野県では駅前の「ながの東急」が唯一?気を吐いていますが、諏訪の丸光や上田西武などは何年も前に閉店しています。地方都市における百貨店は、車社会で郊外店に客を奪われ、品揃えでも若い人を繋ぎとめることができずにどこも苦戦していると聞きます。
いっぽう大都市では、百貨店は流行の発信地として依然、大きな存在です。私だって東京で時間があればデパ地下には必ず寄ってみます。コロナ禍で大ダメージを受け、最近はまたインバウンドや株高を受けて盛り返していると聞きますが、コロナ前の勢いを取り戻しているのでしょうかね。
松本の中心市街地はシンボルだったパルコ(来年2月閉店予定)に続き、井上という核店舗を失うことになりました。今後のまちづくりをどうやっていくのか、関心を持って見ていきたいと思います。
南極の料理人日々雑記
20240422
長野県食品問屋連盟の定時総会がこのほど行われ、恒例の記念講演では、料理人として南極越冬隊に二度参加した篠原洋一さんのお話をお聞きしました。。
半年間、30人分の食事を補給なしで作り続ける。大変なことだとは想像できます。長期にわたる極寒の閉鎖空間でのこと。健康維持のためにもメンタルのためにも、食事の大切さは私たちが考える以上のものがあるでしょう。
予算総額2400万円分の食材を用意したそうです。ほとんどは日本から持っていき、生鮮品は豪州で調達する。なるべく日本にいるときと同じようなメニューを心掛けている。普段出す食事は質素なものだが、イベント(夏至祭などの祝日や、毎月の誕生会など)のときには「これでもか!」というほど豪勢な料理を出す。カニ尽くしとか、フグ尽くしとか、A5の和牛お腹一杯とか。一生の思い出になるくらいの、と言ってました。メリハリ大事ですね。
料理人は二人。篠原氏は和食の、相棒は洋食の人で、お互いに補完しながら日々の食事を作っていきます。年間の献立表を事前にキッチリ決めておくことはしません。隊員たちのリクエストに臨機応変に応えられることも大事で、そのために豊富な食材を(制限のある中で)用意し、ないものは知恵を絞って代用品を使いながら何とかするとのこと。
南極越冬隊といえば、初代の越冬隊長、西堀栄三郎氏の著書「石橋を叩けば渡れない」を子供の頃読んだのを思い出しました。モノがない環境で、さまざまな創意工夫を凝らして問題を解決していく様子にわくわくしました。
貴重な石油をポリタンクで運ぶ。重いし、足が滑ってこぼすこともある。パイプで持ってくることはできないか。でもパイプは余分に持ってきていない。どうしよう。
1本の鉄管に包帯を巻きつけ、海水をかける。あっという間に凍り付く。何層か巻いていけば十分な厚みになる。鉄管に熱湯を通して抜けば、固い固いパイプの出来上がり。何本も作って接続面に「つば」を塗り付ければすぐ凍って接着し、いくらでも長いパイプラインになる。南極の気温は絶対に零度以上にならないから氷は解けない。…つばを接着剤にするのは、いま考えれば文字通り、眉唾な気もしますが。
話を料理人に戻すと、越冬隊の最も重要な任務は「チーム全員が無事に帰る」ことだそうです。大勢の隊員たちを無事に返してきた篠原さん、飾らず威張らず楽しい話をしていただいて、お人柄も素敵だと思いました。
開山式2024しごと
20240419
恒例の中央アルプスの山開き。商工会議所の立場で毎年参加させていただいています。今日はまた好天に恵まれ、絶好の日和となりました。
山肌はまだ残雪に覆われ、雪に反射した日光でまぶしいこと。ロープウェイの終点、千畳敷の気温は6.5℃で、日差しは暖かかったものの風が吹くとちと寒い、というくらいでした。
開山式の神事、アルプホルンの演奏など、観光シーズンの良いスタートが切れたと思います。春の風物詩的なイベントなので県内のTV局、新聞、皆さん取材に来ていました。今夜のローカルニュースが楽しみ。
ところで伊那市の宮島酒店さん(信濃錦)では、1月に瓶詰めされた新酒を千畳敷の雪の中に埋めて保存し、春になったところで掘り出すということをここ何年か行っています。ちょうどこの日が掘り出す日でした。振動がなく程よい温度で保存熟成させたお酒は、ひと味違うといいます。
観光客に振る舞い酒もあるというのでとても期待したのですが、時間の都合でお酒が地上に出てくる前に山を下りなくてはならず、残念無念なり。
里に下りてきて直会となりました。先月は遭難事故が何度かあり、亡くなった人も出ています。この一年の登山客の無事を祈るとともに、多くの人が山の楽しさを満喫してお帰りいただくことを願います。そして、地元の経済がしっかり潤うことも!
黄金の茶碗日々雑記
20240412
事件の起こる前。はじめはこんな企画、誰が観に行くんだろうと思い、次には不用心じゃないのかという考えもわずかに脳裏をかすめました。私の漠然とした不安が的中してしまいました。
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(産経新聞)11日午後0時15分ごろ、東京都中央区日本橋の日本橋高島屋で「商品が盗まれた」と女性従業員から110番通報があった。警視庁中央署員が駆け付けたところ、8階催事場で開催中の販売会「大黄金展」に出品されていた純金製の茶碗(販売価格1千万円)が盗まれているのが見つかった。現場から男が逃走しており、中央署は窃盗事件として行方を追っている。
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記事の続きには、男が茶碗をリュックに入れて持ち去る様子が防犯カメラに写っているとありました。「ケースには鍵やアラームはなく、会場も閑散とした状態で警備員は気が付かなかった」んですって。
ウチの近所のスーパーだって、ちょっと高いワイン(数千円クラスから)はガラスケースに収納され施錠してありますもの。高価な貴金属を展示するイベントにしてはありえない杜撰さだったのでは。警備員氏もさぞかし叱責されているとは思いますが、会場全体の緊張感の無さが泥棒を呼び込んだのでしょうねえ。まさしく持ってけドロボー状態だったんではないの。
リンク先記事によれば、接客する販売員がお客に手に取って見てもらうために、あえて施錠していないんだそうです。展示会というよりは「即売」ですからね、最初からお得意様を疑いの目で見るわけにもいかないのでしょうけれど…
来週15日までイベントは続くようで、高島屋のホームページには今も大黄金展の広告が載っております。出展品には保険など掛けてあるのでしょうが、まさか話題作りのための仕掛けなんてこと、ありませんよね。(老舗百貨店がそんなことやらん)
関連リンク: セキュリティどうした?(女性自身)
芋焼酎体験(1) 飲みもの、お酒
20240409
私は焼酎というお酒にこれまで馴染むことがなく、すっと敬して遠ざけてきました。飲むことが嫌いなわけではないのですよ。
理由を言えば「味がよくわからない」ということにつきます。わからないとはいっても、展示会の焼酎試飲コーナーで、プラカップに入った透明な液体を舐めて芋か、麦か、米か、黒糖か、泡盛かを当てるゲーム。これまで何度も全問正解して賞品をいただきました。(じつは米焼酎と麦焼酎の違いが正直よくわからないので、偶然のおかげ)
芋焼酎であることはわかっても、自分はそれが美味しいのかフツーなのか、これがわからないんですよね…。味覚の違いを判別するのと、ブレない尺度で美味しく味わう「良い趣味」を持っているかは、全然違います。魔王や森伊蔵を口にしたことはあっても、それが普段使いの芋焼酎よりすばらしい味なのかどうか、価値がわからない。
鹿児島へ行くにあたって芋焼酎をとことん飲んでみようと思いました。わずか二泊三日ではありますが、とりあえずのビール以外はすべて芋焼酎を試みて過ごしました。指宿の旅館では利き酒セットもあり、村尾や森伊蔵など有名銘柄をチビチビと味わって飲んでみましたし、天文館の小料理屋「清吉」では(大変美味しく居心地も良かった)おススメだという「南之方」をはじめ聞いたことのないお酒を何種類か味わってみました。
そして最終日にはお土産に買おうと、隼人の焼酎専門店「樋高酒店」に立ち寄ってみました。お店で何本か推薦してもらおうと思ったら店番のお婆さんがひとりで宅配発送の作業をしているだけ。しまった、店主はお留守かと思ったらとんでもない、お婆さんが語る語る。
店にはそんなに凄い種類があるわけではないのですが、聞くと「ウチのお酒は限定酒ばっかりなのよ。森伊蔵も置いては有るけどね、蔵出しの正規価格なの」。名高い希少品、高価でも買う人はいるけれど、そんなプレミアムのついた値段で商売はしませんよ、といいます。初めて聞く名前の限定酒を4本選んでもらい送ってもらいました。
あくまき食べもの
20240401
しばらく鹿児島の話題から離れておりましたが、紹介したい現地の食文化がまだまだありますので、もう少しお付き合いを。。
訪問前に地域食をリサーチしていく中で、興味を引いたのが「あくまき」なる食べ物。郷土料理を紹介する農水省のホームページには、こうあります。
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「あくまき」は、主に端午の節句で食べられる鹿児島県独特の餅菓子で、“ちまき”と呼ぶこともある。関ヶ原の戦いの際、薩摩の島津義弘が日持ちのする食糧として持参したのがはじまりだという説がある。保存性が高いことと、その腹持ちの良さから、薩摩にとって長く戦陣食として活用され、かの西郷隆盛も西南戦争で食べていたといわれる。こうした背景から、男子が強くたくましく育つようにという願いを込めて、端午の節句に食べられるようになったといわれている。
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指宿近くの池田湖(九州最大の湖で深さ233㍍もある)に寄ったとき、湖畔の売店に「あくまき」というのぼり旗を見つけました。タコ焼きやソフトクリームを売るような店構えで一度はスルーしたのですが、それでもここで遭遇したのも何かの縁、と思い戻ってみましたら…
店は無人。こりゃ駄目だと帰りかけると、奥からお婆ちゃんが出てきて呼び止めるではありませんか。ちょうど自家製のあくまきを作っているところだといいます。作業場を見せてもらいました。ラッキー!
作り方は、もち米を一晩灰汁につけ、ざるにあげ竹の皮につめ、袋状に包む。それを水で薄めた灰汁で3時間以上煮こみ、米粒が艶のあるべっこう色へと変色したら鍋から取り出す。(上記HPより)ということで、このお婆ちゃんが作ったものを近所の道の駅などに卸しているそうです。味がついてないので、砂糖や黄な粉をつけて食べるんですって。
2本購入して持ち帰りました。開封してみると、ちょっと似たものを思いつかないくらいの強烈な粘りです。硫黄のような独特のにおいがほんのりとしますが、これが灰汁のにおいでしょうね。
言われた通り本体に味はなく、砂糖や黒蜜をかけて食べてみました。砂糖の方がそもそもの味がわかりやすいです。(灰汁の匂いは結構クセがあり、黒蜜の方が食べやすいけれど、蜜の味しかしなくなっちゃう)
誰もが「美味しい」というものではないかもしれませんが、島津公の時代から伝わる伝統食を体験できたのは愉快でした。一度は体験してみるのもいいでしょう。お婆ちゃん、どうぞお元気で。
関連リンク: うちの郷土料理「あくまき」~農水省HPより