コンビニで生ビール? 飲みもの、お酒
20180718
コンビニの店頭で生ビールを販売する。しかも100円で。最初このニュースを聞いたときには「まさかそんなことできるの?」と半信半疑でありましたが、案の定、試験販売すらもできずに中止(発売延期ではない)となりました。
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(毎日新聞)コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンは17日、同日から予定していた生ビールのテスト販売開始を中止したことを明らかにした。キリンビールと組み首都圏の数店舗でSサイズ100円で提供を始める予定だったが、「注目が集まり過ぎて販売体制が整えられない」と中止を決めた。
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都会の駅前店舗であれば、最近のような猛暑の日、会社帰りのサラリーマンたちは素通りできないですよね。コンビニにとっては超大型商品になりうるでしょうし、近隣の飲食店はかなりの打撃を受けるでしょうし、さまざまな点で経済効果がプラスにもマイナスにもなっただろうと思います。
私が半信半疑だったのは、いくつか理由があります。まず車での来店が前提となっている郊外店舗での提供が許されるのか。田舎ではほとんどの店がこれに相当します。店員さんがいちいち確認するのか、それともレジで「私は車に乗りません宣言」のボタンでも押させるのでしょうか。
未成年への提供の問題。以前コンビニで年齢確認ボタンを押させることへの抵抗について書いたことがありました(2014.2)。コップに注がれた生ビールはその場で消費されることが明らかですから、二十歳未満の少年少女が「二十歳ですボタン」を自ら押して店内で酒盛りをしているところを踏み込まれたら、店の責任はどうなるのか?
酒盛りといえば、最近のコンビニは店内イートインスペースの拡充に力を入れています。しかし店内で酔っ払いたちがたむろするようになれば店の雰囲気にも影響し、そんな店を敬遠する一般客もかなり多いはずです。
そのほか、サーバーの洗浄管理など、バイト君の負担増という問題もありますね。酒類の安売りには国税も厳しく目を光らせています。100円という値段がどうなのか。
酒類の提供は、居酒屋など飲食店ならば厳しい規制の中できちんと研修を受けてこれらの問題をクリアし、ようやく認められているものです。コンビニがおいしいとこ取りみたいな形で手を出すには、いかがなものでしょうか。セブンにしては軽はずみなことをしたもんだ、と思います。
関連リンク: セブンの「生ビール」がそもそも困難な理由(東洋経済)