手のひら返し日々雑記
20180627
過去日本のメディアが、これほどセネガル色に染まったことはなかったであろう一週間。私は20年以上のアフリカンドラム活動を通じて、セネガルについては平均的日本人よりは馴染みがありましたし、知人も何人かいます。ワールドカップを機会にセネガルに親しみを持ってくれる日本人が激増したであろうことは、とても嬉しいことでした。
試合も素晴らしい好マッチでしたね。セネガルチームの凄まじいスピードと迫力に日本も負けじと応戦し、ガチガチに守備固めするのでなく積極的に攻め続け、取られては取り返す粘りを見せてくれました。今までの日本代表にこんな試合があったろうか?2時まで起きて観戦した甲斐がありました。
コロンビア戦では相手が10人だったというひけ目も少々感じましたが(その数的優位はもちろん、開始早々のアグレッシブな姿勢がもたらしたものです)セネガル戦は万全の相手と戦っていますからね。海外メディアが日本代表を驚きの目で賞賛しているのも当然でしょう。
西野監督の采配が冴えています。香川から本田へのチェンジは両者の良さをそれぞれ引き出しているように思います。前半での香川の献身、後半での本田の爆発力。ハリルホジッチに敬遠されていた柴崎や乾の目覚ましい活躍は言うまでもありません。致命的なミスを連発する川島を使い続けるのはどうなのよ、とは思いますけど。控えの二人に決め手がないのですかねえ。
大会2か月前、電撃的に発表された監督交代。私のようなシロウトたちはともかく、ハリル解任を支持するサッカーファンは少数派でした。何でこの時期にという疑問はもちろんのこと、ハリルがやろうとしていたサッカーを奪い取った、練習試合の結果で本番を判断するのか、選手の言うことを聞いていれば監督が務まるのか、スポンサーの圧力に屈して人気はあるが使えないベテラン勢を起用した、云々。
これほどまでに言われなきゃならないのか、不思議に思っていました。ハリルがこの3年間で作り上げたサッカーを本番で見る機会が永遠に失われた、なんて言ってた人もいましたよ。そんなの、本大会出場が決まってから失望とともにさんざん見てきたじゃないですか。
過去何回かのワールドカップと比べて、大会前の熱気は明らかに盛り下がっていました。強敵揃いのグループリーグはどうせ3戦3敗だろうと、最初からあきらめムードが漂っていましたし。私だって、そう思っていました。初戦コロンビアに勝ったこと、そしてセネガルに負けなかったことで、空気はガラリと変わりました。
これまでに監督交代を罵った人は沈黙し、あるいはそんなことはなかったかのように西野ジャパンを讃えています。まさに手のひら返し。選手たち、呆れているでしょうな。結果を出すことの大切さをこれほどまでに教訓としてくれる例、辞書に載せたいね。
日本代表は勝つか引き分ければ決勝トーナメント進出ですが、実はまだ何も手にしているわけではありません。既に予選敗退決定しているポーランドが、意欲を失った緩慢なプレーをしてくるとも思えない。世界ランク8位の意地を見せて来るでしょう。明晩のリーグ最終戦、襟を正して応援するとしましょう。