「おいしいことなど徒然と」

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なんちゃってウナギうな丼の未来

20180303





今年に入って、ニホンウナギのシラスが全然獲れていないとの衝撃的なニュースがありました。2カ月がたちましたが、状況は一向に改善していないようで、いよいよ資源のピンチがやってきた感があります。事態は深刻です。


ウナギが食べられなければ、それに代わる代用品を考えよう…というのが、我が日本人の知恵です。高価なカニの代りにカニ蒲鉾を発明し、今や世界中で大人気になっていて、そのおかげですり身の価格が急騰しているといわれるくらい。


で、ウナギにもそうしたものがあるのですね。先日展示会で見つけたのは、林兼産業の「切り身ソフミート・うなぎ蒲焼風味」という商品です。これはいわゆる老健介護食―老人ホームなどの給食で使う、高齢者や要介護者でも食べやすいソフトな食品として開発されたものです。


材料はやはりすり身。それにイカスミなどを使って「皮」のような外観をつくり、形もウナギの切り身のように仕上げています。表面をガスバーナーやオーブンで軽く焼き、蒲焼のたれを塗ってさらに焼けば写真のようなものになります。本物そっくりとはいきませんが、感じは出ていると思いませんか?


食べてみると、歯ごたえ舌触りは柔らかく頼りないが(だってもともと、それが商品の目的ですもの)味は結構、ウナギを想像させるものになっていますよ。施設のイベントなどでお使いください、とメーカーさんは言っています。これをもう少し固めに作って食感の物足りなさをクリアすれば、一般の人も召し上がるんではないでしょうかね。


実はすり身を使った市販用のなんちゃってウナギは既に販売されていて、いっとき話題になり私も食べてみましたが、味がとてもわざとらしく人工的で、ちょっといただけない代物でした。それに比べればこの商品の方が、実物との距離は狭いように思いました。


ところでスペインではウナギの稚魚をニンニクとオリーブオイルで炒めた料理を広く食べていたのですが、ヨーロッパウナギの激減(絶滅と言ってもいい)により食べられなくなりました。悲しんだスペイン人の食欲を癒やすために、すり身で作ったウナギの稚魚がLA GULA(Surimi Baby Eels)という名前で商品化ているそうです。本物に似た味になっているのかな?


日本でもウナギの味は「なんちゃって品」でしか味わえない、なんて事態になる前に、私たちは何ができるでしょう。

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