コンビーフ(1)食べもの
20200116
コンビーフの缶詰。昔からお馴染みの独特の形状が変わるという大ニュースが。(大ニュースか?)
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(読売新聞)「ノザキのコンビーフ」を販売する川商フーズは15日、70年ぶりにパッケージを刷新すると発表した。現在の巻き取り鍵で缶を一周させて開ける方式から、底部のシールをはがす方式に改める。3月16日に発売する。(中略)缶の製造設備が老朽化したのに加え、一部で「開けづらい」との声があったことを踏まえ、刷新を決めた。
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記事によると1948年に国産初のコンビーフとして発売された頃は、瓶詰だったようですね。形が枕に似ているので「枕缶」と呼ばれているそうですが、私、業界にいるのに聞いたことなかったな。缶にへばりついている鍵で側面をくるくると巻いて開缶することをご存知ない人も、今では多いと思います。
戦前から食べられていたもので、北杜夫の名作「楡家の人びと」に登場します。戦時中、来たるべき食糧不足に備えて主人公(作者の父である歌人、斎藤茂吉がモデル)が缶詰を何十個も買い込み、床下に備蓄します。将来食べるとき、脂がまつわりつく美味しさを想像して舌なめずりする、みたいな描写だったと思います。たぶん茂吉の実際のエピソードでしょうね。
「開けづらい」というご意見はごもっとも、私だって何度も失敗したことがありますよ。巻き始めでプチッと切れてしまうこともあるし、真っ直ぐに巻いていかないと変なことになってしまいます。開けるのに失敗したときのショックは大きいです。
茂吉ならぬ私も大好物で、高校生の頃はお弁当に時々入っているのが楽しみでした。5ミリくらいにスライスして溶いた小麦粉をつけて軽く両面を焼いて。ああ思い出したら食べたくなってきた。学生一人暮らしの頃はよく買って食べました。
そのまま掴んでかじる場面をTVやコミックで目にしますが、コンビーフのうまさは脂のうまさ、加熱して肉の脂が溶けた方がはるかにうまいです。熱いご飯の中に埋め込んで(乗せて、ではなく)食べるのが一番いいですね。チャーハンにするよりも、白いご飯の方がいいな。あとオムレツの具にするとか。
もうちょっと書きます。