決壊日々雑記
20150912
北関東で東北で。大災害となってしまいました。
二つの台風のなせる業か、気象情報で示された南北に一直線に伸びた異様な雲の帯。どっしりと居座って動かないその下では、何十時間にわたって雨が降り続け、ついに河川の水も決壊し、大変な被害をもたらしました。
集落に押し寄せる濁流はまるで津波のよう。電柱に取り残された男性が救助される場面、ちょうど中継で見ていましたが、よく助かったものです。さぞ心細かったことでしょう。
つい最近、自衛隊の演習を観てきたばかりです。電線やアンテナが張り巡らされた中での飛行、ホバリング、救助活動の困難さは、以前よりよくわかるような気がします。このヘリコプターは電柱氏を救助する直前に、すぐ近くの家屋に取り残された人を先に救出しており、中継を見ていた人は「電柱氏が先だろう?」と思ったそうですが(私はその場面は見ていません)救出直後に家が流され、「自衛隊、神判断だ」と賞賛されています。さすがです。
だいたい「鬼怒川」なんて、すごい名前ですよね。語源は絹川や毛野川など諸説あるそうですが、ひとたび豪雨になれば凄まじい暴れ方だったからこそ、この字を充てたのでしょう。上流の鬼怒川温泉のホテル建屋の崩落は、最近廃墟になりつつあるといわれるこの温泉街に、とどめを刺してしまうのかもしれません。
市街地や田畑に溜まった水をポンプで汲み出していますが、何しろ大量の水です、何日かかることでしょうか。そして、泥の始末も。
当地でも平成18年7月に豪雨に見舞われ、死者も出て橋が流されるなど、大きな被害がありました。諏訪湖があふれ出し、天竜川(これも考えてみれば、結構な名前だ)も箕輪町で決壊しました。当社伊那店はその場所から十数キロ下流、川のすぐそばに位置しますが、普段は堤防のてっぺんから何メートルも下にある川が、あと1メートルほどで乗り越えてきそうなところを見て、まったく肝を冷やしました。
災害に遭うも助かるも、紙一重のことなのかも。気を付けてどうにかなるものでもないが、もし…ということは、いつも心にとどめたいものです。