ご当地メニューしごと
20150906
ここ最近、TVコマーシャルでしばしば「駒ヶ根ソースかつ丼」を目にします。お弁当チェーン「ほっともっと」で、新企画の「ご当地弁当」を8月末から期間限定で売り出しているのです。
同社では全国9つのブロックで、それぞれの地区を代表するメニュー、北海道の豚丼や東北の十和田バラ焼き重など、地域を絞って発売しています。甲信越・北陸地区限定商品として、駒ヶ根ソースかつ丼が選ばれたというわけ。
弁当店のみならず、小売や外食のさまざまな全国チェーンで、最近ご当地メニューを取り上げる例が出てきています。全国チェーンはこれまで、その名の通り全国一律に、広くあまねく決まった品を販売するのが基本でした。
消費者もおおむねそれを支持してきたわけですが、一方では地元の人が本当に欲している商品(メニュー)が店頭にない、という課題も指摘されていました。地域で永く育てられてきた慣習や味が入り込む余地が少ないために潜在的な不満、チャンスロスを生んでいるという反省から、よりきめ細かなマーケティングが必要だと考えるチェーンが増えてきたのです。
今では地域独特の食文化やご当地独特の売れ筋を、商品開発の担当者やバイヤーさんたちは一所懸命探しているようです。チェーンの運営上はもちろん全国一律の方が楽ですし、大量購入という点で有利な仕入条件も引き出しやすいのでしょうけれど、これからの商売はそれだけじゃない、ということですか。
言うまでもなく、本来こうした品ぞろえは、自分で意識しているかどうかはともかく地場の業者の得意とするところです。というより、そこにこそ存在意義があるとも言えましょう。大手ができるくらいのことは、私たち地元業者はずっとハイレベルでできて当たり前。マスではつかめないミクロのマーケティングに強みを発揮していくことで、地元の支持を得ていかなくてはなりません。
件の「駒ヶ根ソースかつ丼」子供たちと食べてみましたよ。ソースの味は悪くないですが、ちょっと肉が薄いですね。肉の薄いカツにも衣とミックスされたそれなりのおいしさがありますが、一般的な駒ヶ根のスタイルと比べてみるとボリューム的にどうでしょう。まあ、この値段(税込520円)じゃあ、しょうがないかな。