白紙撤回のその先日々雑記
20150721
全国的に暑い暑い週末でしたが、駒ヶ根は日中の日差しこそ厳しいものの、空気は乾いており過ごしやすかったです。夜には涼しい風が吹き、窓を開けて寝ると肌寒いほど。
さて新国立競技場、意外にも(?)現行案が白紙撤回となりました。一度走り出したら絶対に止まらない我が国の公共事業にしては、珍しいことです。安保法案で支持率の低下を恐れた首相が、世論のご機嫌取りをしたと言われ、まあ事実その通りだと思いますが。でも立ち止まれたことは、評価したいです。
本気でザハのプランを推す人が誰もいないのに「ラグビーW杯に間に合わない」とか「国際公約違反」だとか「莫大な違約金が」とか、仕方なしの理由ばかりが幅を利かせ、莫大な出費に向けて突き進もうとしていました。2520億円ですべてが済むと思う人などおりますまい。当初計画の倍以上かかっても当たり前みたいな事業が、これまでにいくつもありましたし。
さて、問題は今後です。まさか、当事者能力ゼロだと露呈した文科省とJSCが主導してコンペをやり直すなんてこと、ないでしょうね?次の計画は1800億を基準にする、なんて報道がちょこちょこ出たりしていますが(誰が観測気球を打ち上げているのかね。根拠は今のところ明らかにされていない)何で当初予定した1300億が基準にならないのか、理解に苦しみます。
何といってもまず、新しい競技場に何を期待するかを明確にすることでしょう。考え方は人それぞれだと思いますが、「何でもできる」はずの施設は、往々にして「何をやっても中途半端」になるものです。日本中に何百とある「市民会館」「文化会館」の多くがいわゆる多目的ホールで、利用者たちが不便をかこっているのと同じです。
私の素人考えを言いますと…
新競技場にコンサート開催機能など不要。つまり客席以外を覆う屋根は必要ない。あくまで陸上競技場としての機能を優先する。サブトラックは必須。これがなくては、インターハイさえ開けません。(ザハ案にも盛り込まれていなかった。五輪のとき「だけ」仮設のサブトラックを設置するつもりだったようです)
W杯招致に必要だという8万人収容を求めるサッカー。8万集められるスポーツイベントなんて、百年のうちに何回あるのでしょう。それだったらサッカー専用の施設にした方がいい。神宮外苑でなく、地価のより安い場所を別に考えてもいい。今秋完成する4万人収容のガンバスタジアムの建設費は140億。その2倍の予算を取ったとしても、新陸上競技場とサッカー場、合わせて1300億でじゅうぶんできるのでは?(いや、ただの勘ですけど)
これは私の思うこと。いろいろな人の、いろいろな思いがありましょう。無駄がなくだれもが使い易い競技場を、知恵を集めて適正価格で作ってほしいものです。