「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

キャメラマン魂日々雑記

20150316



黒澤明のもとで学び、深作欣二、降旗康男らとともに多くの名作を生み出している撮影者/映画監督、木村大作氏の講演を聴く機会がありました。。


最近では自らもメガホンを取り、北アルプスを舞台にした「剱岳 点の記」「春を背負って」の2本を監督しています。(実は私「剱岳 点の記」を自宅HDDに録画したまま、まだ観ていません)


この方、いま75歳とのことですが、クルーを率いて自分の足で冬山に登り長期にわたるロケを行い、納得いく映像が撮れるまでチャンスを狙って何時間も何日も粘り抜き、大変なパワーの持ち主です。講演ではマイクを使わず会場の隅まで大声を響かせ、90分の予定を質疑含めて130分もやってしまったという、豪傑ですな。けっこう毒舌でもあります。


「八甲田山」「駅STATION」「海峡」「鉄道員(ぽっぽや)」など、この間亡くなった高倉健と数多くの作品で一緒に仕事をしています。講演の半分くらいは健さんの話。黒澤監督と健さんは「神」、彼らがいなければ今の自分はない。健さんは役を演じようとするのではない、すべての役が健さんの懐に入ってしまう。(何をやらせても高倉健の芝居になってしまう、の意)


映画の現場で長く経験を積むといつの間にか大御所的存在になって、若い監督にとっては使いづらい人になってしまった。それに気づき、自ら監督し全部自分でやってみようと思い、「剱岳 点の記」を作った。そんなことをやろうとは夢にも思わなかったが、67歳での初監督作品は大ヒット、数々の映画賞を受賞しています。


キャメラマン(木村氏はカメラと言わずキャメラといいます)としての誇りをひしひしと感じます。私は映画を観るときに撮影の良い悪いをどう判断するのかわかりませんので、いい撮影とはどんなものか質問してみました。


木村氏曰く、いい撮影とは、いいもの―いい場面、いい役者を画面に入れること。そのためには本物の場所(北アとか)に撮りに行く。気に入らない役者は切っちゃう(フレームからはずしてしまう)。今は監督自らがキャメラと同調するビデオを確認し、フレームを決めることも多いが、本来それはキャメラマンの仕事。今の人はキャメラマンではなくて「キャメラ番」だ。俳優でもプレイバックを見て演技がどうだこうだと言う人がいるが(実名出ました)そういう奴とは仕事はしない。


厳しさの中にこそ美しさがある。映画も、キャメラも、人生も。
…現場一筋の人の言葉ですね。早く「剱岳 点の記」を観なくては。

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