自分だったら日々雑記
20140418
韓国の客船沈没事故。大惨事です。悪天候などで救助も難航しているようで、船内にいるはずの人たちはどうなっているかと思うと心が痛みます。
この事故、原因もまだ特定できていませんが、誤った避難誘導が被害を大きくしたのは間違いないようですね。事故発生から船が沈没するまで少なくとも2時間。その間多くの乗客は「客室でそのまま動かずに救助を待つように」との指示に従ったわけですが、徐々に傾斜が大きくなり、動こうにも動けないような状況になってしまったと。
今回のケースでは、何をおいても即座に救命胴衣をつけ甲板に出ることが生存確率を高めたでしょう。いよいよとなれば海に飛び込めばいい。水温が低く、長時間水に浸かっていることで低体温→凍死の可能性だってありますが、船中に取り残されるよりはよっぽどマシです。タイタニックみたいに北大西洋のど真ん中にいたわけではありませんから、そのうちどこかの船が助けに来てくれます。
自分だったらこのときどうしただろう。あるいは何ができただろう、と考えます。外からああだこうだ言うのは簡単です。船内は事故でパニクっている。船は傾き始める。神様ではないから、全体の状況などまったくわからない。そんな中、乗組員の「動くな」との指示に背き、それに従っている大部分の船客の行動にも背き、自分の考えで動けただろうか、と。
東日本大震災の津波で、多くの児童が犠牲となった石巻市大川小学校を思います。大津波警報を受け、学校の裏山に上っていれば助かったのに指示がなく、津波が来るのを校庭で50分間ただ待ち続けた悲劇です。小学生に独自の判断を求めることはできません、先生の指示がすべてです。小学生でなく、自分だったらどうでしょうか。
普段考えれば何でもないことであっても、こうした場に立たされたら冷静な判断は難しい。だからこそ、船でも飛行機でも、常に万一のシミュレーションだけはしておかねばならないのでしょうね。少なくとも、パニック時に集団についていくことが正解とは全く限らない、ことだけは頭の隅に入れておいた方がいいだろうと思います。
20年ほど前、敦賀からウラジオストックへ一昼夜かけて大型客船で渡航したことがあります。チャーター船で数百人が同乗したのですが、下働きスタッフだった私たちは「窓のない6人部屋」をあてがわれ、それがまた結構なシケの海で船は大揺れ、生きた心地がしませんでした。(正確には、船酔いでベッドから一歩も出られなかった)あのときもし何かあったら、果して脱出できたかどうか。閉所に弱い私です。