信州ワインの実力 飲みもの、お酒
20140320
読者の皆様、国産ワインを飲む機会はどのくらいありますか。私が日頃ワインを飲むとき、輸入品と国産品の比率は30:1くらいではないかと思います。いえ別に、舶来品信仰があるとか国産を毛嫌いしているとかそういうわけではないですが、何となくこんな感じ。
我が国には意欲的なワイン生産者が、今ではあちこちに大勢いらっしゃることは承知していますし、本場に引けを取らない優れたワインができていることも知っています。ただ(私がよく頂く)低価格帯のものでは、正直言ってまだまだ輸入品に軍配を上げざるを得ないなとも思います。これは人件費などさまざまなコストを考えると、まあどうしようもないことです。歴史の差だともいえるでしょうか。
そんな中、先日うまい地元のワインを飲む機会がありました。塩尻にある「Kidoワイナリー」の「プライベートリザーブ・メルロー」。この小さなワイナリーの評判はもちろん以前から聞いています。別の製品を飲んだこともありますが、このワインはまた、格別でした。豊かで複雑な香り、コク、申し分なし。
信州という全国有数のワイン産地にいながらこれほどのものを飲む機会がこれまでなく、やっぱりいいものを飲んでみなきゃなあ、と改めて思いました。ちなみにこのワイン、やたら高価なものではありませんが生産量がとても少なくて、入手が難しいものです。ラッキーでした!
全国有数の産地と書きましたが、国産ワインといえば山梨が真っ先に頭に浮かぶでしょう。しかし長野県は近年めきめきと生産量を増やし、質量ともに山梨を猛追しています。以前高野豊さんの講演で、対山梨戦略をあの手この手で行なっているんだと聞きました。
純県産ワイン、すなわちその県で収穫されたブドウを使ってその県で生産されたワインの統計というのは、ちょっと調べてみましたが見つかりません。農水省の平成22年のデータによると、醸造用に用いられた各県の葡萄の量では、長野2465㌧、山梨2497㌧とほぼ拮抗しています。長野で醸造用に多く使われている品種はコンコード、メルロー、ナイアガラ、シャルドネなど。山梨では甲州、マスカットベーリーA、カベルネソーヴィニヨンなどだそうです。
お隣の宮田村でもヤマソービニヨンという品種で地ワインが作られており、昨年産のものは私も試しましたが、品質もだんだん向上してきているようです。宮田村議会では先日「みやだワインで乾杯条例」が可決されたというニュースがありました。いっそうの消費拡大を目指した、いい取組みだと思います。ワインが特別なお酒から日常のお酒ラインナップに加わることが楽しみです。