バナメイ海老 (2)しごと
20131125
最近世間を騒がせている食品偽装問題。メニューの表示には有名なブランド食材を載せておきながら、実際は安価な別の素材を使っていた事例が、高級ホテルや百貨店で次々に明らかになりました。
中でも目を引いたのが、海老です。「芝海老」を名乗ったエビチリに、実はバナメイが使われていたと、あっちからこっちから出るわでるわ。
芝海老はその名の通り東京芝浦でよく獲れたそうで、江戸前の天ぷらやすり身などによく使われたといいます。現在では漁獲量は減り、希少なものになっています。そんな海老が気安くエビチリのネタになるものでしょうか?
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あるホテルの関係者によると、「小さいエビを『芝エビ』、大きいエビを『車エビ』と呼ぶのが暗黙の了解になっていました。イメージもあり、通称のようなものです」と、明かす。そのため、料理人がエビの種類を気にせず調理し、お客に提供していたというのだ。 (J-CASTニュース)
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そんな馬鹿なという文脈で書かれていますが、私にはわからないでもありません。悪意でなくそういう言葉を使うのは、店によってはありそうなことだと思います。ただしそれをそのままメニューに載せては、やはりまずいというものでしょう。
ところで…
バナメイと芝海老はそんなに味が違うのか?皆さん興味があるようで、両者の食べ比べをしたレポートがメディアにいくつも出てきました。先週読んだ記事では、よく言われる「ぷりぷり感」があるのはバナメイの方で、芝海老の繊細な味は複雑なソースに負けてしまう、とか。なるほどね。
だいたい私だって、本物の芝海老をそれと認識して食べたことがあるのか、と言われたら、自信ないですよ。先日のグランドフェアで、数種類の海老の食べ比べのコーナーを作ってみました。バナメイ、ブラックタイガー、ホワイトなど(芝海老は無し)ただ茹でただけのものを試食してもらいましたが、やはりバナメイのぷりぷり感は独特のものです。味だけではなく食感も料理素材の大事な要素。エビチリや海老マヨ、炒め物などには好適だろうと思います。
偽装の話題でバナメイが何となく良くないイメージになってはかわいそう。極端な品不足で皆が困っている今だけに、複雑な気持ちになります。早く心置きなく味わえるように(料理人さんたちが使えるように)なってもらいたいものです。