100倍返し読んだり見たり
20130923
大人気ドラマの最終回。皆さんは観ましたか、半沢直樹。
といっても、私はシリーズの最初から観てはいません。日曜夜は基本伊那フィルの練習で帰ってくるのは9時半過ぎですし、同時刻には「高田純次のアジアぷらぷら」を観たり、演目によっては「クラシック音楽館」を観たりしますので、民放ドラマにまで手が回らんのです。
えらく評判だと聞いてそれではと思い、ひと月前くらいから観始めました。
それなりに面白かったですよ。水戸黄門ですね、これは。このドラマに視聴者が熱狂?するのは、日常生活でよほど鬱憤が溜まっているのかなとも思いますけど。銀行が舞台の硬派素材ですが、ドラマはそこのところを上手く端折ってわかりやすくなっていました。(「ハゲタカ」は正直、少々難しかったな)
役者も眼力男堺雅人、香川照之、良かったですね。ほかの人たちは何かいかにも型どおりの芝居で(わざとなのかも知れんが)ちょっと笑ってしまうような感じでしたが。近藤役の人、本当に目を血走らせてプルプル震えちゃったりして。あれだけの裏切りをしておきながら素知らぬ顔で仲間に戻って、一件落着してから「半沢…本当にこれで良かったのか」どの口が言うのよ、近藤さん。
このドラマの登場人物たち、本当に口が軽くて驚いてしまいます。何十人もいるオフィスの真ん中で役員追い落としの話を大声でできるような職場なのでしょうか、銀行ってのは。またちょっとプレッシャーがかかっただけでよく簡単に重要機密をしゃべること。極めつけは、融資先が破綻するの不正があっただの揉み消しただの、居酒屋で銀行員さんがこんなことを言っていいの?それを隣の席で録音され真っ青になっているんですから、単に演出上の手抜きではなく、これがこのドラマの基本姿勢なのですね。
結末(半沢と大和田の処遇)に多くの人が驚き落胆しているそうですが、まああんなものではないですか。原作もそうみたいだし。大和田は温情を受けたように見えますが、これだけの不始末で降格となれば、席はあっても実際のところ居場所がないでしょう。資産もなくなっちゃったそうですから、今すぐどこか息のかかった転職先でも探したほうがいいですね。しかし大銀行にいて「出向」ってのは、行員にとってそれほど将来絶望的な処遇なのかな。そうとも思えませんが。
ついでに言うと、大和田ほどのプライドの高い男がいくら追い詰められたとはいえ、あそこで土下座をするはずがないと思います。半沢の顔をぶん殴ってそのまま役員会を退去、という方が、ずっと彼らしいじゃないですか。まあそれじゃあ復讐の100倍返しにならず、視聴者は満足できませんね。
そうそう、「倍返し」と「100倍返し」は、実際にどう違ったのでしょうか?