「おいしいことなど徒然と」

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さとうきび畑と工場しごと

20130225



沖縄のさとうきび収穫は、今が最盛期です。機会を得て、現地の製糖工場を見学に行ってきました。


行ったのは、小浜島というところ。那覇から410㌔の石垣島から船で25分という場所に位置します。かの「ちゅらさん」の舞台ともなった島です。地籍は沖縄県竹富町といい、小浜島のほか西表島、波照間島、竹富島など八重山諸島16の島からなっています。ちなみに町役場は町内ではなく隣の石垣島(石垣市)に所在します。


「小浜製糖工場」は昨年3月に竹富町が建て、JAおきなわが管理運営を引き受けています。訪問するまでは失礼ながら、昔ながらの薄暗い工場で手作業に頼って細々と生産されているようなイメージだったのですが、機械化された堂々たる工場です。


工場は日産50㌧の能力があるそうです。しかし原料のさとうきびの供給量を超えて稼動することはできません。そのさとうきびを収穫する人出が慢性的に不足しており、十分な原料供給ができていない。ですから当社で扱う沖縄産国糖も、常に玉不足の不安に悩まされているわけです。


小浜島の人口は約500人、そのうち50人がさとうきび関連の仕事をしているそうですが、後継者難で従事する人は年々減少。工場の従業員を一部、さとうきび農家の応援に派遣しているのだとか。この後さとうきび畑を見てみましたが(写真下は小浜でなく石垣島)なかなか機械が入れず、基本的に手刈りだそうです。これは重労働だし効率も悪そうだと、農業に素人の私でさえ直感的に分かります。小浜だけでなく、沖縄黒糖関係者すべてに共通する悩みです。


畑のさとうきびは、規則正しく整列して植わっているとはとても言えず、一体これは畑なのか、荒地にてんでバラバラ生えているのか、一見しただけではわかりません。種をまいて生やすのでなく、根が残っていれば刈り取った後ももう1年位は成育しますし、その後は切った茎を地面に植えてやれば根付いてくるそうで、育てるのにそう手間のかかる作物ではないようですが。


年に3箇月、さとうきびの収穫期にしか稼動しない工場。ハイシーズンには24時間操業ではありますが、原料が入って来ない時期はずっとお休みです。その設備にはかなりの補助金が使われていることと思います。現状、沖縄黒糖は既に結構高い値段がついているわけですが、こうしたコストをまともに乗っけたら、さらに2倍3倍の値段になってしまうでしょう。極端な話、もう食品という範疇を超えたようなものになってしまいます。


自然食回帰が言われる中、たいへん人気が高い砂糖ですから、製品を作りさえすれば買う人はいくらでもいるでしょう。何とか工場の稼働率を上げるには、最初の供給の源である畑と収穫を何とか効率化し、工場の規模や設備に見合った原料の確保をするしかないのです。どうやって農家の生産意欲を高め、収穫高を上げていくのか、知恵の絞りどころですね。


沖縄黒糖は、地域産業を生かした伝統的な商品です。味も良い。私どもも大事に扱っていきたいと思っています。生産から消費までのサイクルが上手に機能するような仕組みづくりを、ぜひ構築して欲しいものです。


ちなみに、さとうきびは茎の部分を潰し、出てきた汁を濃縮して砂糖を作るわけですが、糖分は重力によって茎の下のほうに集まっているそうです。ですから先端よりも根っこのほうが甘いってことで、果物と同じですね。(実の下の方が甘いと言われます)


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