蜂酒 飲みもの、お酒
20121023
気の弱い方は怖気をふるってしまうでしょう、このボトル。もう十年以上前、私が当時担当していたお得意様から頂戴したものです。
中には大きな「キイロスズメバチ」がびっしり、焼酎漬けになっています。
当地周辺では蜂追いが盛んです。シーズンになると、好事家たちは仕事そっちのけ?で蜂を追うそうで、大きな巣の中にびっしり詰まった幼虫「蜂の子」を取るのです。蜂の子の甘露煮は信州名産としてたいへん有名、また高価なものでもありますが、地元以外で実際食べたことのある方は少ないでしょう。見た目は相当グロテスクですしね。(ここだけの話、私も実は苦手です)
ふつう蜂追いのターゲットになるのは地蜂(クロスズメバチ)ですが、調べてみると中南信ではキイロスズメバチも好んで食されるようです。小さな地蜂と比べて、大きさも縞模様も、見るからに迫力があります。
で、このお酒、幼虫と一緒に取れた成虫を使った副産物ということでしょうか。頂戴したはいいですが、はてどんな味がするのか見当が付かず、ずっと封を切れずにおりました。先日十数人での会食があり、丁度いい機会と思ってついに開封してみました。
これがですね…実にまろやか、コクがあり、おいしかったのです。味には昆虫のイメージ、嫌なクセ、全くなし。最初からこうした味だったのかな?あるいは十数年の歳月を経た熟成の成せる美味でしょうか。(同じ席に蜂酒の1~2年ものを持ってきてくれた人がいて、試みに比較してみましたが、そっちはかなり癖がありました)
長年の宿題をやっと片付けたような気がして、何だかほっとしています。それでもガブガブ飲むようなものではありませんから、まだ半分残っています。自分だけで飲むのは、ちょっと勿体無いかな。