苦情は受けません日々雑記
20120610
格安航空会社スカイマークが乗客に宛てた文書が、大きな反響を呼びました。。
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(毎日新聞)航空会社のスカイマーク(東京都大田区)が機内の苦情を消費生活センターなどに連絡するよう求める文書を乗客に示していた問題で同社は6日、文書を修正すると発表した。「ご不満のあるお客様は『スカイマークお客様相談センター』あるいは『消費生活センター』などに連絡されますようお願いいたします」という記述から「消費生活センター」を削除するという。
同社によると、この文章は機内の座席のポケットに入れられていたが、東京都消費生活総合センターから抗議があったのを受け、約5000枚を回収して14日から入れ替えるという。広報担当者は「消費生活センターは苦情を訴える際の第三者機関という意味で掲載したが、認識不足だった。おわびしたい」と話している。
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この文書、現物の画像がネット上に出回っていますが、なかなかの内容ですね。いろいろ考えさせられることがあります。
まず、これはいったい誰に向けてのメッセージなの、ということ。多くの善良な乗客はこんなものを見せられて困惑したでしょうが、これは長年航空会社を悩ませてきたモンスター・パッセンジャーへの対処を明文化したということなのか。
お客は神様、カネを払えば何でも言うことを聞くのが当たり前だろう、って人たち、結構いるんですってね。政治家とかお役人とか大社長さんとか。私は飛行機なんて2年に1回くらいしか乗らないし、こんな人たちにお目にかかったことは幸いにしてありませんが、話には聞きます。
傍若無人で些細なことにもクレームをつけ、時として運行の障害さえも引き起こす不良乗客には、この位厳しい言い方でもしないと分らないのだな、ということでしょうか。
もう一つは、安いんだから必要以上のサービスは期待してくれるな、ということです。他の交通機関を考えてみれば、まあ確かにスチュワーデスさんたちは結構サービスがいいような印象もありますが、でも…私がもっぱら利用するエコノミークラスでは、考えてみればそれほどのこともないかな。
サービスにコストがかかるというのは、一般論としてはよくわかります。日頃、日本独特とも言える至れり尽くせりのサービスに慣れきっている私たちは、ユーザーとして時に甘えすぎているのかもしれませんし。心のこもったサービスを受けたい人は別の航空会社に行けば、と言われれば、何も言いようがありません。
でもね、私たちだって貨物じゃなくて人間なのですから、最低限、人間的な対応をしてもらいたいですよ。少なくとも、身だしなみは清潔であって欲しいし、口の利き方はそれなりの敬意を込めたものであって欲しいし(非常時はまあ、別だな)、荷物を揚げられなくて困っている人は助けてやって欲しいです。(お前が助けてやれって?)他の交通機関、電車でもバスでも、義務とかそういうことでなくて、このくらいのことはしてくれるのでは。カネのかかることじゃないと思うし。
最後に、「機内で苦情は一切受け付けない」って、凄いわ。消費生活センターにって、文句があったら警察でも裁判所でも行けって言ってるのと同じです。これは消費生活センターも怒るのは当たり前ですし、記事の通りスカイマークもこの部分だけは撤回?しました。しかし不手際をその場で指摘されることを拒否するサービス業が、あり得るのでしょうか。
お客をお客として尊重することを否定するかのような文言を見て、いい気持ちのする人はいないでしょう。日本人はそれほど物分りが良くはないと思いますよ。
関連リンク: スカイマーク、サービスコンセプト回収