チャンゴ (2)音楽ばなし
20120528
当時はいろいろと忙しくてじっくり楽器と向かい合う暇がなく、せっかく入手したチャンゴも家に帰ると間もなく物置にしまい込まれ、それ以来15年間日の目を見ませんでした。。
打楽器愛好者は、凝り出すとだんだん手持ちの楽器が増えてくるものです。私もいくつか世界各国の変わった楽器を持っていますが、どんな楽器も必ず一度は人前での演奏で使うことをポリシーにしています。しかしチャンゴだけはパッと用意しパッと叩くわけにいかず、長年の宿題になっていました。それだけに春香でチャンゴを(しかも盛大に)使えることを、大変嬉しく思っています。
この公演のために東京で個人レッスンを受け、あわせて楽器の状態も見てもらいました。手の動かし方や筋肉の使い方が、普段馴染んでいるクラシックの打楽器と全然違っており、難しい。先生から韓国独特のリズムの取り方について、短い時間でしたがいろいろと興味深いお話を聞きしました。
・リズムの基本は円運動。
・すべてに陰と陽がある。一本調子の演奏では韓国のリズムにならない。
・リズムも強弱も4小節あるいは4拍をサイクルとして循環する。
高木東六さんは韓国の民謡などを研究してこのオペラに使っているわけですから、当然わざわざオーケストラに採用した民族楽器チャンゴは韓国っぽく演奏したいです。今回私たちが参考にさせてもらっている過去の公演の音源は、少なくともチャンゴに関しては全然韓国っぽくありません。
春香のチャンゴの譜面を眺めてみると、リズムの考え方をどう応用していけば良いのか、私にも少しは見えてくるものがあります。問題は、それを音にする技術。もう本番まであまり日がありませんが、自分に納得のいく演奏ができますかどうか。
入場券はまだいくらか残っているようです。稽古でお聴きするソリストたちの歌唱、大変素晴しいです。滅多に演奏されない叙情にあふれたオペラを、この機会に体験してみてはいかがでしょう?チャンゴの音も聴いてみてくだされば、嬉しいです。(私はオケピットなので客席からは見えませんが、舞踊の人たちがステージでチャンゴを叩く華やかな場面が少しだけありますよ)
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オペラ「春香」公演
6月3日(日)15時開演 長野県伊那文化会館
指揮 河津政實
演出 坂井宏光
独唱 永吉伴子、布施雅也、須山智文、藤森秀則、唐沢澄恵、奥村桂子
合唱、舞踊、オケ、いずれも地元の人たちです
全席指定 S席4000円、A席3000円
関連リンク: 伊那文化会館イベント案内「春香」