「おいしいことなど徒然と」

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AOCのブランド戦略しごと

20120320



更新がだいぶ滞ってしまいました。少し前のことで書いてみたいことがいろいろありますので、思い出しながら書いてみます。


先日は、長野県食品問屋連盟の総会で松本へ。マスターソムリエの高野豊さんの講演がありました。日本ソムリエ協会の協会の役員も務める著名な方であります。題して「食品のブランド化、その先進国フランスに学ぶ」。


講演は、ロックフォールチーズの話から。皆さんご存知の、最も知られたブルーチーズです。私も大好物!フランスのロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟で羊乳から生産され、世界中の一流フランス料理店でもまず間違いなく用意されています。


チーズの世界でロックフォールは青かびチーズの代名詞としての地位を確保しており、完全にブランド化されていると言っていいでしょう。


ここでちょっと考えてみます。フランス、日本、アメリカ、中国香港、その他あらゆる国のレストラン、食料品店に置かれているロックフォールチーズは、いったいどれほどの量になるでしょう?フランスの一小村で、こんなにたくさんの高級チーズを産出できるものでしょうかね。


原産地呼称認定制度(フランスではAOCまたはAC)というものがあります。ワインやチーズ、鶏肉などの産地と品質を公的機関によって保証する制度です。たとえば「ACブルゴーニュ」とラベルに記されたワインであれば、少なくとも産地やぶどうの品種、製法などが決められた基準の範囲内にあり、規定外のぶどうが紛れ込んだりしていないことを意味します。このお墨付きによって、フランスワインはその品質(の箔)を世界中に認めさせることに成功しました。チーズについても然りです。


1960年代に「ロックフォール」の偽物が大量に出回りました。ロックフォール・シュール・スールゾン村では危機感を抱き、偽ロックフォールの販売差し止めを求めて裁判を起こしました。その裁定が(高野氏によれば)いかにもフランス的で、見事な販売戦略に結びついているというのです。


その裁定は、
 1)ロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟に生息する青かびを種として使い
 2)同村で昔から飼育されている品種の羊乳を原料とし
 3)同村の洞窟に3ヶ月間熟成させたブルーチーズ
にのみロックフォールの呼称を認める、というものでした。


(続きます)

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