洪水首都に迫る日々雑記
20111026
タイの大洪水。ご承知の通り、大変なことになっています。日本の本州全土より広い面積が既に冠水し、世界の産業への影響も甚大です。
平らな土地、長い河川、広い流域面積を持つ国での洪水は、日本とは全然違うようです。何週間もかけてじわじわと水面が上り、水が引くまでにやはり何週間もかかる。真綿で首を絞められるようなものか。
この数日で首都バンコクにも水が押し寄せているようです。街の真ん中を流れるチャオプラヤ川(昔はメナム川と言われましたが「メ・ナム」が川の意味で、メ・ナム・チャオプラヤはそのまま「チャオプラヤ川」)は以前に船で観光しました。川幅も水量もとても大きな大河です。これが溢れるなんて…
王宮にも水が迫り、国王の入院するシリラート病院も浸水したそうです。
タイの中心部はもともとチャオプラヤ川の作ったデルタ地帯なのですから、何十年かに1回このような洪水があって今日の地形ができているのですよね。人災だという声も上っているようですが、そういう面はあるにしても本質は、水から逃れられない土地なのかもしれません。
首都機能がマヒということになれば、タイが進めてきた産業振興も大きく傷つき、外資系の多くの工場にも水害リスクを嫌って出て行ってしまうところが出てくるでしょう。国力に与えるダメージは計り知れません。
タイはさまざまな食品の生産基地としても活躍してきました。日本と特に縁の深いのは、サトウキビや鶏肉などでしょうか。当社とお取引のあるメーカーさんの工場被害の情報は今のところ入っていませんが、これからどうなるでしょうか。
暑い国のこと、しかも人口密集地で今後は衛生面も心配されます。昨年現地を訪れたばかりですのでまだまだ記憶に新しく、あのとき自分が歩いた場所はいま、どうなっているのかと思います。