おひさま人気の謎読んだり見たり
20110908
NHK朝のドラマ、なかなかの人気のようです。今朝の朝日新聞では「社説」にまで取り上げられていました。
物語の舞台となっている安曇野や松本は、おひさま人気で観光客が大層な勢いだとお聞きしますし、だいぶ離れたこの地域でもタイアップ商品が何種類も店頭に並んでいます。(どのくらい売れてるかはわかりませんが)新聞の投書などでも、放送開始から日が経つにつれて人気が高まっている様子が読み取れます。
私もご当地ドラマということ、そして主役の井上真央が好きだという理由で、第1回からずっと(途中一度だけ見逃しましたが)観てきました。本当はもう少し早くこの記事を書こうと思っていたのですが、人気上昇中と聞いて何だか書きづらくなってきましてね。
正直、私にはこのドラマ、どこがいいのかわかりません。全くつまらない。
そもそも全体を若尾文子の回想にしたところが意味不明。彼女の説明過剰なナレーションが、どれだけドラマをぶち壊してきたかと思います。普通に見ていれば子供にもわかるような状況や主人公の気持ちを、いちいち「◎■△×…だと、思 っ た わ」なんて言葉にしてもらわなくても結構です。
話が戦後になって少しナレーションが引っ込んだ(きっと苦情があったのでしょう)と思ったら、今度は家族のだらだらした会話でまあ引っ張ること!一つの場面に5分も7分もかけて、その場の登場人物すべての発言を順繰りに引き出し、話はほとんど進まない。最近は、もう毎回家族会議状態です。いくら何でも、このテンポの遅さにはついていけません。
セットやロケ地の季節感の欠如。特に安曇野の冬の寒さが画面から全く感じられない。木々の葉っぱはいつも青々としているし、家の窓は開け放ってある。蕎麦屋「丸庵」の店内や客の様子なんかまったく現代的で、これが戦後わずか数年の様子にはとても見えません。相手役高良健吾の大根ぶりも、相当なものですよ。
そんなに悪口を言うくらいなら、見なけりゃいいようなものですが…井上真央の可愛さに負けて、ついつい見てしまいます。彼女が酔っ払って逆プロポーズの告白をする場面、これだけは実に良かったなあ。この回のみ録画を保存してあります。
白基調のタイトルバックもいいですね。ただ土曜日だけ平原綾香のボーカルが入るのですが、平日のインストルメンタル版とキイがあさってほど違うのは、いかがなものでしょうか。
朝ドラなんてどうせこんなもの?いや、そんなことないでしょう。毎日毎日笑わせ、泣かせてくれた空前絶後の傑作「ちりとてちん」は記憶に新しいですし「ふたりっ子」も面白かった。ひねりや伏線がなければ連続ドラマでないとまでは言いませんが、もう少しきちんと作って欲しいなあ。
そうは言っても信州の貴重な観光資源となったドラマですし、いずれにせよここまで続けて観てきたのですから、結局最後まで文句をいいつつ妻と二人で観るだろうとは思います。蕎麦畑や清流など絵葉書としては綺麗に撮れていますから、たぶん観光客の皆様の期待を裏切ることはないでしょう。