野口京子さん日々雑記
20100526
この時期、さまざまな団体の総会が毎日のように続きます。昨日は伊那法人会の総会。理事ということになってまして、これがお役目ですのでフル参加です。
で、総会に先立って一般公開の講演会が行われました。講師は野口京子さん(旧姓石田)。女子バレーボールで、ロスアンジェルス五輪の銅メダリストです。この方の講演が、とても、とても良かった。
あんまり有名な方ではありません(失礼)。同じ頃活躍した選手には、江上由美、三屋裕子、中田久美ら。この人たちなら知ってますよ。でも石田京子さん…?記憶にない…
元スポーツ選手の講演はしばしばありますが、正直なところ、私にはつまらないことが多いです。自慢話と、少しの裏話と、シンプルな根性論、といったところでしょう。でも、この方は違うと思いました。
殴られ続けた学生時代。ずっと補欠の選手生活。華やかなスター選手の影に隠れ、人間扱いされない日々。周りの才能ある仲間たちがどんどん辞めていく中から、どうやって光明を見出して、五輪選手になりコートに立つのか。補欠の悲しみを乗り越えて、あきらめず、なおも明るさを失わずにいる人間性が、とても魅力的だと思いました。
選手を引退してからも、結婚して飯山の民宿に嫁入りし、家業と農業を手伝い、一念発起して信州大学の社会人枠に入学し、家事育児をしながら片道3時間かけて通学し、大学院まで修了して今では長野大学の准教授に。学校へ行ったから凄いんじゃないんです。まさに不屈のバイタリティー、「草魂」を目の前に見る思いがしました。
持ってきた銅メダルを会場の聴衆全員に回して触らせてくれました。冬季五輪のメダルはその時ごとにデザインが異なりますが、夏のメダルは毎回ずっと同じデザインだそうです。小ぶりで、ちょっと重くて、色はあせていましたが、輝いて見えました。
野口さん、これからのますますのご活躍を祈っています。