「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

口蹄疫しごと

20100518



猛威止まらぬ口蹄疫。いよいよ貴重な種牛にまで感染し、全国の牛の生産にも影響が出そうだということです。いくつか思うところがあります。


1) 初動の遅れ
これは指摘されても仕方がない。しかし、某知事らが国の責任を大声で叫ぶのは、ちょっと違うんじゃないかと思います。と思っていたら、実は3月に口蹄疫を疑われる牛の発生があったのに、宮崎県の担当者が診察しながら見逃していた、という報道がありました。いずれにせよ犯人探しより他に、しなくてはいけない事があるでしょう。

前回2000年の口蹄疫発生を最小の被害で上手に封じ込めた、という成功例が、今回の初動の遅れにつながったのかもしれませんね。感染力は前回とは段違い、というか本来口蹄疫というのは、これ位恐ろしいものだ、と考えたほうが良さそう。


2) 7万頭の処理
生きていれば呼吸するたびにウイルスを撒き散らしてしまう感染牛豚、かわいそうですが、殺処分はやむを得ないのでしょう。しかしこれだけの死体を埋める場所探しは、畜産農家の責任だけでできる筈がありません。

まさに政府、地方行政、業界、すべての力を振り絞って、大至急解決しなければならない。しかし死体を遠距離に輸送すれば、さらにウイルス拡散のリスクが高まるとなれば、まさに八方ふさがりか。

処理に相当のお金がかかるでしょうが、科学的な意味をほとんど持たないのに「消費者の安心のため」漫然と続けられているBSE全頭検査にかかっている何百億円?を流用したらいいのに、と思います。

それと、こういう大規模感染をカバーする畜産業者向けの保険ってのは、ないんですかね?鳥インフルエンザの時も大規模な殺処分が行われましたが、どうだったんだろう。


3) 風評被害
これは本当に困ります。今までも何度となく、無責任なマスコミや事なかれの販売関係者(と、善良なる消費者)のために、当事者にとってはきわめて深刻な風評被害が起こっています。今回「宮崎牛は使っていません」という表示をした業者が指導を受けて撤回したそうですが、当然です。

もし口蹄疫に感染した牛豚の肉を食べても、乳を飲んでも、人に健康被害をもたらすような影響はありません。これだけは、よろしくお願いします!


4) その他あれこれ
・現在7万頭が処分されていますが、そもそも日本には何頭の牛がいると思いますか?…答、農水省の統計によると、442万頭。ちなみにイギリスで2001年に口蹄疫が大流行した時は、400万頭が処分されたそうです(資料によって数がまちまちですが)。

・宮崎県で生まれた子牛が松阪や佐賀や長野県にも送られて成育し、それぞれ各地のブランド名で売られているのだそうですね。初めて知った、という方も多いのでは。昔、松阪牛の元は但馬牛だ、と聞いたような気がするのですが。

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