「おいしいことなど徒然と」

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夏、松本の音楽祭音楽ばなし

20240812

我が国の音楽界での一大イベントとして名高き「セイジ・オザワ松本フェスティバル」。縁あってチケットをお譲りいただいて、何年振りかで出かけてきました。


92年に始まった音楽祭。近場での開催にもかかわらずチケットの入手が面倒だったりして、私はこれまでよほど興味深いプログラムの時しか行っておらず、4度目です。


今回の曲目は、新進女性指揮者沖澤のどか指揮によるメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」抜粋、R・シュトラウス「ドン・ファン」「四つの最後の歌」というやや変則的なプログラム。何が変則かというと、通常だとメインに置かれる交響曲など規模の大きな曲がなく、歌曲でコンサートが締めくくられたことです。


特に印象的だったのは「ドン・ファン」。今回の3曲では最も編成が大きく、名人揃いと名高い弦楽器が分厚く鳴り渡るさまはまことに圧巻で、このオケならではの響きを堪能しました。管楽器のソロも良かったな。


「四つの最後の歌」は老境のシュトラウスが書いた珠玉の作品で、20世紀歌曲の中の最高傑作ともいわれます。南アフリカ出身のソプラノ、エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーはこのしみじみとした歌を、時に情熱的に時に抑制的に歌い上げ、なかなか聴かせました。この方とっても背が高く、指揮者の沖澤さんは小柄で彼女の肩までくらいしかありません。


4曲目「夕映えの中で」は老夫婦がこれまで共に歩いてきた人生を振り返ります。遠からず人生を閉じるであろう諦念と共に、互いの愛情を穏やかに確かめ合う歌です。この歌を心から味わう心境にはまだ至っておりませんが、素晴らしい歌唱に少なからず心を動かされました。


アンコールはありませんでしたが(この曲のあとでアンコールという雰囲気にはなりますまい)皆がステージからはけた後、再び出演者全員が登場しカーテンコールを受けるという珍しい形でコンサートは終わりました。今年は小澤征爾の追悼の意味合いで関心を集めましたが、カリスマ亡きあとこの音楽祭がどうなっていくのか、注目だと思います。

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