海の藻屑となる日々雑記
20230625
3650メートルの海底に眠るタイタニック号を見に行こうとした潜水艇タイタンの遭難。まるでタイタニックの犠牲者1500人に引き寄せられたかのよう。物語の続きを見せられているみたいです。
乗船していた富豪や冒険家たち。3500万円のツァー料金を払い「死んでも文句は言わない」と念書まで書かされたあげくに、おそらく予想もしなかったであろう最期を遂げることになってしまいました。
事故調査で潜水艇の構造や点検の瑕疵が問題になるでしょう。今回のような事故にあたって、念書の存在が主催者を完全に免責するとは思えません。今後このような深海ツァーに参加する人もあまりいないでしょうし、代表を失った主催者は苦しい立場になるでしょうね。
深海は私たちの想像以上に未知の世界だといいます。レーダーも視界もロクに効かない中、手探り状態で深く潜ることは相当な危険との隣り合わせでしょう。結果的に今回は役に立たなかったでしょうが、せめて自分の位置を知らせる発信機くらいついていなかったのかな。
潜水艇が連絡を絶ってから、残存酸素との戦いにともなうタイムリミットが世界中の関心事だったのですが、結果的には圧壊により一瞬で船ごと潰れてしまったわけです。乗客乗員は自分が死ぬことを認識する暇もなかったかもしれない。真っ暗な中で何十時間も窒息の恐怖と苦しみ、絶望を味わったのちに亡くなることを思えば、はるかにマシだったと言わざるをえません。閉所に弱い私には、それ以上ひどい状況は考えられない。到底耐えられないでしょう。
ちょうど映画タイタニックがTVで前後編放映中です。私がこの映画の大ファンで、劇場でつごう7回も観たことは以前(2012.4)書きました。今回はパラパラ見流しただけですが、タイタニックの沈没が多くの人々を引き付ける物語に満ちていることは確かですね。実物をこの目で見たいという気持ちもわかります。命の安全さえ保証されれば、ですが。