バッハ・コレギウム/メサイア音楽ばなし
20101227
遠く遠く軽井沢でのコンサート。。
バッハ・コレギウム・ジャパン公演 ヘンデル「メサイア」全曲
指揮 鈴木雅明
独唱 A.アンデミカエル(S)ほか
軽井沢大賀ホール
毎年聖夜のメサイア公演を行っているこの団体。わが国を代表する古楽のスペシャリストたちによるメサイアを、ぜひ聴いてみたいと以前から思っていました。この日は聖なる歌声が満員の会場に染み渡り、素晴しいコンサートとなりました。
この大曲、伊那で過去何回か行われた公演に、副指揮として関わってきました。曲を深く知れば知るほど魅せられています。メサイア(救世主)はキリストの誕生、受難、復活の物語を聖書のことばによって綴ったオラトリオ。演奏時間2時間半を要します。
やや早めのテンポ、ほぼすべてアタッカ(曲と曲の間をあけずに続けて演奏する)で進められました。清澄でゆたかな表現力を持った18人のコーラスが、この日の白眉かな。ソリストたちはいずれも堂々と歌い上げました。
小編成のオーケストラは、弦のきりりと締まった響きが素晴しかった。チェンバロ、チェロも雄弁でした。トランペットとティンパニは、今一つだったでしょうか。(名手S先生、あんな処で落ちては…)
古楽の大権威者&大スターとなった感がある鈴木雅明氏。長時間にわたる曲を最後まで隙なく鮮やかに振りました。私も過去に練習とはいえ何度か振っていますので、表現や細かいところでいろいろと示唆を受けました。ああ、いつかはこの曲の本番を指揮してみたい!
アンコールに演奏された鈴木優人「いけるものすべて」でも、澄み切ったア・カペラの合唱を聴かせてくれました。ラテン語の讃美歌かと思ったらいつの間にか歌詞が日本語になっており…いや、最初から日本語だったのかな?不思議。曲の最後のハーモニー、崩れそうで崩れないギリギリのところを、渡り切りました。
演奏者はクリスマスカラーということでしょう、いずれも黒服に、様々な赤のワンポイントを着けての登場。男性はネクタイまたはポケットチーフ、女性はリボンだったりブローチだったりコサージュだったりで、なかなかお洒落でした。