新大関、御嶽海日々雑記
20220126
大相撲初場所でみごと三度目の優勝を飾った御嶽海が、大関昇進を果たしました。ずいぶん待ちましたぞ!優勝翌日の信濃毎日新聞、めくっていくと両面全てを使った巨大な写真が出てきて度肝を抜かれました。信州の相撲ファン皆が待ち望んでいた朗報でした。
鳴り物入りで角界入りしてから目を見張るようなスピード出世を果たし三役に定着、優勝も二度を数えいつ大関に昇進してもおかしくなかったのに、後輩たちに次々と先を越されておりました。稽古不足を毎場所指摘され、また連敗癖や格下の相手にあっさり負けたりと、スタミナやメンタルに問題あり、と何度言われたでしょうか。
初場所前には場所後の大関昇進なんて誰もが想像していなかったのに(伊勢ケ浜審判部長は『全勝優勝でもすればあるかも』みたいな話をしていました)すっかり場所の空気を自分のものにしてチャンスを手繰り寄せました。立ちはだかるはずだった横綱照ノ富士の怪我や大関陣の休場・不振もありましたが。
今場所の御嶽海は何だかいつもと顔つきが違う、と思いませんでしたか。これまでは割合にポーカーフェイスの人だと印象を持っていたのですが、立ち合い前の仕切りでも非常に厳しい表情を見せているように感じました。今朝の新聞には、意識して表情を作っていたのだと。やっぱりそうなんだな、闘争心は顔に出る。2枚目、千秋楽横綱戦での表情をご覧ください。
本人は現代っ子(死語)でサービス精神も持ち合わせているし、受け答えなどを見ても頭の良い人なんだと思います。勝負後、土俵の外に出た相手力士に手を差し伸べる場面も多く、心のやさしさも伝わってきます。その彼が、勝負に本気になった結果です。
長野県からは伝説の名力士、雷電為右衛門以来227年ぶりの大関だと話題になっていますが、あまりに昔のことで実感のしようもありません。だいたいその頃「長野県」などというものはないですし。御嶽海の持ち味を生かした大関像を作り上げてほしいと思います。昇進してもパッとしない大関が残念ながら最近多いですが、安定感に厳しさが加わった相撲を忘れずにさらに上を目指し、私たちファンを喜ばせてほしいですね。
ところでインタビューに答える御嶽海の笑顔を見て思いつきました。この人は「ゆりやんレトリィバァ」に何となく似ています。